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JP2001272788A - 下層膜溶液材料及びこの下層膜溶液材料を用いたパターン形成方法 - Google Patents

下層膜溶液材料及びこの下層膜溶液材料を用いたパターン形成方法

Info

Publication number
JP2001272788A
JP2001272788A JP2000085109A JP2000085109A JP2001272788A JP 2001272788 A JP2001272788 A JP 2001272788A JP 2000085109 A JP2000085109 A JP 2000085109A JP 2000085109 A JP2000085109 A JP 2000085109A JP 2001272788 A JP2001272788 A JP 2001272788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
pattern
resist
processed
solution material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000085109A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Sato
康彦 佐藤
Kiyonobu Onishi
廉伸 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000085109A priority Critical patent/JP2001272788A/ja
Publication of JP2001272788A publication Critical patent/JP2001272788A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング耐性および帯電防止効果を有し、
かつ塗布法で成膜が可能な下層膜溶液材料、及びこの下
層膜溶液材料を用いたパターン形成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 1分子当たりの炭素含有量が85wt%
以上の有機化合物および金属化合物からなる群から選ば
れた少なくとも1種と、界面活性剤とを含むことを特徴
とする下層膜溶液材料。この下層膜溶液材料を被加工膜
上に塗布して下層膜を形成する工程と、前記下層膜上に
レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対して
パターン露光を行って、レジストパターンを形成する工
程とを具備することを特徴とするパターン形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板表面上
におけるパターン形成に必要な溶液材料及びこの溶液材
料を用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造方法においては、シリ
コンウェハー上に被加工膜として複数の物質膜を堆積
し、所望のパターンにパターニングする工程を多く含ん
でいる。被加工膜のパターニングに当たっては、まず、
一般にレジストと呼ばれる感光性物質を被加工膜上に堆
積してレジスト膜を形成し、このレジスト膜の所定の領
域に露光を施す。
【0003】次いで、レジスト膜の露光部または未露光
部を現像処理により除去して、レジストパターンを形成
し、更に、このレジストパターンをエッチングマスクと
して被加工膜をドライエッチングする。
【0004】このパターニング工程では、レジスト膜に
電子ビーム露光を行う際、或いは被加工膜をドライエッ
チングする際に、ウェハー表面に電荷が蓄積し、露光位
置がずれたり、ウェハー上に形成された薄膜がダメージ
を受けるといった電荷の蓄積による問題が発生する。こ
の問題を解決するために、レジスト膜の下に導電性下層
膜を形成する方法が用いられている。
【0005】さらに、露光工程では、LSIの微細化に
伴い、露光量裕度、フォーカス裕度などの露光プロセス
裕度が不足してきている。これらのプロセスマージンを
補うには、レジストの膜厚を薄くして、解像性を向上す
ることが有効であるが、一方で被加工膜のエッチングに
必要なレジスト膜厚を確保できなくなってしまうという
問題が生じる。
【0006】この問題を解決するために、被加工膜上
に、エッチング耐性を有する下層膜を形成し、レジスト
パターンのパターン形状を一旦下層膜に転写して、下層
膜パターンを形成した後、下層膜パターンをエッチング
マスクとして被加工膜を加工する多層プロセスが用いら
れている。
【0007】以上のことから、下層膜としては、エッチ
ング耐性を有するとともに、導電性を有するものが求め
られている。また、下層膜としては、スループット向上
のために、塗布法で成膜可能である材料が求められてい
る。
【0008】しかしながら、塗布型の導電性下層膜材料
として開示されているスルフォン化ポリアニリンなどの
有機材料は、炭素含有量が低く、エッチング耐性を有す
るものではなかった。炭素含有量を増加させると、エッ
チング耐性は向上するが、溶媒に対する溶解性が乏し
く、良好な膜質の塗膜を得ることが困難となる。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、以上の
事情に鑑みてなされ、エッチング耐性および帯電防止効
果を有し、かつ塗布法で成膜が可能な下層膜溶液材料、
及びこの下層膜溶液材料を用いたパターン形成方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、下層膜溶液材料として、エッチング耐性
を有する化合物を界面活性剤を用いて分散させた溶液を
用いることを骨子としている。エッチング耐性を有する
化合物を界面活性剤を用いて溶媒中に分散させることで
良好な膜質を有し、かつエッチング耐性を有する下層膜
を得ることができる。また、界面活性剤が帯電防止効果
を有するため、帯電防止膜としても有効に作用する。
【0011】即ち、本発明は、1分子当たりの炭素含有
量が85wt%以上の有機化合物および金属化合物から
なる群から選ばれた少なくとも1種と、界面活性剤とを
含むことを特徴とする、被加工膜の加工のためのマスク
として用いる下層膜を形成するための下層膜溶液材料を
提供する。
【0012】界面活性剤としては、イオン性界面活性剤
および両性界面活性剤からなる群から選ばれた少なくと
も1種を用いることが出来る。
【0013】また、本発明は、上述の下層膜溶液材料を
塗布して下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジ
スト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対してパタ
ーン露光を行って、レジストパターンを形成する工程と
を具備することを特徴とするパターン形成方法を提供す
る。
【0014】更に、本発明は、上述の下層膜溶液材料を
塗布して下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジ
スト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対してパタ
ーン露光を行って、レジストパターンを形成する工程
と、前記レジストパターンを前記下層膜に転写して、下
層膜パターンを得る工程と、前記下層膜パターンを前記
被加工膜に転写して、被加工膜パターンを得る工程とを
具備することを特徴とするパターン形成方法。
【0015】以上のように構成される本発明の下層膜溶
液材料によると、導電性を有するとともに、被加工膜の
加工の際のエッチング耐性を有する下層膜を、塗布法に
より、優れた平坦性をもって形成することが出来る。
【0016】この下層膜溶液材料を用いて形成された下
層膜をマスクとして用いることにより、被加工膜を、高
い選択比で、異方性よく、加工することが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。図1および図2は、本発
明の一実施形態に係るパターン形成方法を工程順に示す
断面図である。
【0018】まず、図1(a)に示すように、ウェハー
基板1上に形成された被加工膜2上に下層膜3を形成す
る。被加工膜2としては、特に限定されることはない
が、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸窒化
シリコン膜、或はスピンオングラス、マスクの製造の際
に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁膜、アモ
ルファスシリコン、ポリシリコン、シリコン基板などの
シリコン系材料、アルミニウム、アルミニウムシリサイ
ド、カッパー、タングステンなどの配線材料などを挙げ
ることができる。なお、図では、ウェハー基板1は、表
面に素子分離用酸化膜1aおよびゲート酸化膜1bが形
成されているものが示されている。
【0019】下層膜3の膜厚は、20〜5000nmの
範囲にあることが好ましい。その理由は、膜厚が20n
m未満では、被加工膜2のエッチングの途中で下層膜3
が削れてなくなってしまい、被加工膜2を所望の寸法で
加工することが困難になり、5000nmより厚いと、
レジストパターンをドライエッチング法で下層膜3にパ
ターン転写する際に、寸法変換差が発生し易いためであ
る。
【0020】下層膜3の形成方法は、塗布法である必要
がある。その理由は、CVD法と比べると、塗布法は、
プロセスが簡易でプロセスコストを抑えることができる
からである。
【0021】ここで、塗布法による下層膜3の形成方法
について詳述する。まず、エッチング耐性を有する化合
物及び界面活性剤を溶媒に溶解して、下層膜溶液材料を
調製する。
【0022】エッチング耐性を有する化合物の配合量
は、下層膜溶液材料中の固形分を100重量部とする
と、好ましくは30〜99.9重量部、より好ましくは
50〜99重量部の範囲である。30重量部未満では、
充分なエッチング耐性が得られず、99.9重量部を超
えると、塗布性が劣化する傾向となる。
【0023】界面活性剤の配合量は、下層膜溶液材料中
の固形分を100重量部とすると、好ましくは0.1〜
70重量部、より好ましくは1〜50重量部の範囲であ
る。0.1重量部未満では塗布性が劣化し、70重量部
を超えると、エッチング耐性が劣化する傾向となる。
【0024】エッチング耐性を有する化合物としては、
金属化合物、1分子当たりの炭素含有量が85wt%以
上の有機化合物などを挙げることができる。金属化合物
としては、アルミニウム、タングステン、チタンなどの
金属、或いは、これら金属の酸化物を挙げることができ
る。更に、これら金属に有機基が修飾したもの、或いは
金属の酸化物に有機基が修飾したものを用いても良い。
【0025】有機化合物の分子量は、特に限定されるこ
とはないが、200〜200,000が好ましい。その
理由は、分子量が200未満では、レジストの溶剤に下
層膜が溶解してしまい、一方、2 00,000を越え
ると、溶剤に溶解しにくく、溶液材料を作成しにくくな
るためである。
【0026】界面活性剤の種類としては、イオン性界面
活性剤、両性界面活性剤が、帯電防止の観点から好まし
い。イオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸
誘導体、リン酸誘導体、カルボン酸、ポリエステル誘導
体、スルフォン酸、リン化合物などのアニオン性界面活
性剤、アミン、第四アンモニウム塩、アクリル酸エステ
ル誘導体、アクリル酸アミド誘導体、ビニルエーテル誘
導体、ビニル窒素誘導体、ポリアミン樹脂、カチオン性
樹脂、アミン酸化エチレン付加体などのカチオン性界面
活性剤を挙げることができる。両性界面活性剤として
は、例えばカルボン酸系、或はスルフォン酸系を挙げる
ことができる。
【0027】これら界面活性剤の分子量は、特に限定さ
れることはないが、50〜200,000が好ましい。
その理由は、分子量が50未満では、十分な耐熱性が得
られず、一方、200,000を超えると、溶剤に溶解
しにくく、溶液材料を調製しにくくなるためである。
【0028】界面活性剤は、一種類に限ることなく、数
種類の化合物を混合してもよい。また、必要に応じて貯
蔵安定性をはかるために、熱重合防止剤、被加工膜への
密着性を向上させるための密着性向上剤、被加工膜から
レジスト膜中へ反射する光を防ぐために紫外光を吸収す
る染料、ポリサルフォン、ポリベンズイミダゾールなど
の紫外光を吸収するポリマー、導電性物質、光、熱で導
電性が生じる物質、或いは金属化合物を架橋させ得る架
橋剤を添加してもよい。
【0029】溶剤は、特に限定されることはないが、例
えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセ
ロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソ
ルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系
溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパニール等の
アルコール系溶剤、その他アニソール、トルエン、キシ
レン、ナフサ、水などを挙げることができる。
【0030】以上の方法で下層膜溶液材料を調製し、被
加工膜上に、例えばスピンコーティング法などで塗布し
た後、加熱して溶剤を気化することにより、下層膜を形
成する。
【0031】以上のようにして、溶媒に溶解しにくいエ
ッチング耐性を有する化合物でも、界面活性剤を用いる
ことにより、溶媒中に容易に分散させることが可能であ
り、その結果、良好な膜質を有する下層膜3を形成する
ことが出来る。
【0032】次に、下層膜3上にレジストパターンを形
成する。まず、図1(b)に示すように、下層膜3上に
中間膜4を形成する。中間膜4の膜厚は、10〜100
0nmの範囲にあることが好ましく、10nm未満では
下層膜のエッチング途中で中間膜が削れてなくなり、1
000nmを超えると、中間膜を加工しにくくなる。
【0033】中間膜4の材料としては、無機元素を含む
材料であれば、特に限定されることはないが、例えば、
酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、或は酸
化タングステンなどを挙げることができる。
【0034】その後、図1(c)に示すように、中間膜
4上にレジスト溶液を塗布して、加熱処理を行い、レジ
スト膜5を形成する。レジスト膜5の膜厚を薄くすれ
ば、それだけ、露光時の露光量裕度、フォーカス裕度、
或は解像度を向上させることができる。
【0035】そのため、レジスト膜の膜厚は、中間膜4
を寸法制御性よくエッチングできる膜厚であれば、薄い
方がよく、10〜10,000nmの範囲が好ましい。
レジストの種類は、特に限定されることはなく、目的に
応じて、ポジ型またはネガ型を選択して使用することが
できる。
【0036】具体的には、ポジ型レジストとしては、例
えば、ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂とからな
るレジスト(IX−770、日本合成ゴム社製)、t−
BOCで保護したポリビニルフェノール樹脂と酸発生剤
とからなる化学増幅型レジスト(APEX−E、シップ
レー社製)などが挙げられる。
【0037】また、ネガ型のレジストとしては、例え
ば、ポリビニルフェノールとメラミン樹脂および光酸発
生剤からなる化学増幅型レジスト(SNR200、シッ
プレー社製)、ポリビニルフェノールとビスアジド化合
物とからなるレジスト(RD−2000N、日立化成社
製)などが挙げられるが、これらに限定されることはな
い。
【0038】これらのレジスト溶液を、中間膜4上に、
例えばスピンコーティング法、ディップ法などで塗布し
た後、加熱して溶媒を気化させることでレジスト膜5を
作成する。
【0039】露光光源については、特に限定されること
はなく、例えば紫外光、X線、電子ビーム、イオンビー
ムなどが挙げられる。紫外光としては水銀灯のg線(4
36nm)、i線(365nm)、或はXeF(波長=
351nm)、XeCl(波長=308nm)、KrF
(波長=248nm)、KrCl(波長=222n
m)、ArF(波長=193nm)、F2(波長=15
1nm)等のエキシマレーザーを挙げることができる。
【0040】そして、図1(d)に示すように、TMA
H、コリンなどのアルカリ現像液で現像処理を行い、レ
ジストパターン6を形成する。荷電ビームを用いてパタ
ーン露光を行った場合、本発明における下層膜3は、帯
電防止効果を有するため、露光位置がずれることなく、
レジストパターン6を形成することができる。これは、
おそらく、下層膜3中に含まれる界面活性剤の存在によ
り、イオン導電性を示しているためと考えられる。
【0041】次に、図2(e)に示すように、ドライエ
ッチング法を用いて、レジストパターン6を中間膜4に
転写して、中間膜パターン7を得る。続いて、図2
(f)に示すように、ドライエッチング法を用いて、中
間膜パターン7を下層膜3に転写して、下層膜パターン
8を得る。
【0042】エッチング方式としては、例えば、反応性
イオンエッチング、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング、電子ビームイオンエッチング、ICPエッチン
グ、またはECRイオンエッチングなど、微細加工可能
なものであれば、特に限定されることはないが、ソース
ガスには下層膜を異方性良く加工するために、酸素系ガ
ス、或は塩素系ガスを用いることが好ましい。必要に応
じて、N2 、Ar、SO 2 、CO、CO2 、H2 などの
ガスを添加してもよい。
【0043】次に、図2(g)に示すように、ドライエ
ッチング法を用いて下層膜パターン8を被加工膜2に転
写して、被加工膜パターン9を形成する。エッチング方
式としては、例えば、反応性イオンエッチング、マグネ
トロン型反応性イオンエッチング、電子ビームイオンエ
ッチング、ICPエッチング、またはECRイオンエッ
チングなど、微細加工可能なものであれば、特に限定さ
れることはない。
【0044】本発明によって得られた下層膜は、高いエ
ッチング耐性を有しているため、異方性良く被加工膜を
加工することができる。また、下層膜が帯電防止作用を
有しているため、エッチング中のプラズマ内に発生した
電荷のウェハー表面への蓄積を防ぐことができ、基板ダ
メージを抑制することができる。
【0045】上述の実施形態では、下層膜3上に一旦、
中間膜4を形成して、レジストパターン6を形成した場
合について説明したが、下層膜上にレジストパターンが
形成されていれば、本発明の範囲内で、下層膜上に直接
レジストパターンを形成してもよく、レジストパターン
と下層膜との間に反射防止膜、ミキシング防止膜などの
薄膜を形成してもよい。
【0046】この場合、レジストパターンの形成方法
は、上述の実施形態と同様の方法を用いることが出来る
が、レジストパターンを下層膜に転写する際にレジスト
パターンのエッチング耐性を高めるため、レジストはシ
リコンなどの無機元素を含むものを用いることが好まし
い。
【0047】また、下層膜の加工は、酸素系ガスをソー
スガスとして用いたドライエッチング法で行うことが好
ましく、レジストパターンが不揮発性酸化物に改質し、
エッチレートが低下するため、レジストパターンの後退
を小さく抑えることができ、寸法制御性良く下層膜を加
工することが可能になる。その際、ソースガスには、必
要に応じて、N2 、Ar、SO2 、CO、CO2 、H2
などのガスを添加してもよい。エッチング方式について
は、上述の実施形態と同様に、特に限定されることはな
い。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を示し、本発
明についてより具体的に説明する。 [実施例1]本実施例では、ゲート電極層を被加工膜と
して用い、被加工膜パターンを得る場合について説明す
る。
【0049】シリコン基板1上に、膜厚300nmの素
子分離用絶縁膜としてSiO2 膜1a、及び膜厚8nm
のゲート酸化膜としてSiO2 膜1bを形成し、これら
の上にゲート電極層として膜厚200nmのリンドープ
多結晶シリコン膜2を形成した。
【0050】次いで、これらの膜上に、以下の(S1)
〜(S9)の方法で、それぞれ膜厚500nmの下層膜
3を形成した(図1(a))。
【0051】(S1):有機化合物としてフラーレン
(1分子当たりの炭素含有量100wt%)9gと、下
記式[1]により表わされるイオン性界面活性剤1gを
シクロヘキサノン90gに溶解して調製した下層膜溶液
材料を、被加工膜上にスピンコーティング法で塗布した
後、ホットプレートを用いて200℃で120秒間ベー
キングを行なった。
【0052】(S2):(S1)において、下層膜溶液
材料として、有機化合物としてフラーレン(1分子当た
りの炭素含有量100wt%)9gと、下記式[2]に
より表わされる両性界面活性剤1gをシクロヘキサノン
90gに溶解したものを用いた。
【0053】(S3):(S1)において、下層膜溶液
材料として、有機化合物として平均重量分子量12,0
00のポリ(p−フェニレン(1分子当たりの炭素含有
量94.7wt%)の9gと、下記式[3]により表わ
されるイオン性界面活性剤1gをシクロヘキサノン90
gに溶解したものを用いた。
【0054】(S4):(S1)において、下層膜溶液
材料として、有機化合物としてフラーレン分子の3wt
%の炭素をフッ素で置換した分子(1分子当たりの炭素
含有量95.3wt%)9gと、下記式[3]により表
わされるイオン性界面活性剤1gをシクロヘキサノン9
0gに溶解したものを用いた。
【0055】(S5):(S1)において、下層膜溶液
材料として、有機化合物としてフラーレン分子の6wt
%の炭素をフッ素で置換した分子(1分子当たりの炭素
含有量90.8wt%)9gと、下記式[3]により表
わされるイオン性界面活性剤1gをシクロヘキサノン9
0gに溶解したものを用いた。
【0056】(S6):(S1)において、下層膜溶液
材料として、有機化合物としてフラーレン分子の9wt
%の炭素をフッ素で置換した分子(1分子当たりの炭素
含有量86.5wt%)9gと、下記式[3]により表
わされるイオン性界面活性剤1gをシクロヘキサノン9
0gに溶解したものを用いた。
【0057】(S7):(S1)において、有機化合物
としてフラーレン分子の11wt%の炭素をフッ素で置
換した分子(1分子当たりの炭素含有量83.6wt
%)99gと、下記式[3]により表わされるイオン性
界面活性剤1gをシクロヘキサノン90gに溶解した下
層膜溶液材料を用いた。
【0058】(S8):(S1)において、金属酸化物
として下記式[4]により表わされる平均重量分子量
8,000の酸化チタン9gと、下記式[1]により表
わされるイオン性界面活性剤1gをシクロヘキサノン9
0gに溶解した下層膜溶液材料を用いた。
【0059】(S9):(S1)において、金属酸化物
として下記式[4]により表わされる平均重量分子量
8,000の酸化チタン9gと下記式[2]により表わ
される両性界面活性剤1gをシクロヘキサノン90gに
溶解した下層膜溶液材料を用いた。
【0060】ベーキング後に得られた塗膜の平坦度を、
原子力間顕微鏡で測定したところ、測定誤差範囲の1n
m以下であり、平坦な塗膜が得られた。なお、これらの
膜のシート抵抗を測定した結果を下記表1に示す。
【0061】下記表1から、何れの膜のシート抵抗も1
×10Ω/□以下であり、帯電防止に必要な値が得ら
れていることがわかる。また、塗膜の凹凸を原子力間顕
微鏡で測定した結果を下記表1に示す。下記表1から、
膜表面の凹凸は、測定誤差の1nm以下であり、良好な
膜質の塗膜を得ることができた。
【0062】次に、各下層膜3上に、下記式[5]によ
り表わされるポリシロキサン1gをイソプロピルアルコ
ール9gに溶解して得た溶液をスピンコーティング法で
塗布した後、ホットプレートを用いて200℃で120
秒間ベーキングして、膜厚70nmの中間膜4を形成し
た(図1(b))。中間膜4のシート抵抗は、5.3×
1014Ω/□であり、絶縁体である。
【0063】その後、抑止剤樹脂として、水酸基の50
%をターシャリブトキシカルボニル基で保護した平均重
量分子量12,000のポリビニルフェノール9.9
g、酸発生剤としてスルフォンイミド0.1gを乳酸エ
チル90gに溶解して作成したレジストの溶液材料をス
ピンコーティング法により中間膜4上に塗布した後、ホ
ットプレートを用いて、120℃で90秒間のプリベー
クを行って、膜厚150nmのレジスト膜5を形成した
(図1(c))。
【0064】レジスト膜5のシート抵抗は、2.3×1
15Ω/□であり、絶縁体である。更に、レジスト膜5
に対してKrFエキシマレーザーを露光量10mJ/c
2で照射して、パターン露光を行った。続いて、ホッ
トプレートを用いて120℃で90秒間のポストエクス
ポージャーベークを行い、0.21規定のTMAH現像
液を用いて60秒間の現像処理を行い、幅0.15μm
のゲートパターン6を形成した(図1(d))。
【0065】次に、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング装置を用いて、ソースガスとして、流量10/20
/200sccmのCF4 /O2 /Arを用い、真空度
75mT、基板温度25℃、励起電力密度1.0W/c
2 の条件で、レジストパターン6を中間膜4に転写し
て、中間膜パターン7を形成した(図2(e))。
【0066】次いで、マグネトロン型反応性イオンエッ
チング装置を用いて、ソースガスとして、流量10/2
0sccmのO2 /SO2 を用い、真空度25mT、基
板温度25℃、励起電力密度1.0W/cm2 の条件
で、中間膜パターン7を下層膜3に転写して、下層膜パ
ターン8を形成した(図2(f))。
【0067】そして、マグネトロン型反応性イオンエッ
チング装置を用いて、流量200sccmのHBr、真
空度20mT、基板温度25℃、励起電力密度1.5W
/cm2 の条件で、下層膜パターン8をゲート電極層2
に転写して、ゲート電極9を形成した(図1(g))。
【0068】以上のようにして形成したゲート電極9の
テーパー角を調べた結果を下記表1に示す。下記表1か
ら、何れの下層膜3を用いた場合も、テーパー角は87
°以上と許容値であり、異方性良くゲート電極層2を加
工することができた。ゲート電極層2のエッチング時の
下層膜3のエッチレートを測定した結果を下記表1に示
す。
【0069】なお、この時のゲート電極層2のエッチレ
ートは、280nm/分である。下層膜3のエッチレー
トは、ポリシリコンのレートより充分遅く、異方性良く
被加工膜を加工することができたのは、下層膜3が充分
高いエッチング耐性を有しているためと考えられる。
【0070】更に、ウェハー面内でゲート酸化膜1bの
絶縁破壊電界強度分布を評価した。そのウェハー面内の
平均値を下記表1に示す。下記表1から、絶縁破壊電界
強度分布は何れも10MV/cm2 程度であり、ゲート
酸化はダメージを受けていないことが確認できた。その
理由は、次のように考えることができる。
【0071】即ち、ゲート電極層2は、導電膜をエッチ
ングマスクとして加工がなされている。従って、エッチ
ングの際に荷電粒子の照射があっても、マスクに電荷が
蓄積されることは殆どなく、マスクの帯電を防止するこ
とができる。ここで、マスクが導電性であることから、
マスクに流入した電荷は多結晶シリコン膜を介してアー
ス等に逃げる。
【0072】また、多結晶シリコンが完全にエッチング
された場合、電荷の逃げ道がなくなるが、多結晶シリコ
ン膜が完全に分離されるまで電荷は逃げているので、マ
スクに蓄積される電荷は極めて少ない。このため、マス
クに蓄積された電荷によるマスクと基板との間に電界が
かかることなく、ゲート酸化膜の特性劣化が起こらなか
ったものと考えられる。
【0073】[比較例1]本比較例は、有機化合物とし
て1分子当たりの炭素含有量が85wt%以上の化合物
を、界面活性剤を添加することなく溶媒に混合して、下
層膜の溶液材料を調製した場合、および金属酸化物を、
界面活性剤を添加することなく溶媒に混合して、下層膜
の溶液材料を調製した場合について説明する。
【0074】まず、以下の(R1)〜(R3)の方法で
被加工膜上に下層膜を形成した。
【0075】(R1):実施例1の(S1)において、
界面活性剤を添加せずに溶液材料を調製し、下層膜を形
成した。
【0076】(R2):実施例1の(S3)において、
界面活性剤を添加せずに溶液材料を調製し、下層膜を形
成した。
【0077】(R3):実施例1の(S9)において、
界面活性剤を添加せずに溶液材料を調製し、下層膜を形
成した。
【0078】溶液を観察したところ、有機化合物、或い
は金属酸化物は溶媒に完全に溶けず、溶液に白濁が見ら
れた。(R1)〜(R3)の凹凸は、許容値の1nm以
上であり、平坦な塗膜を得ることができなかった。これ
は、有機化合物、或いは金属酸化物が溶媒に完全に溶解
しなかったためと考えられる。
【0079】炭素含有量が高い有機化合物、或いは金属
酸化物は、一般に溶媒に溶解しにくく、平坦な塗膜を得
ることが困難であるが、実施例の(S1)、(S3)及
び(S9)では平坦な塗膜が得られていることから、溶
媒に溶けにくい化合物を界面活性剤で分散させることに
よって、溶媒に溶解しにくく、炭素含有量が高い化合物
でも、平坦な塗膜を得ることができることが分かる。
【0080】さらに、下層膜のシート抵抗を測定した結
果を下記表1に示す。下記表1から、(R1)では有機
化合物として導電性化合物を用いたため、界面活性剤を
添加しなかった場合の(S1)と比較して、シート抵抗
はほとんど変化がない。しかし、(R2)、(R3)
は、界面活性剤を添加しなかった場合の(S3)、(S
9)と比べてシート抵抗は5桁高く、絶縁性を帯びてい
る。これは、(S3)、(S9)が界面活性剤の添加に
よりイオン導電性を帯びているためと思われる。
【0081】[比較例2]本比較例は、有機化合物とし
て、1分子当たりの炭素含有量が85wt%未満の化合
物を用いた場合について説明する。
【0082】まず、以下の(R4)〜(R6)の方法で
被加工膜上に下層膜を形成した。
【0083】(R4):(S1)において、有機化合物
として、平均重量分子量8,000のメタクレゾールノ
ボラック(1分子当たりの炭素含有量82.8wt%)
10gを乳酸エチル90gに溶解した下層膜溶液材料を
用いた。
【0084】(R5):(S1)において、有機化合物
として、フラーレン分子の20%の炭素(1分子当たり
の炭素含有量79.5wt%)をフッ素で置換した分子
9gとイオン性界面活性剤1gをシクロヘキサノン90
gに溶解した下層膜溶液材料を用いた。
【0085】(R6):(S1)において、有機化合物
として、下記式[5]により表わされる平均重量分子量
12,000のスルフォン基修飾ポリアニリン8g、架
橋剤としてレゾール樹脂2gを乳酸エチル90gに溶解
した下層膜溶液材料を用いた。
【0086】何れの化合物も溶媒に溶解し、ベーキング
後に形成された下層膜の平坦度を原子力間顕微鏡で測定
したところ、測定誤差範囲の1nm以下の平坦な塗膜が
得られた。
【0087】更に、実施例1と同様にしてレジストパタ
ーンを形成し、ゲート電極パターンを加工した。ゲート
電極パターンのテーパー角を測定した結果を下記表1に
示す。下記表1から、何れの場合も許容範囲外の87°
未満であり、異方性良く被加工膜を加工することができ
なかった。
【0088】ゲート電極層エッチング時の下層膜のエッ
チレートを測定した結果を下記表1に示す。下記表1に
おいて、実施例1で検討したマスク材と比べて速く、充
分な異方性が得られなかったのは、下層膜のエッチング
耐性がなかったためと考えられる。
【0089】実施例1の1分子当たりの炭素含有量とテ
ーパー角及びエッチレートの関係を図2に示す。図2か
ら明らかなように、炭素含有量が低下するほどエッチレ
ートが上昇し、異方性が低下しており、概ね1分子当た
りの炭素含有量が85wt%以上が有効と考えられる。
【0090】
【化1】
【0091】
【表1】
【0092】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の下層膜
溶液材料によると、導電性を有するとともに、被加工膜
の加工の際のエッチング耐性を有する下層膜を、塗布法
により、優れた平坦性をもって形成することが出来る。
【0093】また、このような下層膜溶液材料を用いて
形成された下層膜をマスクとして用いることにより、被
加工膜を、高い選択比で、異方性よく、加工することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパターン形成プロセ
スを工程順に示す断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係るパターン形成プロセ
スを工程順に示す断面図。
【図3】1分子当たりの炭素含有量とエッチレートの関
係を示す特性図。
【符号の説明】 1…シリコン基板 1a…素子分離用絶縁膜 1b…ゲート絶縁膜 2…ゲート電極層 3…下層膜 4…中間膜 5…レジスト膜 6…レジストパターン 7…中間膜パターン 8…下層膜パターン 9…ゲート電極
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA09 AA19 AB16 AC06 AD01 AD03 CC04 CC10 CC20 DA13 DA14 DA38 DA40 FA10 FA41 5F046 HA07 NA01 NA07 NA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子当たりの炭素含有量が85wt%以
    上の有機化合物および金属化合物からなる群から選ばれ
    た少なくとも1種と、界面活性剤とを含むことを特徴と
    する、被加工膜の加工のためのマスクとして用いる下層
    膜を形成するための下層膜溶液材料。
  2. 【請求項2】前記界面活性剤がイオン性界面活性剤およ
    び両性界面活性剤からなる群から選ばれた少なくとも1
    種であることを特徴とする請求項1に記載の下層膜溶液
    材料。
  3. 【請求項3】被加工膜上に請求項1に記載の下層膜溶液
    材料を塗布して下層膜を形成する工程と、 前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜に対してパターン露光を行って、レジス
    トパターンを形成する工程とを具備することを特徴とす
    るパターン形成方法。
  4. 【請求項4】被加工膜上に請求項1に記載の下層膜溶液
    材料を塗布して下層膜を形成する工程と、 前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜に対してパターン露光を行って、レジス
    トパターンを形成する工程と、 前記レジストパターンを前記下層膜に転写して、下層膜
    パターンを得る工程と、 前記下層膜パターンを前記被加工膜に転写して、被加工
    膜パターンを得る工程とを具備することを特徴とするパ
    ターン形成方法。
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