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JP2001183935A - 定着用ローラ - Google Patents

定着用ローラ

Info

Publication number
JP2001183935A
JP2001183935A JP36995299A JP36995299A JP2001183935A JP 2001183935 A JP2001183935 A JP 2001183935A JP 36995299 A JP36995299 A JP 36995299A JP 36995299 A JP36995299 A JP 36995299A JP 2001183935 A JP2001183935 A JP 2001183935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
top layer
glass particles
primer layer
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36995299A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Nakano
浩幸 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Kogyo Co Ltd filed Critical Nitto Kogyo Co Ltd
Priority to JP36995299A priority Critical patent/JP2001183935A/ja
Priority to US09/748,012 priority patent/US6935994B2/en
Publication of JP2001183935A publication Critical patent/JP2001183935A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
    • G03G15/2057Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating relating to the chemical composition of the heat element and layers thereof

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Abstract

(57)【要約】 【目的】離型性及び耐傷性を同時に満足することの出来
る定着用ローラを提供することである。 【構成】芯金16と、この芯金16の外周に塗布された
プライマー層18と、このプライマー層18の外周に塗
布されたフッ素樹脂製のトップ層20とを具備し、プラ
イマー層18及びトップ層20の少なくとも一方には、
ガラス粒子24が混入されていることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等において、シート上の未定着トナー
を溶融圧着し、該シートに定着させるために使用される
定着装置に用いられる定着用ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置用の定着装置としては、従
前より、発熱源を内蔵した加熱ローラと、これに所定圧
力で圧接する加圧ローラの2本のローラを基本的に備え
た所謂2本ローラ方式が採用されており、多種多用の特
許が出願されていると共に、広く実用に供されている。
【0003】この定着装置に用いられる加熱ローラの従
来構造としては、一般的に、芯金と、これの外周面に塗
布されたプライマー層と、このプライマー層を介して接
着された樹脂層を備えた、所謂2層構造のものが知られ
ている。そして、この樹脂層の材料として、従来におい
ては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を備え
たものが採用されている。このPTFE製の樹脂層は硬
く、通紙に伴うシートや分離爪等のローラへの接触物に
よる塗膜の摩滅度合いで表される耐傷性に優れており、
寿命(耐久性)の観点からは好ましいものである。
【0004】しかしながら、一方で、このPTFEを備
えた樹脂層の場合には、離型性が劣る、即ち、未定着ト
ナーがローラ外周面に付着して引き続くシートの表面に
再付着して画像不具合を起こさせる欠点が指摘されてい
る。このため、従前より、樹脂層の材料として、パーフ
ルオロアルコキシ(PFA)樹脂を備えたものが開発さ
れ、実用に供されている。このPFA製の樹脂層を備え
た加熱ローラにおいては、確かに、離型性は向上され、
画像不具合は解消されるものの、反対に、耐傷性が劣る
(耐久性が劣化する)こととなる問題点が発生すること
になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の加
熱ローラ等の定着用ローラにおいては、離型性を重視す
れば耐傷性が悪くなり、耐傷性を重視すれば離型性が悪
くなると言う状況にあり、両者を一挙に解決する材料は
現時点で見つかっていない。
【0006】このため、PFA樹脂とPTFEを混合す
ることも考えられるが、両者の融点が異なるため、両者
の長所を完全に引き出すことの出来るような条件設定が
難しく、実用に供されているものの、尚解決しなければ
ならない問題点が多々あるのが現状である。
【0007】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この発明の主たる目的は、離型性及び耐傷性を
同時に満足することの出来る定着用ローラを提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、この発明に係わる定着装置は、請
求項1の記載によれば、芯金と、この芯金の外周に塗布
されたプライマー層と、このプライマー層の外周に塗布
されたフッ素樹脂製のトップ層とを具備し、前記プライ
マー層及びトップ層の少なくとも一方には、ガラス粒子
が混入されていることを特徴としている。
【0009】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項2の記載によれば、前記プライマー層にのみガラ
ス粒子が混入されていることを特徴としている。
【0010】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項3の記載によれば、前記トップ層にのみガラス粒
子が混入されていることを特徴としている。
【0011】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項4の記載によれば、前記プライマー層及びトップ
層の両方に、前記ガラス粒子が混入されていることを特
徴としている。
【0012】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項5の記載によれば、前記トップ層内のガラス粒子
の混入割合は、重量比で1%以上に設定されていること
を特徴としている。
【0013】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項6の記載によれば、前記トップ層は、パーフルオ
ロアルコキシ(PFA)樹脂を含むことを特徴としてい
る。
【0014】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項7の記載によれば、前記プライマー層及びトップ
層の合計の層厚は、最大で30μmに設定されているこ
とを特徴としている。
【0015】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項8の記載によれば、前記トップ層の外周面に塗布
されたフッ素樹脂製のオーバートップ層を更に具備する
ことを特徴としている。
【0016】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項9の記載によれば、前記オーバートップ層には、
ガラス粒子が混入されていないことを特徴としている。
【0017】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項10の記載によれば、前記オーバートップ層は、
パーフルオロアルコキシ(PFA)樹脂を含むことを特
徴としている。
【0018】また、この発明に係わる定着用ローラは、
請求項11の記載によれば、前記プライマー層、トップ
層及びオーバートップ層の合計の層厚は、最大で30μ
mに設定されていることを特徴としている。
【0019】
【発明を実施する形態】以下に、この発明に係わる定着
用ローラの一実施例の構成及びその製造方法を、添付図
面の図1及び図2を参照して以下に詳細に説明する。
【0020】{定着装置10の概略説明}先ず、図1に
示すように、この一実施例の定着用ローラが備えられる
定着装置10を説明する。この定着装置10は、図示し
ない電子式画像形成装置、例えば、電子プリンタのフレ
ームに固定される定着ハウジング(図示せず)を備え、
この定着ハウジング内に、この実施例における定着用ロ
ーラとしての加熱ローラ12と、この加熱ローラ12に
所定の圧接力で圧接する、加圧ローラ14とを備えて構
成されている。
【0021】ここで、この加熱ローラ12は、図2に取
り出して示すように、アルミニウム製の芯金16と、こ
の芯金16の外周に塗布されたプライマー層18と、こ
のプライマー層18の外周に塗布され、プライマー層1
8を介して芯金16の外周に接着されたフッ素樹脂製の
トップ層20(表層)とを備えて構成されている。ま
た、この加熱ローラ12は、図示していないが駆動手段
により所定の回転速度で回転駆動されると共に、発熱源
としてのハロゲンランプ22を内蔵している。尚、この
実施例においては、加熱ローラ12の外径寸法は、直径
30mmに設定されている。
【0022】尚、トップ層20は、フッ素樹脂材料とし
てパーフルオロアルコキシ樹脂(四フッ化エチレン・パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体:以下、単
にPFAと呼ぶ。)から構成されている。
【0023】一方、上述した加圧ローラ14は、詳細は
図示していないが、表面がニッケルメッキされた鉄製の
芯金と、この芯金の外周にプライマーを介して接着され
た円筒状の弾性層と、この弾性層の外周面に被覆された
フッ素樹脂層から形成され所定厚さを有する離型層とを
備えて構成されている。尚、この実施例においては、加
圧ローラ14の外径寸法は、直径30mmに設定されて
いる。
【0024】ここで、上述した加熱ローラ12の芯金1
6の外周における塗膜構造においては、この発明の特徴
を構成する点であるが、トップ層20がプライマー層1
8を介して、芯金16の外周面に接着される構造、換言
すれば、プライマー層18とトップ層20の2層構造が
採用されており、これらプライマー層18及びトップ層
20の少なくとも一方には、ガラス粒子24が混入され
ている。
【0025】以下に、トップ層20にのみガラス粒子2
4が混入された場合における第1の実施例、プライマー
層18にのみガラス粒子24が混入された場合における
第2の実施例、プライマー層18及びトップ層20の両
方にガラス粒子24が混入された場合における第3の実
施例を、順次説明するが、その前に、加熱ローラ12の
製造方法は、第1乃至第3の実施例を通じて共通である
ので、先ず、この製造方法について説明する。
【0026】加熱ローラ12の製造方法としては、先
ず、芯金16の外周面を、洗浄を含む表面処理を施し、
この後、プライマーを塗布する。尚、第2及び第3の実
施例においては、原料となるプライマー溶液に所定重量
比でガラス粒子24を混入し、均一に分散させる。そし
て、塗布されたプライマーを80℃〜100℃の温度で
20分〜30分程度に渡り強制乾燥させる。これによ
り、芯金16の外周面に、プライマー層18が形成され
る。
【0027】この後、プライマー層18の外周に、PF
A樹脂を塗布する。尚、第1及び第3の実施例において
は、原料となるPFA樹脂溶液に所定重量比でガラス粒
子24を混入し、均一に分散させる。この後、塗布した
PFAを80℃〜100℃の温度で20分〜30分程度
に渡り強制乾燥する。これにより、プライマー層18の
外周面に、トップ層20が形成される。
【0028】そして最後に、加熱ローラ12全体を、3
60℃〜400℃の温度で30分〜40分程度に渡り焼
成する。この焼成工程を経ることにより、加熱ローラ1
2が最終的に完成することになる。
【0029】一方、PFA製のトップ層20の成膜方法
としては、上述した塗布によることに限定されることな
く、例えば、PFA製の熱収縮チューブを被覆すること
によることも可能である。
【0030】次に、第1乃至第3の実施例を、順次説明
する。 {第1の実施例の説明}この第1の実施例においては、
図3に示すように、ガラス粒子24はトップ層20にの
み混入され、プライマー層18には混入されていない。
ここで、この第1の実施例においては、プライマー層1
8の材料として、三井デュポンフロロケミカル社製の型
番MP−910BKのプライマーを用い、層厚が10±
5μmとなるように塗布した。また、トップ層20の材
料として、三井デュポンフロロケミカル社製の型番51
0CLのPFAエナメルを用い、層厚が10±5μmと
なるように塗布した。即ち、この第1の実施例において
は、プライマー層18及びトップ層20を合わせた塗膜
全体の層厚とすると、最大で30μmとなる。
【0031】更に、トップ層20に混入されるガラス粒
子24としては、小粒径のものが用いられ、重量比で3
%の割合で混入した。尚、小粒径のガラス粒子24と
は、図6に四角形の黒ドット(■)で示す粒度分布を有
するもので、以下の表1に示す性状を有している。
【0032】
【表1】
【0033】{第2の実施例の説明}この第2の実施例
においては、図4に示すように、ガラス粒子24はプラ
イマー層18にのみ混入され、トップ層20には混入さ
れていない。ここで、この第2の実施例においては、プ
ライマー層18の材料として、上述の第1の実施例にお
ける材料と同一のものを採用し、層厚が10±5μmと
なるように塗布した。また、トップ層20の材料として
も、上述の第1の実施例における材料と同一のものを採
用し、層厚が10±5μmとなるように塗布した。即
ち、この第2の実施例においては、プライマー層18及
びトップ層20を合わせた塗膜全体の層厚とすると、最
大で30μmとなる。
【0034】更に、プライマー層18に混入されるガラ
ス粒子24としては、標準粒径のものが用いられ、重量
比で30%の割合で混入した。尚、標準粒径のガラス粒
子24とは、図6に菱形の黒ドット(◆)で示す粒度分
布を有するもので、以下の表2に示す性状を有してい
る。
【0035】
【表2】
【0036】{第3の実施例の説明}この第3の実施例
においては、図5に示すように、ガラス粒子24はプラ
イマー層18及びトップ層20に夫々混入されている。
ここで、この第3の実施例においては、プライマー層1
8の材料として、上述の第1及び第2の実施例における
材料と同一のものを採用し、層厚が10±5μmとなる
ように塗布した。また、トップ層20の材料としても、
上述の第1及び第2の実施例における材料と同一のもの
を採用し、層厚が10±5μmとなるように塗布した。
即ち、この第3の実施例においては、プライマー層18
及びトップ層20を合わせた塗膜全体の層厚とすると、
最大で30μmとなる。
【0037】更に、プライマー層18に混入されるガラ
ス粒子24としては、上述した第2の実施例と同様に標
準粒径のものが用いられ、重量比で30%の割合で混入
した。また、トップ層20に混入されるガラス粒子24
としては、同様に小粒径のものが用いられ、重量比で3
%の割合で混入した。
【0038】次に、上述した第1乃至第3の実施例と共
に、従来技術の欄において説明した従来構成の加熱ロー
ラを作成し、順次、第1乃至第3の従来例とした。尚、
これら第1乃至第3の従来例における加熱ローラの構成
は、上述した第1乃至第3の実施例の場合と全く同様と
した。
【0039】{第1の従来例の説明}この第1の従来例
の加熱ローラにおいては、プライマー層の材料として、
三井デュポンフロロケミカル社製の型番MP−902B
Nのプライマーを用い、層厚が10±5μmとなるよう
に塗布した。また、トップ層の材料として、グンゼ社製
の熱収縮性PFAチューブ(型番:SMT)を用いた。
これらプライマー層及びトップ層の何れにも、ガラス粒
子は混入されていない。
【0040】{第2の従来例の説明}この第2の従来例
の加熱ローラにおいては、プライマー層の材料として、
ダイキン工業社製の型番EK−1908GYのプライマ
ーを用い、層厚が10±5μmとなるように塗布した。
また、トップ層の材料として、ダイキン工業社製の型番
EK−4800CRのPTFE樹脂を用い、層厚が10
±5μmとなるように塗布した。これらプライマー層及
びトップ層の何れにも、ガラス粒子は混入されていな
い。
【0041】{第3の従来例の説明}この第3の従来例
の加熱ローラにおいては、プライマー層の材料として、
デュポン社製の型番855−300のプライマーを用
い、層厚が10±5μmとなるように塗布した。また、
トップ層の材料として、デュポン社製の型番855−4
03のPTFE樹脂/PFAの混合物を用い、層厚が1
0±5μmとなるように塗布した。これらプライマー層
及びトップ層の何れにも、ガラス粒子は混入されていな
い。
【0042】以上のように構成された第1乃至第3の実
施例及び第1乃至第3の従来例の加熱ローラにおける耐
久性能を検証した。以下に、耐久性能の検証試験を説明
するが、ここに言う耐久性能とは、離型性及び耐傷性の
両方を指すものとする。そして、離型性及び耐傷性の両
方が良好以上の評価である場合に、耐久性能が良好であ
ると判断し、いずれか一方が良好である場合や、何れも
良好でない評価である場合には、耐久性能が不良である
と判断した。
【0043】ここで、離型性については、詳細は後述す
るが、通紙動作に伴う離型性の低下を、オフセット現象
や塗膜表面の汚れ具合で判断した。尚、以下に説明する
離型性の評価において、「○」は良好な状態であること
を示し、「×」は悪い状態であることを示し、「△」は
「×」ほどではないものの、やや悪い状態であることを
示すものとする。
【0044】また、耐傷性については、詳細は後述する
が、通紙動作に伴う分離爪等の接触物による塗膜の摩滅
度合いで判断した。尚、以下に説明する耐傷性の評価に
おいて、「○」は良好な状態であることを示し、「×」
は不良な状態であることを示すものとする。また、
「△」は通紙枚数が100kを越えて不良な状態である
と判断されたことを示すものとする。
【0045】{離型性の検証試験の説明}この離型性の
検証試験では、試験機としてDiALTA D350
(ミノルタ社製、1分間当たり35枚処理可能機)を用
いた。
【0046】試験方法としては、この試験機を用いて、 (1)先ず、A4のコミネ紙を横通紙状態で、濃度を手
動中央に設定し、黒ベタ及び白ベタを各1枚ずつサンプ
ル取りする「スタートサンプル取り」を実行する; (2)第1のチャート紙を用いて、濃度を自動に設定し
た状態で、2000枚(2k枚)を一気に両面プリント
する第1の連続通紙を実行する; (3)第2のチャート紙を用いて、濃度を自動に設定し
た状態で、500枚(0.5k枚)を一気に両面プリン
トする第2の連続通紙を実行する; (4)合計で2500枚の通紙によるプリント動作を実
施した後、A4のコミネ紙を横通紙状態で、濃度を手動
中央に設定し、黒ベタ及び白ベタを各1枚ずつサンプル
取りして、これらサンプル取りしたコミネ紙の裏面に、
累積頁数や通紙方向を記入する; (5)新たな通紙用紙で上記(2)乃至(4)を繰り返
し実施する;の手順で、検証試験を行った。
【0047】以上のようにして行った検証試験におい
て、工程(4)で取った黒ベタ画像の光沢ムラ、分離爪
に起因する凹みによる画像不良、分離爪やサーミスタが
接触する部分のトナーすり抜け現象が起こった場合に、
黒ベタ画像の不良が発生したと判断し、また、工程
(4)で取った白ベタ画像のオフセット現象が起こった
場合に、白ベタ画像の不良が発生したと判断した。そし
て、このような5000枚(即ち、2500枚の両面プ
リント=5k)枚毎に行われる工程(4)におけるサン
プル取りにおいて、黒ベタ画像の不良または白ベタ画像
のいずれかで不良が発生したと判断された場合に、5k
毎のチェックにおいて離型性が不良であると判断した。
【0048】そして、このように5k毎のチェックにお
いて、2回連続して不良が発生した場合に、耐久性能と
しての離型性が不良であると最終的に判断し、この時点
で、検証試験を中断させ、この終了時点での通紙枚数を
記録した。
【0049】尚、不良が全く発生しない場合や、仮に発
生しても5k毎のチェックで連続して不良が発生しない
場合には、300kまで通紙した。
【0050】{耐傷性の検証試験の説明}そして、この
離型性に関する検証試験が終了した時点、または、不良
が出て検証試験が途中で中断した時点で、耐傷性の検証
試験を実施した。この耐傷性の検証試験では、分離爪が
接触する塗膜の部位の凹み量を測定し、7μm以下の場
合に、良好「○」と判定し、7μmより深い場合に、不
良「×」と判定した。
【0051】この凹み量測定試験では、測定器としてサ
ーフコム575A(東京精密社製の表面形状測定器)を
用い、測定距離を5.0mm、CutOffを0.8m
m、測定速度を0.3mm/sec、V−MAGを×2
000、H−MAGを×20として測定した。
【0052】{耐久性能の評価の説明}この凹み量の測
定結果に基づく評価結果と共に、上述した離型性の測定
結果に基づく評価結果を、以下の表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】この表3から明らかなように、第1の従来
例では、トップ層がPFA製であるので、離型性は良好
であるが、耐傷性が不良であり、第2の従来例では、ト
ップ層がPTFE製であるので耐傷性が良好であるが、
離型性が不良であり、第3の従来例では、トップ層がP
FA及びPTFEの混合体から形成されているので、耐
傷性は良好であるが、離型性がやや悪く、総合的に見
て、耐久性能が良好であると判断できるものはなかっ
た。
【0055】一方、上述の実施例では、プライマー層1
8及びトップ層20の少なくとも何れか一方にガラス粒
子24が混入されており、離型性及び耐傷性の両方で良
好であり、結果として、耐久性能が良好であると判断す
ることができた。換言すれば、トップ層20をPFAか
ら形成する状態において、プライマー層18及びトップ
層20の少なくとも何れか一方にガラス粒子24を混入
することにより、離型性及び耐傷性の両方を同時に満足
することができることが判明した。
【0056】{ガラス粒子の混入の割合の適正範囲の検
証の説明}ここで、上述したように離型性は、トップ層
20の材料としてPFAを採用することにより良好とな
るものであり、PFAのままでは耐傷性が担保されない
ことから、プライマー層18及びトップ層20の少なく
とも何れか一方にガラス粒子24を混入させることによ
り、PFAのままでは担保されない耐傷性を良好に維持
する事ができるものである。この観点から、以下に、耐
傷性との関連においてガラス粒子の混入の割合の適正範
囲を検証する。
【0057】先ず、上述した第1の実施例と同様の塗膜
構成において、トップ層20に混入されるガラス粒子2
4の混入割合を、重量%で、0.5%、1.0%、2.
0%、3.0%の4種類を用意し、順次、第1の実施例
、同、同、同とした。
【0058】また、上述した第2の実施例と同様の塗膜
構成において、プライマー層18に混入されるガラス粒
子24の混入割合を、重量%で30%のものを第2の実
施例とした。
【0059】更に、上述した第3の実施例と同様の塗膜
構成において、プライマー層18に混入されるガラス粒
子24の混入割合を、重量%で、30%とした上で、ト
ップ層20に混入されるガラス粒子24の混入割合を、
重量%で、0.5%、1.0%、2.0%、3.0%、
5.0%、7.0%の6種類を用意し、順次、第3の実
施例、同、同、同、同、同とした。
【0060】また、比較例として、プライマー層及びト
ップ層の何れにもガラス粒子を混入させない加熱ローラ
を作成した。この比較例の加熱ローラにおいては、プラ
イマー層の材料として、三井デュポンフロロケミカル社
製の型番MP−910BKのプライマーを用い、層厚が
10±5μmとなるように塗布した。また、トップ層の
材料として、三井デュポンフロロケミカル社製の型番5
10CLのPFAエナメルを用い、層厚が10±5μm
となるように塗布した。尚、この比較例の製造方法は、
上述した製造方法と同様であるので、ここでの説明を省
略する。
【0061】ここで、この検証試験は、上述した耐久性
能の検証試験の場合に実機試験したことと相違し、シュ
ミレータ試験機でのシュミレータ試験とした。具体的に
は、離型性の検証試験で用いたDiALTA D350
の定着部を取り出して用いた空回し試験で、トップ層2
0のこれに分離爪が接触する部分の凹み量を測定した。
【0062】尚、分離爪26は、図7に示すように、全
部で3本用意し、加熱ローラ12の軸線方向に沿って左
端部、中央部、右端部に夫々配設した。これら3本の分
離爪26には、図示していないが、実機と同様な状態で
バネ圧をかけた状態で、加熱ローラ12のトップ層20
に接触させた。また、各分離爪26は、各加熱ローラを
試験するごとに、新品に交換した。また、試験時の加熱
ローラ温度は、200±5℃に設定し、通紙速度は18
0mm/secに設定し、試験時間を20時間連続とし
た。
【0063】以上のようにして検証試験を各ローラ毎に
実施し、試験終了時点における各分離爪26の当接部の
凹み量を測定した。この凹み量の測定に際しては、上述
した耐傷性の検証試験で行ったと同様な測定器を用い、
同様な測定条件で測定した。この測定結果を、以下の表
4に示す。また、この表4に基づき、測定した凹み量を
図8にヒストグラムとして示した。
【0064】
【表4】
【0065】尚、この表4の測定結果において、凹み量
が2μm以下である場合に、非常に良好「◎」であると
判定し、凹み量が2〜10μmである場合に、非常に良
好「◎」ほどではないが良好「○」であると判定し、凹
み量が10μm以上である場合に、不良「×」であると
判定した。なぜなら、この実施例においては、トップ層
20の層厚を、10±5μmと設定しているため、凹み
量が10μm以上となる場合とは、基本的に、トップ層
20が削られて、プライマー層18が露出する状態とな
るためである。凹み量の判定結果を含めた評価結果を、
以下の表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】これらの表4、表5及び図8から明白なよ
うに、プライマー層及びトップ層の何れにもガラス粒子
が混入されていない比較例で示される測定結果が10μ
m以上で不良「×」となっていることを除き、第1乃至
第3の実施例で示される結果は、全て、10μm以下と
なっており、基本的に、良好「○」と判断することが出
来る。
【0068】特に、トップ層20にのみガラス粒子24
を混入させる第1の実施例の場合には、の0.5%の
混入の場合にのみ、2.0μm近辺となり、良好「○」
との判定がなされる以外は、乃至の全てにおいて、
極めて良好「◎」と判断することが出来る。
【0069】また、プライマー層18にのみガラス粒子
を混入させる第2の実施例の場合には、良好「○」と判
断され、プライマー層18及びトップ層20の何れにも
ガラス粒子24を混入させる第3の実施例の場合には、
の0.5%の混入の場合を除き、乃至の全てにお
いて、極めて良好「◎」と判断することが出来る。
【0070】このことから、加熱ローラ12の最外層を
構成するトップ層20に混入されるガラス粒子24の割
合は、重量%で、1.0%以上が最適する事が判明し
た。
【0071】また、この結果から、トップ層20にガラ
ス粒子24が混入されていようがいまいが、トップ層2
0が残っている場合には、プライマー層18にガラス粒
子24が如何なる重量%で混入されているか否かに拘わ
らず、耐傷性は担保されることになる。
【0072】更に、トップ層20が薄くなる状態におい
ては、プライマー層18にガラス粒子24が混入されて
いる方が、耐傷性に有効であることが判明した。
【0073】この発明は、上述した実施例の構成に限定
されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形可能であることはいうまでもない。
【0074】例えば、上述した実施例において、加熱ロ
ーラ12は、プライマー層18及びトップ層20からな
る2層構造を呈するように説明したが、この発明は、こ
のような構成に限定されることなく、例えば、図9に他
の実施例として示すように、トップ層20の外周に、フ
ッ素樹脂製のオーバートップ層28(最外層)を設けて
も良いものである。この場合、このオーバートップ層2
8は、トップ層20の外周面にフッ素樹脂を塗布するこ
とにより設けることが出来るものである。
【0075】尚、この図9に示す3層構造においては、
オーバートップ層28は、PFAからのみ構成され、ガ
ラス粒子24は混入されていない。また、プライマー層
18及びトップ層20は、上述した第3の実施例と同様
に構成されており、即ち、プライマー層18及びトップ
層20の両方に、ガラス粒子24が混入されている。ま
た、プライマー層18、トップ層20及びオーバートッ
プ層28を合わせた塗膜全体の層厚は、最大で30μm
となるように設定されている。
【0076】このように、加熱ローラ12をプライマー
層18、トップ層20、及び、オーバートップ層28の
3層構造に構成した状態において、上述した同様の耐久
性能の検証実験を実施した結果、上述した第3の実施例
と同様の結果を得られた。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、プライマー層及びトップ層の少なくとも何れか一方
にガラス粒子を混入させることにより、離型性及び耐傷
性を同時に満足することの出来る定着用ローラが提供さ
れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる定着用ローラが装着される定
着装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図2】図1に示す定着装置に備えられる定着用ローラ
としての加熱ローラを取り出して示す部分正面図であ
る。
【図3】図2に示す加熱ローラの第1の実施例に係わる
縦断面図である。
【図4】図2に示す加熱ローラの第2の実施例に係わる
縦断面図である。
【図5】図2に示す加熱ローラの第3の実施例に係わる
縦断面図である。
【図6】ガラス粒子の標準粒径及び小粒径の粒度分布を
示す線図である。
【図7】分離爪の配設状態を示す正面図である。
【図8】加熱ローラの表層の凹み量とガラス粒子の混入
割合との相関関係を示す図である。
【図9】この発明に係わる定着用ローラの他の実施例と
しての3層構造の加熱ローラの構成を概略的に示す縦断
面図である。
【符号の説明】
10 定着装置 12 加熱ローラ(定着用ローラ) 14 加圧ローラ 16 芯金 18 プライマー層 20 トップ層 22 ハロゲンランプ 24 ガラス粒子 26 分離爪 28 オーバートップ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 F16C 13/00 F16C 13/00 A Fターム(参考) 2H033 AA26 BA15 BB02 BB05 BB08 BB12 BB14 3J103 AA02 AA15 AA41 AA51 BA03 FA07 FA09 FA12 FA14 GA02 GA57 GA58 GA60 GA66 HA04 HA05 HA37 HA41 HA60 4J038 CD091 CD121 CE051 EA011 GA12 HA486 KA20 NA10 NA11 NA18 PA11 PB08 PC02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯金と、 この芯金の外周に塗布されたプライマー層と、 このプライマー層の外周に塗布されたフッ素樹脂製のト
    ップ層とを具備し、 前記プライマー層及びトップ層の少なくとも一方には、
    ガラス粒子が混入されていることを特徴とする定着用ロ
    ーラ。
  2. 【請求項2】前記プライマー層にのみガラス粒子が混入
    されていることを特徴とする請求項1に記載の定着用ロ
    ーラ。
  3. 【請求項3】前記トップ層にのみガラス粒子が混入され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の定着用ロー
    ラ。
  4. 【請求項4】前記プライマー層及びトップ層の両方に、
    前記ガラス粒子が混入されていることを特徴とする請求
    項1に記載の定着用ローラ。
  5. 【請求項5】前記トップ層内のガラス粒子の混入割合
    は、重量比で1%以上に設定されていることを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の定着用ローラ。
  6. 【請求項6】前記トップ層は、パーフルオロアルコキシ
    (PFA)樹脂を含むことを特徴とする請求項前記何れ
    か1項に記載の定着用ローラ。
  7. 【請求項7】前記プライマー層及びトップ層の合計の層
    厚は、最大で30μmに設定されていることを特徴とす
    る請求項前記何れか1項に記載の定着用ローラ。
  8. 【請求項8】前記トップ層の外周面に塗布されたフッ素
    樹脂製のオーバートップ層を更に具備することを特徴と
    する請求項4に記載の定着用ローラ。
  9. 【請求項9】前記オーバートップ層には、ガラス粒子が
    混入されていないことを特徴とする請求項8に記載の定
    着用ローラ。
  10. 【請求項10】前記オーバートップ層は、パーフルオロ
    アルコキシ(PFA)樹脂を含むことを特徴とする請求
    項8又は9に記載の定着用ローラ。
  11. 【請求項11】前記プライマー層、トップ層及びオーバ
    ートップ層の合計の層厚は、最大で30μmに設定され
    ていることを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項
    に記載の定着用ローラ。
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