JP2001181163A - ステイン除去用口腔用組成物 - Google Patents
ステイン除去用口腔用組成物Info
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Abstract
パーゼとデキストラナーゼ、β−グルコシダーゼ、β−
1,3−グルカナーゼ、ムタナーゼの1種又は2種以上
との混合物をステイン除去有効成分として含有すること
を特徴とするステイン除去用口腔用組成物。 【効果】 本発明の口腔用組成物は、歯面に付着したス
テイン、タバコのヤニ等による歯の汚れを効果的に除去
するものである。
Description
した歯の汚れ(ステイン)を除去するのに使用されるス
テイン除去用口腔用組成物に関する。
ン、タバコのヤニ等による歯の汚れは、主として歯磨な
どの口腔用組成物に配合された研磨剤の機械的作用によ
り除去されている。
ず、化学的作用により除去するものとしては、ピロリン
酸塩を配合した歯磨組成物(特開平10−182389
号公報)やスルホコハク酸系界面活性剤を配合した口腔
用組成物(特開平10−17443号公報)など多くの
提案がなされている。更に、酵素としてタンパク質分解
酵素であるパパインを配合した練り歯磨(特許第262
8666号公報)も提案されている。
理なブラッシングによる歯牙損傷が懸念されると共に、
ブラシの届かない部位での汚れの残存が問題となってい
た。一方、化学的な作用では歯牙損傷は生じないもの
の、口腔内粘膜に対する刺激性から使用感は不満足なも
のであり、パパインでは汚れを除去する効果が不十分で
あるという問題点が残されていた。
に付着したステインを除去する効果の高いステイン除去
用口腔用組成物を提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結
果、溶菌酵素、及びリパーゼとデキストラナーゼ、β−
グルコシダーゼ、β−1,3−グルカナーゼ又はムタナ
ーゼとの混合物が、歯面に付着した汚れ(ステイン)を
除去する効果が非常に高く、ステイン除去有効成分とし
て優れた効果を発揮することを知見し、本発明をなすに
至った。
/又は、(B)リパーゼとデキストラナーゼ、β−グル
コシダーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、ムタナーゼの
1種又は2種以上との混合物をステイン除去有効成分と
して含有することを特徴とするステイン除去用口腔用組
成物を提供する。
の口腔用組成物は、例えば歯磨類、洗口剤、マウスウォ
ッシュ、タブレット、ガムなどとして調製されるもの
で、溶菌酵素、及び/又は、リパーゼとデキストラナー
ゼ、β−グルコシダーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、
ムタナーゼの1種又は2種以上との混合物をステイン除
去有効成分として配合してなるものであり、歯面に付着
・沈着したステイン、タバコのヤニ等による歯の汚れを
除去するのに有用なものである。
/又は、リパーゼとデキストラナーゼ、β−グルコシダ
ーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、ムタナーゼの1種又
は2種以上を使用する。ここで、本発明において用いら
れる溶菌酵素、リパーゼ、デキストラナーゼ、β−グル
コシダーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、ムタナーゼ
は、いずれも加水分解酵素であり、細胞壁、脂質、糖を
分解する酵素である。これら多くの酵素で歯垢分解、歯
垢抑制効果あるいは細菌抑制効果が開示されている。ま
た、デキストラナーゼのように歯垢分解酵素として既に
製品として応用されている酵素もある。
が代謝により生成するグルカンと総称される多糖を主体
としていることが知られており、その細菌を抑制する目
的で溶菌酵素が提案されている。また、糖代謝酵素であ
るグルコシルトランスフェラーゼ(GTF)を阻害し
て、グルカン合成を抑制する目的で、植物抽出物などの
GTF阻害剤が多く提案されている。また、生成した多
糖であるデキストラン、ムタンなどを分解するためにデ
キストラナーゼやムタナーゼの応用特許が提案されてい
る。
は、一部には上記歯垢の関与も指摘されるが、主に唾液
タンパク質によって歯面に形成されたペリクルと呼ばれ
る薄膜が口腔内環境である唾液あるいは食物、飲料、タ
バコヤニなど外来性の物質により修飾を受けて歯面に固
く付着した着色性の汚れであり、歯垢が丁寧なブラッシ
ングで除去されるのに対して、ステインは強固であり、
ブラッシングのみでは除去することができない。よっ
て、歯垢とは異なるものであることが指摘される。
ステインを穏和な条件で除去可能であるならば、その意
義は大きいと考え、鋭意研究を行ったところ、溶菌酵
素、及び/又は、リパーゼとデキストラナーゼ、β−グ
ルコシダーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、ムタナーゼ
の1種又は2種以上との混合物を配合することによっ
て、ステイン除去に有用であることを見出したものであ
る。そのメカニズムの全容は明らかではないが、ステイ
ンは唾液タンパクに含まれるタンパク質及び粘弾性を示
す巨大糖タンパク質であるムチンなどに、紅茶やコーヒ
ーに含まれるタンニンをはじめとするタンパク結合性の
物質が作用して、疎水的な結合を生じさせ、更に酸化重
合を伴う着色によって、強固な汚れと変化していること
が推定される。そのために、タンパク質、糖、あるいは
脂質を加水分解する作用によってステインが部分的に分
解されて、除去されやすくなると考えられる。よって、
溶菌酵素のような複数の酵素機能を有する酵素が極めて
効果が高く、またリパーゼに糖分解酵素であるデキスト
ラナーゼ、β−グルコシダーゼ、β−1,3−グルカナ
ーゼ、ムタナーゼを組み合わせることによって高い効果
が得られるものと考えられる。
から開示されている(特開昭48−5992号公報)。
また、同じく溶菌活性を有するリゾチームが主に歯肉炎
や歯槽膿漏などの歯周疾患の予防を目的に検討されてい
る(特開昭52−54037号公報)。一方、リパーゼ
は洗剤用酵素として油汚れの除去を目的に応用化されて
いるが、口腔用ではカプセル化酵素の内容物(特開昭6
2−220191号公報)、あるいは洗口剤中での酵素
の一例として提示されている(特開平1−221310
号公報)ものの、有効成分としての具体的な役割は提示
されていない。糖分解酵素では、β−グルコシダーゼを
含有する口腔用組成物は提示されていないが、デキスト
ラナーゼ、ムタナーゼは、上述したように、歯垢分解に
関して数多くの提案があり、β−1,3−グルカナーゼ
は真菌溶解活性(特開昭59−71688号公報)、あ
るいは原因菌を除去することによる義歯洗浄用として口
腔用組成物(特開平4−316511号公報)が開示さ
れている。
せがステイン除去に顕著な効果を発揮するとの知見は、
従来ないものである。
くの微生物中に広く存在し、アクロモバクター属、トリ
コデルマ属、リゾクトニア属等由来の溶菌酵素が挙げら
れる。好ましい酵素としては、アクロモバクター属、リ
ゾクトニア属由来の溶菌酵素、例えば、製品名アクロモ
ペプチダーゼ(アクロモバクター属)やキタラーゼ(リ
ゾクトニア ソラニ由来)が挙げられるが、本発明にお
いてはその起源に関わりなく使用することができる。
物由来のものとしてはシュードモナス属、バシルス属由
来のものが挙げられる。好ましい酵素としては、豚膵臓
由来のリパーゼが挙げられる。デキストラナーゼは、ケ
トミウム属、ペニシリウム属、ストレプトマイセス属、
バチルス属由来のものなどが挙げられ、ケトミウム属の
デキストラナーゼが好適に使用される。β−グルコシダ
ーゼは、アーモンド、アスペルギルス属由来の酵素など
が挙げられ、アスペルギルス属由来の酵素が好適であ
る。β−1,3−グルカナーゼは、トリコデルマ属、ペ
ニシリウム属由来のものなどが知られており、トリコデ
ルマ属由来の酵素が好適に使用される。ムタナーゼは、
幅広い微生物に存在し、特にバチルス属由来のものが好
適である。
に制限されるものではなく、いずれの起源のものも使用
することができる。
への配合量としては、組成物の形態、処理時間、酵素剤
の力価にもよるが、通常は0.0005質量%(以下、
%と略す)以上、好ましくは0.005%以上配合する
のがよい。0.0005%未満では十分な効果が得られ
ない場合がある。また、1%を超えて配合すると呈味に
おいて使用感に劣るため、1%以下、特に0.5%以下
とすることが好ましい。なお、リパーゼとデキストラナ
ーゼ、β−グルコシダーゼ、β−1,3−グルカナー
ゼ、ムタナーゼとを組み合わせて用いる場合、その割合
は、質量比として前者/後者=0.01〜100、特に
0.1〜10とすることが好ましい。
外に、通常口腔用組成物に配合される各種成分、例えば
界面活性剤、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、甘味剤、防腐
剤、香料、各種有効成分などを混和し、常法に従って製
造することができる。
トリウムを合わせて用いることが更にステイン除去に有
用である。その場合の配合量は、組成物全体の0.01
〜7%が好適に配合される。0.01%未満では十分な
効果が期待できず、7%を超えると使用感、製剤に悪影
響を及ぼす懸念がある。
ル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が8〜18で
ある高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩、ラウリルモ
ノグリセライドスルフォン酸ナトリウム、ココナッツモ
ノグリセライドスルフォン酸ナトリウム等の脂肪酸基の
炭素数が10〜18である高級脂肪酸モノグリセライド
スルフォン酸の水溶性塩、オレフィンスルフォン酸塩、
パラフィンスルフォン酸塩、その他のアニオン活性剤、
ステアリルモノグリセライド、ショ糖モノ及びジラウレ
ート等の脂肪酸基の炭素数が12〜18であるショ糖脂
肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル、ラクチトー
ル脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ステ
アリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、エチレングリコール約60モルが付加したソルビタ
ンモノステアレート縮合物のエチレンオキサイドとプロ
ピレンオキサイドの重合物及びポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンモノラウリルエステル等の誘導体とい
ったノニオン活性剤、ベタイン型、アミノ酸型等の両性
活性剤などの界面活性剤が用いられる(配合量通常0.
01〜7%)。
カ、非晶質シリカ、その他のシリカ系研磨剤、アルミノ
シリケート、ジルコノシリケート、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不
溶性メタリン酸、酸化チタン、合成樹脂などが好適に使
用される。これら研磨剤は1種又は2種以上を配合し得
る(配合量通常3〜90%)。
のアルカリ金属アルギネート、アルギン酸プロピレング
リコールエステル、キサンタンガム、トラガカントガ
ム、カラヤガム、アラビヤガムなどのガム類、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシ
ビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成粘結
剤、ゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ、ビ
ーガム、ラポナイトなどの無機粘結剤等の1種又は2種
以上を配合し得る(配合量通常0.5〜10%)。
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、キ
シリット、マルチット、ラクチット等の1種又は2種以
上を配合し得る(配合量通常1〜50%)。
ム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコ
ン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラテーム、フェ
ニルアラニンメチルエステル、p−メトキシシンナミッ
クアルデヒド、ショ糖、サイクラミン酸ナトリウム等、
防腐剤として、p−ヒドロキシメチルベンゼン酸、p−
ヒドロキシエチルベンゼン酸、p−ヒドロキシプロピル
ベンゼン酸、p−ヒドロキシブチルベンゼン酸、安息香
酸ナトリウム、低級脂肪酸モノグリセライド等、香料と
して、ウインターグリーン油、スペアミント油、ペパー
ミント油、サッサフラス油、丁字油、ユーカリ油等を配
合し得る。また、ゼラチン、ペプトン、アルギニン塩酸
塩、アルブミン、増白剤、シリコーン、色素、その他の
成分を配合し得る。更にまた、イプシロンアミノカプロ
ン酸、トラネキサム酸、モノフルオロリン酸ナトリウ
ム、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム等のフッ化
剤、クロルヘキシジン塩類、ジヒドロコレステロール、
グリチルリチン塩類、グリチルレチン酸、クロロフィ
ル、カロペプタイド、ビタミン類、歯石防止剤、抗菌
剤、あるいは歯垢防止剤等の有効成分を1種又は2種以
上配合し得る。なお、これら任意成分の配合量は、本発
明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
されないが、酵素の安定性や口腔粘膜刺激性の点から
5.5〜8.5が好ましく、特に6〜7が好ましい。
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限
定されるものではない。なお、以下の例において%は質
量%である。
する有効性を検討した。ステインモデルは以下のように
調製した。即ち、唾液タンパク質の代替としてリゾチー
ム、ムチン、アルブミン、ラクトフェリンの各1%人工
唾液溶液(pH7)、変性剤としてタンニン酸の1%人
工唾液溶液(pH7)を調製し、各溶液の等量混合液を
細胞培養用24穴ウエルに各0.625ml加え、50
℃で完全に固化するまで加温した。これをステインモデ
ルとして酵素の評価を行った。即ち、ステインモデルを
人工唾液1mlで2回洗浄後、酵素溶液(10mg/m
l)を0.6ml加え、37℃で保温した。組み合わせ
の場合は、各0.3mlを加えて計0.6mlとした。
20時間後、人工唾液で2回洗浄し、残存ステイン量を
目視判定した。
ム、1mM 塩化カルシウム、0.1mM 塩化マグネ
シウム及び1mM リン酸2水素カリウムからなり、水
酸化カリウムによりpH7に調整した。
を表1に示す。対照は人工唾液とした。なお、残存ステ
イン量を以下の基準で判定した。 (判定基準) ◎:ほぼ全部を除去 ○:ウエル面積の5割以上を除去 △:ウエル面積の3〜5割を除去 ×:わずかに除去(〜3割) −:変化なし
ゼ及びキタラーゼに強いステイン除去効果が認められ、
リパーゼとデキストラナーゼ、β−グルコシダーゼ、β
−1,3−グルカナーゼ、ムタナーゼを組み合わせた場
合も明らかな有効性が認められた。
のステイン付着歯に対する有効性を検討した。歯牙は、
う蝕や歯周病が原因で歯科医によって抜去されたものを
使用した。まず、歯牙をステイン付着度合いによって3
段階に層別した(軽度:着色の弱い薄いステイン、中等
度:着色の明らかなステイン、重度:厚みのある激しい
ステイン)。このうち軽度から中等度のステインを使用
した。予めブラッシングを加えて除去される汚れを落し
た後に、マイクロスコープ((株)キーエンス製)で撮
影したものを初期値とした。評価薬剤は、下記処方に表
2記載の薬剤を加えた歯磨を2.5倍に希釈した溶液を
用いて、この溶液3mlに抜去歯を浸し、37℃で10
分間保温した後にブラッシングを10回行い、撮影を行
った。以上の操作を30回繰り返した。対照は人工唾液
(pH7)とした。なお、人工唾液は、50mM 塩化
カリウム、1mM 塩化カルシウム、0.1mM 塩化
マグネシウム及び1mM リン酸2水素カリウムからな
り、水酸化カリウムによりpH7に調整した。判定は、
反応後撮影した写真と初期値の写真を比較して行った。 (判定基準) ◎:ステインが明らかに除去された ○:ステインが少し除去された △:ステインがわずかに除去された ×:変化なし 対照による変化はなかった。
たステイン、タバコのヤニ等による歯の汚れを効果的に
除去するものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)溶菌酵素、及び/又は、(B)リ
パーゼとデキストラナーゼ、β−グルコシダーゼ、β−
1,3−グルカナーゼ、ムタナーゼの1種又は2種以上
との混合物をステイン除去有効成分として含有すること
を特徴とするステイン除去用口腔用組成物。
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JP36724299A JP3783762B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | ステイン除去用口腔用組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36724299A JP3783762B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | ステイン除去用口腔用組成物 |
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JP3783762B2 JP3783762B2 (ja) | 2006-06-07 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP36724299A Expired - Fee Related JP3783762B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | ステイン除去用口腔用組成物 |
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- 1999-12-24 JP JP36724299A patent/JP3783762B2/ja not_active Expired - Fee Related
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