JP2001161379A - サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ遺伝子 - Google Patents
サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ遺伝子Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規なサイクリックヌクレオチドホスホジエ
ステラーゼおよびその遺伝子、並びにそれらの製造およ
び用途を提供することを課題とする。 【解決手段】 ヒト脳cDNAライブラリーから、新規なサ
イクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE10A)
をコードする全長cDNAを単離することに成功した。PDE1
0Aは既知のPDEとは構造的に異なっており、新規なPDEフ
ァミリーに属すると考えられる。PDE10AはcAMPおよびcG
MP両者に対する加水分解能を有し、cAMPに対し、既知の
どのPDEファミリーよりも低いKm値を示した。また、各
種PDE阻害剤に対する感受性特性は、既知のPDEファミリ
ーのものとは異なっていた。PDE10Aの発現は、被殻(pu
tamen)および尾状核(caudate nucleus)で特に高かっ
た。本発明のPDE10Aは、新たな作用を有する医薬品開発
のための標的として有用である。
ステラーゼおよびその遺伝子、並びにそれらの製造およ
び用途を提供することを課題とする。 【解決手段】 ヒト脳cDNAライブラリーから、新規なサ
イクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE10A)
をコードする全長cDNAを単離することに成功した。PDE1
0Aは既知のPDEとは構造的に異なっており、新規なPDEフ
ァミリーに属すると考えられる。PDE10AはcAMPおよびcG
MP両者に対する加水分解能を有し、cAMPに対し、既知の
どのPDEファミリーよりも低いKm値を示した。また、各
種PDE阻害剤に対する感受性特性は、既知のPDEファミリ
ーのものとは異なっていた。PDE10Aの発現は、被殻(pu
tamen)および尾状核(caudate nucleus)で特に高かっ
た。本発明のPDE10Aは、新たな作用を有する医薬品開発
のための標的として有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイクリックヌク
レオチドホスホジエステラーゼ(PDE)ファミリーに属す
る新規なタンパク質に関する。本発明のタンパク質は、
例えば、医薬品開発の標的分子として利用しうる。
レオチドホスホジエステラーゼ(PDE)ファミリーに属す
る新規なタンパク質に関する。本発明のタンパク質は、
例えば、医薬品開発の標的分子として利用しうる。
【0002】
【従来の技術】サイクリックヌクレオチドホスホジエス
テラーゼ(PDE)は、cAMPやcGMPを加水分解して対応する
ヌクレオシド5'-モノホスフェートに変換する酵素であ
る。cAMPやcGMPは、細胞内セカンドメッセンジャーであ
り、シグナル伝達の調節に関与している(M.D. Houslay
and G. Milligan (1997) Trends Biochem. Sci. 22: 2
17-224)。これまで知られているサイクリックヌクレオ
チドホスホジエステラーゼは、アミノ酸配列の類似性、
基質特異性、基質親和性、コファクターに対する感受性
や阻害剤に対する感受性などに基づき、7種類のPDEファ
ミリーに分類されている(J.A. Beavo (1995) Physiol.
Rev. 75: 725-748)。PDE1はCa2+ /カルモジュリン依
存性PDE、PDE2はcGMP刺激PDE(cGMP-stimulated PD
E)、PDE3はcGMP阻害PDE(cGMP-inhibited PDE)、PDE4
はcAMP特異的PDE、PDE5はcGMP特異的PDE、PDE6は光受容
体PDE、そしてPDE7は高親和性cAMP特異的、ロリプラム
非感受性PDEである。さらに、2つのファミリー、PDE8
およびPDE9が最近報告された。PDE8は高親和性cAMP特異
的、IBMX非感受性PDE(Fisher, D.A. et al., 1998, Bi
ochem. Biophys. Res. Commun. 246: 570-577; Hayashi
et al., 1998, Biochem. Biophys. Res. Commun. 250:
751-756)、そしてPDE9は高親和性cGMP特異的PDE(Fis
her, D.A. et al., 1998, J. Biol. Chem. 273: 15559-
15564; Soderling, S.H. et al., 1998, J. Biol. Che
m. 273: 15553-15558)である。これらPDEファミリーは
すべて、カルボキシル末端の約270アミノ酸が保存され
ており、触媒ドメインを構成している。一方、触媒ドメ
インのアミノ末端は多様性に富み、個々のファミリーに
特有の調節を担っていることが予想される(Charbonnea
u, H., 1990, in Cyclic Nucleotide Phosphodiesteras
es: Structure, Regulation AndDrug Avtion. vol.2, p
p. 267-296, John Wiley & Sons, Ltd., Chichester; M
anganiello, V.C. et al., 1995, Arch. Biochem. Biop
hys. 322: 1-13)。触媒ドメインの外側の領域はすべて
のファミリーで多様性に富むが、PDE2、PDE5、およびPD
E6の3つのファミリーはN末端に向けて保存されたセグ
メントが存在する。これはサイクリックヌクレオチドの
加水分解部位とは別の、アロステリックなcGMP結合領域
を構成していると言われている。サイクリックヌクレオ
チドホスホジエステラーゼファミリーは創薬の標的分子
として着目されており、これまでに、例えば、PDE3阻害
剤が強心薬として、PDE4阻害剤が抗喘息薬として、ま
た、PDE5がバイアグラなどの医薬として応用されてい
る。従って、サイクリックヌクレオチドホスホジエステ
ラーゼファミリーに属する新たな分子の単離は、これま
でにない医薬品の開発のための重要なステップになると
考えられる。
テラーゼ(PDE)は、cAMPやcGMPを加水分解して対応する
ヌクレオシド5'-モノホスフェートに変換する酵素であ
る。cAMPやcGMPは、細胞内セカンドメッセンジャーであ
り、シグナル伝達の調節に関与している(M.D. Houslay
and G. Milligan (1997) Trends Biochem. Sci. 22: 2
17-224)。これまで知られているサイクリックヌクレオ
チドホスホジエステラーゼは、アミノ酸配列の類似性、
基質特異性、基質親和性、コファクターに対する感受性
や阻害剤に対する感受性などに基づき、7種類のPDEファ
ミリーに分類されている(J.A. Beavo (1995) Physiol.
Rev. 75: 725-748)。PDE1はCa2+ /カルモジュリン依
存性PDE、PDE2はcGMP刺激PDE(cGMP-stimulated PD
E)、PDE3はcGMP阻害PDE(cGMP-inhibited PDE)、PDE4
はcAMP特異的PDE、PDE5はcGMP特異的PDE、PDE6は光受容
体PDE、そしてPDE7は高親和性cAMP特異的、ロリプラム
非感受性PDEである。さらに、2つのファミリー、PDE8
およびPDE9が最近報告された。PDE8は高親和性cAMP特異
的、IBMX非感受性PDE(Fisher, D.A. et al., 1998, Bi
ochem. Biophys. Res. Commun. 246: 570-577; Hayashi
et al., 1998, Biochem. Biophys. Res. Commun. 250:
751-756)、そしてPDE9は高親和性cGMP特異的PDE(Fis
her, D.A. et al., 1998, J. Biol. Chem. 273: 15559-
15564; Soderling, S.H. et al., 1998, J. Biol. Che
m. 273: 15553-15558)である。これらPDEファミリーは
すべて、カルボキシル末端の約270アミノ酸が保存され
ており、触媒ドメインを構成している。一方、触媒ドメ
インのアミノ末端は多様性に富み、個々のファミリーに
特有の調節を担っていることが予想される(Charbonnea
u, H., 1990, in Cyclic Nucleotide Phosphodiesteras
es: Structure, Regulation AndDrug Avtion. vol.2, p
p. 267-296, John Wiley & Sons, Ltd., Chichester; M
anganiello, V.C. et al., 1995, Arch. Biochem. Biop
hys. 322: 1-13)。触媒ドメインの外側の領域はすべて
のファミリーで多様性に富むが、PDE2、PDE5、およびPD
E6の3つのファミリーはN末端に向けて保存されたセグ
メントが存在する。これはサイクリックヌクレオチドの
加水分解部位とは別の、アロステリックなcGMP結合領域
を構成していると言われている。サイクリックヌクレオ
チドホスホジエステラーゼファミリーは創薬の標的分子
として着目されており、これまでに、例えば、PDE3阻害
剤が強心薬として、PDE4阻害剤が抗喘息薬として、ま
た、PDE5がバイアグラなどの医薬として応用されてい
る。従って、サイクリックヌクレオチドホスホジエステ
ラーゼファミリーに属する新たな分子の単離は、これま
でにない医薬品の開発のための重要なステップになると
考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なサイ
クリックヌクレオチドホスホジエステラーゼおよびその
遺伝子、並びにそれらの製造および用途を提供すること
を課題とする。
クリックヌクレオチドホスホジエステラーゼおよびその
遺伝子、並びにそれらの製造および用途を提供すること
を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、サイクリッ
クヌクレオチドホスホジエステラーゼファミリーに属す
る新規な遺伝子を単離するために、まず、サイクリック
ヌクレオチドホスホジエステラーゼの触媒領域の塩基配
列部分をプローブとして用いたヒトESTデータベースの
ホモロジー検索を行い、従来のPDEファミリータンパク
質とはその一次構造が異なる新規なESTを見出した。次
いで、このESTの配列情報に基づいて調製したプライマ
ーを用いて、ヒト脳cDNAライブラリーを鋳型に、5'-RAC
Eおよび3'-RACEを行い、このESTに対応する全長cDNAを
単離することに成功した。本発明者はこれを「PDE10A」
と名付けた 。単離したcDNAによりコードされるタンパ
ク質は、他のPDEファミリータンパク質と高度に類似し
たcGMP結合ドメインおよび触媒領域を有し、また、PDE
ファミリータンパク質に特徴的な2箇所のcGMP結合モチ
ーフを有していたことから、PDEファミリーに属する新
規なタンパク質であると考えられる。
クヌクレオチドホスホジエステラーゼファミリーに属す
る新規な遺伝子を単離するために、まず、サイクリック
ヌクレオチドホスホジエステラーゼの触媒領域の塩基配
列部分をプローブとして用いたヒトESTデータベースの
ホモロジー検索を行い、従来のPDEファミリータンパク
質とはその一次構造が異なる新規なESTを見出した。次
いで、このESTの配列情報に基づいて調製したプライマ
ーを用いて、ヒト脳cDNAライブラリーを鋳型に、5'-RAC
Eおよび3'-RACEを行い、このESTに対応する全長cDNAを
単離することに成功した。本発明者はこれを「PDE10A」
と名付けた 。単離したcDNAによりコードされるタンパ
ク質は、他のPDEファミリータンパク質と高度に類似し
たcGMP結合ドメインおよび触媒領域を有し、また、PDE
ファミリータンパク質に特徴的な2箇所のcGMP結合モチ
ーフを有していたことから、PDEファミリーに属する新
規なタンパク質であると考えられる。
【0005】触媒ドメインのアミノ酸配列の相同性か
ら、PDE10AはcGMP-結合型PDE、すなわち PDE2、PDE5、
およびPDE6と最も高い相同性を示し(42〜47%のアミノ
酸の同一性)、PDE8との相同性が最も低かった(23%の
アミノ酸の同一性)。他のcGMP結合PDEと同様、PDE10A
は、触媒領域の外側のN末端に非触媒性のcGMP結合ドメ
インを持つ。ノーザンブロット解析では、PDE10Aをコー
ドするmRNAのサイズは約9.5kbで、脳、心臓、胎盤、お
よび腎臓を含む多くの異なる組織で発現していた。さら
に、50の異なるヒト組織のPDE10A mRNAの定量解析によ
り、最も発現の高い組織は被殻(putamen)および尾状
核(caudate nucleus)であることが判明した。バキュ
ロウイルス系を用いて、N末端にヒスチジンタグを付加
したヒトPDE10Aを発現させた。バキュロウイルス系で発
現させた酵素のカイネティック解析では、この酵素はcA
MPとcGMPの両者を加水分解することができ、そのKm値は
それぞれ0.033±0.004および2.7±0.3μMであった。cAM
Pの加水分解能は、1μMのcGMPによっては影響を受けな
かったが、cGMPの加水分解能は 1μMのcAMPにより阻害
された。cAMPおよびcGMPのVmaxは、それぞれ57.1±5.7
および833±67 pmol/min/mgprotein であった。PDE10A
が有するcAMPおよびcGMP両者の加水分解能は、ビンポセ
チン(vinpocetine)、EHNA(erythro-9-(2-hydroxy-3-
nonyl)-adenine)、ミルリノン(milrinone)、ロリプ
ラム(rolipram)、およびIBMX(3-isobutyl-1-methylx
anthine)を含むさまざまなPDE阻害剤によっては阻害さ
れなかった(100μMまで)が、ジピリダモール(dipyri
damole)により阻害された(IC50 = 7.1±0.6μM)。こ
れらの知見は、PDE10Aは構造的にも、また、そのカイネ
ティクスも、既知のどのPDEファミリーとも異なること
を示唆している。
ら、PDE10AはcGMP-結合型PDE、すなわち PDE2、PDE5、
およびPDE6と最も高い相同性を示し(42〜47%のアミノ
酸の同一性)、PDE8との相同性が最も低かった(23%の
アミノ酸の同一性)。他のcGMP結合PDEと同様、PDE10A
は、触媒領域の外側のN末端に非触媒性のcGMP結合ドメ
インを持つ。ノーザンブロット解析では、PDE10Aをコー
ドするmRNAのサイズは約9.5kbで、脳、心臓、胎盤、お
よび腎臓を含む多くの異なる組織で発現していた。さら
に、50の異なるヒト組織のPDE10A mRNAの定量解析によ
り、最も発現の高い組織は被殻(putamen)および尾状
核(caudate nucleus)であることが判明した。バキュ
ロウイルス系を用いて、N末端にヒスチジンタグを付加
したヒトPDE10Aを発現させた。バキュロウイルス系で発
現させた酵素のカイネティック解析では、この酵素はcA
MPとcGMPの両者を加水分解することができ、そのKm値は
それぞれ0.033±0.004および2.7±0.3μMであった。cAM
Pの加水分解能は、1μMのcGMPによっては影響を受けな
かったが、cGMPの加水分解能は 1μMのcAMPにより阻害
された。cAMPおよびcGMPのVmaxは、それぞれ57.1±5.7
および833±67 pmol/min/mgprotein であった。PDE10A
が有するcAMPおよびcGMP両者の加水分解能は、ビンポセ
チン(vinpocetine)、EHNA(erythro-9-(2-hydroxy-3-
nonyl)-adenine)、ミルリノン(milrinone)、ロリプ
ラム(rolipram)、およびIBMX(3-isobutyl-1-methylx
anthine)を含むさまざまなPDE阻害剤によっては阻害さ
れなかった(100μMまで)が、ジピリダモール(dipyri
damole)により阻害された(IC50 = 7.1±0.6μM)。こ
れらの知見は、PDE10Aは構造的にも、また、そのカイネ
ティクスも、既知のどのPDEファミリーとも異なること
を示唆している。
【0006】PDEファミリータンパク質に関しては、そ
れらを標的として、これまでに種々の有用な医薬品が開
発されているが、このタンパク質もまた、新たな作用を
有する医薬品開発のための標的として有用である。
れらを標的として、これまでに種々の有用な医薬品が開
発されているが、このタンパク質もまた、新たな作用を
有する医薬品開発のための標的として有用である。
【0007】本発明は新規なサイクリックヌクレオチド
ホスホジエステラーゼ(PDE)およびその遺伝子、並びに
それらの製造及び用途に関し、より具体的には、(1)
配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク
質、または該タンパク質中のアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/ま
たは付加したアミノ酸配列を有し、配列番号:2に記載
のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタ
ンパク質、(2)配列番号:1に記載の塩基配列からな
るDNAとハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質
であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる
タンパク質と機能的に同等なタンパク質、(3)(1)
または(2)に記載のタンパク質をコードするDNA、
(4)(3)に記載のDNAが挿入されたベクター、
(5)(4)に記載のベクターを保持する宿主細胞、
(6)(5)に記載の宿主細胞を培養し、該宿主細胞ま
たはその培養上清から発現させたタンパク質を回収する
工程を含む、(1)または(2)に記載のタンパク質の
製造方法、(7)(1)または(2)に記載のタンパク
質に結合する抗体、(8)(1)または(2)に記載の
タンパク質の部分ペプチド、(9)配列番号:1に記載
の塩基配列からなるDNAまたはその相補鎖に相補的な少
なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、(1
0)(1)または(2)に記載のタンパク質に結合する
化合物のスクリーニング方法であって、(a)該タンパ
ク質またはその部分ペプチドに被検試料を接触させる工
程、(b)該タンパク質またはその部分ペプチドと被検
試料との結合活性を検出する工程、(c)該タンパク質
またはその部分ペプチドに結合する活性を有する化合物
を選択する工程、を含む方法、(11)(10)に記載
の方法により単離されうる、(1)または(2)に記載
のタンパク質に結合する化合物、(12)(1)または
(2)に記載のタンパク質の活性を促進または阻害する
化合物のスクリーニング方法であって、(a)被検試料
の存在下で、該タンパク質と3',5'-サイクリックヌクレ
オチドモノホスフェートとを接触させる工程、(b)該
タンパク質の3',5'-サイクリックヌクレオチドモノホス
フェートに対する加水分解活性を検出する工程、(c)
被検試料非存在下で検出した場合と比較して、該加水分
解活性を上昇または低下させる化合物を選択する工程、
を含む方法、(13)(12)に記載の方法により単離
されうる、(1)または(2)に記載のタンパク質の活
性を促進または阻害する化合物、に関する。
ホスホジエステラーゼ(PDE)およびその遺伝子、並びに
それらの製造及び用途に関し、より具体的には、(1)
配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク
質、または該タンパク質中のアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/ま
たは付加したアミノ酸配列を有し、配列番号:2に記載
のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタ
ンパク質、(2)配列番号:1に記載の塩基配列からな
るDNAとハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質
であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる
タンパク質と機能的に同等なタンパク質、(3)(1)
または(2)に記載のタンパク質をコードするDNA、
(4)(3)に記載のDNAが挿入されたベクター、
(5)(4)に記載のベクターを保持する宿主細胞、
(6)(5)に記載の宿主細胞を培養し、該宿主細胞ま
たはその培養上清から発現させたタンパク質を回収する
工程を含む、(1)または(2)に記載のタンパク質の
製造方法、(7)(1)または(2)に記載のタンパク
質に結合する抗体、(8)(1)または(2)に記載の
タンパク質の部分ペプチド、(9)配列番号:1に記載
の塩基配列からなるDNAまたはその相補鎖に相補的な少
なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、(1
0)(1)または(2)に記載のタンパク質に結合する
化合物のスクリーニング方法であって、(a)該タンパ
ク質またはその部分ペプチドに被検試料を接触させる工
程、(b)該タンパク質またはその部分ペプチドと被検
試料との結合活性を検出する工程、(c)該タンパク質
またはその部分ペプチドに結合する活性を有する化合物
を選択する工程、を含む方法、(11)(10)に記載
の方法により単離されうる、(1)または(2)に記載
のタンパク質に結合する化合物、(12)(1)または
(2)に記載のタンパク質の活性を促進または阻害する
化合物のスクリーニング方法であって、(a)被検試料
の存在下で、該タンパク質と3',5'-サイクリックヌクレ
オチドモノホスフェートとを接触させる工程、(b)該
タンパク質の3',5'-サイクリックヌクレオチドモノホス
フェートに対する加水分解活性を検出する工程、(c)
被検試料非存在下で検出した場合と比較して、該加水分
解活性を上昇または低下させる化合物を選択する工程、
を含む方法、(13)(12)に記載の方法により単離
されうる、(1)または(2)に記載のタンパク質の活
性を促進または阻害する化合物、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、新規なサイクリックヌ
クレオチドホスホジエステラーゼタンパク質に関する。
本発明者により単離されたヒトサイクリックヌクレオチ
ドホスホジエステラーゼ「PDE10A」のcDNAの塩基配列を
配列番号:1に、該cDNAによりコードされるタンパク質
のアミノ酸配列を配列番号:2に示す。PDE10Aタンパク
質の一次構造は、特にそのcGMP結合領域および触媒領域
において、既知のサイクリックヌクレオチドホスホジエ
ステラーゼタンパク質と高い相同性を有している。ま
た、PDE10Aタンパク質は、サイクリックヌクレオチドホ
スホジエステラーゼタンパク質に特徴的な2個所のcGMP
結合モチーフを保持している。従って、本発明者により
見出されたPDE10Aタンパク質は、サイクリックヌクレオ
チドホスホジエステラーゼ(PDE)ファミリーに属する新
規なタンパク質であると考えられる。RT-PCRおよびノー
ザン解析の結果、該タンパク質をコードする遺伝子は、
脳、心臓、胎盤、腎臓を含む組織において発現が認めら
れ、特に脳の被殻(putamen)および尾状核(caudate n
ucleus)で高い発現を示した。PDE10Aタンパク質は、こ
れらの組織において、細胞内セカンドメッセンジャーで
あるcAMPやcGMPを加水分解して、対応するヌクレオシド
5'-モノホスフェートに変換することにより、細胞内の
シグナル伝達の制御に関与していると考えられる。ま
た、選択的標的分子との結合を介する新しい生理活性を
有している可能性も考えられる。本発明のヒトPDEA10A
は、ヒトの発生分化が関与する疾患、神経疾患、心肺疾
患、腎臓疾患に関わっていることが想定され、これら疾
患の予防や治療のための医薬品開発に有用である。
クレオチドホスホジエステラーゼタンパク質に関する。
本発明者により単離されたヒトサイクリックヌクレオチ
ドホスホジエステラーゼ「PDE10A」のcDNAの塩基配列を
配列番号:1に、該cDNAによりコードされるタンパク質
のアミノ酸配列を配列番号:2に示す。PDE10Aタンパク
質の一次構造は、特にそのcGMP結合領域および触媒領域
において、既知のサイクリックヌクレオチドホスホジエ
ステラーゼタンパク質と高い相同性を有している。ま
た、PDE10Aタンパク質は、サイクリックヌクレオチドホ
スホジエステラーゼタンパク質に特徴的な2個所のcGMP
結合モチーフを保持している。従って、本発明者により
見出されたPDE10Aタンパク質は、サイクリックヌクレオ
チドホスホジエステラーゼ(PDE)ファミリーに属する新
規なタンパク質であると考えられる。RT-PCRおよびノー
ザン解析の結果、該タンパク質をコードする遺伝子は、
脳、心臓、胎盤、腎臓を含む組織において発現が認めら
れ、特に脳の被殻(putamen)および尾状核(caudate n
ucleus)で高い発現を示した。PDE10Aタンパク質は、こ
れらの組織において、細胞内セカンドメッセンジャーで
あるcAMPやcGMPを加水分解して、対応するヌクレオシド
5'-モノホスフェートに変換することにより、細胞内の
シグナル伝達の制御に関与していると考えられる。ま
た、選択的標的分子との結合を介する新しい生理活性を
有している可能性も考えられる。本発明のヒトPDEA10A
は、ヒトの発生分化が関与する疾患、神経疾患、心肺疾
患、腎臓疾患に関わっていることが想定され、これら疾
患の予防や治療のための医薬品開発に有用である。
【0009】本発明は、また、ヒトPDE10Aタンパク質と
機能的に同等なタンパク質を包含する。このようなタン
パク質には、例えば、ヒトPDE10Aタンパク質に対応する
他の生物のホモログタンパク質やヒトPDE10Aタンパク質
の変異体が含まれる。本発明において「機能的に同等」
とは、対象となるタンパク質がサイクリックヌクレオチ
ドホスホジエステラーゼ活性を有することを指す。サイ
クリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ活性とは、
サイクリックヌクレオチド(例えば、cAMPまたはcGMP)
のホスホジエステル結合を加水分解する活性を指す。こ
のような活性は、例えば、二段階測定法(Mukai et a
l., Br. J. Pharmacol. (1994) 111, 389-390)により
検出することができる。
機能的に同等なタンパク質を包含する。このようなタン
パク質には、例えば、ヒトPDE10Aタンパク質に対応する
他の生物のホモログタンパク質やヒトPDE10Aタンパク質
の変異体が含まれる。本発明において「機能的に同等」
とは、対象となるタンパク質がサイクリックヌクレオチ
ドホスホジエステラーゼ活性を有することを指す。サイ
クリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ活性とは、
サイクリックヌクレオチド(例えば、cAMPまたはcGMP)
のホスホジエステル結合を加水分解する活性を指す。こ
のような活性は、例えば、二段階測定法(Mukai et a
l., Br. J. Pharmacol. (1994) 111, 389-390)により
検出することができる。
【0010】あるタンパク質と機能的に同等なタンパク
質を調製するための、当業者によく知られた方法として
は、タンパク質に変異を導入する方法が知られている。
例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Hash
imoto-Gotoh, T. et al. (1995) Gene 152, 271-275; Z
oller, M. J. and Smith, M. (1983) Methods Enzymol.
100, 468-500、Kramer, W. et al. (1984) Nucleic Ac
ids Res. 12, 9441-9456; Kramer, W. and Fritz, H.
J. (1987) Methods Enzymol. 154, 350-367; Kunkel,
T. A. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 82, 488
-492; Kunkel T.A. (1988) Methods Enzymol. 85, 2763
-2766)などを用いて、ヒトPDE10Aタンパク質のアミノ
酸に適宜変異を導入することにより、ヒトPDE10Aタンパ
ク質と機能的に同等な変異体を調製することができる。
また、タンパク質中のアミノ酸の変異は自然界において
も生じうる。このように、ヒトPDE10Aタンパク質のアミ
ノ酸配列(配列番号:2)において1もしくは複数のア
ミノ酸が変異したアミノ酸配列を有し、ヒトPDE10Aタン
パク質と機能的に同等なタンパク質もまた本発明のタン
パク質に含まれる。このような変異体における、変異す
るアミノ酸数は、通常、100アミノ酸以内であり、好ま
しくは50アミノ酸以内であり、さらに好ましくは20アミ
ノ酸以内であり、さらに好ましくは10アミノ酸以内であ
り、さらに好ましくは5アミノ酸以内であると考えられ
る。
質を調製するための、当業者によく知られた方法として
は、タンパク質に変異を導入する方法が知られている。
例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Hash
imoto-Gotoh, T. et al. (1995) Gene 152, 271-275; Z
oller, M. J. and Smith, M. (1983) Methods Enzymol.
100, 468-500、Kramer, W. et al. (1984) Nucleic Ac
ids Res. 12, 9441-9456; Kramer, W. and Fritz, H.
J. (1987) Methods Enzymol. 154, 350-367; Kunkel,
T. A. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 82, 488
-492; Kunkel T.A. (1988) Methods Enzymol. 85, 2763
-2766)などを用いて、ヒトPDE10Aタンパク質のアミノ
酸に適宜変異を導入することにより、ヒトPDE10Aタンパ
ク質と機能的に同等な変異体を調製することができる。
また、タンパク質中のアミノ酸の変異は自然界において
も生じうる。このように、ヒトPDE10Aタンパク質のアミ
ノ酸配列(配列番号:2)において1もしくは複数のア
ミノ酸が変異したアミノ酸配列を有し、ヒトPDE10Aタン
パク質と機能的に同等なタンパク質もまた本発明のタン
パク質に含まれる。このような変異体における、変異す
るアミノ酸数は、通常、100アミノ酸以内であり、好ま
しくは50アミノ酸以内であり、さらに好ましくは20アミ
ノ酸以内であり、さらに好ましくは10アミノ酸以内であ
り、さらに好ましくは5アミノ酸以内であると考えられ
る。
【0011】変異するアミノ酸残基においては、アミノ
酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に変異され
ることが望ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質として
は、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、
親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、
T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、
P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫
黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸
およびアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、
Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ離(R、K、H)、芳香
族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げるこ
とができる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を
表す)。
酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に変異され
ることが望ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質として
は、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、
親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、
T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、
P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫
黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸
およびアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、
Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ離(R、K、H)、芳香
族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げるこ
とができる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を
表す)。
【0012】あるアミノ酸配列に対する1または複数個
のアミノ酸残基の欠失、付加および/または他のアミノ
酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するタ
ンパク質がその生物学的活性を維持することはすでに知
られている(Mark, D. F. etal. (1984) Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 81, 5662-5666; Zoller, M. J. andSmit
h, M. (1982) Nucleic Acids Res. 10, 6487-6500; Wan
g, A. et al. (1984) Science 224, 1431-1433; Dalbad
ie-McFarland, G. et al. (1982) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 79, 6409-6413)。
のアミノ酸残基の欠失、付加および/または他のアミノ
酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するタ
ンパク質がその生物学的活性を維持することはすでに知
られている(Mark, D. F. etal. (1984) Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 81, 5662-5666; Zoller, M. J. andSmit
h, M. (1982) Nucleic Acids Res. 10, 6487-6500; Wan
g, A. et al. (1984) Science 224, 1431-1433; Dalbad
ie-McFarland, G. et al. (1982) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 79, 6409-6413)。
【0013】ヒトPDE10Aタンパク質のアミノ酸配列(配
列番号:2)に1又は複数個のアミノ酸残基が付加され
たタンパク質としては、例えば、ヒトPDE10Aタンパク質
を含む融合タンパク質が挙げられる。融合タンパク質
は、ヒトPDE10Aタンパク質と他のペプチド又はタンパク
質とが融合したものであり、このような融合タンパク質
もまた、本発明に含まれる。融合タンパク質を作製する
方法は、本発明のヒトPDE10Aタンパク質をコードするDN
Aと他のペプチド又はタンパク質をコードするDNAとをフ
レームが一致するように連結してこれを発現ベクターに
導入し、宿主で発現させればよく、当業者に公知の手法
を用いることができる。本発明のヒトPDE10Aタンパク質
との融合に付される他のペプチド又はタンパク質として
は、特に限定されない。
列番号:2)に1又は複数個のアミノ酸残基が付加され
たタンパク質としては、例えば、ヒトPDE10Aタンパク質
を含む融合タンパク質が挙げられる。融合タンパク質
は、ヒトPDE10Aタンパク質と他のペプチド又はタンパク
質とが融合したものであり、このような融合タンパク質
もまた、本発明に含まれる。融合タンパク質を作製する
方法は、本発明のヒトPDE10Aタンパク質をコードするDN
Aと他のペプチド又はタンパク質をコードするDNAとをフ
レームが一致するように連結してこれを発現ベクターに
導入し、宿主で発現させればよく、当業者に公知の手法
を用いることができる。本発明のヒトPDE10Aタンパク質
との融合に付される他のペプチド又はタンパク質として
は、特に限定されない。
【0014】本発明のタンパク質との融合に付される他
のペプチドとしては、例えば、FLAG(Hopp, T. P. et a
l. (1988) BioTechnology 6, 1204-1210)、6 個のHis
(ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフ
ルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-myc の断片、VSV-GPの断
片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag、E-tag、SV40T抗
原の断片、lck tag、α-tubulinの断片、B-tag、Protei
n C の断片等の公知のペプチドを使用することができ
る。また、本発明のタンパク質との融合に付される他の
タンパク質としては、例えば、GST(グルタチオン S-ト
ランスフェラーゼ)、HA(インフルエンザ凝集素)、イ
ムノグロブリン定常領域、β−ガラクトシダーゼ、MBP
(マルトース結合タンパク質)等が挙げられる。市販さ
れているこれらペプチドまたはタンパク質をコードする
DNAを、本発明のタンパク質をコードするDNAと融合さ
せ、これにより調製された融合DNAを発現させることに
より、融合タンパク質を調製することができる。
のペプチドとしては、例えば、FLAG(Hopp, T. P. et a
l. (1988) BioTechnology 6, 1204-1210)、6 個のHis
(ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフ
ルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-myc の断片、VSV-GPの断
片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag、E-tag、SV40T抗
原の断片、lck tag、α-tubulinの断片、B-tag、Protei
n C の断片等の公知のペプチドを使用することができ
る。また、本発明のタンパク質との融合に付される他の
タンパク質としては、例えば、GST(グルタチオン S-ト
ランスフェラーゼ)、HA(インフルエンザ凝集素)、イ
ムノグロブリン定常領域、β−ガラクトシダーゼ、MBP
(マルトース結合タンパク質)等が挙げられる。市販さ
れているこれらペプチドまたはタンパク質をコードする
DNAを、本発明のタンパク質をコードするDNAと融合さ
せ、これにより調製された融合DNAを発現させることに
より、融合タンパク質を調製することができる。
【0015】また、あるタンパク質と機能的に同等なタ
ンパク質を調製するための当業者によく知られた他の方
法としては、ハイブリダイゼーション技術(Sambrook,
J. et al. (1989) Molecular Cloning 2nd ed., 9.47-
9.58, Cold Spring Harbor Lab. press)を利用する方
法が挙げられる。即ち、当業者であれば、ヒトPDE10Aタ
ンパク質をコードするDNA配列(配列番号:1)もしく
はその一部を基に、これと相同性の高いDNAを単離し
て、該DNAからヒトPDE10Aタンパク質と機能的に同等な
タンパク質を調製することも通常行いうることである。
このように、ヒトPDE10Aタンパク質をコードするDNA配
列(配列番号:1)もしくはその一部からなるDNAとハ
イブリダイズするDNAがコードするタンパク質であっ
て、ヒトPDE10Aタンパク質と機能的に同等なタンパク質
もまた本発明のタンパク質に含まれる。このようなタン
パク質としては、例えば、ヒト以外の真核生物のホモロ
グまたはオルソログ(例えば、サル、ラット、マウス、
モルモット、線虫、イースト、ハエなどの遺伝子)がコ
ードするタンパク質が挙げられる。
ンパク質を調製するための当業者によく知られた他の方
法としては、ハイブリダイゼーション技術(Sambrook,
J. et al. (1989) Molecular Cloning 2nd ed., 9.47-
9.58, Cold Spring Harbor Lab. press)を利用する方
法が挙げられる。即ち、当業者であれば、ヒトPDE10Aタ
ンパク質をコードするDNA配列(配列番号:1)もしく
はその一部を基に、これと相同性の高いDNAを単離し
て、該DNAからヒトPDE10Aタンパク質と機能的に同等な
タンパク質を調製することも通常行いうることである。
このように、ヒトPDE10Aタンパク質をコードするDNA配
列(配列番号:1)もしくはその一部からなるDNAとハ
イブリダイズするDNAがコードするタンパク質であっ
て、ヒトPDE10Aタンパク質と機能的に同等なタンパク質
もまた本発明のタンパク質に含まれる。このようなタン
パク質としては、例えば、ヒト以外の真核生物のホモロ
グまたはオルソログ(例えば、サル、ラット、マウス、
モルモット、線虫、イースト、ハエなどの遺伝子)がコ
ードするタンパク質が挙げられる。
【0016】ヒトPDE10Aタンパク質と機能的に同等なタ
ンパク質をコードするDNAを単離するためのハイブリダ
イゼーションの条件としては、当業者であれば適宜選択
することができる。例えば、ストリンジェンシーが、10
%ホルムアミド、5xSSPE、1xデンハルト溶液、1xサケ精
子DNAの条件で行うことができる。より好ましい条件
(よりストリンジェントな条件)としては、25%ホルム
アミド、5xSSPE、1xデンハルト溶液、1xサケ精子DNAの
条件であり、さらに好ましい条件(さらにストリンジェ
ントな条件)としては、50%ホルムアミド、5xSSPE、1x
デンハルト溶液、1xサケ精子DNAの条件である。また、
好ましい温度条件としては、45℃、さらに好ましくは65
℃である。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジ
ェンシーに影響する要素としては上記ホルムアミド濃度
や温度以外にも複数考えられ、当業者であればこれら要
素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実
現することが可能である。
ンパク質をコードするDNAを単離するためのハイブリダ
イゼーションの条件としては、当業者であれば適宜選択
することができる。例えば、ストリンジェンシーが、10
%ホルムアミド、5xSSPE、1xデンハルト溶液、1xサケ精
子DNAの条件で行うことができる。より好ましい条件
(よりストリンジェントな条件)としては、25%ホルム
アミド、5xSSPE、1xデンハルト溶液、1xサケ精子DNAの
条件であり、さらに好ましい条件(さらにストリンジェ
ントな条件)としては、50%ホルムアミド、5xSSPE、1x
デンハルト溶液、1xサケ精子DNAの条件である。また、
好ましい温度条件としては、45℃、さらに好ましくは65
℃である。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジ
ェンシーに影響する要素としては上記ホルムアミド濃度
や温度以外にも複数考えられ、当業者であればこれら要
素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実
現することが可能である。
【0017】また、上記ハイブリダイゼーション技術を
利用する方法にかえて、ヒトPDE10Aタンパク質をコード
するDNA(配列番号:1)の配列情報を基に合成したプ
ライマーを用いる遺伝子増幅法、例えば、ポリメラーゼ
連鎖反応(PCR)法を利用して単離することも可能であ
る。
利用する方法にかえて、ヒトPDE10Aタンパク質をコード
するDNA(配列番号:1)の配列情報を基に合成したプ
ライマーを用いる遺伝子増幅法、例えば、ポリメラーゼ
連鎖反応(PCR)法を利用して単離することも可能であ
る。
【0018】これらハイブリダイゼーション技術または
遺伝子増幅技術により単離されるDNAがコードするヒトP
DE10Aタンパク質と機能的に同等なタンパク質は、通
常、ヒトPDE10Aタンパク質とアミノ酸配列において高い
相同性を有する。本発明のタンパク質には、ヒトPDE10A
タンパク質と機能的に同等であり、かつ配列番号:2に
示されるアミノ酸配列と高い相同性を有するタンパク質
も含まれる。高い相同性とは、通常、50%以上、好まし
くは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ま
しくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の同一性を
さす。これらタンパク質は、サイクリックヌクレオチド
ホスホジエステラーゼタンパク質に特徴的なcGMP結合領
域および触媒領域を有し、特に、これら領域においてヒ
トPDE10Aタンパク質と高い相同性を有すると考えられ
る。タンパク質の相同性を決定するには、文献(Wilbu
r, W. J. and Lipman, D. J. Proc. Natl. Acad. Sci.
USA (1983) 80, 726-730)に記載のアルゴリズムにした
がえばよい。
遺伝子増幅技術により単離されるDNAがコードするヒトP
DE10Aタンパク質と機能的に同等なタンパク質は、通
常、ヒトPDE10Aタンパク質とアミノ酸配列において高い
相同性を有する。本発明のタンパク質には、ヒトPDE10A
タンパク質と機能的に同等であり、かつ配列番号:2に
示されるアミノ酸配列と高い相同性を有するタンパク質
も含まれる。高い相同性とは、通常、50%以上、好まし
くは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ま
しくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の同一性を
さす。これらタンパク質は、サイクリックヌクレオチド
ホスホジエステラーゼタンパク質に特徴的なcGMP結合領
域および触媒領域を有し、特に、これら領域においてヒ
トPDE10Aタンパク質と高い相同性を有すると考えられ
る。タンパク質の相同性を決定するには、文献(Wilbu
r, W. J. and Lipman, D. J. Proc. Natl. Acad. Sci.
USA (1983) 80, 726-730)に記載のアルゴリズムにした
がえばよい。
【0019】本発明のタンパク質は、後述するそれを産
生する細胞や宿主あるいは精製方法により、アミノ酸配
列、分子量、等電点または糖鎖の有無や形態等が異なり
得る。しかしながら、得られたタンパク質は、本発明の
ヒトPDE10Aタンパク質(配列番号:2)と同等の機能を
有している限り、本発明に含まれる。例えば、本発明の
タンパク質を原核細胞、例えば大腸菌で発現させた場
合、本来のタンパク質のアミノ酸配列のN末端にメチオ
ニン残基が付加され得る。本発明のタンパク質はこのよ
うなタンパク質も包含する。
生する細胞や宿主あるいは精製方法により、アミノ酸配
列、分子量、等電点または糖鎖の有無や形態等が異なり
得る。しかしながら、得られたタンパク質は、本発明の
ヒトPDE10Aタンパク質(配列番号:2)と同等の機能を
有している限り、本発明に含まれる。例えば、本発明の
タンパク質を原核細胞、例えば大腸菌で発現させた場
合、本来のタンパク質のアミノ酸配列のN末端にメチオ
ニン残基が付加され得る。本発明のタンパク質はこのよ
うなタンパク質も包含する。
【0020】本発明のタンパク質は、当業者に公知の方
法により、組み換えタンパク質として、また天然のタン
パク質として調製することが可能である。組み換えタン
パク質であれば、本発明のタンパク質をコードするDNA
(例えば配列番号:1の塩基配列を有するDNA)を、適
当な発現ベクターに組み込み、これを適当な宿主細胞に
導入して本発明のタンパク質を細胞で発現させ、該細胞
またはその培養上清を回収し、細胞を回収した場合はそ
の抽出物を得た後、イオン交換、逆相、ゲル濾過などの
クロマトグラフィー、あるいは本発明のタンパク質に対
する抗体をカラムに固定したアフィニティークロマトグ
ラフィーにかけることにより、または、さらにこれらの
カラムを複数組み合わせることにより精製することが可
能である。また、本発明のタンパク質をグルタチオン S
-トランスフェラーゼタンパク質との融合タンパク質と
して、あるいはヒスチジンを複数付加させた組み換えタ
ンパク質として宿主細胞(例えば、動物細胞や大腸菌な
ど)内で発現させ、発現させた組み換えタンパク質をグ
ルタチオンカラム、あるいはニッケルカラムにより精製
することができる。融合タンパク質の精製後、必要に応
じて融合タンパク質のうち目的のタンパク質以外の領域
を、トロンビンまたはファクターXaなどにより切断し、
除去することも可能である。天然のタンパク質であれ
ば、当業者に周知の方法、例えば、本発明のタンパク質
を発現している組織や細胞の抽出物に対し、後述する本
発明のタンパク質に結合する抗体が結合したアフィニテ
ィーカラムを作用させて精製することにより単離するこ
とができる。
法により、組み換えタンパク質として、また天然のタン
パク質として調製することが可能である。組み換えタン
パク質であれば、本発明のタンパク質をコードするDNA
(例えば配列番号:1の塩基配列を有するDNA)を、適
当な発現ベクターに組み込み、これを適当な宿主細胞に
導入して本発明のタンパク質を細胞で発現させ、該細胞
またはその培養上清を回収し、細胞を回収した場合はそ
の抽出物を得た後、イオン交換、逆相、ゲル濾過などの
クロマトグラフィー、あるいは本発明のタンパク質に対
する抗体をカラムに固定したアフィニティークロマトグ
ラフィーにかけることにより、または、さらにこれらの
カラムを複数組み合わせることにより精製することが可
能である。また、本発明のタンパク質をグルタチオン S
-トランスフェラーゼタンパク質との融合タンパク質と
して、あるいはヒスチジンを複数付加させた組み換えタ
ンパク質として宿主細胞(例えば、動物細胞や大腸菌な
ど)内で発現させ、発現させた組み換えタンパク質をグ
ルタチオンカラム、あるいはニッケルカラムにより精製
することができる。融合タンパク質の精製後、必要に応
じて融合タンパク質のうち目的のタンパク質以外の領域
を、トロンビンまたはファクターXaなどにより切断し、
除去することも可能である。天然のタンパク質であれ
ば、当業者に周知の方法、例えば、本発明のタンパク質
を発現している組織や細胞の抽出物に対し、後述する本
発明のタンパク質に結合する抗体が結合したアフィニテ
ィーカラムを作用させて精製することにより単離するこ
とができる。
【0021】本発明は、また、本発明のタンパク質の部
分ペプチドを包含する。本発明のタンパク質に特異的な
アミノ酸配列からなる部分ペプチドは、少なくとも7ア
ミノ酸、好ましくは8アミノ酸以上、さらに好ましくは9
アミノ酸以上のアミノ酸配列からなる。該部分ペプチド
は、例えば、本発明のタンパク質に対する抗体の作製、
本発明のタンパク質に結合する化合物のスクリーニング
や、本発明のタンパク質の促進剤や阻害剤のスクリーニ
ングに利用し得る。また、3',5'-サイクリックヌクレオ
チドモノホスフェートとの結合能を有するが、その加水
分解活性を有しない部分ペプチドは、本発明のタンパク
質の競合阻害剤として用いることが考えられる。また、
PDE10A内の調節ペプチドは、他の機作によるPDE10A活性
の活性化薬または阻害薬として用いることが考えられ
る。本発明の部分ペプチドは、遺伝子工学的手法、公知
のペプチド合成法、あるいは本発明のタンパク質を適切
なペプチダーゼで切断することによって製造することが
できる。ペプチドの合成は、例えば、固相合成法、液相
合成法のいずれによってもよい。
分ペプチドを包含する。本発明のタンパク質に特異的な
アミノ酸配列からなる部分ペプチドは、少なくとも7ア
ミノ酸、好ましくは8アミノ酸以上、さらに好ましくは9
アミノ酸以上のアミノ酸配列からなる。該部分ペプチド
は、例えば、本発明のタンパク質に対する抗体の作製、
本発明のタンパク質に結合する化合物のスクリーニング
や、本発明のタンパク質の促進剤や阻害剤のスクリーニ
ングに利用し得る。また、3',5'-サイクリックヌクレオ
チドモノホスフェートとの結合能を有するが、その加水
分解活性を有しない部分ペプチドは、本発明のタンパク
質の競合阻害剤として用いることが考えられる。また、
PDE10A内の調節ペプチドは、他の機作によるPDE10A活性
の活性化薬または阻害薬として用いることが考えられ
る。本発明の部分ペプチドは、遺伝子工学的手法、公知
のペプチド合成法、あるいは本発明のタンパク質を適切
なペプチダーゼで切断することによって製造することが
できる。ペプチドの合成は、例えば、固相合成法、液相
合成法のいずれによってもよい。
【0022】また、本発明は、本発明のタンパク質をコ
ードするDNAに関する。本発明のDNAは、本発明のタンパ
ク質を組み換えタンパク質として生産するために利用す
ることができる。例えば、上述したような本発明のタン
パク質のin vivoやin vitroにおける生産に利用され
る。また、本発明のタンパク質をコードするDNAに欠陥
がある場合には、アンチセンスによる機能阻害や、正常
な遺伝子に置き換える遺伝子治療などへの応用も考えら
れる。本発明のDNAは、本発明のタンパク質をコードし
うるものであれば、いかなる形態でもよい。即ち、mRNA
から合成されたcDNAであるか、ゲノムDNAであるか、化
学合成DNAであるかなどを問わない。また、本発明のタ
ンパク質をコードしうる限り、遺伝暗号の縮重に基づく
任意の塩基配列を有するDNAが含まれる。
ードするDNAに関する。本発明のDNAは、本発明のタンパ
ク質を組み換えタンパク質として生産するために利用す
ることができる。例えば、上述したような本発明のタン
パク質のin vivoやin vitroにおける生産に利用され
る。また、本発明のタンパク質をコードするDNAに欠陥
がある場合には、アンチセンスによる機能阻害や、正常
な遺伝子に置き換える遺伝子治療などへの応用も考えら
れる。本発明のDNAは、本発明のタンパク質をコードし
うるものであれば、いかなる形態でもよい。即ち、mRNA
から合成されたcDNAであるか、ゲノムDNAであるか、化
学合成DNAであるかなどを問わない。また、本発明のタ
ンパク質をコードしうる限り、遺伝暗号の縮重に基づく
任意の塩基配列を有するDNAが含まれる。
【0023】本発明のDNAは、当業者に公知の方法によ
り調製することができる。例えば、本発明のタンパク質
を発現している細胞よりcDNAライブラリーを作製し、本
発明のDNAの配列(例えば、配列番号:1)の一部をプ
ローブにしてハイブリダイゼーションを行うことにより
調製できる。cDNAライブラリーは、例えばSambrook,J.
et al., Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Labo
ratory Press (1989)に記載の方法により調製してもよ
いし、市販のライブラリーを用いてもよい。また、本発
明のタンパク質を発現している細胞よりRNAを調製し、
逆転写酵素によってcDNAにした後、本発明のDNAの配列
(例えば、配列番号:1)に基づいてオリゴDNAを合成
し、これをプライマーとして用いてPCRを行い、本発明
のタンパク質をコードするcDNAを増幅させることにより
調製することも可能である。
り調製することができる。例えば、本発明のタンパク質
を発現している細胞よりcDNAライブラリーを作製し、本
発明のDNAの配列(例えば、配列番号:1)の一部をプ
ローブにしてハイブリダイゼーションを行うことにより
調製できる。cDNAライブラリーは、例えばSambrook,J.
et al., Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Labo
ratory Press (1989)に記載の方法により調製してもよ
いし、市販のライブラリーを用いてもよい。また、本発
明のタンパク質を発現している細胞よりRNAを調製し、
逆転写酵素によってcDNAにした後、本発明のDNAの配列
(例えば、配列番号:1)に基づいてオリゴDNAを合成
し、これをプライマーとして用いてPCRを行い、本発明
のタンパク質をコードするcDNAを増幅させることにより
調製することも可能である。
【0024】また、得られたcDNAの塩基配列を決定する
ことにより、それがコードする翻訳領域を決定でき、本
発明のタンパク質のアミノ酸配列を得ることができる。
また、得られたcDNAをプローブとしてゲノムDNA ライブ
ラリーをスクリーニングすることにより、ゲノムDNAを
単離することができる。
ことにより、それがコードする翻訳領域を決定でき、本
発明のタンパク質のアミノ酸配列を得ることができる。
また、得られたcDNAをプローブとしてゲノムDNA ライブ
ラリーをスクリーニングすることにより、ゲノムDNAを
単離することができる。
【0025】具体的には、次のようにすればよい。ま
ず、本発明のタンパク質を発現する細胞、組織、臓器
(例えば脳、心臓、肺、腎、骨格筋、胸腺、または胎盤
などの組織)から、mRNAを単離する。mRNAの単離は、公
知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin, J.
M. et al. (1979) Biochemistry 18, 5294-5299)、AG
PC法(Chomczynski, P. and Sacchi, N. (1987) Anal.
Biochem. 162, 156-159)等により全RNAを調製し、mRNA
Purification Kit (Pharmacia) 等を使用して全RNAか
らmRNAを精製することにより行うことができる。また、
QuickPrep mRNA Purification Kit (Pharmacia) を用い
ることによりmRNAを直接調製することもできる。
ず、本発明のタンパク質を発現する細胞、組織、臓器
(例えば脳、心臓、肺、腎、骨格筋、胸腺、または胎盤
などの組織)から、mRNAを単離する。mRNAの単離は、公
知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin, J.
M. et al. (1979) Biochemistry 18, 5294-5299)、AG
PC法(Chomczynski, P. and Sacchi, N. (1987) Anal.
Biochem. 162, 156-159)等により全RNAを調製し、mRNA
Purification Kit (Pharmacia) 等を使用して全RNAか
らmRNAを精製することにより行うことができる。また、
QuickPrep mRNA Purification Kit (Pharmacia) を用い
ることによりmRNAを直接調製することもできる。
【0026】得られたmRNAから逆転写酵素を用いてcDNA
を合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse Transcriptas
e First-strand cDNA Synthesis Kit (生化学工業)等を
用いて行うこともできる。また、本明細書に記載された
プライマー等を用いて、5'-Ampli FINDER RACE Kit (Cl
ontech製) およびポリメラーゼ連鎖反応(polymerasech
ain reaction; PCR)を用いた5'-RACE法(Frohman, M.
A. et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85,
8998-9002; Belyavsky, A. et al. (1989) Nucleic Ac
ids Res. 17, 2919-2932)に従い、cDNAの合成および増
幅を行うことができる。
を合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse Transcriptas
e First-strand cDNA Synthesis Kit (生化学工業)等を
用いて行うこともできる。また、本明細書に記載された
プライマー等を用いて、5'-Ampli FINDER RACE Kit (Cl
ontech製) およびポリメラーゼ連鎖反応(polymerasech
ain reaction; PCR)を用いた5'-RACE法(Frohman, M.
A. et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85,
8998-9002; Belyavsky, A. et al. (1989) Nucleic Ac
ids Res. 17, 2919-2932)に従い、cDNAの合成および増
幅を行うことができる。
【0027】得られたPCR産物から目的とするDNA断片を
調製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組
換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを
選択して所望の組換えベクターを調製する。目的とする
DNAの塩基配列は、公知の方法、例えば、ジデオキシヌ
クレオチドチェインターミネーション法により確認する
ことができる。
調製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組
換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを
選択して所望の組換えベクターを調製する。目的とする
DNAの塩基配列は、公知の方法、例えば、ジデオキシヌ
クレオチドチェインターミネーション法により確認する
ことができる。
【0028】また、本発明のDNAにおいては、発現に使
用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率
の高い塩基配列を設計することができる(Grantham, R.
etal. (1981) Nucleic Acids Res. 9, r43-74)。ま
た、本発明のDNAは、市販のキットや公知の方法によっ
て改変することができる。改変としては、例えば、制限
酵素による消化、合成オリゴヌクレオチドや適当なDNA
フラグメントの挿入、リンカーの付加、開始コドン(AT
G)および/または終止コドン(TAA、TGA、またはTAG)
の挿入等が挙げられる。
用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率
の高い塩基配列を設計することができる(Grantham, R.
etal. (1981) Nucleic Acids Res. 9, r43-74)。ま
た、本発明のDNAは、市販のキットや公知の方法によっ
て改変することができる。改変としては、例えば、制限
酵素による消化、合成オリゴヌクレオチドや適当なDNA
フラグメントの挿入、リンカーの付加、開始コドン(AT
G)および/または終止コドン(TAA、TGA、またはTAG)
の挿入等が挙げられる。
【0029】本発明のDNAは、具体的には、配列番号:
1の塩基配列において516位の塩基Aから2933位の塩基
TからなるDNAを包含する。本発明のDNAはまた、配列番
号:1に示す塩基配列からなるDNAとハイブリダイズす
るDNAであり、且つ上記本発明のタンパク質と機能的に
同等なタンパク質をコードするDNAを含む。ハイブリダ
イゼーションにおける条件は適宜選択することができる
が、例えば、上記した条件を用いることができる。上記
のハイブリダイズするDNAは、好ましくは天然由来のDN
A、例えばcDNAまたは染色体DNAである。
1の塩基配列において516位の塩基Aから2933位の塩基
TからなるDNAを包含する。本発明のDNAはまた、配列番
号:1に示す塩基配列からなるDNAとハイブリダイズす
るDNAであり、且つ上記本発明のタンパク質と機能的に
同等なタンパク質をコードするDNAを含む。ハイブリダ
イゼーションにおける条件は適宜選択することができる
が、例えば、上記した条件を用いることができる。上記
のハイブリダイズするDNAは、好ましくは天然由来のDN
A、例えばcDNAまたは染色体DNAである。
【0030】また、本発明は、本発明のDNAが挿入され
たベクターに関する。本発明のベクターとしては、宿主
細胞内に本発明のDNAを導入し得るものであれば特に制
限はない。本発明のベクターとしては、宿主細胞内にお
いて本発明のDNAを保持または増幅したり、本発明のタ
ンパク質を発現させるために有用である。ベクターとし
ては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、ベクター
を大腸菌(例えば、JM109、DH5α、HB101、XL1-Blue)
等で大量に増幅させて大量調製するために、大腸菌で増
幅されるための「ori」を持ち、さらに形質転換された
大腸菌の選抜遺伝子(例えば、なんらかの薬剤(アンピ
シリンやテトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフ
ェニコール)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)
を有すれば特に制限はない。ベクターの例としては、例
えば、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBlues
cript、pCR-Script等が挙げられる。また、cDNAのサブ
クローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクタ
ーの他に、例えば、pGEM-T、pDIRECT、pT7等が挙げられ
る。本発明のタンパク質を生産する目的においてベクタ
ーを使用する場合には、特に、発現ベクターが有用であ
る。発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を
目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるよう
な上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB10
1、XL1-Blue等の大腸菌とした場合においては、大腸菌
で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、la
cZプロモーター(Ward, E. S. et al. (1989) Nature 3
41, 544-546; Ward, E. S. (1992) FASEB J. 6, 2422-2
427)、araBプロモーター(Better, M. et al. (1988)
Science 240, 1041-1043)、またはT7プロモーター等を
持っていることが不可欠である。このようなベクターと
しては、上記ベクターの他にpGEX-5X-1(Pharmacia社
製)、「QIAexpress system」(Qiagen社製)、pEGFP、
またはpET(この場合、宿主はT7 RNAポリメラーゼを発
現しているBL21が好ましい)等が挙げられる。
たベクターに関する。本発明のベクターとしては、宿主
細胞内に本発明のDNAを導入し得るものであれば特に制
限はない。本発明のベクターとしては、宿主細胞内にお
いて本発明のDNAを保持または増幅したり、本発明のタ
ンパク質を発現させるために有用である。ベクターとし
ては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、ベクター
を大腸菌(例えば、JM109、DH5α、HB101、XL1-Blue)
等で大量に増幅させて大量調製するために、大腸菌で増
幅されるための「ori」を持ち、さらに形質転換された
大腸菌の選抜遺伝子(例えば、なんらかの薬剤(アンピ
シリンやテトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフ
ェニコール)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)
を有すれば特に制限はない。ベクターの例としては、例
えば、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBlues
cript、pCR-Script等が挙げられる。また、cDNAのサブ
クローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクタ
ーの他に、例えば、pGEM-T、pDIRECT、pT7等が挙げられ
る。本発明のタンパク質を生産する目的においてベクタ
ーを使用する場合には、特に、発現ベクターが有用であ
る。発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を
目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるよう
な上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB10
1、XL1-Blue等の大腸菌とした場合においては、大腸菌
で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、la
cZプロモーター(Ward, E. S. et al. (1989) Nature 3
41, 544-546; Ward, E. S. (1992) FASEB J. 6, 2422-2
427)、araBプロモーター(Better, M. et al. (1988)
Science 240, 1041-1043)、またはT7プロモーター等を
持っていることが不可欠である。このようなベクターと
しては、上記ベクターの他にpGEX-5X-1(Pharmacia社
製)、「QIAexpress system」(Qiagen社製)、pEGFP、
またはpET(この場合、宿主はT7 RNAポリメラーゼを発
現しているBL21が好ましい)等が挙げられる。
【0031】また、ベクターには、ポリペプチド分泌の
ためのシグナル配列が含まれていてもよい。タンパク質
分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラ
ズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P.
et al (1987) J. Bacteriol. 169, 4379)を使用すれ
ばよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カ
ルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うこ
とができる。大腸菌以外においても、例えば、本発明の
タンパク質を製造するためのベクターとして、哺乳動物
由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3 (Invitrogen社
製)や、pEF-BOS (Mizushima, S. and Nagata, S. (199
0) Nucleic Acids Res. 18, 5322)、pEF、pCDM8)、昆
虫細胞由来の発現ベクター(例えば「BAC-TO-BAC Bacul
ovirus Expression Systems」(GIBCO BRL社製)、pBac
PAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH
2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHS
V、pMV、pAdexLcw)、レトロウィルス由来の発現ベクタ
ー(例えば、pZIPneo)、酵母由来の発現ベクター(例
えば、「Pichia Expression Kit」(Invitrogen社
製)、pNV11、SP-Q01)、枯草菌由来の発現ベクター
(例えば、pPL608、pKTH50)が挙げられる。
ためのシグナル配列が含まれていてもよい。タンパク質
分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラ
ズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P.
et al (1987) J. Bacteriol. 169, 4379)を使用すれ
ばよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カ
ルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うこ
とができる。大腸菌以外においても、例えば、本発明の
タンパク質を製造するためのベクターとして、哺乳動物
由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3 (Invitrogen社
製)や、pEF-BOS (Mizushima, S. and Nagata, S. (199
0) Nucleic Acids Res. 18, 5322)、pEF、pCDM8)、昆
虫細胞由来の発現ベクター(例えば「BAC-TO-BAC Bacul
ovirus Expression Systems」(GIBCO BRL社製)、pBac
PAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH
2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHS
V、pMV、pAdexLcw)、レトロウィルス由来の発現ベクタ
ー(例えば、pZIPneo)、酵母由来の発現ベクター(例
えば、「Pichia Expression Kit」(Invitrogen社
製)、pNV11、SP-Q01)、枯草菌由来の発現ベクター
(例えば、pPL608、pKTH50)が挙げられる。
【0032】また、CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の
動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現
させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモー
ター(Mulligan, R. C. et al. (1979) Nature 277, 10
8-114)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター
(Mizushima, S. and Nagata, S. (1990) Nucleic Acid
s Res. 18, 5322)、CMVプロモーター等を持っているこ
とが不可欠であり、細胞への形質転換を選抜するための
遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418等)により
判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好
ましい。このような特性を有するベクターとしては、例
えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、pOP13
等が挙げられる。
動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現
させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモー
ター(Mulligan, R. C. et al. (1979) Nature 277, 10
8-114)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター
(Mizushima, S. and Nagata, S. (1990) Nucleic Acid
s Res. 18, 5322)、CMVプロモーター等を持っているこ
とが不可欠であり、細胞への形質転換を選抜するための
遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418等)により
判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好
ましい。このような特性を有するベクターとしては、例
えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、pOP13
等が挙げられる。
【0033】さらに、細胞内でのコピー数の増幅を目的
とした宿主ベクター系においては、安定産生細胞株を得
る場合は、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相
補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIな
ど)を用いメトトレキセート(MTX)により増幅させる
方法が挙げられる。また、遺伝子の一過性の発現を目的
とする場合には、SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体
上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクタ
ー(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製
起点としてはまた、ポリオーマウィルス、アデノウィル
ス、ウシパピローマウィルス(BPV)等に由来するもの
を用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コ
ピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとし
て、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝
子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチン
グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)
遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含む
ことができる。
とした宿主ベクター系においては、安定産生細胞株を得
る場合は、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相
補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIな
ど)を用いメトトレキセート(MTX)により増幅させる
方法が挙げられる。また、遺伝子の一過性の発現を目的
とする場合には、SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体
上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクタ
ー(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製
起点としてはまた、ポリオーマウィルス、アデノウィル
ス、ウシパピローマウィルス(BPV)等に由来するもの
を用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コ
ピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとし
て、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝
子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチン
グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)
遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含む
ことができる。
【0034】一方、動物の生体内で本発明のDNAを発現
させる方法としては、本発明のDNAを適当なベクターに
組み込み、例えば、レトロウイルス法、リポソーム法、
カチオニックリポソーム法、アデノウイルス法などによ
り生体内に導入する方法が挙げられる。これにより、本
発明のPDE10A遺伝子の変異に起因する疾患、およびPDE1
0Aの発現により治療可能な疾患等に対する遺伝子治療を
行うことも可能である。用いられるベクターとしては、
例えば、アデノウィルスベクター(例えばpAdexlcw)や
レトロウィルスベクター(例えばpZIPneo)等が挙げら
れるが、これらに制限されない。ベクターへの本発明の
DNAの挿入などの一般的な遺伝子操作は、常法に従って
行うことが可能である(Sambrook, J. et al. (1989) M
olecular Cloning 2nd ed., 5.61-5.63, Cold Spring H
arbor Lab. press)。生体内への投与は、ex vivo法で
あっても、in vivo法であってもよい。
させる方法としては、本発明のDNAを適当なベクターに
組み込み、例えば、レトロウイルス法、リポソーム法、
カチオニックリポソーム法、アデノウイルス法などによ
り生体内に導入する方法が挙げられる。これにより、本
発明のPDE10A遺伝子の変異に起因する疾患、およびPDE1
0Aの発現により治療可能な疾患等に対する遺伝子治療を
行うことも可能である。用いられるベクターとしては、
例えば、アデノウィルスベクター(例えばpAdexlcw)や
レトロウィルスベクター(例えばpZIPneo)等が挙げら
れるが、これらに制限されない。ベクターへの本発明の
DNAの挿入などの一般的な遺伝子操作は、常法に従って
行うことが可能である(Sambrook, J. et al. (1989) M
olecular Cloning 2nd ed., 5.61-5.63, Cold Spring H
arbor Lab. press)。生体内への投与は、ex vivo法で
あっても、in vivo法であってもよい。
【0035】また、本発明は、本発明のベクターが導入
された宿主細胞に関する。本発明のベクターが導入され
る宿主細胞としては特に制限はなく、例えば、大腸菌や
種々の動物細胞などを用いることが可能である。大腸菌
では、例えば、JM109、DH5α、HB101 等が挙げられ、動
物細胞においては、例えば、CHO細胞、COS細胞、3T3細
胞、HeLa細胞などが挙げられる。本発明の宿主細胞は、
例えば、本発明のタンパク質の製造や発現のための産生
系として使用することができる。タンパク質製造のため
の産生系は、in vitroおよびin vivoの産生系がある。i
n vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系
や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。動物細胞に
おいて、大量発現を目的とする場合には特にCHO細胞が
好ましい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば、リ
ン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポ
レーション、リポフェクションなどの方法で行うことが
可能である。
された宿主細胞に関する。本発明のベクターが導入され
る宿主細胞としては特に制限はなく、例えば、大腸菌や
種々の動物細胞などを用いることが可能である。大腸菌
では、例えば、JM109、DH5α、HB101 等が挙げられ、動
物細胞においては、例えば、CHO細胞、COS細胞、3T3細
胞、HeLa細胞などが挙げられる。本発明の宿主細胞は、
例えば、本発明のタンパク質の製造や発現のための産生
系として使用することができる。タンパク質製造のため
の産生系は、in vitroおよびin vivoの産生系がある。i
n vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系
や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。動物細胞に
おいて、大量発現を目的とする場合には特にCHO細胞が
好ましい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば、リ
ン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポ
レーション、リポフェクションなどの方法で行うことが
可能である。
【0036】真核細胞を使用する場合、例えば、動物細
胞、植物細胞、真菌細胞を宿主に用いることができる。
動物細胞としては、哺乳類細胞、例えば、CHO、COS、3T
3、ミエローマ、BHK(baby hamster kidney)、HeLa、V
ero、両生類細胞、例えばアフリカツメガエル卵母細胞
(Valle, et al. (1981) Nature 291, 358-340)、ある
いは昆虫細胞、例えば、Sf9、Sf21、Tn5が知られてい
る。CHO細胞としては、特に、DHFR遺伝子を欠損したCHO
細胞であるdhfr-CHO(Urlaub, G. and Chasin,L. A. (1
980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77, 4216-4220)やC
HO K-1(Kao, F. T. and Puck, T. T. (1968) Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 60, 1275-1281)を好適に使用する
ことができる。動物細胞において、大量発現を目的とす
る場合には特にCHO細胞が好ましい。宿主細胞へのベク
ターの導入は、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキ
ストラン法、カチオニックリポソームDOTAP(ベーリン
ガーマンハイム社製)を用いた方法、エレクトロポレー
ション法、リポフェクション等の方法で行うことが可能
である。
胞、植物細胞、真菌細胞を宿主に用いることができる。
動物細胞としては、哺乳類細胞、例えば、CHO、COS、3T
3、ミエローマ、BHK(baby hamster kidney)、HeLa、V
ero、両生類細胞、例えばアフリカツメガエル卵母細胞
(Valle, et al. (1981) Nature 291, 358-340)、ある
いは昆虫細胞、例えば、Sf9、Sf21、Tn5が知られてい
る。CHO細胞としては、特に、DHFR遺伝子を欠損したCHO
細胞であるdhfr-CHO(Urlaub, G. and Chasin,L. A. (1
980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77, 4216-4220)やC
HO K-1(Kao, F. T. and Puck, T. T. (1968) Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 60, 1275-1281)を好適に使用する
ことができる。動物細胞において、大量発現を目的とす
る場合には特にCHO細胞が好ましい。宿主細胞へのベク
ターの導入は、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキ
ストラン法、カチオニックリポソームDOTAP(ベーリン
ガーマンハイム社製)を用いた方法、エレクトロポレー
ション法、リポフェクション等の方法で行うことが可能
である。
【0037】植物細胞としては、例えば、ニコチアナ・
タバカム(Nicotiana tabacum)由来の細胞がタンパク
質生産系として知られており、これをカルス培養すれば
よい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセ
ス(Saccharomyces)属、例えば、サッカロミセス・セ
レビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、糸状菌、例え
ば、アスペルギルス(Aspergillus)属、例えば、アス
ペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)が知られて
いる。
タバカム(Nicotiana tabacum)由来の細胞がタンパク
質生産系として知られており、これをカルス培養すれば
よい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセ
ス(Saccharomyces)属、例えば、サッカロミセス・セ
レビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、糸状菌、例え
ば、アスペルギルス(Aspergillus)属、例えば、アス
ペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)が知られて
いる。
【0038】原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用い
る産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. col
i)、例えば、JM109、DH5α、HB101等が挙げられ、その
他、枯草菌が知られている。
る産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. col
i)、例えば、JM109、DH5α、HB101等が挙げられ、その
他、枯草菌が知られている。
【0039】これらの細胞を、目的とするDNAにより形
質転換し、形質転換された細胞をinvitroで培養するこ
とによりタンパク質が得られる。培養は、公知の方法に
従い行うことができる。動物細胞の培養液として、例え
ば、DMEM、MEM、RPMI1640、IMDMを使用することができ
る。その際、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用す
ることもできるし、無血清培養してもよい。培養時のpH
は、約6〜8であるのが好ましい。培養は、通常、約30〜
40℃で約15〜200時間行い、必要に応じて培地の交換、
通気、攪拌を加える。
質転換し、形質転換された細胞をinvitroで培養するこ
とによりタンパク質が得られる。培養は、公知の方法に
従い行うことができる。動物細胞の培養液として、例え
ば、DMEM、MEM、RPMI1640、IMDMを使用することができ
る。その際、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用す
ることもできるし、無血清培養してもよい。培養時のpH
は、約6〜8であるのが好ましい。培養は、通常、約30〜
40℃で約15〜200時間行い、必要に応じて培地の交換、
通気、攪拌を加える。
【0040】一方、in vivoでタンパク質を産生させる
系としては、例えば、動物を使用する産生系や植物を使
用する産生系が挙げられる。これらの動物または植物に
目的とするDNAを導入し、動物または植物の体内でタン
パク質を産生させ、回収する。本発明における「宿主」
とは、これらの動物、植物を包含する。
系としては、例えば、動物を使用する産生系や植物を使
用する産生系が挙げられる。これらの動物または植物に
目的とするDNAを導入し、動物または植物の体内でタン
パク質を産生させ、回収する。本発明における「宿主」
とは、これらの動物、植物を包含する。
【0041】動物を使用する場合、哺乳動物、または昆
虫を用いる産生系がある。哺乳動物としては、ヤギ、ブ
タ、ヒツジ、マウス、ウシを用いることができる(Vick
i Glaser, SPECTRUM Biotechnology Applications, 199
3)。また、哺乳動物を用いる場合、トランスジェニッ
ク動物を用いることができる。例えば、目的とするDNA
を、ヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生される
タンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子として調
製する。次いで、この融合遺伝子を含むDNA断片をヤギ
の胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ移植する。胚を受容
したヤギから生まれるトランスジェニックヤギまたはそ
の子孫が産生する乳汁から、目的のタンパク質を得るこ
とができる。トランスジェニックヤギから産生されるタ
ンパク質を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモ
ンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert,
K. M. et al. (1994) Bio/Technology 12, 699-70
2)。
虫を用いる産生系がある。哺乳動物としては、ヤギ、ブ
タ、ヒツジ、マウス、ウシを用いることができる(Vick
i Glaser, SPECTRUM Biotechnology Applications, 199
3)。また、哺乳動物を用いる場合、トランスジェニッ
ク動物を用いることができる。例えば、目的とするDNA
を、ヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生される
タンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子として調
製する。次いで、この融合遺伝子を含むDNA断片をヤギ
の胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ移植する。胚を受容
したヤギから生まれるトランスジェニックヤギまたはそ
の子孫が産生する乳汁から、目的のタンパク質を得るこ
とができる。トランスジェニックヤギから産生されるタ
ンパク質を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモ
ンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert,
K. M. et al. (1994) Bio/Technology 12, 699-70
2)。
【0042】また、昆虫としては、例えばカイコを用い
ることができる。カイコを用いる場合、目的のタンパク
質をコードするDNAを挿入したバキュロウィルスをカイ
コに感染させることにより、このカイコの体液から目的
のタンパク質を得ることができる(Susumu, M. et al.
(1985) Nature 315, 592-594)。
ることができる。カイコを用いる場合、目的のタンパク
質をコードするDNAを挿入したバキュロウィルスをカイ
コに感染させることにより、このカイコの体液から目的
のタンパク質を得ることができる(Susumu, M. et al.
(1985) Nature 315, 592-594)。
【0043】さらに、植物を使用する場合、例えばタバ
コを用いることができる。タバコを用いる場合、目的と
するタンパク質をコードするDNAを植物発現用ベクタ
ー、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをアグロバ
クテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefa
ciens)のようなバクテリアに導入する。このバクテリ
アをタバコ、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotian
a tabacum)に感染させ、本タバコの葉より所望のポリ
ペプチドを得ることができる(Ma, J. K. et al.(1994)
Eur. J. Immunol. 24, 131-138)。
コを用いることができる。タバコを用いる場合、目的と
するタンパク質をコードするDNAを植物発現用ベクタ
ー、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをアグロバ
クテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefa
ciens)のようなバクテリアに導入する。このバクテリ
アをタバコ、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotian
a tabacum)に感染させ、本タバコの葉より所望のポリ
ペプチドを得ることができる(Ma, J. K. et al.(1994)
Eur. J. Immunol. 24, 131-138)。
【0044】これにより得られた本発明のタンパク質
は、宿主細胞内または細胞外(培地等)から単離し、実
質的に純粋で均一なタンパク質として精製することがで
きる。タンパク質の分離、精製は、通常のタンパク質の
精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよ
く、何ら限定されるものではない。例えば、クロマトグ
ラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈
殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動、等電点電気泳動、透析、再結晶等を適
宜選択、組み合わせればタンパク質を分離、精製するこ
とができる。クロマトグラフィーとしては、例えばアフ
ィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相
クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げ
られる(Strategies for Protein Purification and Ch
aracterization: A Laboratory Course Manual. Ed Dan
iel R. Marshak et al., Cold Spring Harbor Laborato
ry Press, 1996)。これらのクロマトグラフィーは、液
相クロマトグラフィー、例えばHPLC、FPLC等の液相クロ
マトグラフィーを用いて行うことができる。本発明は、
これらの精製方法を用いて高度に精製されたタンパク質
も包含する。
は、宿主細胞内または細胞外(培地等)から単離し、実
質的に純粋で均一なタンパク質として精製することがで
きる。タンパク質の分離、精製は、通常のタンパク質の
精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよ
く、何ら限定されるものではない。例えば、クロマトグ
ラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈
殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動、等電点電気泳動、透析、再結晶等を適
宜選択、組み合わせればタンパク質を分離、精製するこ
とができる。クロマトグラフィーとしては、例えばアフ
ィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相
クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げ
られる(Strategies for Protein Purification and Ch
aracterization: A Laboratory Course Manual. Ed Dan
iel R. Marshak et al., Cold Spring Harbor Laborato
ry Press, 1996)。これらのクロマトグラフィーは、液
相クロマトグラフィー、例えばHPLC、FPLC等の液相クロ
マトグラフィーを用いて行うことができる。本発明は、
これらの精製方法を用いて高度に精製されたタンパク質
も包含する。
【0045】なお、タンパク質の精製前または精製後に
適当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任
意に修飾を加えたり部分的にペプチドを除去することも
できる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、トリプ
シン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、プ
ロテインキナーゼ、グルコシダーゼ等が用いられる。
適当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任
意に修飾を加えたり部分的にペプチドを除去することも
できる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、トリプ
シン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、プ
ロテインキナーゼ、グルコシダーゼ等が用いられる。
【0046】また、本発明は、本発明のタンパク質と結
合する抗体に関する。本発明の抗体の形態には、特に制
限はなく、ポリクローナル抗体の他、モノクローナル抗
体も含まれる。また、ウサギなどの免疫動物に本発明の
タンパク質を免疫して得た抗血清、すべてのクラスのポ
リクローナル抗体およびモノクローナル抗体、さらにヒ
ト抗体や遺伝子組み換えによるヒト型化抗体も含まれ
る。
合する抗体に関する。本発明の抗体の形態には、特に制
限はなく、ポリクローナル抗体の他、モノクローナル抗
体も含まれる。また、ウサギなどの免疫動物に本発明の
タンパク質を免疫して得た抗血清、すべてのクラスのポ
リクローナル抗体およびモノクローナル抗体、さらにヒ
ト抗体や遺伝子組み換えによるヒト型化抗体も含まれ
る。
【0047】抗体取得の感作抗原として使用される本発
明のタンパク質は、その由来となる動物種に制限されな
いが、哺乳動物、例えばヒト、マウスまたはラット由来
のタンパク質が好ましく、特にヒト由来のタンパク質が
好ましい。ヒト由来のタンパク質は、本明細書に開示さ
れる遺伝子配列またはアミノ酸配列を用いて得ることが
できる。本発明において、感作抗原として使用されるタ
ンパク質は、完全なタンパク質であってもよいし、ま
た、タンパク質の部分ペプチドであってもよい。タンパ
ク質の部分ペプチドとしては、例えば、タンパク質のア
ミノ(N)末端断片やカルボキシ(C)末端断片が挙げら
れる。本明細書で述べる「抗体」とはタンパク質の全長
または断片に反応する抗体を意味する。
明のタンパク質は、その由来となる動物種に制限されな
いが、哺乳動物、例えばヒト、マウスまたはラット由来
のタンパク質が好ましく、特にヒト由来のタンパク質が
好ましい。ヒト由来のタンパク質は、本明細書に開示さ
れる遺伝子配列またはアミノ酸配列を用いて得ることが
できる。本発明において、感作抗原として使用されるタ
ンパク質は、完全なタンパク質であってもよいし、ま
た、タンパク質の部分ペプチドであってもよい。タンパ
ク質の部分ペプチドとしては、例えば、タンパク質のア
ミノ(N)末端断片やカルボキシ(C)末端断片が挙げら
れる。本明細書で述べる「抗体」とはタンパク質の全長
または断片に反応する抗体を意味する。
【0048】本発明のタンパク質またはその断片をコー
ドする遺伝子を公知の発現ベクター系に挿入し、該ベク
ターにより本明細書で述べた宿主細胞を形質転換させ、
該宿主細胞内外から目的のタンパク質またはその断片を
公知の方法で得て、これらを感作抗原として用いればよ
い。また、タンパク質を発現する細胞またはその溶解物
あるいは化学的に合成した本発明のタンパク質を感作抗
原として使用してもよい。短いペプチドは、キーホール
リンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、卵白ア
ルブミンなどのキャリアタンパク質と適宜結合させて抗
原とすることができる。
ドする遺伝子を公知の発現ベクター系に挿入し、該ベク
ターにより本明細書で述べた宿主細胞を形質転換させ、
該宿主細胞内外から目的のタンパク質またはその断片を
公知の方法で得て、これらを感作抗原として用いればよ
い。また、タンパク質を発現する細胞またはその溶解物
あるいは化学的に合成した本発明のタンパク質を感作抗
原として使用してもよい。短いペプチドは、キーホール
リンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、卵白ア
ルブミンなどのキャリアタンパク質と適宜結合させて抗
原とすることができる。
【0049】感作抗原で免疫される哺乳動物としては、
特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親
細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般
的には、げっ歯目、ウサギ目、霊長目の動物が使用され
る。げっ歯目の動物としては、例えば、マウス、ラッ
ト、ハムスター等が使用される。ウサギ目の動物として
は、例えば、ウサギが使用される。霊長目の動物として
は、例えば、サルが使用される。サルとしては、狭鼻下
目のサル(旧世界ザル)、例えば、カニクイザル、アカ
ゲザル、マントヒヒ、チンパンジー等が使用される。
特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親
細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般
的には、げっ歯目、ウサギ目、霊長目の動物が使用され
る。げっ歯目の動物としては、例えば、マウス、ラッ
ト、ハムスター等が使用される。ウサギ目の動物として
は、例えば、ウサギが使用される。霊長目の動物として
は、例えば、サルが使用される。サルとしては、狭鼻下
目のサル(旧世界ザル)、例えば、カニクイザル、アカ
ゲザル、マントヒヒ、チンパンジー等が使用される。
【0050】感作抗原を動物に免疫するには、公知の方
法に従って行われる。一般的方法としては、感作抗原を
哺乳動物の腹腔内または皮下に注射する。具体的には、
感作抗原をPBS (Phosphate-Buffered Saline) や生理食
塩水等で適当量に希釈、懸濁したものに対し、所望によ
り通常のアジュバント、例えば、フロイント完全アジュ
バントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に投与する。さ
らに、その後、フロイント不完全アジュバントに適量混
合した感作抗原を、4〜21日毎に数回投与することが好
ましい。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用する
ことができる。このように免疫し、血清中に所望の抗体
レベルが上昇することを常法により確認する。
法に従って行われる。一般的方法としては、感作抗原を
哺乳動物の腹腔内または皮下に注射する。具体的には、
感作抗原をPBS (Phosphate-Buffered Saline) や生理食
塩水等で適当量に希釈、懸濁したものに対し、所望によ
り通常のアジュバント、例えば、フロイント完全アジュ
バントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に投与する。さ
らに、その後、フロイント不完全アジュバントに適量混
合した感作抗原を、4〜21日毎に数回投与することが好
ましい。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用する
ことができる。このように免疫し、血清中に所望の抗体
レベルが上昇することを常法により確認する。
【0051】ここで、本発明のタンパク質に対するポリ
クローナル抗体を得るには、例えば、本発明のタンパク
質をウサギなどの小動物やその他の哺乳動物等に免疫
し、血清中の所望の抗体レベルが上昇したことを確認し
た後、抗原を感作した哺乳動物の血液を取り出す。この
血液から公知の方法により血清を分離する。ポリクロー
ナル抗体としては、ポリクローナル抗体を含む血清を使
用してもよいし、必要に応じこの血清からポリクローナ
ル抗体を含む画分をさらに単離して、これを使用しても
よい。例えば、本発明のタンパク質をカップリングさせ
たアフィニティーカラムを用いて、本発明のタンパク質
のみを認識する画分を得て、さらにこの画分をプロテイ
ンAあるいはプロテインGカラムを利用して精製すること
により、免疫グロブリンGあるいはMを調製することがで
きる。
クローナル抗体を得るには、例えば、本発明のタンパク
質をウサギなどの小動物やその他の哺乳動物等に免疫
し、血清中の所望の抗体レベルが上昇したことを確認し
た後、抗原を感作した哺乳動物の血液を取り出す。この
血液から公知の方法により血清を分離する。ポリクロー
ナル抗体としては、ポリクローナル抗体を含む血清を使
用してもよいし、必要に応じこの血清からポリクローナ
ル抗体を含む画分をさらに単離して、これを使用しても
よい。例えば、本発明のタンパク質をカップリングさせ
たアフィニティーカラムを用いて、本発明のタンパク質
のみを認識する画分を得て、さらにこの画分をプロテイ
ンAあるいはプロテインGカラムを利用して精製すること
により、免疫グロブリンGあるいはMを調製することがで
きる。
【0052】モノクローナル抗体を得るには、上記抗原
を感作した哺乳動物の血清中に所望の抗体レベルが上昇
することを確認した後に、哺乳動物から免疫細胞を取り
出し、細胞融合に付せばよい。この際、細胞融合に使用
される好ましい免疫細胞として、特に脾細胞が挙げられ
る。前記免疫細胞と融合される他方の親細胞としては、
好ましくは哺乳動物のミエローマ細胞、より好ましく
は、薬剤による融合細胞選別のための特性を獲得したミ
エローマ細胞が挙げられる。前記免疫細胞とミエローマ
細胞の細胞融合は基本的には公知の方法、例えば、ミル
ステインらの方法(Galfre, G. and Milstein, C. (198
1) Methods Enzymol. 73, 3-46)等に準じて行うことが
できる。
を感作した哺乳動物の血清中に所望の抗体レベルが上昇
することを確認した後に、哺乳動物から免疫細胞を取り
出し、細胞融合に付せばよい。この際、細胞融合に使用
される好ましい免疫細胞として、特に脾細胞が挙げられ
る。前記免疫細胞と融合される他方の親細胞としては、
好ましくは哺乳動物のミエローマ細胞、より好ましく
は、薬剤による融合細胞選別のための特性を獲得したミ
エローマ細胞が挙げられる。前記免疫細胞とミエローマ
細胞の細胞融合は基本的には公知の方法、例えば、ミル
ステインらの方法(Galfre, G. and Milstein, C. (198
1) Methods Enzymol. 73, 3-46)等に準じて行うことが
できる。
【0053】具体的には、例えば、本発明のタンパク質
をマウスなどの小動物に免疫を行い、同マウスより脾臓
を摘出し、これをすりつぶして細胞にし、マウスミエロ
ーマ細胞とポリエチレングリコールなどの試薬により融
合させ、融合細胞(ハイブリドーマ)を得る。
をマウスなどの小動物に免疫を行い、同マウスより脾臓
を摘出し、これをすりつぶして細胞にし、マウスミエロ
ーマ細胞とポリエチレングリコールなどの試薬により融
合させ、融合細胞(ハイブリドーマ)を得る。
【0054】細胞融合により得られたハイブリドーマ
は、通常の選択培養液、例えば、HAT培養液(ヒポキサ
ンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)
で培養することにより選択される。当該HAT培養液での
培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合
細胞)が死滅するのに十分な時間、通常、数日〜数週間
継続して行う。次いで、通常の限界希釈法を実施し、目
的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニン
グおよびクローニングを行う。
は、通常の選択培養液、例えば、HAT培養液(ヒポキサ
ンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)
で培養することにより選択される。当該HAT培養液での
培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合
細胞)が死滅するのに十分な時間、通常、数日〜数週間
継続して行う。次いで、通常の限界希釈法を実施し、目
的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニン
グおよびクローニングを行う。
【0055】また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上
記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球、例えばEB
ウィルスに感染したヒトリンパ球をin vitroでタンパク
質、タンパク質発現細胞またはその溶解物で感作し、感
作リンパ球をヒト由来の永久分裂能を有するミエローマ
細胞、例えばU266と融合させ、タンパク質への結合活性
を有する所望のヒト抗体を産生するハイブリドーマを得
ることもできる(特開昭63-17688号公報)。
記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球、例えばEB
ウィルスに感染したヒトリンパ球をin vitroでタンパク
質、タンパク質発現細胞またはその溶解物で感作し、感
作リンパ球をヒト由来の永久分裂能を有するミエローマ
細胞、例えばU266と融合させ、タンパク質への結合活性
を有する所望のヒト抗体を産生するハイブリドーマを得
ることもできる(特開昭63-17688号公報)。
【0056】次いで、得られたハイブリドーマをマウス
腹腔内に移植し、同マウスより腹水を回収し、得られた
モノクローナル抗体を、例えば、硫安沈殿、プロテイン
A、プロテインGカラム、DEAEイオン交換クロマトグラフ
ィー、本発明のタンパク質をカップリングしたアフィニ
ティーカラム等により精製することで調製することが可
能である。本発明の抗体は、本発明のタンパク質の精
製、検出に用いられる他、本発明のタンパク質のアゴニ
ストやアンタゴニストの候補になる。また、この抗体を
本発明のタンパク質が関与する疾患の抗体治療へ応用す
ることも考えられる。得られた抗体を人体に投与する目
的(抗体治療)で使用する場合には、免疫原性を低下さ
せるため、ヒト抗体やヒト型化抗体が好ましい。
腹腔内に移植し、同マウスより腹水を回収し、得られた
モノクローナル抗体を、例えば、硫安沈殿、プロテイン
A、プロテインGカラム、DEAEイオン交換クロマトグラフ
ィー、本発明のタンパク質をカップリングしたアフィニ
ティーカラム等により精製することで調製することが可
能である。本発明の抗体は、本発明のタンパク質の精
製、検出に用いられる他、本発明のタンパク質のアゴニ
ストやアンタゴニストの候補になる。また、この抗体を
本発明のタンパク質が関与する疾患の抗体治療へ応用す
ることも考えられる。得られた抗体を人体に投与する目
的(抗体治療)で使用する場合には、免疫原性を低下さ
せるため、ヒト抗体やヒト型化抗体が好ましい。
【0057】例えば、ヒト抗体遺伝子のレパートリーを
有するトランスジェニック動物に抗原となるタンパク
質、タンパク質発現細胞またはその溶解物を免疫して抗
体産生細胞を取得し、これをミエローマ細胞と融合させ
たハイブリドーマを用いて目的のタンパク質に対するヒ
ト抗体を取得することができる(国際特許出願公開番号
WO92-03918、WO93-2227、WO94-02602、WO94-25585、WO9
6-33735およびWO96-34096参照)。
有するトランスジェニック動物に抗原となるタンパク
質、タンパク質発現細胞またはその溶解物を免疫して抗
体産生細胞を取得し、これをミエローマ細胞と融合させ
たハイブリドーマを用いて目的のタンパク質に対するヒ
ト抗体を取得することができる(国際特許出願公開番号
WO92-03918、WO93-2227、WO94-02602、WO94-25585、WO9
6-33735およびWO96-34096参照)。
【0058】ハイブリドーマを用いて抗体を産生する以
外に、抗体を産生する感作リンパ球等の免疫細胞を癌遺
伝子 (oncogene) により不死化させた細胞を用いてもよ
い。このように得られたモノクローナル抗体はまた、遺
伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型抗体として
得ることができる(例えば、Borrebaeck, C. A. K.and
Larrick, J. W., THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES,
Published in theUnited Kingdom by MACMILLAN PUBLI
SHERS LTD, 1990 参照)。組換え型抗体は、それをコー
ドするDNAをハイブリドーマまたは抗体を産生する感作
リンパ球等の免疫細胞からクローニングし、適当なベク
ターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させる。本
発明は、この組換え型抗体を包含する。
外に、抗体を産生する感作リンパ球等の免疫細胞を癌遺
伝子 (oncogene) により不死化させた細胞を用いてもよ
い。このように得られたモノクローナル抗体はまた、遺
伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型抗体として
得ることができる(例えば、Borrebaeck, C. A. K.and
Larrick, J. W., THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES,
Published in theUnited Kingdom by MACMILLAN PUBLI
SHERS LTD, 1990 参照)。組換え型抗体は、それをコー
ドするDNAをハイブリドーマまたは抗体を産生する感作
リンパ球等の免疫細胞からクローニングし、適当なベク
ターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させる。本
発明は、この組換え型抗体を包含する。
【0059】さらに、本発明の抗体は、本発明のタンパ
ク質に結合する限り、その抗体断片や抗体修飾物であっ
てもよい。例えば、抗体断片としては、Fab、F(ab')2、
FvまたはH鎖とL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシ
ングルチェインFv (scFv) (Huston, J. S. et al. (198
8) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85, 5879-5883)が
挙げられる。具体的には、抗体を酵素、例えば、パパイ
ン、ペプシン等で処理し抗体断片を生成させるか、また
は、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これ
を発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現さ
せる(例えば、Co, M. S. et al. (1994) J. Immunol.
152, 2968-2976; Better, M. and Horwitz, A. H. (198
9) Methods Enzymol. 178, 476-496; Pluckthun, A. an
d Skerra, A. (1989) Methods Enzymol. 178, 497-515;
Lamoyi, E. (1986) Methods Enzymol. 121, 652-663;
Rousseaux, J. et al. (1986) Methods Enzymol. 121,
663-669; Bird, R. E. and Walker, B. W. (1991) Tren
ds Biotechnol. 9, 132-137参照)。抗体修飾物とし
て、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結
合した抗体を使用することもできる。本発明の「抗体」
にはこれらの抗体修飾物も包含される。このような抗体
修飾物を得るには、得られた抗体に化学的な修飾を施す
ことによって得ることができる。これらの方法はこの分
野において既に確立されている。
ク質に結合する限り、その抗体断片や抗体修飾物であっ
てもよい。例えば、抗体断片としては、Fab、F(ab')2、
FvまたはH鎖とL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシ
ングルチェインFv (scFv) (Huston, J. S. et al. (198
8) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85, 5879-5883)が
挙げられる。具体的には、抗体を酵素、例えば、パパイ
ン、ペプシン等で処理し抗体断片を生成させるか、また
は、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これ
を発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現さ
せる(例えば、Co, M. S. et al. (1994) J. Immunol.
152, 2968-2976; Better, M. and Horwitz, A. H. (198
9) Methods Enzymol. 178, 476-496; Pluckthun, A. an
d Skerra, A. (1989) Methods Enzymol. 178, 497-515;
Lamoyi, E. (1986) Methods Enzymol. 121, 652-663;
Rousseaux, J. et al. (1986) Methods Enzymol. 121,
663-669; Bird, R. E. and Walker, B. W. (1991) Tren
ds Biotechnol. 9, 132-137参照)。抗体修飾物とし
て、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結
合した抗体を使用することもできる。本発明の「抗体」
にはこれらの抗体修飾物も包含される。このような抗体
修飾物を得るには、得られた抗体に化学的な修飾を施す
ことによって得ることができる。これらの方法はこの分
野において既に確立されている。
【0060】また、本発明の抗体は、公知の技術を使用
して非ヒト抗体由来の可変領域とヒト抗体由来の定常領
域からなるキメラ抗体または非ヒト抗体由来のCDR(相
補性決定領域)とヒト抗体由来のFR(フレームワーク領
域)および定常領域からなるヒト型化抗体として得るこ
とができる。
して非ヒト抗体由来の可変領域とヒト抗体由来の定常領
域からなるキメラ抗体または非ヒト抗体由来のCDR(相
補性決定領域)とヒト抗体由来のFR(フレームワーク領
域)および定常領域からなるヒト型化抗体として得るこ
とができる。
【0061】前記のように得られた抗体は、均一にまで
精製することができる。本発明で使用される抗体の分
離、精製は通常のタンパク質で使用されている分離、精
製方法を使用すればよい。例えば、アフィニティークロ
マトグラフィー等のクロマトグラフィーカラム、フィル
ター、限外濾過、塩析、透析、SDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動、等電点電気泳動等を適宜選択、組み合わ
せれば、抗体を分離、精製することができる(Antibodi
es : A Laboratory Manual. Ed Harlow and David Lan
e, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988)が、これら
に限定されるものではない。上記で得られた抗体の濃度
測定は吸光度の測定または酵素結合免疫吸着検定法(En
zyme-linked immunosorbent assay;ELISA)等により行
うことができる。
精製することができる。本発明で使用される抗体の分
離、精製は通常のタンパク質で使用されている分離、精
製方法を使用すればよい。例えば、アフィニティークロ
マトグラフィー等のクロマトグラフィーカラム、フィル
ター、限外濾過、塩析、透析、SDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動、等電点電気泳動等を適宜選択、組み合わ
せれば、抗体を分離、精製することができる(Antibodi
es : A Laboratory Manual. Ed Harlow and David Lan
e, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988)が、これら
に限定されるものではない。上記で得られた抗体の濃度
測定は吸光度の測定または酵素結合免疫吸着検定法(En
zyme-linked immunosorbent assay;ELISA)等により行
うことができる。
【0062】アフィニティークロマトグラフィーに用い
るカラムとしては、プロテインAカラム、プロテインGカ
ラムが挙げられる。例えば、プロテインAカラムを用い
たカラムとして、Hyper D, POROS, Sepharose F. F. (P
harmacia) 等が挙げられる。アフィニティークロマトグ
ラフィー以外のクロマトグラフィーとしては、例えば、
イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフ
ィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマ
トグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein
Purification and Characterization : A Laboratory
Course Manual. Ed Daniel R. Marshak et al., Cold S
pring Harbor Laboratory Press, 1996)。これらのク
ロマトグラフィーはHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフ
ィーを用いて行うことができる。
るカラムとしては、プロテインAカラム、プロテインGカ
ラムが挙げられる。例えば、プロテインAカラムを用い
たカラムとして、Hyper D, POROS, Sepharose F. F. (P
harmacia) 等が挙げられる。アフィニティークロマトグ
ラフィー以外のクロマトグラフィーとしては、例えば、
イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフ
ィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマ
トグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein
Purification and Characterization : A Laboratory
Course Manual. Ed Daniel R. Marshak et al., Cold S
pring Harbor Laboratory Press, 1996)。これらのク
ロマトグラフィーはHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフ
ィーを用いて行うことができる。
【0063】また、本発明の抗体の抗原結合活性を測定
する方法として、例えば、吸光度の測定、酵素結合免疫
吸着検定法(Enzyme-linked immunosorbent assay;ELI
SA)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)
あるいは蛍光抗体法を用いることができる。ELISAを用
いる場合、本発明の抗体を固相化したプレートに本発明
のタンパク質を添加し、次いで目的の抗体を含む試料、
例えば、抗体産生細胞の培養上清や精製抗体を加える。
酵素、例えば、アルカリフォスファターゼ等で標識した
抗体を認識する二次抗体を添加し、プレートをインキュ
ベーションし、次いで洗浄した後、p-ニトロフェニル燐
酸等の酵素基質を加えて吸光度を測定することで抗原結
合活性を評価することができる。タンパク質として、タ
ンパク質の断片、例えばそのC末端からなる断片あるい
はN末端からなる断片を使用してもよい。本発明の抗体
の活性評価には、BIAcore(Pharmacia製)を使用するこ
とができる。これらの手法を用いることにより、本発明
の抗体と本発明のタンパク質が含まれると予想される試
料とを接触せしめ、該抗体と該タンパク質との免疫複合
体を検出または測定することからなる、本発明のタンパ
ク質の検出または測定方法を実施することができる。本
発明のタンパク質の検出または測定方法は、タンパク質
を特異的に検出または測定することができるため、タン
パク質を用いた種々の実験等に有用である。
する方法として、例えば、吸光度の測定、酵素結合免疫
吸着検定法(Enzyme-linked immunosorbent assay;ELI
SA)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)
あるいは蛍光抗体法を用いることができる。ELISAを用
いる場合、本発明の抗体を固相化したプレートに本発明
のタンパク質を添加し、次いで目的の抗体を含む試料、
例えば、抗体産生細胞の培養上清や精製抗体を加える。
酵素、例えば、アルカリフォスファターゼ等で標識した
抗体を認識する二次抗体を添加し、プレートをインキュ
ベーションし、次いで洗浄した後、p-ニトロフェニル燐
酸等の酵素基質を加えて吸光度を測定することで抗原結
合活性を評価することができる。タンパク質として、タ
ンパク質の断片、例えばそのC末端からなる断片あるい
はN末端からなる断片を使用してもよい。本発明の抗体
の活性評価には、BIAcore(Pharmacia製)を使用するこ
とができる。これらの手法を用いることにより、本発明
の抗体と本発明のタンパク質が含まれると予想される試
料とを接触せしめ、該抗体と該タンパク質との免疫複合
体を検出または測定することからなる、本発明のタンパ
ク質の検出または測定方法を実施することができる。本
発明のタンパク質の検出または測定方法は、タンパク質
を特異的に検出または測定することができるため、タン
パク質を用いた種々の実験等に有用である。
【0064】本発明はまた、ヒトPDE10Aタンパク質をコ
ードするDNA(例えば配列番号:1)またはその相補鎖
に相補的な少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレ
オチドを提供する。ここで「相補鎖」とは、G:C、A:T
(またはU)の塩基対からなる2本鎖ポリヌクレオチドの
一方の鎖に対する他方の鎖を指す。また、「相補的」と
は、少なくとも15個の連続したヌクレオチド領域で完全
に相補配列である場合に限られず、少なくとも70% 、好
ましくは少なくとも80% 、より好ましくは90%以上、さ
らに好ましくは95% 以上の塩基配列上の相同性を有すれ
ばよい。相同性を決定するためのアルゴリズムは本明細
書に記載したものを使用すればよい。
ードするDNA(例えば配列番号:1)またはその相補鎖
に相補的な少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレ
オチドを提供する。ここで「相補鎖」とは、G:C、A:T
(またはU)の塩基対からなる2本鎖ポリヌクレオチドの
一方の鎖に対する他方の鎖を指す。また、「相補的」と
は、少なくとも15個の連続したヌクレオチド領域で完全
に相補配列である場合に限られず、少なくとも70% 、好
ましくは少なくとも80% 、より好ましくは90%以上、さ
らに好ましくは95% 以上の塩基配列上の相同性を有すれ
ばよい。相同性を決定するためのアルゴリズムは本明細
書に記載したものを使用すればよい。
【0065】このようなポリヌクレオチドには、本発明
のタンパク質をコードするDNAの検出や増幅に用いるプ
ローブやプライマー、該DNAの発現を検出するために用
いるプローブやプライマー、本発明のタンパク質の発現
を抑制するためのヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体
(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドやリボザイ
ム、またはこれらをコードするDNA等)が含まれる。ま
た、このようなポリヌクレオチドは、DNAチップの作製
に利用することもできる。本発明のポリヌクレオチドに
は、DNAおよびRNAが含まれる。また、センスヌクレオチ
ドおよびアンチセンスヌクレオチドが含まれる。プライ
マーとして用いる場合、3'側の領域を相補的にして、5'
側には制限酵素認識配列やタグ等を付加することができ
る。
のタンパク質をコードするDNAの検出や増幅に用いるプ
ローブやプライマー、該DNAの発現を検出するために用
いるプローブやプライマー、本発明のタンパク質の発現
を抑制するためのヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体
(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドやリボザイ
ム、またはこれらをコードするDNA等)が含まれる。ま
た、このようなポリヌクレオチドは、DNAチップの作製
に利用することもできる。本発明のポリヌクレオチドに
は、DNAおよびRNAが含まれる。また、センスヌクレオチ
ドおよびアンチセンスヌクレオチドが含まれる。プライ
マーとして用いる場合、3'側の領域を相補的にして、5'
側には制限酵素認識配列やタグ等を付加することができ
る。
【0066】アンチセンスオリゴヌクレオチドとして
は、例えば、配列番号:1の塩基配列中のいずれかの箇
所にハイブリダイズするアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドが含まれる。このアンチセンスオリゴヌクレオチド
は、好ましくは配列番号:1の塩基配列中の連続する少
なくとも15個のヌクレオチドに対するアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドである。さらに好ましくは、連続する少
なくとも15個のヌクレオチドが翻訳開始コドンを含むア
ンチセンスオリゴヌクレオチドである。
は、例えば、配列番号:1の塩基配列中のいずれかの箇
所にハイブリダイズするアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドが含まれる。このアンチセンスオリゴヌクレオチド
は、好ましくは配列番号:1の塩基配列中の連続する少
なくとも15個のヌクレオチドに対するアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドである。さらに好ましくは、連続する少
なくとも15個のヌクレオチドが翻訳開始コドンを含むア
ンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0067】アンチセンスオリゴヌクレオチドとして
は、それらの誘導体や修飾体を使用することができる。
修飾体として、例えばメチルホスホネート型またはエチ
ルホスホネート型のような低級アルキルホスホネート修
飾体、ホスホロチオエート修飾体またはホスホロアミデ
ート修飾体等が挙げられる。
は、それらの誘導体や修飾体を使用することができる。
修飾体として、例えばメチルホスホネート型またはエチ
ルホスホネート型のような低級アルキルホスホネート修
飾体、ホスホロチオエート修飾体またはホスホロアミデ
ート修飾体等が挙げられる。
【0068】アンチセンスオリゴヌクレオチドは、DNA
またはmRNAの所定の領域を構成するヌクレオチドに対応
するヌクレオチドが全て相補配列であるもののみなら
ず、DNA またはmRNAとオリゴヌクレオチドとが配列番
号:1に示される塩基配列に特異的にハイブリダイズで
きる限り、1または複数個のヌクレオチドのミスマッチ
が存在するものも含まれる。
またはmRNAの所定の領域を構成するヌクレオチドに対応
するヌクレオチドが全て相補配列であるもののみなら
ず、DNA またはmRNAとオリゴヌクレオチドとが配列番
号:1に示される塩基配列に特異的にハイブリダイズで
きる限り、1または複数個のヌクレオチドのミスマッチ
が存在するものも含まれる。
【0069】本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド
誘導体は、本発明のタンパク質の産生細胞に作用して、
該タンパク質をコードするDNAまたはmRNAに結合するこ
とにより、その転写または翻訳を阻害したり、mRNAの分
解を促進したりして、本発明のタンパク質の発現を抑制
することにより、結果的に本発明のタンパク質の作用を
抑制する効果を有する。
誘導体は、本発明のタンパク質の産生細胞に作用して、
該タンパク質をコードするDNAまたはmRNAに結合するこ
とにより、その転写または翻訳を阻害したり、mRNAの分
解を促進したりして、本発明のタンパク質の発現を抑制
することにより、結果的に本発明のタンパク質の作用を
抑制する効果を有する。
【0070】本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド
誘導体は、それらに対して不活性な適当な基剤と混和し
て塗布剤、パップ剤等の外用剤とすることができる。ま
た、必要に応じて、賦形剤、等張化剤、溶解補助剤、安
定化剤、防腐剤、無痛化剤等を加えて錠剤、散財、顆粒
剤、カプセル剤、リポソームカプセル剤、注射剤、液
剤、点鼻剤等、さらに凍結乾燥剤とすることができる。
これらは常法に従って調製することができる。本発明の
アンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体は患者の患部に
直接適用するか、または血管内に投与するなどして結果
的に患部に到達し得るように患者に適用する。さらに
は、持続性、膜透過性を高めるアンチセンス封入素材を
用いることもできる。例えば、リポソーム、ポリ-L-リ
ジン、リピッド、コレステロール、リポフェクチンまた
はこれらの誘導体が挙げられる。本発明のアンチセンス
オリゴヌクレオチド誘導体の投与量は、患者の状態に応
じて適宜調整し、好ましい量を用いることができる。例
えば、0.1〜100mg/kg、好ましくは0.1〜50mg/kg の範囲
で投与することができる。
誘導体は、それらに対して不活性な適当な基剤と混和し
て塗布剤、パップ剤等の外用剤とすることができる。ま
た、必要に応じて、賦形剤、等張化剤、溶解補助剤、安
定化剤、防腐剤、無痛化剤等を加えて錠剤、散財、顆粒
剤、カプセル剤、リポソームカプセル剤、注射剤、液
剤、点鼻剤等、さらに凍結乾燥剤とすることができる。
これらは常法に従って調製することができる。本発明の
アンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体は患者の患部に
直接適用するか、または血管内に投与するなどして結果
的に患部に到達し得るように患者に適用する。さらに
は、持続性、膜透過性を高めるアンチセンス封入素材を
用いることもできる。例えば、リポソーム、ポリ-L-リ
ジン、リピッド、コレステロール、リポフェクチンまた
はこれらの誘導体が挙げられる。本発明のアンチセンス
オリゴヌクレオチド誘導体の投与量は、患者の状態に応
じて適宜調整し、好ましい量を用いることができる。例
えば、0.1〜100mg/kg、好ましくは0.1〜50mg/kg の範囲
で投与することができる。
【0071】本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド
は本発明のタンパク質の発現を阻害し、従って本発明の
タンパク質の生物学的活性を抑制することにおいて有用
である。また、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドを含有する発現阻害剤は、本発明のタンパク質の生物
学的活性を抑制することが可能である点で有用である。
は本発明のタンパク質の発現を阻害し、従って本発明の
タンパク質の生物学的活性を抑制することにおいて有用
である。また、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドを含有する発現阻害剤は、本発明のタンパク質の生物
学的活性を抑制することが可能である点で有用である。
【0072】また、本発明は、本発明のタンパク質を利
用した、本発明のタンパク質に結合する化合物のスクリ
ーニング方法に関する。すなわち本発明のタンパク質
は、これに結合する化合物のスクリーニングに有用であ
る。このスクリーニング方法は、(a)本発明のタンパ
ク質またはその部分ペプチドに被検試料を接触させる工
程、(b)本発明のタンパク質またはその部分ペプチド
と被検試料との結合活性を検出する工程、(c)本発明
のタンパク質またはその部分ペプチドに結合する化合物
を選択する工程、を含む。
用した、本発明のタンパク質に結合する化合物のスクリ
ーニング方法に関する。すなわち本発明のタンパク質
は、これに結合する化合物のスクリーニングに有用であ
る。このスクリーニング方法は、(a)本発明のタンパ
ク質またはその部分ペプチドに被検試料を接触させる工
程、(b)本発明のタンパク質またはその部分ペプチド
と被検試料との結合活性を検出する工程、(c)本発明
のタンパク質またはその部分ペプチドに結合する化合物
を選択する工程、を含む。
【0073】スクリーニングに用いられる本発明のタン
パク質は組換えタンパク質であっても、天然由来のタン
パク質であってもよい。また、部分ペプチドであっても
よい。また、被検試料としては特に制限はなく、例え
ば、細胞抽出物、細胞培養上清、発酵微生物産生物、海
洋生物抽出物、植物抽出物、精製若しくは粗精製タンパ
ク質、ペプチド、非ペプチド性化合物、合成低分子化合
物、天然化合物が挙げられる。被検試料を接触させる本
発明のタンパク質は、例えば、精製したタンパク質とし
て、可溶型タンパク質として、担体に結合させた形態と
して、また、他のタンパク質との融合タンパク質とし
て、細胞表面または細胞膜上に発現させた形態として、
あるいは膜画分として被検試料に接触させることができ
る。
パク質は組換えタンパク質であっても、天然由来のタン
パク質であってもよい。また、部分ペプチドであっても
よい。また、被検試料としては特に制限はなく、例え
ば、細胞抽出物、細胞培養上清、発酵微生物産生物、海
洋生物抽出物、植物抽出物、精製若しくは粗精製タンパ
ク質、ペプチド、非ペプチド性化合物、合成低分子化合
物、天然化合物が挙げられる。被検試料を接触させる本
発明のタンパク質は、例えば、精製したタンパク質とし
て、可溶型タンパク質として、担体に結合させた形態と
して、また、他のタンパク質との融合タンパク質とし
て、細胞表面または細胞膜上に発現させた形態として、
あるいは膜画分として被検試料に接触させることができ
る。
【0074】本発明のタンパク質を用いて、例えば該タ
ンパク質に結合するタンパク質をスクリーニングする方
法としては、当業者に公知の多くの方法を用いることが
可能である。このようなスクリーニングは、例えば、免
疫沈降法により行うことができる。具体的には、以下の
ように行うことができる。本発明のタンパク質をコード
する遺伝子を、pSV2neo, pcDNA I, pCD8 等の外来遺伝
子発現用のベクターに挿入することで動物細胞等で当該
遺伝子を発現させる。発現に用いるプロモーターとして
は SV40 early promoter(Rigby In Williamson (ed.),
Genetic Engineering, Vol.3. Academic Press, Londo
n, p.83-141 (1982))、EF-1α promoter(Kim, D. M.
et al. (1990) Gene 91, 217-223)、CAG promoter (Ni
wa, H. et al. (1991) Gene 108, 193-200)、RSV LTR p
romoter(Cullen, B. R. (1987)Methods in Enzymology
152, 684-704)、SRα promoter(Takebe, Y. et al.
(1988) Mol. Cell. Biol. 8, 466-472)、CMV immediat
e early promoter(Seed,B. and Aruffo, A. (1987) Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 84, 3365-3369)、SV40 lat
e promoter(Gheysen, D. and Fiers, W. (1982) J. Mo
l. Appl. Genet.1, 385-394)、Adenovirus late promo
ter(Kaufman, R. J. et al. (1989) Mol. Cell. Biol.
9, 946-958)、HSV TK promoter 等の一般的に使用で
きるプロモーターであれば何を用いてもよい。
ンパク質に結合するタンパク質をスクリーニングする方
法としては、当業者に公知の多くの方法を用いることが
可能である。このようなスクリーニングは、例えば、免
疫沈降法により行うことができる。具体的には、以下の
ように行うことができる。本発明のタンパク質をコード
する遺伝子を、pSV2neo, pcDNA I, pCD8 等の外来遺伝
子発現用のベクターに挿入することで動物細胞等で当該
遺伝子を発現させる。発現に用いるプロモーターとして
は SV40 early promoter(Rigby In Williamson (ed.),
Genetic Engineering, Vol.3. Academic Press, Londo
n, p.83-141 (1982))、EF-1α promoter(Kim, D. M.
et al. (1990) Gene 91, 217-223)、CAG promoter (Ni
wa, H. et al. (1991) Gene 108, 193-200)、RSV LTR p
romoter(Cullen, B. R. (1987)Methods in Enzymology
152, 684-704)、SRα promoter(Takebe, Y. et al.
(1988) Mol. Cell. Biol. 8, 466-472)、CMV immediat
e early promoter(Seed,B. and Aruffo, A. (1987) Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 84, 3365-3369)、SV40 lat
e promoter(Gheysen, D. and Fiers, W. (1982) J. Mo
l. Appl. Genet.1, 385-394)、Adenovirus late promo
ter(Kaufman, R. J. et al. (1989) Mol. Cell. Biol.
9, 946-958)、HSV TK promoter 等の一般的に使用で
きるプロモーターであれば何を用いてもよい。
【0075】動物細胞に遺伝子を導入することで外来遺
伝子を発現させるためには、エレクトロポレーション法
(Chu, G. et al. (1987) Nucleic Acid Res. 15, 1311
-1326)、リン酸カルシウム法(Chen, C and Okayama,
H. (1987) Mol. Cell. Biol.7, 2745-2752)、DEAEデキ
ストラン法(Lopata, M. A. et al. (1984) NucleicAci
ds Res. 12, 5707-5717; Sussman, D. J. and Milman,
G. (1985) Mol. Cell. Biol. 4, 1642-1643)、リポフ
ェクチン法(Derijard, B. (1994) Cell 7, 1025-1037;
Lamb, B. T. et al. (1993) Nature Genetics 5, 22-3
0; Rabindran,S. K. et al. (1993) Science 259, 230-
234)等の方法があるが、いずれの方法によってもよ
い。
伝子を発現させるためには、エレクトロポレーション法
(Chu, G. et al. (1987) Nucleic Acid Res. 15, 1311
-1326)、リン酸カルシウム法(Chen, C and Okayama,
H. (1987) Mol. Cell. Biol.7, 2745-2752)、DEAEデキ
ストラン法(Lopata, M. A. et al. (1984) NucleicAci
ds Res. 12, 5707-5717; Sussman, D. J. and Milman,
G. (1985) Mol. Cell. Biol. 4, 1642-1643)、リポフ
ェクチン法(Derijard, B. (1994) Cell 7, 1025-1037;
Lamb, B. T. et al. (1993) Nature Genetics 5, 22-3
0; Rabindran,S. K. et al. (1993) Science 259, 230-
234)等の方法があるが、いずれの方法によってもよ
い。
【0076】特異性の明らかとなっているモノクローナ
ル抗体の認識部位(エピトープ)を本発明のタンパク質
のN末またはC末に導入することにより、モノクローナル
抗体の認識部位を有する融合タンパク質として本発明の
タンパク質を発現させることができる。用いるエピトー
プ−抗体系としては市販されているものを利用すること
ができる(実験医学 13, 85-90 (1995))。マルチクロ
ーニングサイトを介して、β−ガラクトシダーゼ、マル
トース結合タンパク質、グルタチオン S-トランスフェ
ラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)等との融合タンパ
ク質を発現することができるベクターが市販されてい
る。
ル抗体の認識部位(エピトープ)を本発明のタンパク質
のN末またはC末に導入することにより、モノクローナル
抗体の認識部位を有する融合タンパク質として本発明の
タンパク質を発現させることができる。用いるエピトー
プ−抗体系としては市販されているものを利用すること
ができる(実験医学 13, 85-90 (1995))。マルチクロ
ーニングサイトを介して、β−ガラクトシダーゼ、マル
トース結合タンパク質、グルタチオン S-トランスフェ
ラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)等との融合タンパ
ク質を発現することができるベクターが市販されてい
る。
【0077】融合タンパク質にすることにより本発明の
タンパク質の性質をできるだけ変化させないようにする
ために、数個から十数個のアミノ酸からなる小さなエピ
トープ部分のみを導入して、融合タンパク質を調製する
方法も報告されている。例えば、ポリヒスチジン(His-
tag)、インフルエンザ凝集素 HA、ヒトc-myc、FLAG、V
esicular stomatitis ウィルス糖タンパク質(VSV-G
P)、T7 gene10 タンパク質(T7-tag)、ヒト単純ヘル
ペスウィルス糖タンパク質(HSV-tag)、E-tag(モノク
ローナルファージ上のエピトープ)等のエピトープとそ
れを認識するモノクローナル抗体を、本発明のタンパク
質に結合するタンパク質のスクリーニングのためのエピ
トープ−抗体系として利用できる(実験医学 13, 85-90
(1995))。
タンパク質の性質をできるだけ変化させないようにする
ために、数個から十数個のアミノ酸からなる小さなエピ
トープ部分のみを導入して、融合タンパク質を調製する
方法も報告されている。例えば、ポリヒスチジン(His-
tag)、インフルエンザ凝集素 HA、ヒトc-myc、FLAG、V
esicular stomatitis ウィルス糖タンパク質(VSV-G
P)、T7 gene10 タンパク質(T7-tag)、ヒト単純ヘル
ペスウィルス糖タンパク質(HSV-tag)、E-tag(モノク
ローナルファージ上のエピトープ)等のエピトープとそ
れを認識するモノクローナル抗体を、本発明のタンパク
質に結合するタンパク質のスクリーニングのためのエピ
トープ−抗体系として利用できる(実験医学 13, 85-90
(1995))。
【0078】免疫沈降においては、これらの抗体を、適
当な界面活性剤を利用して調製した細胞溶解液に添加す
ることにより免疫複合体を形成させる。この免疫複合体
は本発明のタンパク質、それと結合能を有するタンパク
質、および抗体からなる。上記エピトープに対する抗体
を用いる以外に、本発明のタンパク質に対する抗体を利
用して免疫沈降を行うことも可能である。本発明のタン
パク質に対する抗体は、例えば、本発明のタンパク質を
コードする遺伝子を適当な大腸菌発現ベクターに導入し
て大腸菌内で発現させ、発現させたタンパク質を精製
し、これをウサギやマウス、ラット、ヤギ、ニワトリ等
に免疫することで調製することができる。また、合成し
た本発明のタンパク質の部分ペプチドを上記の動物に免
疫することによって調製することもできる。
当な界面活性剤を利用して調製した細胞溶解液に添加す
ることにより免疫複合体を形成させる。この免疫複合体
は本発明のタンパク質、それと結合能を有するタンパク
質、および抗体からなる。上記エピトープに対する抗体
を用いる以外に、本発明のタンパク質に対する抗体を利
用して免疫沈降を行うことも可能である。本発明のタン
パク質に対する抗体は、例えば、本発明のタンパク質を
コードする遺伝子を適当な大腸菌発現ベクターに導入し
て大腸菌内で発現させ、発現させたタンパク質を精製
し、これをウサギやマウス、ラット、ヤギ、ニワトリ等
に免疫することで調製することができる。また、合成し
た本発明のタンパク質の部分ペプチドを上記の動物に免
疫することによって調製することもできる。
【0079】免疫複合体は、例えば、抗体がマウスIgG
抗体であれば、Protein A SepharoseやProtein G Sepha
roseを用いて沈降させることができる。また、本発明の
タンパク質を、例えば、GST等のエピトープとの融合タ
ンパク質として調製した場合には、グルタチオン-Sepha
rose 4B等のこれらエピトープに特異的に結合する物質
を利用して、本発明のタンパク質の抗体を利用した場合
と同様に、免疫複合体を形成させることができる。免疫
沈降の一般的な方法については、例えば、文献(Harlo
w,E. and Lane, D.: Antibodies, pp.511-552, Cold Sp
ring Harbor Laboratory publications, New York (198
8))記載の方法に従って、または準じて行えばよい。
抗体であれば、Protein A SepharoseやProtein G Sepha
roseを用いて沈降させることができる。また、本発明の
タンパク質を、例えば、GST等のエピトープとの融合タ
ンパク質として調製した場合には、グルタチオン-Sepha
rose 4B等のこれらエピトープに特異的に結合する物質
を利用して、本発明のタンパク質の抗体を利用した場合
と同様に、免疫複合体を形成させることができる。免疫
沈降の一般的な方法については、例えば、文献(Harlo
w,E. and Lane, D.: Antibodies, pp.511-552, Cold Sp
ring Harbor Laboratory publications, New York (198
8))記載の方法に従って、または準じて行えばよい。
【0080】免疫沈降されたタンパク質の解析にはSDS-
PAGEが一般的であり、適当な濃度のゲルを用いること
で、結合していたタンパク質をタンパク質の分子量によ
り解析することができる。また、この際、一般的には本
発明のタンパク質に結合したタンパク質は、クマシー染
色や銀染色といったタンパク質の通常の染色法では検出
することは困難であるので、放射性同位元素である35S-
メチオニンや35S-システインを含んだ培養液で細胞を培
養し、該細胞内のタンパク質を標識して、これを検出す
ることで検出感度を向上させることができる。タンパク
質の分子量が判明すれば直接SDS-ポリアクリルアミドゲ
ルから目的のタンパク質を精製し、その配列を決定する
こともできる。
PAGEが一般的であり、適当な濃度のゲルを用いること
で、結合していたタンパク質をタンパク質の分子量によ
り解析することができる。また、この際、一般的には本
発明のタンパク質に結合したタンパク質は、クマシー染
色や銀染色といったタンパク質の通常の染色法では検出
することは困難であるので、放射性同位元素である35S-
メチオニンや35S-システインを含んだ培養液で細胞を培
養し、該細胞内のタンパク質を標識して、これを検出す
ることで検出感度を向上させることができる。タンパク
質の分子量が判明すれば直接SDS-ポリアクリルアミドゲ
ルから目的のタンパク質を精製し、その配列を決定する
こともできる。
【0081】また、本発明のタンパク質を用いて、該タ
ンパク質に結合するタンパク質を単離する方法として
は、例えば、ウエストウエスタンブロッティング法(Sk
olnik,E. Y. et al. (1991) Cell 65, 83-90)を用いて
行うことができる。すなわち、本発明のタンパク質と結
合する結合タンパク質を発現していることが予想される
細胞、組織、臓器よりファージベクター(λgt11, ZAP
など)を用いたcDNAライブラリーを作製し、これをLB-
アガロース上で発現させ、フィルターに発現させたタン
パク質を固定し、精製して標識した本発明のタンパク質
と上記フィルターとを反応させ、本発明のタンパク質と
結合したタンパク質を発現するプラークを標識により検
出すればよい。本発明のタンパク質を標識する方法とし
ては、ビオチンラベルや他のタンパク質(例えばGST
等)との融合などが挙げられ、ビオチンとアビジンの結
合性を利用する方法、本発明のタンパク質または本発明
のタンパク質に融合したペプチドまたはポリペプチド
(例えばGST等)に特異的に結合する抗体を利用する方
法などにより検出することができる。また、ラジオアイ
ソトープを利用する方法または蛍光を利用する方法等に
より標識を行ってもよい。
ンパク質に結合するタンパク質を単離する方法として
は、例えば、ウエストウエスタンブロッティング法(Sk
olnik,E. Y. et al. (1991) Cell 65, 83-90)を用いて
行うことができる。すなわち、本発明のタンパク質と結
合する結合タンパク質を発現していることが予想される
細胞、組織、臓器よりファージベクター(λgt11, ZAP
など)を用いたcDNAライブラリーを作製し、これをLB-
アガロース上で発現させ、フィルターに発現させたタン
パク質を固定し、精製して標識した本発明のタンパク質
と上記フィルターとを反応させ、本発明のタンパク質と
結合したタンパク質を発現するプラークを標識により検
出すればよい。本発明のタンパク質を標識する方法とし
ては、ビオチンラベルや他のタンパク質(例えばGST
等)との融合などが挙げられ、ビオチンとアビジンの結
合性を利用する方法、本発明のタンパク質または本発明
のタンパク質に融合したペプチドまたはポリペプチド
(例えばGST等)に特異的に結合する抗体を利用する方
法などにより検出することができる。また、ラジオアイ
ソトープを利用する方法または蛍光を利用する方法等に
より標識を行ってもよい。
【0082】また、本発明のスクリーニング方法の他の
態様としては、細胞を用いた 2-ハイブリッドシステム
(Fields, S., and Sternglanz, R. (1994) Trends Gen
et.10, 286-292; Dalton S, and Treisman R (1992) Ch
aracterization of SAP-1,a protein recruited by ser
um response factor to the c-fos serum responseelem
ent, Cell 68, 597-612、「MATCHMAKER Two-Hybrid Sys
tem」、「Mammalian MATCHMAKER Two-Hybrid Assay Ki
t」、「MATCHMAKER One-Hybrid System」(いずれもClon
tech社製);「HybriZAP Two-Hybrid Vector System」(St
ratagene社製))を用いて行う方法が挙げられる。2-ハ
イブリッドシステムにおいては、本発明のタンパク質ま
たはその部分ペプチドをSRF DNA結合領域またはGAL4 DN
A結合領域と融合させて酵母細胞の中で発現させ、本発
明のタンパク質と結合するタンパク質を発現しているこ
とが予想される細胞より、VP16またはGAL4転写活性化領
域と融合する形で発現するようなcDNAライブラリーを作
製し、これを上記酵母細胞に導入し、検出された陽性ク
ローンからライブラリー由来cDNAを単離する(酵母細胞
内で本発明のタンパク質と結合するタンパク質が発現す
ると、両者の結合によりレポーター遺伝子が活性化さ
れ、陽性のクローンが確認できる)。単離したcDNAを大
腸菌に導入して発現させることにより、該cDNAがコード
するタンパク質を得ることができる。これにより本発明
のタンパク質に結合するタンパク質またはその遺伝子を
調製することが可能である。2-ハイブリッドシステムに
おいて用いられるレポーター遺伝子としては、例えば、
HIS3遺伝子の他、Ade2遺伝子、LacZ遺伝子、CAT遺伝
子、ルシフェラーゼ遺伝子、PAI-1(Plasminogen activ
ator inhibitor type1)遺伝子等が挙げられるが、これ
らに制限されない。2ハイブリッド法によるスクリーニ
ングは、酵母の他、哺乳動物細胞などを使って行うこと
もできる。
態様としては、細胞を用いた 2-ハイブリッドシステム
(Fields, S., and Sternglanz, R. (1994) Trends Gen
et.10, 286-292; Dalton S, and Treisman R (1992) Ch
aracterization of SAP-1,a protein recruited by ser
um response factor to the c-fos serum responseelem
ent, Cell 68, 597-612、「MATCHMAKER Two-Hybrid Sys
tem」、「Mammalian MATCHMAKER Two-Hybrid Assay Ki
t」、「MATCHMAKER One-Hybrid System」(いずれもClon
tech社製);「HybriZAP Two-Hybrid Vector System」(St
ratagene社製))を用いて行う方法が挙げられる。2-ハ
イブリッドシステムにおいては、本発明のタンパク質ま
たはその部分ペプチドをSRF DNA結合領域またはGAL4 DN
A結合領域と融合させて酵母細胞の中で発現させ、本発
明のタンパク質と結合するタンパク質を発現しているこ
とが予想される細胞より、VP16またはGAL4転写活性化領
域と融合する形で発現するようなcDNAライブラリーを作
製し、これを上記酵母細胞に導入し、検出された陽性ク
ローンからライブラリー由来cDNAを単離する(酵母細胞
内で本発明のタンパク質と結合するタンパク質が発現す
ると、両者の結合によりレポーター遺伝子が活性化さ
れ、陽性のクローンが確認できる)。単離したcDNAを大
腸菌に導入して発現させることにより、該cDNAがコード
するタンパク質を得ることができる。これにより本発明
のタンパク質に結合するタンパク質またはその遺伝子を
調製することが可能である。2-ハイブリッドシステムに
おいて用いられるレポーター遺伝子としては、例えば、
HIS3遺伝子の他、Ade2遺伝子、LacZ遺伝子、CAT遺伝
子、ルシフェラーゼ遺伝子、PAI-1(Plasminogen activ
ator inhibitor type1)遺伝子等が挙げられるが、これ
らに制限されない。2ハイブリッド法によるスクリーニ
ングは、酵母の他、哺乳動物細胞などを使って行うこと
もできる。
【0083】さらにまた、本発明のタンパク質と結合す
る化合物のスクリーニングは、アフィニティクロマトグ
ラフィーを用いて行うこともできる。例えば、本発明の
タンパク質をアフィニティーカラムの担体に固定し、こ
こに本発明のタンパク質と結合するタンパク質を発現し
ていることが予想される被検試料を適用する。この場合
の被検試料としては、例えば細胞抽出物、細胞溶解物等
が挙げられる。被検試料を適用した後、カラムを洗浄
し、カラムに特異的に結合するタンパク質を精製するこ
とにより、本発明のタンパク質に結合するタンパク質を
調製することができる。
る化合物のスクリーニングは、アフィニティクロマトグ
ラフィーを用いて行うこともできる。例えば、本発明の
タンパク質をアフィニティーカラムの担体に固定し、こ
こに本発明のタンパク質と結合するタンパク質を発現し
ていることが予想される被検試料を適用する。この場合
の被検試料としては、例えば細胞抽出物、細胞溶解物等
が挙げられる。被検試料を適用した後、カラムを洗浄
し、カラムに特異的に結合するタンパク質を精製するこ
とにより、本発明のタンパク質に結合するタンパク質を
調製することができる。
【0084】得られたタンパク質は、そのアミノ酸配列
を分析し、それを基にオリゴDNAを合成し、該DNAをプロ
ーブとしてcDNAライブラリーをスクリーニングすること
により、該タンパク質をコードするDNAを得ることがで
きる。
を分析し、それを基にオリゴDNAを合成し、該DNAをプロ
ーブとしてcDNAライブラリーをスクリーニングすること
により、該タンパク質をコードするDNAを得ることがで
きる。
【0085】本発明において、結合した化合物を検出ま
たは測定する手段として表面プラズモン共鳴現象を利用
したバイオセンサーを使用することもできる。表面プラ
ズモン共鳴現象を利用したバイオセンサーは本発明のタ
ンパク質と被検化合物との間の相互作用を微量のタンパ
ク質を用いてかつ標識することなく、表面プラズモン共
鳴シグナルとしてリアルタイムに観察することが可能で
ある(例えばBIAcore、Pharmacia製)。従って、BIAcor
e等のバイオセンサーを用いることにより本発明のタン
パク質と被検化合物との結合を評価することが可能であ
る。
たは測定する手段として表面プラズモン共鳴現象を利用
したバイオセンサーを使用することもできる。表面プラ
ズモン共鳴現象を利用したバイオセンサーは本発明のタ
ンパク質と被検化合物との間の相互作用を微量のタンパ
ク質を用いてかつ標識することなく、表面プラズモン共
鳴シグナルとしてリアルタイムに観察することが可能で
ある(例えばBIAcore、Pharmacia製)。従って、BIAcor
e等のバイオセンサーを用いることにより本発明のタン
パク質と被検化合物との結合を評価することが可能であ
る。
【0086】また、タンパク質に限らず、本発明のタン
パク質に結合する化合物(アゴニスト、およびアンタゴ
ニストを含む)を単離する方法としては、例えば、固定
した本発明のタンパク質に、例えば、合成化合物、天然
物バンク、またはランダムファージペプチドディスプレ
イライブラリー等を作用させ、本発明のタンパク質に結
合する分子をスクリーニングする方法や、コンビナトリ
アルケミストリー技術によるハイスループットを用いた
スクリーニング方法(Wrighton, N. C. et al.(1996) S
mall peptides as potent mimetics of the protein ho
rmone erythropoietin, Science 273, 458-64; Verdin
e, G. L. (1996) The combinatorial chemistry of nat
ure, Nature 384, 11-13; Hogan, J. C. Jr. (1996) Di
rected combinatorial chemistry, Nature 384, 17-1
9)が当業者に公知である。本発明のスクリーニングに
より単離された化合物は、本発明のタンパク質の活性を
促進または阻害する化合物の候補となる。このような化
合物は、本発明のタンパク質の発現異常や機能異常等に
起因する疾患や本発明のタンパク質の活性を制御するこ
とにより治療可能な疾患の治療への応用が考えられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる、本発明
のタンパク質に結合する活性を有する化合物の構造の一
部を、付加、欠失および/または置換により変換される
物質も、本発明のタンパク質に結合する化合物に含まれ
る。
パク質に結合する化合物(アゴニスト、およびアンタゴ
ニストを含む)を単離する方法としては、例えば、固定
した本発明のタンパク質に、例えば、合成化合物、天然
物バンク、またはランダムファージペプチドディスプレ
イライブラリー等を作用させ、本発明のタンパク質に結
合する分子をスクリーニングする方法や、コンビナトリ
アルケミストリー技術によるハイスループットを用いた
スクリーニング方法(Wrighton, N. C. et al.(1996) S
mall peptides as potent mimetics of the protein ho
rmone erythropoietin, Science 273, 458-64; Verdin
e, G. L. (1996) The combinatorial chemistry of nat
ure, Nature 384, 11-13; Hogan, J. C. Jr. (1996) Di
rected combinatorial chemistry, Nature 384, 17-1
9)が当業者に公知である。本発明のスクリーニングに
より単離された化合物は、本発明のタンパク質の活性を
促進または阻害する化合物の候補となる。このような化
合物は、本発明のタンパク質の発現異常や機能異常等に
起因する疾患や本発明のタンパク質の活性を制御するこ
とにより治療可能な疾患の治療への応用が考えられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる、本発明
のタンパク質に結合する活性を有する化合物の構造の一
部を、付加、欠失および/または置換により変換される
物質も、本発明のタンパク質に結合する化合物に含まれ
る。
【0087】また、本発明は、本発明のタンパク質の活
性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法に
関する。本発明のタンパク質はサイクリックヌクレオチ
ドホスホジエステラーゼとしての活性を有することか
ら、この活性を指標に、本発明のタンパク質の活性を促
進または阻害する化合物をスクリーニングすることが可
能である。
性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法に
関する。本発明のタンパク質はサイクリックヌクレオチ
ドホスホジエステラーゼとしての活性を有することか
ら、この活性を指標に、本発明のタンパク質の活性を促
進または阻害する化合物をスクリーニングすることが可
能である。
【0088】このスクリーニング方法は、(a)被検試
料の存在下で、本発明のタンパク質と3',5'-サイクリッ
クヌクレオチドモノホスフェートとを接触させる工程、
(b)該タンパク質の3',5'-サイクリックヌクレオチド
モノホスフェートに対する加水分解活性を検出する工
程、(c)被検試料非存在下で検出した場合と比較し
て、該加水分解活性を上昇または低下させる化合物を選
択する工程、を含む。
料の存在下で、本発明のタンパク質と3',5'-サイクリッ
クヌクレオチドモノホスフェートとを接触させる工程、
(b)該タンパク質の3',5'-サイクリックヌクレオチド
モノホスフェートに対する加水分解活性を検出する工
程、(c)被検試料非存在下で検出した場合と比較し
て、該加水分解活性を上昇または低下させる化合物を選
択する工程、を含む。
【0089】スクリーニングに用いられる本発明のタン
パク質は組換えタンパク質であっても、天然由来のタン
パク質であってもよい。また、部分ペプチドであっても
よい。また、被検試料としては特に制限はなく、例え
ば、細胞抽出物、細胞培養上清、タンパク質、ペプチ
ド、合成低分子化合物、天然化合物が挙げられる。ま
た、上記の本発明のタンパク質に結合する化合物のスク
リーニングで得られた化合物を被検化合物として用いる
ことも可能である。また、本発明のタンパク質の基質と
なる3',5'-サイクリックヌクレオチドモノホスフェート
としては、例えば、cAMP、cGMP、またはcCMPを用いるこ
とができる。
パク質は組換えタンパク質であっても、天然由来のタン
パク質であってもよい。また、部分ペプチドであっても
よい。また、被検試料としては特に制限はなく、例え
ば、細胞抽出物、細胞培養上清、タンパク質、ペプチ
ド、合成低分子化合物、天然化合物が挙げられる。ま
た、上記の本発明のタンパク質に結合する化合物のスク
リーニングで得られた化合物を被検化合物として用いる
ことも可能である。また、本発明のタンパク質の基質と
なる3',5'-サイクリックヌクレオチドモノホスフェート
としては、例えば、cAMP、cGMP、またはcCMPを用いるこ
とができる。
【0090】本発明のタンパク質による3',5'-サイクリ
ックヌクレオチドモノホスフェートの加水分解活性の検
出は、二段階測定法(Mukai et al., Br. J. Pharmaco
l. (1994) 111, 389-390)により行うことができる。こ
のスクリーニングにより単離される本発明のタンパク質
の活性を促進または阻害する化合物は、本発明のタンパ
ク質が関連する疾患(例えば、発生分化が関与する疾
患、神経疾患、心肺疾患、腎臓疾患)の治療や予防のた
めの医薬品への応用が考えられる。
ックヌクレオチドモノホスフェートの加水分解活性の検
出は、二段階測定法(Mukai et al., Br. J. Pharmaco
l. (1994) 111, 389-390)により行うことができる。こ
のスクリーニングにより単離される本発明のタンパク質
の活性を促進または阻害する化合物は、本発明のタンパ
ク質が関連する疾患(例えば、発生分化が関与する疾
患、神経疾患、心肺疾患、腎臓疾患)の治療や予防のた
めの医薬品への応用が考えられる。
【0091】本発明のスクリーニング方法により単離さ
れる化合物、あるいは本発明のタンパク質もしくはその
部分ペプチドを薬剤として用いる場合には、単離された
化合物自体を用いる以外に、適宜他の溶質や溶媒と組み
合わせて組成物とすることができる。例えば、本発明の
スクリーニング方法により単離される化合物、あるいは
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドをヒトや
動物、例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ニ
ワトリ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、サル、マン
トヒヒ、チンパンジーの医薬として使用する場合には、
タンパク質や単離された化合物自体を直接患者に投与す
る以外に、公知の製剤学的方法により製剤化して投与を
行うことが可能である。例えば、必要に応じて糖衣を施
した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセ
ル剤として経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬
学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤の
注射剤の形で非経口的に使用できる。また、例えば、薬
理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌
水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性
剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合
剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施
に要求される単位用量形態で混和することによって製剤
化することが考えられる。これら製剤における有効成分
量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにする
ものである。
れる化合物、あるいは本発明のタンパク質もしくはその
部分ペプチドを薬剤として用いる場合には、単離された
化合物自体を用いる以外に、適宜他の溶質や溶媒と組み
合わせて組成物とすることができる。例えば、本発明の
スクリーニング方法により単離される化合物、あるいは
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドをヒトや
動物、例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ニ
ワトリ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、サル、マン
トヒヒ、チンパンジーの医薬として使用する場合には、
タンパク質や単離された化合物自体を直接患者に投与す
る以外に、公知の製剤学的方法により製剤化して投与を
行うことが可能である。例えば、必要に応じて糖衣を施
した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセ
ル剤として経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬
学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤の
注射剤の形で非経口的に使用できる。また、例えば、薬
理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌
水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性
剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合
剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施
に要求される単位用量形態で混和することによって製剤
化することが考えられる。これら製剤における有効成分
量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにする
ものである。
【0092】錠剤、カプセル剤に混和することができる
添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、ト
ラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セ
ルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、
アルギン酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウム
のような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのよう
な甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーの
ような香味剤が用いられる。調剤単位形態がカプセルで
ある場合には、上記の材料にさらに油脂のような液状担
体を含有することができる。注射のための無菌組成物は
注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施
に従って処方することができる。
添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、ト
ラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セ
ルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、
アルギン酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウム
のような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのよう
な甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーの
ような香味剤が用いられる。調剤単位形態がカプセルで
ある場合には、上記の材料にさらに油脂のような液状担
体を含有することができる。注射のための無菌組成物は
注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施
に従って処方することができる。
【0093】注射用の水溶液としては、例えば生理食塩
水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD-
ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナ
トリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコ
ール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えば
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イ
オン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HC
O-50と併用してもよい。
水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD-
ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナ
トリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコ
ール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えば
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イ
オン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HC
O-50と併用してもよい。
【0094】油性液としてはゴマ油、大豆油があげら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸
塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、
塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、
フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された
注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸
塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、
塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、
フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された
注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
【0095】患者への投与は、例えば、動脈内注射、静
脈内注射、皮下注射などのほか、鼻腔内的、経気管支
的、筋内的、経皮的、または経口的に当業者に公知の方
法により行いうる。投与量は、患者の体重や年齢、投与
方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与
量を適宜選択することが可能である。また、該化合物が
DNAによりコードされうるものであれば、該DNAを遺伝子
治療用ベクターに組み込み、遺伝子治療を行うことも考
えられる。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症
状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択する
ことが可能である。
脈内注射、皮下注射などのほか、鼻腔内的、経気管支
的、筋内的、経皮的、または経口的に当業者に公知の方
法により行いうる。投与量は、患者の体重や年齢、投与
方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与
量を適宜選択することが可能である。また、該化合物が
DNAによりコードされうるものであれば、該DNAを遺伝子
治療用ベクターに組み込み、遺伝子治療を行うことも考
えられる。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症
状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択する
ことが可能である。
【0096】例えば、本発明のタンパク質と結合する化
合物、あるいは本発明のタンパク質の活性を促進または
阻害する化合物の投与量は、症状により差異はあるが、
経口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)にお
いては、1日あたり約0.1から100mg、好ましくは約1.0か
ら50mg、より好ましくは約1.0から20mgである。非経口
的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象
臓器、症状、投与方法によっても異なるが、例えば注射
剤の形では通常成人(体重60kgとして)においては、1
日あたり約0.01から100mg、好ましくは約0.1から20mg、
より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射により投
与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg
当たりに換算した量、あるいは体表面積当たりに換算し
た量を投与することができる。
合物、あるいは本発明のタンパク質の活性を促進または
阻害する化合物の投与量は、症状により差異はあるが、
経口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)にお
いては、1日あたり約0.1から100mg、好ましくは約1.0か
ら50mg、より好ましくは約1.0から20mgである。非経口
的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象
臓器、症状、投与方法によっても異なるが、例えば注射
剤の形では通常成人(体重60kgとして)においては、1
日あたり約0.01から100mg、好ましくは約0.1から20mg、
より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射により投
与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg
当たりに換算した量、あるいは体表面積当たりに換算し
た量を投与することができる。
【0097】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではな
い。
するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではな
い。
【0098】
【実施例】[実施例1] ヒトPDE10A cDNAのクローニン
グ サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼファミ
リーに属する新たな分子を単離するため、まず、ヒトPD
E4の触媒領域のアミノ酸配列を用いてESTデータベース
(dbEST)の相同性検索(BLAST検索; Altschul, S.F. et
al., 1990, J.Mol. Biol. 215: 403-410)[World Wide
Web (http://www.blast.genome.ad.jp/)を利用]を行っ
た。その結果、ESTナンバーW04835というcDNAが既知のP
DEファミリーのいずれのアイソザイムとも一次構造が異
なり、かつ、PDEモチーフ(HDX 2HX4N)を含んでいるこ
とを見出した。そこで、まず、I.M.A.G.E.コンソーシア
ムよりW04835を含んでいるヒトcDNAクローン 298975 を
購入し、その塩基配列の全長を決定した(図2の塩基 6
34-2320に相当)。配列の解析から、このクローンは、P
DEモチーフ配列だけでなくcGMP結合PDE、すなわちPDE
2、PDE5、およびPDE6に見られるcGMP結合モチーフも含
んでいることが判明した。しかしこのクローンは、5'端
および3'端の両方を含んでいないようであった。cDNAの
全長を得るため、クローン298975内の内部配列に特異的
なセンスおよびアンチセンスのオリゴヌクレオチドプラ
イマーを用いて 5'- および 3'-RACEを行った(Frohma
n, M.A., 1993, Methods Enzymol. 218: 340-356)。
グ サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼファミ
リーに属する新たな分子を単離するため、まず、ヒトPD
E4の触媒領域のアミノ酸配列を用いてESTデータベース
(dbEST)の相同性検索(BLAST検索; Altschul, S.F. et
al., 1990, J.Mol. Biol. 215: 403-410)[World Wide
Web (http://www.blast.genome.ad.jp/)を利用]を行っ
た。その結果、ESTナンバーW04835というcDNAが既知のP
DEファミリーのいずれのアイソザイムとも一次構造が異
なり、かつ、PDEモチーフ(HDX 2HX4N)を含んでいるこ
とを見出した。そこで、まず、I.M.A.G.E.コンソーシア
ムよりW04835を含んでいるヒトcDNAクローン 298975 を
購入し、その塩基配列の全長を決定した(図2の塩基 6
34-2320に相当)。配列の解析から、このクローンは、P
DEモチーフ配列だけでなくcGMP結合PDE、すなわちPDE
2、PDE5、およびPDE6に見られるcGMP結合モチーフも含
んでいることが判明した。しかしこのクローンは、5'端
および3'端の両方を含んでいないようであった。cDNAの
全長を得るため、クローン298975内の内部配列に特異的
なセンスおよびアンチセンスのオリゴヌクレオチドプラ
イマーを用いて 5'- および 3'-RACEを行った(Frohma
n, M.A., 1993, Methods Enzymol. 218: 340-356)。
【0099】鋳型cDNAには、RACE-PCR用のヒト脳cDNAラ
イブラリー(Clontech社製)を用いた。ESTの塩基配列
を基に作製した遺伝子特異的プライマー (5' RACEプラ
イマー, 5'-GGCAG CATGG GTGGA GTTGT GGTAG G-3'/配
列番号:3; 3' RACEプライマー, 5'-TTGGA AAGGA AAGA
G TAAAG GGAAG C-3'/配列番号:4)のうちの1つと、
上記ライブラリーのcDNA断片の両端に付加されているア
ダプター配列と相補的に設計されているAP1プライマー
(Clontech社製)を用い、0.2 mM dNTP、10 pmol各プラ
イマー、2.5 units TAKARA LA Taq (Takara社製)、お
よび酵素添付の1×バッファーを含む 50μlの反応液中
でPCRを行った。PCRは、まず 94℃ 30秒、72℃ 4分を5
サイクル行い、次いで94℃ 30秒、70℃ 4分を5サイク
ル、その後 94℃30秒、68℃ 4分を25サイクルの条件で
行った。増幅された断片はT-AライゲーションによりpGE
M-Tベクター(Promega社製)にクローン化し、両方の鎖
のシークエンシングを行った。
イブラリー(Clontech社製)を用いた。ESTの塩基配列
を基に作製した遺伝子特異的プライマー (5' RACEプラ
イマー, 5'-GGCAG CATGG GTGGA GTTGT GGTAG G-3'/配
列番号:3; 3' RACEプライマー, 5'-TTGGA AAGGA AAGA
G TAAAG GGAAG C-3'/配列番号:4)のうちの1つと、
上記ライブラリーのcDNA断片の両端に付加されているア
ダプター配列と相補的に設計されているAP1プライマー
(Clontech社製)を用い、0.2 mM dNTP、10 pmol各プラ
イマー、2.5 units TAKARA LA Taq (Takara社製)、お
よび酵素添付の1×バッファーを含む 50μlの反応液中
でPCRを行った。PCRは、まず 94℃ 30秒、72℃ 4分を5
サイクル行い、次いで94℃ 30秒、70℃ 4分を5サイク
ル、その後 94℃30秒、68℃ 4分を25サイクルの条件で
行った。増幅された断片はT-AライゲーションによりpGE
M-Tベクター(Promega社製)にクローン化し、両方の鎖
のシークエンシングを行った。
【0100】得られたcDNAと元のESTクローンとを連結
した結果、全長3631塩基のPDE10Aが得られた(図1)。
単離されたPDE10Aは、806アミノ酸をコードするオープ
ンリーディングフレームを有していた(図2)。PDE10A
の塩基配列を配列番号:1に、予想されるアミノ酸配列
を配列番号:2に示す。PDE10AのC末端側には、既知のP
DEで保存されている触媒領域が同定された。決定された
塩基配列についてデータベース検索を行ったところ、上
記W04835以外に、PDE10Aの3'部分に相当するEST(ESTナ
ンバーAA973152)が見出された。すなわち、W04835およ
びAA973152は同一遺伝子に由来していることが判明し
た。
した結果、全長3631塩基のPDE10Aが得られた(図1)。
単離されたPDE10Aは、806アミノ酸をコードするオープ
ンリーディングフレームを有していた(図2)。PDE10A
の塩基配列を配列番号:1に、予想されるアミノ酸配列
を配列番号:2に示す。PDE10AのC末端側には、既知のP
DEで保存されている触媒領域が同定された。決定された
塩基配列についてデータベース検索を行ったところ、上
記W04835以外に、PDE10Aの3'部分に相当するEST(ESTナ
ンバーAA973152)が見出された。すなわち、W04835およ
びAA973152は同一遺伝子に由来していることが判明し
た。
【0101】第1メチオニンコドン周辺の塩基配列は真
核生物の翻訳開始部位のコンセンサス配列(Kozak, M.,
1986, Cell 44: 283-292)とよく一致しており、このA
TGの上流には3つのストップコドンが存在する。3'非コ
ード領域には、ポリAテールの15ヌクレオチド上流に、
典型的なAATAAAポリアデニレーションシグナルが含まれ
ていた。
核生物の翻訳開始部位のコンセンサス配列(Kozak, M.,
1986, Cell 44: 283-292)とよく一致しており、このA
TGの上流には3つのストップコドンが存在する。3'非コ
ード領域には、ポリAテールの15ヌクレオチド上流に、
典型的なAATAAAポリアデニレーションシグナルが含まれ
ていた。
【0102】[実施例2] ヒトPDE10Aと既知のヒトcGMP
結合PDEとの比較 ヒトPDE10Aの予想されるアミノ酸配列の、他の既知のPD
Eの触媒ドメインに対するホモロジー検索を行ったとこ
ろ、この配列は、cGMPを加水分解する3つのサイクリッ
クヌクレオチドホスホジエステラーゼファミリー、すな
わち、cGMP刺激PDE(cGMP stimulated PDE)であるPDE2
(43%の同一性; Rosman, G.J. et al.,1997, Gene 191:
89-95)、cGMP特異的PDEであるPDE5(47%の同一性; St
acey, P. et al., 1998, Biochem. Biophys. Res. Comm
un. 247: 249-254)、および光受容体PDEであるPDE6(4
0%の同一性; Pittler, S.J. et al., 1990, Genomics
6: 272-283; Collins, C., 1992, Genomics 13: 698-70
4; Viczian, A.S., 1995,Gene 166: 205-211)と最も高
い相同性を示した。
結合PDEとの比較 ヒトPDE10Aの予想されるアミノ酸配列の、他の既知のPD
Eの触媒ドメインに対するホモロジー検索を行ったとこ
ろ、この配列は、cGMPを加水分解する3つのサイクリッ
クヌクレオチドホスホジエステラーゼファミリー、すな
わち、cGMP刺激PDE(cGMP stimulated PDE)であるPDE2
(43%の同一性; Rosman, G.J. et al.,1997, Gene 191:
89-95)、cGMP特異的PDEであるPDE5(47%の同一性; St
acey, P. et al., 1998, Biochem. Biophys. Res. Comm
un. 247: 249-254)、および光受容体PDEであるPDE6(4
0%の同一性; Pittler, S.J. et al., 1990, Genomics
6: 272-283; Collins, C., 1992, Genomics 13: 698-70
4; Viczian, A.S., 1995,Gene 166: 205-211)と最も高
い相同性を示した。
【0103】ヒトPDE10Aと今日までに報告されているcG
MP結合PDEのアミノ酸配列とを、Clustal Wプログラムを
用いて比較検討した(図3)。比較に使用したPDEのGen
Bankにおける登録番号はそれぞれ、2A:U67733、5A:AJ
004865、6A:M26061、6B:S41458、6C:U31973である。
cGMP結合ドメインと触媒ドメインは、既知のPDEと比較
的高い相同性を示した。また、2箇所のcGMP結合モチー
フも保存されていた。ヒトPDE10Aは、3つのcGMP結合PD
Eと同様、約380アミノ酸残基にわたる非触媒性cGMP結合
ドメインを含んでおり、ドメイン全体では、PDE2、PDE
5、およびPDE6と、それぞれ31%、27%、および22%の
同一性を示した。既知のPDEファミリーのメンバー間で
は、触媒ドメイン内のホモロジーは80〜95%であり、ま
た、この領域に限られず、コード領域のほぼ全体にわた
っている。このように、配列のホモロジーは、単離され
たcDNAが新規なPDEファミリーの最初のアイソザイムで
あることを示しており、これをPDE10Aと命名した。
MP結合PDEのアミノ酸配列とを、Clustal Wプログラムを
用いて比較検討した(図3)。比較に使用したPDEのGen
Bankにおける登録番号はそれぞれ、2A:U67733、5A:AJ
004865、6A:M26061、6B:S41458、6C:U31973である。
cGMP結合ドメインと触媒ドメインは、既知のPDEと比較
的高い相同性を示した。また、2箇所のcGMP結合モチー
フも保存されていた。ヒトPDE10Aは、3つのcGMP結合PD
Eと同様、約380アミノ酸残基にわたる非触媒性cGMP結合
ドメインを含んでおり、ドメイン全体では、PDE2、PDE
5、およびPDE6と、それぞれ31%、27%、および22%の
同一性を示した。既知のPDEファミリーのメンバー間で
は、触媒ドメイン内のホモロジーは80〜95%であり、ま
た、この領域に限られず、コード領域のほぼ全体にわた
っている。このように、配列のホモロジーは、単離され
たcDNAが新規なPDEファミリーの最初のアイソザイムで
あることを示しており、これをPDE10Aと命名した。
【0104】PDE10AのGenBankTM データベース検索の結
果、PDE10Aと最も高い相同性を示したのは C. elegans
のコスミドクローン CELC32E12 の予想されるアミノ酸
配列であった。触媒ドメインのアミノ酸配列の同一性お
よび相同性はそれぞれ 51%および 75%であった。さら
に、触媒ドメインの外側の同一性および相同性も高く、
それぞれ 61%および 74%であった。哺乳動物のPDE4の
ホモログと考えられているショウジョウバエ(Drosophi
la melanogaster)の学習・記憶遺伝子産物である dnc
は、ヒトPDE4ファミリーと約60%の同一性を示す。ヒト
PDE10AとCELC32E12との間でアミノ酸配列が高度に保存
されていることから、CELC32E12はヒトPDE10Aのホモロ
グをコードしていることが示唆される。
果、PDE10Aと最も高い相同性を示したのは C. elegans
のコスミドクローン CELC32E12 の予想されるアミノ酸
配列であった。触媒ドメインのアミノ酸配列の同一性お
よび相同性はそれぞれ 51%および 75%であった。さら
に、触媒ドメインの外側の同一性および相同性も高く、
それぞれ 61%および 74%であった。哺乳動物のPDE4の
ホモログと考えられているショウジョウバエ(Drosophi
la melanogaster)の学習・記憶遺伝子産物である dnc
は、ヒトPDE4ファミリーと約60%の同一性を示す。ヒト
PDE10AとCELC32E12との間でアミノ酸配列が高度に保存
されていることから、CELC32E12はヒトPDE10Aのホモロ
グをコードしていることが示唆される。
【0105】すべてのcGMP結合PDE(すなわちPDE2、PDE
5、およびPDE6)において、cGMP結合領域内に2つの内
部相同リピートが保存されており、これらは2つの異な
るcGMP結合部位を形成していることが提唱されている
(McAllister-Lucas, L.M., 1993, J. Biol. Chem. 26
8: 22863-22873)。タンデムリピートのパターンはcAMP
依存性タンパク質キナーゼやcGMP依存性タンパク質キナ
ーゼの配列中にも見られ、これらは、両キナーゼにおけ
る2つの異なるサイクリックヌクレオチド結合部位を表
している(Shabb, J.B. & Corbin, J.D., 1992, J. Bio
l. Chem. 267: 5723-5726)。cGMP特異的PDE(PDE5)の
cGMPの結合・解離パターンの研究から、1つの型より多
くのcGMP結合部位が存在することが示唆されている(Th
omas, M.K.et al., 1990, J. Biol. Chem. 265: 14964-
14970)。さらに、cGMP結合の Scatchard分析から、cGS
-PDE(Stroop, S.D. et al., 1991, J. Biol. Chem. 26
6:23802-23809)、cGB-PDE(McAllister-Lucas L.M., 1
995, J. Biol. Chem. 270:30671-30679)、およびROS-P
DE(Gillespie, P.G. & Beavo, J.A., 1989, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 86: 4311-4315)へのcGMP結合に
は、2つのクラスの非触媒部位が存在していることが示
されている。2つの異なるcGMP結合部位は、すべての公
表されている哺乳動物のcGMP結合PDEのアミノ酸配列で
共通の配列 LX2P(V/I)X5-7(V/I/L)(V/I/L)(G/A)(V/I/L)
X4N(K/R)X5-10FX3DE を持つ。ウシ肺cGB-PDEの部位特異
的変異導入により、すべてのcGMP結合PDEの部位で保存
されているAsp残基は、cGMPとの相互作用に重要である
ことが示されている(McAllister-Lucas L.M., 1995,
J. Biol. Chem. 270: 30671-30679)。PDE10Aも2つの
内部相同リピート配列を持つが、すべてのcGMP結合PDE
で保存されているアミノ酸のいくつかはPDE10Aの最初の
リピートでは保存されていない。Arg-235やHis-236な
ど、cGMP結合に関与しているアミノ酸の違いは、PDE10A
が他のcGMP結合PDEとは異なる特異性を有していること
によるものと考えられる。
5、およびPDE6)において、cGMP結合領域内に2つの内
部相同リピートが保存されており、これらは2つの異な
るcGMP結合部位を形成していることが提唱されている
(McAllister-Lucas, L.M., 1993, J. Biol. Chem. 26
8: 22863-22873)。タンデムリピートのパターンはcAMP
依存性タンパク質キナーゼやcGMP依存性タンパク質キナ
ーゼの配列中にも見られ、これらは、両キナーゼにおけ
る2つの異なるサイクリックヌクレオチド結合部位を表
している(Shabb, J.B. & Corbin, J.D., 1992, J. Bio
l. Chem. 267: 5723-5726)。cGMP特異的PDE(PDE5)の
cGMPの結合・解離パターンの研究から、1つの型より多
くのcGMP結合部位が存在することが示唆されている(Th
omas, M.K.et al., 1990, J. Biol. Chem. 265: 14964-
14970)。さらに、cGMP結合の Scatchard分析から、cGS
-PDE(Stroop, S.D. et al., 1991, J. Biol. Chem. 26
6:23802-23809)、cGB-PDE(McAllister-Lucas L.M., 1
995, J. Biol. Chem. 270:30671-30679)、およびROS-P
DE(Gillespie, P.G. & Beavo, J.A., 1989, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 86: 4311-4315)へのcGMP結合に
は、2つのクラスの非触媒部位が存在していることが示
されている。2つの異なるcGMP結合部位は、すべての公
表されている哺乳動物のcGMP結合PDEのアミノ酸配列で
共通の配列 LX2P(V/I)X5-7(V/I/L)(V/I/L)(G/A)(V/I/L)
X4N(K/R)X5-10FX3DE を持つ。ウシ肺cGB-PDEの部位特異
的変異導入により、すべてのcGMP結合PDEの部位で保存
されているAsp残基は、cGMPとの相互作用に重要である
ことが示されている(McAllister-Lucas L.M., 1995,
J. Biol. Chem. 270: 30671-30679)。PDE10Aも2つの
内部相同リピート配列を持つが、すべてのcGMP結合PDE
で保存されているアミノ酸のいくつかはPDE10Aの最初の
リピートでは保存されていない。Arg-235やHis-236な
ど、cGMP結合に関与しているアミノ酸の違いは、PDE10A
が他のcGMP結合PDEとは異なる特異性を有していること
によるものと考えられる。
【0106】PDE10AはPDE2といくつかの特徴が共通して
おり、共にアミノ末端にcGMP結合配列を含み、cAMPとcG
MPの両方に対し加水分解能を有する(後述)。PDE2ファ
ミリーでは、cAMP加水分解活性は、0.5μMからの濃度の
cGMPにより刺激され、cAMPおよびcGMPのKmはそれぞれ40
μMおよび25μMである(Pyne, N.J. et al., 1986, Bio
chem. J. 234: 325-334)。一方PDE10Aは、cAMP加水分
解活性は、100μMまでの濃度のcGMPによっても刺激され
ない(後述)。さらに、PDE2と比較して、PDE10Aでは、
cAMPの加水分解活性のKmはcGMPのそれよりも100倍低い
(後述)。加えて、阻害剤アッセイにおいてもPDE2特異
的阻害剤であるEHNAはPDE10Aを阻害しない(後述)。こ
れらの知見は、PDE10AはPDE2ファミリーのメンバーでは
なく、新しいファミリーの第1のアイソザイムであるこ
とを明確に示している。
おり、共にアミノ末端にcGMP結合配列を含み、cAMPとcG
MPの両方に対し加水分解能を有する(後述)。PDE2ファ
ミリーでは、cAMP加水分解活性は、0.5μMからの濃度の
cGMPにより刺激され、cAMPおよびcGMPのKmはそれぞれ40
μMおよび25μMである(Pyne, N.J. et al., 1986, Bio
chem. J. 234: 325-334)。一方PDE10Aは、cAMP加水分
解活性は、100μMまでの濃度のcGMPによっても刺激され
ない(後述)。さらに、PDE2と比較して、PDE10Aでは、
cAMPの加水分解活性のKmはcGMPのそれよりも100倍低い
(後述)。加えて、阻害剤アッセイにおいてもPDE2特異
的阻害剤であるEHNAはPDE10Aを阻害しない(後述)。こ
れらの知見は、PDE10AはPDE2ファミリーのメンバーでは
なく、新しいファミリーの第1のアイソザイムであるこ
とを明確に示している。
【0107】[実施例3] ヒトPDE10A mRNAの組織分布 <RT-PCR>RT-PCR法でヒトPDE10A mRNAの組織分布を調
べた。テンプレートはClontech社の定量補正済みの種々
の組織のcDNAを使用した。プライマーは 5'-ATGATGGACA
GAGACAAGAA-3'(配列番号:5)および5'-AATGTTGCTTTG
ATGTTGTTGG-3'(配列番号:6)を用い、95℃10分の
後、「94℃ 20秒、50℃ 10秒、72℃ 1分」を34サイクル
行い、72℃ 5分の後4℃で反応を停止させた。その結
果、RT-PCRの産物は、脳、心臓、肺、腎、骨格筋、胸
腺、胎盤などの組織において検出された(図4)。特に
胎児期の脳、心臓、腎、成体の胎盤で強い発現が認めら
れた。
べた。テンプレートはClontech社の定量補正済みの種々
の組織のcDNAを使用した。プライマーは 5'-ATGATGGACA
GAGACAAGAA-3'(配列番号:5)および5'-AATGTTGCTTTG
ATGTTGTTGG-3'(配列番号:6)を用い、95℃10分の
後、「94℃ 20秒、50℃ 10秒、72℃ 1分」を34サイクル
行い、72℃ 5分の後4℃で反応を停止させた。その結
果、RT-PCRの産物は、脳、心臓、肺、腎、骨格筋、胸
腺、胎盤などの組織において検出された(図4)。特に
胎児期の脳、心臓、腎、成体の胎盤で強い発現が認めら
れた。
【0108】<ノーザンブロット解析>PDE10AのmRNAの
組織分布をさらに調べるため、ノーザンブロット解析を
行った。Multiple human tissue Northern blots(Clon
tech社製)および human RNA Master BlotTM of poly
(A)+(Clontech社製)を用いて、32P-ラベルした PDE10
AcDNAをプローブとして ExpressHyb hybridization sol
ution(Clontech社製)中で68℃で1時間ハイブリダイズ
させた。0.2×SSC/0.1% SDS 52℃ で30分洗浄後、フィ
ルターをX線フィルムに、増感スクリーンを使い、-80
℃で感光させた。その結果、図5Aに示したように、PDE
10AのmRNAは9.5kbの転写産物として発現することが判明
した。その発現レベルは胎児脳および腎臓で最も高く、
成体脳、腎臓、および胎盤でも発現が認められた。PDE1
0A mRNAの組織特異性をより詳細に解析するため、50の
異なるヒト組織由来のポリA RNAが標準化されてブロッ
トされている human RNA Master BlotTM(Clontech社
製)を用いて定量解析を行った(図5B)。調べたすべ
ての組織で、PDE10AのmRNAは、ユビキタスに低いレベル
で発現していた。しかし、転写産物の発現レベルは、錐
体外路(extrapyramidal tract)の被殻(putamen)お
よび尾状核(caudate)で非常に高かった。
組織分布をさらに調べるため、ノーザンブロット解析を
行った。Multiple human tissue Northern blots(Clon
tech社製)および human RNA Master BlotTM of poly
(A)+(Clontech社製)を用いて、32P-ラベルした PDE10
AcDNAをプローブとして ExpressHyb hybridization sol
ution(Clontech社製)中で68℃で1時間ハイブリダイズ
させた。0.2×SSC/0.1% SDS 52℃ で30分洗浄後、フィ
ルターをX線フィルムに、増感スクリーンを使い、-80
℃で感光させた。その結果、図5Aに示したように、PDE
10AのmRNAは9.5kbの転写産物として発現することが判明
した。その発現レベルは胎児脳および腎臓で最も高く、
成体脳、腎臓、および胎盤でも発現が認められた。PDE1
0A mRNAの組織特異性をより詳細に解析するため、50の
異なるヒト組織由来のポリA RNAが標準化されてブロッ
トされている human RNA Master BlotTM(Clontech社
製)を用いて定量解析を行った(図5B)。調べたすべ
ての組織で、PDE10AのmRNAは、ユビキタスに低いレベル
で発現していた。しかし、転写産物の発現レベルは、錐
体外路(extrapyramidal tract)の被殻(putamen)お
よび尾状核(caudate)で非常に高かった。
【0109】[実施例4] ヒトPDE10Aの昆虫細胞におけ
る発現 PDE10Aのカルボキシル末端側 711アミノ酸(塩基801-29
93; アミノ酸96-806)をコードするcDNAをプライマー
5'-GGATCCTACG AATATGCAGG GAGTTGTAT-3'(塩基801-822
に相当)(配列番号:7)および5'-AAGCTTGTCA AAGAAG
CAAG ATGAGGAT-3'(塩基2972-2993に相当)(配列番
号:8)を用いてPCRにより増幅した。下線で示した配
列はそれぞれBamHIおよびHindIII用の制限酵素リンカー
である。断片はTベクター(Pramega Biotech社製)にサ
ブクローン化し、配列を確認した後、PDE10Aのカルボキ
シル末端711アミノ酸のコード領域を含む2.2kbのBamHI-
HindIII断片を、6つのヒスチジン残基のタグとエンテ
ロキナーゼ切断部位(XpressTMタグ)を含むように改変
されたバキュロウイルストランスファーベクター pBlue
BAC-His2B(Invitrogen社製)にクローニングした。組
換えウイルスストックは、添付の説明書に従って調製し
た。Sf9細胞を、10%ウシ胎児血清を含むGraceの昆虫培
地(Gibco BRL社製)で27℃で培養した。発現のために
は、1×108 Sf9 細胞をウイルスに、多重感染度(moi)
5で、終量50ml中で感染させた。感染2日後、トランス
フェクトしたSf9細胞を遠心で回収し、ホモジェネーシ
ョンバッファー(20mM Tris-HCl, 1mM EDTA, 20mM sucr
ose, 100μM phenylmethylsulfonyl fluoride, pH7.5)
に1×107 細胞/mlとなるよう再懸濁し、ソニケーション
により細胞を破壊した。14,000×g 10分の遠心で細胞の
残渣を除き、上清(細胞質画分)および沈殿(顆粒(pa
rticulate)画分)を分注して次の解析に使用するまで-
70℃で保存した。
る発現 PDE10Aのカルボキシル末端側 711アミノ酸(塩基801-29
93; アミノ酸96-806)をコードするcDNAをプライマー
5'-GGATCCTACG AATATGCAGG GAGTTGTAT-3'(塩基801-822
に相当)(配列番号:7)および5'-AAGCTTGTCA AAGAAG
CAAG ATGAGGAT-3'(塩基2972-2993に相当)(配列番
号:8)を用いてPCRにより増幅した。下線で示した配
列はそれぞれBamHIおよびHindIII用の制限酵素リンカー
である。断片はTベクター(Pramega Biotech社製)にサ
ブクローン化し、配列を確認した後、PDE10Aのカルボキ
シル末端711アミノ酸のコード領域を含む2.2kbのBamHI-
HindIII断片を、6つのヒスチジン残基のタグとエンテ
ロキナーゼ切断部位(XpressTMタグ)を含むように改変
されたバキュロウイルストランスファーベクター pBlue
BAC-His2B(Invitrogen社製)にクローニングした。組
換えウイルスストックは、添付の説明書に従って調製し
た。Sf9細胞を、10%ウシ胎児血清を含むGraceの昆虫培
地(Gibco BRL社製)で27℃で培養した。発現のために
は、1×108 Sf9 細胞をウイルスに、多重感染度(moi)
5で、終量50ml中で感染させた。感染2日後、トランス
フェクトしたSf9細胞を遠心で回収し、ホモジェネーシ
ョンバッファー(20mM Tris-HCl, 1mM EDTA, 20mM sucr
ose, 100μM phenylmethylsulfonyl fluoride, pH7.5)
に1×107 細胞/mlとなるよう再懸濁し、ソニケーション
により細胞を破壊した。14,000×g 10分の遠心で細胞の
残渣を除き、上清(細胞質画分)および沈殿(顆粒(pa
rticulate)画分)を分注して次の解析に使用するまで-
70℃で保存した。
【0110】<ウェスタン解析>PDE10Aを感染させた細
胞および偽感染させた細胞のライセート(〜1×104 細
胞に相当)を変性PAGEで分離し、クーマシー色素でゲル
を染色し、発現タンパク質のバンドを確認した。あるい
は、イムノブロッティングのためにPVDF膜(Millipore
社製)に転写し、ウェスタン解析を行った。ウェスタン
解析は、enhancedchemiluminescence法(Amersham社
製)を用い、説明書に従って行った。一次抗体として抗
XpressTM 抗体(Invitrogen社製)、二次抗体として西
洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG(Life scie
nce社製)をそれぞれ1:1000および1:500に希釈して使用
した。ウェスタン解析の結果、感染Sf9細胞より調製し
た細胞質画分および顆粒(particulate)画分(不溶性
画分)で、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り、分子量84.4kDaの明確なバンドが検出され、ヒスチ
ジンタグを付加したPDE10A融合タンパク質の予想される
分子量と一致した(図6A)。さらに、このバンドは、
抗Xpress ヒスチジンタグウェスタンブロットで陽性
な、唯一のメジャーなタンパク質と同じ移動度を示した
(図6B)。
胞および偽感染させた細胞のライセート(〜1×104 細
胞に相当)を変性PAGEで分離し、クーマシー色素でゲル
を染色し、発現タンパク質のバンドを確認した。あるい
は、イムノブロッティングのためにPVDF膜(Millipore
社製)に転写し、ウェスタン解析を行った。ウェスタン
解析は、enhancedchemiluminescence法(Amersham社
製)を用い、説明書に従って行った。一次抗体として抗
XpressTM 抗体(Invitrogen社製)、二次抗体として西
洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG(Life scie
nce社製)をそれぞれ1:1000および1:500に希釈して使用
した。ウェスタン解析の結果、感染Sf9細胞より調製し
た細胞質画分および顆粒(particulate)画分(不溶性
画分)で、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り、分子量84.4kDaの明確なバンドが検出され、ヒスチ
ジンタグを付加したPDE10A融合タンパク質の予想される
分子量と一致した(図6A)。さらに、このバンドは、
抗Xpress ヒスチジンタグウェスタンブロットで陽性
な、唯一のメジャーなタンパク質と同じ移動度を示した
(図6B)。
【0111】[実施例5] ヒトPDE10AのPDE活性の測定 <PDE10Aのカイネティクス>ヒトPDE10Aの酵素としての
特性を調べるため、トランスフェクトしたSf9細胞から
細胞質抽出液を調製し、1μMのcGMPまたは1μMのcAMPを
用いてサイクリックヌクレオチドの加水分解活性のアッ
セイを行った。PDE活性の測定は、以前記載した方法(M
ukai, J. et al., 1994, Br. J. Pharmacol. 111: 389-
390)をいくつか改変して行った。試料は、50mM Tris
(pH8.0), 2mM EGTA, 5mM MgCl2, 0.1mg/ml ウシ血清ア
ルブミン, 0.064-0.1μM [3H] cGMPまたは[3H] cAMP,
さまざまな濃度の非標識サイクリックヌクレオチド [最
終濃度がそれぞれ cGMP(0.064〜2μM)またはcAMP(3〜30
0μM)となるようにしたもの] を含む0.5mlの反応液中、
30℃で10分インキュベートした。5分間煮沸して反応を
止め、2.5mg/mlのヘビ毒(snake vemon)を50μl加え、
30℃で10分さらにインキュベートした。[3H] cAMPまた
は[3H] cGMPをBioRad AG50W-X4レジンカラム(Bio-Rad
社製, Mississauger, ON, Canada)で単離し、Beckman
LS 5000TAを用いて、10mlのACSシンチレーション溶液中
で 3Hのレベルを測定した。ブランクはバッファーのみ
で測定した。阻害実験では、ジメチルスルホキシド(DM
SO)に溶かしたさまざまな阻害剤を 10- 7〜10-4 Mにな
るよう試料に加え測定した。PDEアッセイにおいて、加
えた阻害剤の溶媒濃度は 2% (v/v)を超えないようにし
た。すべてのアッセイは3連で行った。
特性を調べるため、トランスフェクトしたSf9細胞から
細胞質抽出液を調製し、1μMのcGMPまたは1μMのcAMPを
用いてサイクリックヌクレオチドの加水分解活性のアッ
セイを行った。PDE活性の測定は、以前記載した方法(M
ukai, J. et al., 1994, Br. J. Pharmacol. 111: 389-
390)をいくつか改変して行った。試料は、50mM Tris
(pH8.0), 2mM EGTA, 5mM MgCl2, 0.1mg/ml ウシ血清ア
ルブミン, 0.064-0.1μM [3H] cGMPまたは[3H] cAMP,
さまざまな濃度の非標識サイクリックヌクレオチド [最
終濃度がそれぞれ cGMP(0.064〜2μM)またはcAMP(3〜30
0μM)となるようにしたもの] を含む0.5mlの反応液中、
30℃で10分インキュベートした。5分間煮沸して反応を
止め、2.5mg/mlのヘビ毒(snake vemon)を50μl加え、
30℃で10分さらにインキュベートした。[3H] cAMPまた
は[3H] cGMPをBioRad AG50W-X4レジンカラム(Bio-Rad
社製, Mississauger, ON, Canada)で単離し、Beckman
LS 5000TAを用いて、10mlのACSシンチレーション溶液中
で 3Hのレベルを測定した。ブランクはバッファーのみ
で測定した。阻害実験では、ジメチルスルホキシド(DM
SO)に溶かしたさまざまな阻害剤を 10- 7〜10-4 Mにな
るよう試料に加え測定した。PDEアッセイにおいて、加
えた阻害剤の溶媒濃度は 2% (v/v)を超えないようにし
た。すべてのアッセイは3連で行った。
【0112】PDE10Aを発現するSf9細胞は、偽トランス
フェクトした細胞に比べ、cGMPおよびcAMPの加水分解活
性がどちらも50倍高かった(図7)。組換えPDE10AのcG
MPおよびcAMPの加水分解活性が、PDE2やPDE3ファミリー
に見られるように、他方のサイクリックヌクレオチドに
よって調節されうるかを調べるため、cGMPまたはcAMPを
添加する実験を行った。組換えPDE10Aによる1μMのcAMP
の加水分解は、1μMのcGMPの添加によっては影響を受け
なかった。しかし、PDE10Aによる1μMのcGMPの加水分解
は、1μMのcAMPの添加によって有意に阻害された。PDE1
0A感染細胞のPDE活性のレベルは十分に高く、ベーサル
な昆虫細胞のサイクリックヌクレオチド加水分解量は無
視できると考えられる。
フェクトした細胞に比べ、cGMPおよびcAMPの加水分解活
性がどちらも50倍高かった(図7)。組換えPDE10AのcG
MPおよびcAMPの加水分解活性が、PDE2やPDE3ファミリー
に見られるように、他方のサイクリックヌクレオチドに
よって調節されうるかを調べるため、cGMPまたはcAMPを
添加する実験を行った。組換えPDE10Aによる1μMのcAMP
の加水分解は、1μMのcGMPの添加によっては影響を受け
なかった。しかし、PDE10Aによる1μMのcGMPの加水分解
は、1μMのcAMPの添加によって有意に阻害された。PDE1
0A感染細胞のPDE活性のレベルは十分に高く、ベーサル
な昆虫細胞のサイクリックヌクレオチド加水分解量は無
視できると考えられる。
【0113】この酵素のKmおよびVmaxを決定するため、
希釈酵素を用いて、さまざまな基質濃度でcGMPおよびcA
MPの加水分解速度を測定した。図8Aに示したように、P
DE10AのcGMP加水分解活性は標準的な Michaelis-Menten
のカイネティクス(γ2 = 0.99)を示し、Kmは 2.7±0.
3μM、Vmaxは 833±67 pmol/min/mg proteinであった。
さらに、ヒトPDE10AのcAMPに対するKmおよびVmaxはそれ
ぞれ 0.033±0.004μMおよび57.1±5.7 pmol/min/mg pr
otein であった(図8B)。これは、今日までにホスホ
ジエステラーゼで観察されているcAMPに対するKm値とし
ては最も低いものであり、PDE8のそれより2〜4倍低く、
PDE4のそれより100から200倍低い。
希釈酵素を用いて、さまざまな基質濃度でcGMPおよびcA
MPの加水分解速度を測定した。図8Aに示したように、P
DE10AのcGMP加水分解活性は標準的な Michaelis-Menten
のカイネティクス(γ2 = 0.99)を示し、Kmは 2.7±0.
3μM、Vmaxは 833±67 pmol/min/mg proteinであった。
さらに、ヒトPDE10AのcAMPに対するKmおよびVmaxはそれ
ぞれ 0.033±0.004μMおよび57.1±5.7 pmol/min/mg pr
otein であった(図8B)。これは、今日までにホスホ
ジエステラーゼで観察されているcAMPに対するKm値とし
ては最も低いものであり、PDE8のそれより2〜4倍低く、
PDE4のそれより100から200倍低い。
【0114】<PDE10Aの阻害剤特性>PDE10Aの活性は、
Sf9 PDEの内在的な活性に比べ50倍高い。そこで、阻害
剤の効果から、バックグランドの内在性PDE活性を差し
引き、さらに阻害剤の担体の効果も同様に差し引いた。
その結果を表1に示す。IC50 値(50%阻害時の濃度)
は、1μMの非標識cGMPおよび22nMの [3H] cGMPを用い、
さまざまな阻害剤の存在下、線形回帰で算出した。デー
タは3連のアッセイの平均±S.D.を表す。PDE10AはcAMP
PDE活性とcGMP PDE活性の両方を示すが、非特異的阻害
剤であるIBMX(IC 50 は100μMより大きかった)を含
め、ほとんどのPDE阻害剤により十分には阻害されなか
った(表1)。PDE2特異的阻害剤であるEHNA(erythro-
9-(2-hydroxy-3-nonyl)-adenine)によっても、特異的
と考えられる用量のレンジにおいてこのPDEを阻害しな
かったことは特筆に値する。PDE5およびPDE6の阻害剤で
ある ジピリダモール(dipyridamole)は、比較的高濃
度でPDE10Aを阻害した。
Sf9 PDEの内在的な活性に比べ50倍高い。そこで、阻害
剤の効果から、バックグランドの内在性PDE活性を差し
引き、さらに阻害剤の担体の効果も同様に差し引いた。
その結果を表1に示す。IC50 値(50%阻害時の濃度)
は、1μMの非標識cGMPおよび22nMの [3H] cGMPを用い、
さまざまな阻害剤の存在下、線形回帰で算出した。デー
タは3連のアッセイの平均±S.D.を表す。PDE10AはcAMP
PDE活性とcGMP PDE活性の両方を示すが、非特異的阻害
剤であるIBMX(IC 50 は100μMより大きかった)を含
め、ほとんどのPDE阻害剤により十分には阻害されなか
った(表1)。PDE2特異的阻害剤であるEHNA(erythro-
9-(2-hydroxy-3-nonyl)-adenine)によっても、特異的
と考えられる用量のレンジにおいてこのPDEを阻害しな
かったことは特筆に値する。PDE5およびPDE6の阻害剤で
ある ジピリダモール(dipyridamole)は、比較的高濃
度でPDE10Aを阻害した。
【0115】
【表1】
【0116】
【発明の効果】本発明によりサイクリックヌクレオチド
ホスホジエステラーゼ(PDE)ファミリーに属する新規な
タンパク質およびその遺伝子が提供された。本発明のタ
ンパク質は、生体内において細胞内セカンドメッセンジ
ャーであるcAMPやcGMPを加水分解して、対応するヌクレ
オシド5'-モノホスフェートに変換することにより、細
胞内の情報伝達の制御に重要な役割を果たしていると考
えられる。本発明のPDE10Aは、構造的、薬学的特徴か
ら、新規なPDEファミリーの最初のメンバーであること
が示唆される。ヒトPDE10Aの予想されるアミノ酸配列と
他の9種のPDEファミリーの触媒ドメインのホモロジー
が50%を超えないことからも、このPDEが新しいファミ
リーであることを支持している。cAMP依存性タンパク質
キナーゼによる特異的基質タンパク質のリン酸化調節
は、特異的な標的神経において神経伝達物質が生理的な
効果を生み出すための一般的な機構であると思われる。
線条(striatum)、すなわち被殻(putamen)および尾
状核(caudate)にPDE10Aが局在していること、またPDE
10AがcAMPに対し高い親和性を有していることから、PDE
10Aは錐体外路(extrapyramidal)系を制御しているこ
れらの領域で重要な役割を果たしている可能性がある。
従って、本発明のタンパク質や遺伝子は、中枢神経系の
機能を含む生体機能に関与する新たな因子の精製やクロ
ーニング、さらには医薬品の開発のための有用なツール
として利用しうる。
ホスホジエステラーゼ(PDE)ファミリーに属する新規な
タンパク質およびその遺伝子が提供された。本発明のタ
ンパク質は、生体内において細胞内セカンドメッセンジ
ャーであるcAMPやcGMPを加水分解して、対応するヌクレ
オシド5'-モノホスフェートに変換することにより、細
胞内の情報伝達の制御に重要な役割を果たしていると考
えられる。本発明のPDE10Aは、構造的、薬学的特徴か
ら、新規なPDEファミリーの最初のメンバーであること
が示唆される。ヒトPDE10Aの予想されるアミノ酸配列と
他の9種のPDEファミリーの触媒ドメインのホモロジー
が50%を超えないことからも、このPDEが新しいファミ
リーであることを支持している。cAMP依存性タンパク質
キナーゼによる特異的基質タンパク質のリン酸化調節
は、特異的な標的神経において神経伝達物質が生理的な
効果を生み出すための一般的な機構であると思われる。
線条(striatum)、すなわち被殻(putamen)および尾
状核(caudate)にPDE10Aが局在していること、またPDE
10AがcAMPに対し高い親和性を有していることから、PDE
10Aは錐体外路(extrapyramidal)系を制御しているこ
れらの領域で重要な役割を果たしている可能性がある。
従って、本発明のタンパク質や遺伝子は、中枢神経系の
機能を含む生体機能に関与する新たな因子の精製やクロ
ーニング、さらには医薬品の開発のための有用なツール
として利用しうる。
【0117】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> TANAKA, TOSHIO <120> Cyclic nucleotide phosphodiesterase gene <130> C1-103DP1 <140> <141> <150> JP 1999-276957 <151> 1999-09-29 <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 3631 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (516)..(2933) <400> 1 agcacatgca cccccaaatg tgaagtgcac tcggacacac acacacacac gcacgcacac 60 acaagcactc atgttctaaa gagagaggtc tgagtccgaa gttgctgctg ctgggagctt 120 gagctgagat ggactggtct tcatgggcgc ccaaggcgct gggtgcagct ttccccgaga 180 cccccagatg gaaaggaggg aaggaggaac cccacacact cgccttttgc gagaagatcg 240 gcgcgcaccc cagagtgccc caagcctttg gaatctgcct gctgagcgga gcgcgcgagc 300 gtggtggaca ggtcccgaac ttggccagcg ggctttcttg gcaacttgct ttgcgcagtt 360 ctccatggaa ccctggaccc actgtgctcc cggcgccttg cctttttttt tctttttctt 420 tctctcactg tctcttttta aatttatgaa ctcgaaatga agcggaaagc agatatgcgc 480 gtcagcatac tttggcggcc agccgcctcc ccttc atg ctt aaa ggt ggg agc 533 Met Leu Lys Gly Gly Ser 1 5 aaa gga ccc gct ttg ttg gct ttg agg agc ggg aca gac ccc cgg gcg 581 Lys Gly Pro Ala Leu Leu Ala Leu Arg Ser Gly Thr Asp Pro Arg Ala 10 15 20 cag atg agc gat gac cca gca gaa ggc acc ctg gac ccc tgc agt gcg 629 Gln Met Ser Asp Asp Pro Ala Glu Gly Thr Leu Asp Pro Cys Ser Ala 25 30 35 cca ggt ttg aca gat gaa aaa gtg aag gca tat ctt tct ctt cac ccc 677 Pro Gly Leu Thr Asp Glu Lys Val Lys Ala Tyr Leu Ser Leu His Pro 40 45 50 cag gta tta gat gaa ttt gta tct gaa agt gtt agt gcg gag aca gta 725 Gln Val Leu Asp Glu Phe Val Ser Glu Ser Val Ser Ala Glu Thr Val 55 60 65 70 gag aaa tgg ctg aag agg aag aac cac aaa tca gaa gat gaa tca gct 773 Glu Lys Trp Leu Lys Arg Lys Asn His Lys Ser Glu Asp Glu Ser Ala 75 80 85 cct aag gaa gtc agc agg tac caa gat acg aat atg cag gga gtt gta 821 Pro Lys Glu Val Ser Arg Tyr Gln Asp Thr Asn Met Gln Gly Val Val 90 95 100 tat gaa cta aac agc tat ata gaa caa cgg ttg gac aca gga gga gac 869 Tyr Glu Leu Asn Ser Tyr Ile Glu Gln Arg Leu Asp Thr Gly Gly Asp 105 110 115 aac cag cta ctc ctc tat gaa ctg agc agc atc att aaa ata gcc aca 917 Asn Gln Leu Leu Leu Tyr Glu Leu Ser Ser Ile Ile Lys Ile Ala Thr 120 125 130 aaa gcc gat gga ttt gca ctg tat ttc ctt gga gag tgc aat aat agc 965 Lys Ala Asp Gly Phe Ala Leu Tyr Phe Leu Gly Glu Cys Asn Asn Ser 135 140 145 150 ctg tgt ata ttc acg cca cct ggg ata aag gaa gga aaa ccc cgc ctc 1013 Leu Cys Ile Phe Thr Pro Pro Gly Ile Lys Glu Gly Lys Pro Arg Leu 155 160 165 atc cct gct ggg ccc atc act cag ggc acc acc gtc tct gct tat gtg 1061 Ile Pro Ala Gly Pro Ile Thr Gln Gly Thr Thr Val Ser Ala Tyr Val 170 175 180 gcc aag tcc agg aaa aca ctg cta gta gaa gac atc ctt gga gat gaa 1109 Ala Lys Ser Arg Lys Thr Leu Leu Val Glu Asp Ile Leu Gly Asp Glu 185 190 195 cga ttt cca aga ggt act gga ctg gaa tca ggg act cgt atc cag tct 1157 Arg Phe Pro Arg Gly Thr Gly Leu Glu Ser Gly Thr Arg Ile Gln Ser 200 205 210 gtt ctt tgc tta cca att gtc act gca att ggt gac ttg att ggt att 1205 Val Leu Cys Leu Pro Ile Val Thr Ala Ile Gly Asp Leu Ile Gly Ile 215 220 225 230 ctc gag ctg tat cgg cac tgg ggc aaa gaa gcc ttc tgt ctt agt cac 1253 Leu Glu Leu Tyr Arg His Trp Gly Lys Glu Ala Phe Cys Leu Ser His 235 240 245 cag gag gtt gca aca gca aat ctt gcc tgg gct tca gta gca ata cat 1301 Gln Glu Val Ala Thr Ala Asn Leu Ala Trp Ala Ser Val Ala Ile His 250 255 260 cag gtg cag gta tgc aga ggc ctt gcc aaa cag aca gaa ttg aat gac 1349 Gln Val Gln Val Cys Arg Gly Leu Ala Lys Gln Thr Glu Leu Asn Asp 265 270 275 ttc cta ctc gac gta tca aaa aca tat ttt gat aac ata gtt gca ata 1397 Phe Leu Leu Asp Val Ser Lys Thr Tyr Phe Asp Asn Ile Val Ala Ile 280 285 290 gat tct cta ctt gaa cac ata atg ata tat gca aaa aac ctg gtg aat 1445 Asp Ser Leu Leu Glu His Ile Met Ile Tyr Ala Lys Asn Leu Val Asn 295 300 305 310 gcc gat cgt tgt gcg ctt ttc cag gtg gac cat aag aac aag gag tta 1493 Ala Asp Arg Cys Ala Leu Phe Gln Val Asp His Lys Asn Lys Glu Leu 315 320 325 tat tca gac ctt ttt gat att gga gag gaa aag gaa gga aaa cct gtc 1541 Tyr Ser Asp Leu Phe Asp Ile Gly Glu Glu Lys Glu Gly Lys Pro Val 330 335 340 ttc aag aag acc aaa gag ata aga ttt tca att gag aaa gga att gct 1589 Phe Lys Lys Thr Lys Glu Ile Arg Phe Ser Ile Glu Lys Gly Ile Ala 345 350 355 ggc caa gta gca aga aca ggg gaa gtc ctg aac att cca gat gcc tat 1637 Gly Gln Val Ala Arg Thr Gly Glu Val Leu Asn Ile Pro Asp Ala Tyr 360 365 370 gca gac cca cgc ttt aac aga gaa gta gac ttg tac aca ggc tac acc 1685 Ala Asp Pro Arg Phe Asn Arg Glu Val Asp Leu Tyr Thr Gly Tyr Thr 375 380 385 390 acg cgg aac atc ctg tgc atg ccc atc gtc agc cga ggc agc gtg ata 1733 Thr Arg Asn Ile Leu Cys Met Pro Ile Val Ser Arg Gly Ser Val Ile 395 400 405 ggt gtg gtg cag atg ttc aac aaa atc agt ggc agt gcc ttc tct aaa 1781 Gly Val Val Gln Met Phe Asn Lys Ile Ser Gly Ser Ala Phe Ser Lys 410 415 420 aca gat gaa aac aac ttc aaa atg ttt gcc gtc ttt tgt gct tta gcc 1829 Thr Asp Glu Asn Asn Phe Lys Met Phe Ala Val Phe Cys Ala Leu Ala 425 430 435 tta cac tgt gct aat atg tat cat aga att cgc cac tca gag tgc att 1877 Leu His Cys Ala Asn Met Tyr His Arg Ile Arg His Ser Glu Cys Ile 440 445 450 tac cgg gta acg atg gaa aag ctg tcc tac cat agc att tgt act tca 1925 Tyr Arg Val Thr Met Glu Lys Leu Ser Tyr His Ser Ile Cys Thr Ser 455 460 465 470 gaa gag tgg caa ggt ctc atg caa ttc acc ctt ccc gtg cgt ctc tgc 1973 Glu Glu Trp Gln Gly Leu Met Gln Phe Thr Leu Pro Val Arg Leu Cys 475 480 485 aaa gaa att gaa tta ttc cac ttt gac att ggt cct ttt gaa aac atg 2021 Lys Glu Ile Glu Leu Phe His Phe Asp Ile Gly Pro Phe Glu Asn Met 490 495 500 tgg cct gga att ttt gtc tac atg gtt cat cgg tcc tgt ggg aca tcc 2069 Trp Pro Gly Ile Phe Val Tyr Met Val His Arg Ser Cys Gly Thr Ser 505 510 515 tgc ttt gag ctt gaa aag ttg tgt cgt ttt att atg tct gtg aag aag 2117 Cys Phe Glu Leu Glu Lys Leu Cys Arg Phe Ile Met Ser Val Lys Lys 520 525 530 aac tat cgg cgg gtt cct tat cac aac tgg aag cat gcg gtc act gta 2165 Asn Tyr Arg Arg Val Pro Tyr His Asn Trp Lys His Ala Val Thr Val 535 540 545 550 gca cac tgc atg tat gcc ata ctt cag aac aat cac acg ctt ttc aca 2213 Ala His Cys Met Tyr Ala Ile Leu Gln Asn Asn His Thr Leu Phe Thr 555 560 565 gac ctt gag cgc aaa gga ctg ctg att gcg tgt ctg tgt cat gac ctg 2261 Asp Leu Glu Arg Lys Gly Leu Leu Ile Ala Cys Leu Cys His Asp Leu 570 575 580 gac cac agg ggc ttc agt aac agc tac ctg cag aag ttc gac cac cct 2309 Asp His Arg Gly Phe Ser Asn Ser Tyr Leu Gln Lys Phe Asp His Pro 585 590 595 ctg gcc gct ctc tac tcc act tcc acc atg gag cag cac cac ttc tcc 2357 Leu Ala Ala Leu Tyr Ser Thr Ser Thr Met Glu Gln His His Phe Ser 600 605 610 cag act gtg tcc atc ctc cag ttg gaa ggg cac aat atc ttc tcc act 2405 Gln Thr Val Ser Ile Leu Gln Leu Glu Gly His Asn Ile Phe Ser Thr 615 620 625 630 ctg agc tcc agt gaa tat gag cag gtg ctt gag atc atc cgc aaa gcc 2453 Leu Ser Ser Ser Glu Tyr Glu Gln Val Leu Glu Ile Ile Arg Lys Ala 635 640 645 atc att gcc aca gac ctt gct tta tac ttt gga aac agg aag cag ttg 2501 Ile Ile Ala Thr Asp Leu Ala Leu Tyr Phe Gly Asn Arg Lys Gln Leu 650 655 660 gaa gag atg tac cag acc gga tca cta aac ctt aat aat caa tca cat 2549 Glu Glu Met Tyr Gln Thr Gly Ser Leu Asn Leu Asn Asn Gln Ser His 665 670 675 aga gac cgt gta att ggt ttg atg atg act gcc tgt gac ctt tgt tct 2597 Arg Asp Arg Val Ile Gly Leu Met Met Thr Ala Cys Asp Leu Cys Ser 680 685 690 gtg aca aaa ctg tgg ccc gtt aca aaa ttg acg gca aat gat ata tat 2645 Val Thr Lys Leu Trp Pro Val Thr Lys Leu Thr Ala Asn Asp Ile Tyr 695 700 705 710 gca gaa ttc tgg gct gag ggt gat gaa atg aag aaa ttg gga ata cag 2693 Ala Glu Phe Trp Ala Glu Gly Asp Glu Met Lys Lys Leu Gly Ile Gln 715 720 725 cct att cct atg atg gac aga gac aag aag gat gaa gtc ccc caa ggc 2741 Pro Ile Pro Met Met Asp Arg Asp Lys Lys Asp Glu Val Pro Gln Gly 730 735 740 cag ctt ggg ttc tac aat gcc gtg gcc att ccc tgc tat aca acc ctt 2789 Gln Leu Gly Phe Tyr Asn Ala Val Ala Ile Pro Cys Tyr Thr Thr Leu 745 750 755 acc cag atc ctc cct ccc acg gag cct ctt ctg aaa gca tgc agg gat 2837 Thr Gln Ile Leu Pro Pro Thr Glu Pro Leu Leu Lys Ala Cys Arg Asp 760 765 770 aat ctc agt cag tgg gag aag gtg att cga ggg gag gag act gca acc 2885 Asn Leu Ser Gln Trp Glu Lys Val Ile Arg Gly Glu Glu Thr Ala Thr 775 780 785 790 tgg att tca tcc cca tcc gtg gct cag aag gca gct gca tct gaa gat 2933 Trp Ile Ser Ser Pro Ser Val Ala Gln Lys Ala Ala Ala Ser Glu Asp 795 800 805 tgagcactgg tcaccctgac acgctgtccc acctacagat cctcatcttg cttctttgac 2993 attcttttcc tttttttggg gggggtgggg agaacctgca cctggtaact ggggtgcaaa 3053 cctcttcaag aaggtaacat caaataaata agtcaagcag aggacttcct gccaatctct 3113 tctgtgaggc atcatagaca ctgagcaacc aggaccatcc ccacgttcag aaatcagctg 3173 gccaagtgac tccatttgac ttgcaaacca gccttttcta ataggctaat attgctgagg 3233 ccctaaagga aatggacaaa aattatccag aaggggtact tttccattgt atctttctaa 3293 taagggttta aaatggtact attatggtat tgtacttggg ctttaacatc aatgttgctt 3353 tgatgttgtt ggatataaat aggaattttt acacattact attgtgaatg gtgaatgttc 3413 atgtatgacc tacttgtaat taacttgagt tgtagtccac agcctcagga caaatgtcgt 3473 tgaggttaca gagtaagaaa tgatggcaaa acgtcaaact cttatttcag agcttcatga 3533 atttagttag actaaacata attctttaag ttcaacctaa agggctgaga tcaataaatt 3593 taacactaga cggaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaaa 3631 <210> 2 <211> 806 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Leu Lys Gly Gly Ser Lys Gly Pro Ala Leu Leu Ala Leu Arg Ser 1 5 10 15 Gly Thr Asp Pro Arg Ala Gln Met Ser Asp Asp Pro Ala Glu Gly Thr 20 25 30 Leu Asp Pro Cys Ser Ala Pro Gly Leu Thr Asp Glu Lys Val Lys Ala 35 40 45 Tyr Leu Ser Leu His Pro Gln Val Leu Asp Glu Phe Val Ser Glu Ser 50 55 60 Val Ser Ala Glu Thr Val Glu Lys Trp Leu Lys Arg Lys Asn His Lys 65 70 75 80 Ser Glu Asp Glu Ser Ala Pro Lys Glu Val Ser Arg Tyr Gln Asp Thr 85 90 95 Asn Met Gln Gly Val Val Tyr Glu Leu Asn Ser Tyr Ile Glu Gln Arg 100 105 110 Leu Asp Thr Gly Gly Asp Asn Gln Leu Leu Leu Tyr Glu Leu Ser Ser 115 120 125 Ile Ile Lys Ile Ala Thr Lys Ala Asp Gly Phe Ala Leu Tyr Phe Leu 130 135 140 Gly Glu Cys Asn Asn Ser Leu Cys Ile Phe Thr Pro Pro Gly Ile Lys 145 150 155 160 Glu Gly Lys Pro Arg Leu Ile Pro Ala Gly Pro Ile Thr Gln Gly Thr 165 170 175 Thr Val Ser Ala Tyr Val Ala Lys Ser Arg Lys Thr Leu Leu Val Glu 180 185 190 Asp Ile Leu Gly Asp Glu Arg Phe Pro Arg Gly Thr Gly Leu Glu Ser 195 200 205 Gly Thr Arg Ile Gln Ser Val Leu Cys Leu Pro Ile Val Thr Ala Ile 210 215 220 Gly Asp Leu Ile Gly Ile Leu Glu Leu Tyr Arg His Trp Gly Lys Glu 225 230 235 240 Ala Phe Cys Leu Ser His Gln Glu Val Ala Thr Ala Asn Leu Ala Trp 245 250 255 Ala Ser Val Ala Ile His Gln Val Gln Val Cys Arg Gly Leu Ala Lys 260 265 270 Gln Thr Glu Leu Asn Asp Phe Leu Leu Asp Val Ser Lys Thr Tyr Phe 275 280 285 Asp Asn Ile Val Ala Ile Asp Ser Leu Leu Glu His Ile Met Ile Tyr 290 295 300 Ala Lys Asn Leu Val Asn Ala Asp Arg Cys Ala Leu Phe Gln Val Asp 305 310 315 320 His Lys Asn Lys Glu Leu Tyr Ser Asp Leu Phe Asp Ile Gly Glu Glu 325 330 335 Lys Glu Gly Lys Pro Val Phe Lys Lys Thr Lys Glu Ile Arg Phe Ser 340 345 350 Ile Glu Lys Gly Ile Ala Gly Gln Val Ala Arg Thr Gly Glu Val Leu 355 360 365 Asn Ile Pro Asp Ala Tyr Ala Asp Pro Arg Phe Asn Arg Glu Val Asp 370 375 380 Leu Tyr Thr Gly Tyr Thr Thr Arg Asn Ile Leu Cys Met Pro Ile Val 385 390 395 400 Ser Arg Gly Ser Val Ile Gly Val Val Gln Met Phe Asn Lys Ile Ser 405 410 415 Gly Ser Ala Phe Ser Lys Thr Asp Glu Asn Asn Phe Lys Met Phe Ala 420 425 430 Val Phe Cys Ala Leu Ala Leu His Cys Ala Asn Met Tyr His Arg Ile 435 440 445 Arg His Ser Glu Cys Ile Tyr Arg Val Thr Met Glu Lys Leu Ser Tyr 450 455 460 His Ser Ile Cys Thr Ser Glu Glu Trp Gln Gly Leu Met Gln Phe Thr 465 470 475 480 Leu Pro Val Arg Leu Cys Lys Glu Ile Glu Leu Phe His Phe Asp Ile 485 490 495 Gly Pro Phe Glu Asn Met Trp Pro Gly Ile Phe Val Tyr Met Val His 500 505 510 Arg Ser Cys Gly Thr Ser Cys Phe Glu Leu Glu Lys Leu Cys Arg Phe 515 520 525 Ile Met Ser Val Lys Lys Asn Tyr Arg Arg Val Pro Tyr His Asn Trp 530 535 540 Lys His Ala Val Thr Val Ala His Cys Met Tyr Ala Ile Leu Gln Asn 545 550 555 560 Asn His Thr Leu Phe Thr Asp Leu Glu Arg Lys Gly Leu Leu Ile Ala 565 570 575 Cys Leu Cys His Asp Leu Asp His Arg Gly Phe Ser Asn Ser Tyr Leu 580 585 590 Gln Lys Phe Asp His Pro Leu Ala Ala Leu Tyr Ser Thr Ser Thr Met 595 600 605 Glu Gln His His Phe Ser Gln Thr Val Ser Ile Leu Gln Leu Glu Gly 610 615 620 His Asn Ile Phe Ser Thr Leu Ser Ser Ser Glu Tyr Glu Gln Val Leu 625 630 635 640 Glu Ile Ile Arg Lys Ala Ile Ile Ala Thr Asp Leu Ala Leu Tyr Phe 645 650 655 Gly Asn Arg Lys Gln Leu Glu Glu Met Tyr Gln Thr Gly Ser Leu Asn 660 665 670 Leu Asn Asn Gln Ser His Arg Asp Arg Val Ile Gly Leu Met Met Thr 675 680 685 Ala Cys Asp Leu Cys Ser Val Thr Lys Leu Trp Pro Val Thr Lys Leu 690 695 700 Thr Ala Asn Asp Ile Tyr Ala Glu Phe Trp Ala Glu Gly Asp Glu Met 705 710 715 720 Lys Lys Leu Gly Ile Gln Pro Ile Pro Met Met Asp Arg Asp Lys Lys 725 730 735 Asp Glu Val Pro Gln Gly Gln Leu Gly Phe Tyr Asn Ala Val Ala Ile 740 745 750 Pro Cys Tyr Thr Thr Leu Thr Gln Ile Leu Pro Pro Thr Glu Pro Leu 755 760 765 Leu Lys Ala Cys Arg Asp Asn Leu Ser Gln Trp Glu Lys Val Ile Arg 770 775 780 Gly Glu Glu Thr Ala Thr Trp Ile Ser Ser Pro Ser Val Ala Gln Lys 785 790 795 800 Ala Ala Ala Ser Glu Asp 805 <210> 3 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially synthesized oligonucleotide sequence <400> 3 ggcagcatgg gtggagttgt ggtagg 26 <210> 4 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially synthesized oligonucleotide sequence <400> 4 ttggaaagga aagagtaaag ggaagc 26 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially synthesized oligonucleotide sequence <400> 5 atgatggaca gagacaagaa 20 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially synthesized oligonucleotide sequence <400> 6 aatgttgctt tgatgttgtt gg 22 <210> 7 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially synthesized oligonucleotide sequence <400> 7 ggatcctacg aatatgcagg gagttgtat 29 <210> 8 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Artificially synthesized oligonucleotide sequence <400> 8 aagcttgtca aagaagcaag atgaggat 28
【図1】ヒトPDE10A cDNAのオーバーラップcDNAクロー
ンの模式図である。cDNAクローニングおよびRACEにより
単離された断片のアライメントを示した。図の上部に示
すボックスは翻訳領域を示しており、また、その中の斜
線ボックスは触媒領域を示している。PDE mRNAの下にク
ローニングされたPDE cDNA、5'および3' RACE cDNA断片
を示した。遺伝子特異的プライマーは黒い四角で示し
た。矢印はESTおよびRACE産物の位置、長さ、および方
向を表す。GenBankアクセッション番号を矢印の上に併
記した。図中のスケールは塩基数を表す。ESTクローン
(IMAGE:1564242)とIMAGE:298975との関連性は最初の
ホモロジー検索では同定されていなかった。
ンの模式図である。cDNAクローニングおよびRACEにより
単離された断片のアライメントを示した。図の上部に示
すボックスは翻訳領域を示しており、また、その中の斜
線ボックスは触媒領域を示している。PDE mRNAの下にク
ローニングされたPDE cDNA、5'および3' RACE cDNA断片
を示した。遺伝子特異的プライマーは黒い四角で示し
た。矢印はESTおよびRACE産物の位置、長さ、および方
向を表す。GenBankアクセッション番号を矢印の上に併
記した。図中のスケールは塩基数を表す。ESTクローン
(IMAGE:1564242)とIMAGE:298975との関連性は最初の
ホモロジー検索では同定されていなかった。
【図2】ヒトPDE 10Aの塩基配列および予想されるアミ
ノ酸配列を示す図である。ヒトPDE10Aは全長3631塩基、
806アミノ酸をコードしている。予想されるアミノ酸配
列を塩基配列の下に示した。ストップコドンはアスタリ
スクで、5'非コード領域にインフレームで存在する3つ
のストップコドンはボックスで、予想されるポリアデニ
レーションシグナル(AATAAA)はアンダーラインで示し
た。
ノ酸配列を示す図である。ヒトPDE10Aは全長3631塩基、
806アミノ酸をコードしている。予想されるアミノ酸配
列を塩基配列の下に示した。ストップコドンはアスタリ
スクで、5'非コード領域にインフレームで存在する3つ
のストップコドンはボックスで、予想されるポリアデニ
レーションシグナル(AATAAA)はアンダーラインで示し
た。
【図3】PDE10Aと他のヒトcGMP結合PDEとのアミノ酸配
列の比較を示す図である。PDE10Aと他のヒトcGMP結合PD
Eのアミノ酸配列とをClustal Wプログラムを用いてアラ
イメントした。比較に使用したPDEのGenBankにおける登
録番号はそれぞれ、2A:U67733、5A:AJ004865、6A:M2
6061、6B:S41458、6C:U31973である。アミノ酸配列が
すべて同一である場合にはアスタリスクで、また、性質
が保存されている場合にはドットでそのアミノ酸の下に
示している。ギャップはラインで表している。上下のボ
ックスはそれぞれcGMP結合ドメインと触媒領域を表して
いる。さらに、2箇所のタンデムcGMP結合モチーフは太
字で表している。
列の比較を示す図である。PDE10Aと他のヒトcGMP結合PD
Eのアミノ酸配列とをClustal Wプログラムを用いてアラ
イメントした。比較に使用したPDEのGenBankにおける登
録番号はそれぞれ、2A:U67733、5A:AJ004865、6A:M2
6061、6B:S41458、6C:U31973である。アミノ酸配列が
すべて同一である場合にはアスタリスクで、また、性質
が保存されている場合にはドットでそのアミノ酸の下に
示している。ギャップはラインで表している。上下のボ
ックスはそれぞれcGMP結合ドメインと触媒領域を表して
いる。さらに、2箇所のタンデムcGMP結合モチーフは太
字で表している。
【図4】ヒトPDE10A mRNAの組織分布を示す図である。R
T-PCR法でヒトPDE10A mRNAの組織分布を調べた。テンプ
レートはClontech社の定量補正済みの種々の組織のcDNA
を使用した。レーン 1〜8は胎児組織を、レーン 9〜16
は成体組織を示している。さらに、レーン 1:脳、レー
ン 2:心臓、レーン 3:肺、レーン 4:肝、レーン 5:
腎、レーン 6:骨格筋、レーン 7:脾、レーン 8:胸
腺、レーン 9:脳、レーン 10:心臓、レーン 11:肺、
レーン 12:肝、レーン 13:腎、レーン 14:骨格筋、
レーン 15:膵臓、レーン 16:胎盤を表している。
T-PCR法でヒトPDE10A mRNAの組織分布を調べた。テンプ
レートはClontech社の定量補正済みの種々の組織のcDNA
を使用した。レーン 1〜8は胎児組織を、レーン 9〜16
は成体組織を示している。さらに、レーン 1:脳、レー
ン 2:心臓、レーン 3:肺、レーン 4:肝、レーン 5:
腎、レーン 6:骨格筋、レーン 7:脾、レーン 8:胸
腺、レーン 9:脳、レーン 10:心臓、レーン 11:肺、
レーン 12:肝、レーン 13:腎、レーン 14:骨格筋、
レーン 15:膵臓、レーン 16:胎盤を表している。
【図5】ヒトPDE10A mRNAの組織分布を示す図である。
Aはポリ(A)+ RNA(約2μg/レーン)を含む3つのヒトm
ultiple tissue Northern blots のノーザン解析の結果
を示す。組織は図示した。9.5kbから1.35kbまでのRNAの
サイズマーカーを図の左に示した。Bは各ドットに50の
異なるヒト組織由来のポリ(A)+ RNAが標準化されてブロ
ットされているhuman RNA master blot のノーザン解析
の結果を示す。ポリ(A)+ RNAのタイプと位置、および対
照の位置を左に示した。
Aはポリ(A)+ RNA(約2μg/レーン)を含む3つのヒトm
ultiple tissue Northern blots のノーザン解析の結果
を示す。組織は図示した。9.5kbから1.35kbまでのRNAの
サイズマーカーを図の左に示した。Bは各ドットに50の
異なるヒト組織由来のポリ(A)+ RNAが標準化されてブロ
ットされているhuman RNA master blot のノーザン解析
の結果を示す。ポリ(A)+ RNAのタイプと位置、および対
照の位置を左に示した。
【図6】ヒトPDE10Aの昆虫細胞における発現を示す図で
ある。Aは組換えPDE10Aのクマーシーブリリアントブル
ー(CBB)染色を示す。偽感染させたSf9細胞とPDE10Aを
持つバキュロウイルスを感染させたSf9細胞を調製し
た。レーン1および3は細胞質画分、レーン2および4
は顆粒画分(不溶性画分)を表す。レーン3および4で
矢印が指し示しているのは、コントロールのSf9細胞で
あるレーン 1と2では認められず、PDE10Aを組み込んだ
バキュロウィルスを感染させたSf9細胞にのみ認められ
るPDE10Aを示している。分子量マーカー(MW)は図の右に
示している。Bは組換えPDE10Aのウェスタンブロット解
析を示す。レーン3と4は、Aで示したゲルのデュープ
リケートの抗Xpressタグ抗体でのウェスタンブロットを
示している。
ある。Aは組換えPDE10Aのクマーシーブリリアントブル
ー(CBB)染色を示す。偽感染させたSf9細胞とPDE10Aを
持つバキュロウイルスを感染させたSf9細胞を調製し
た。レーン1および3は細胞質画分、レーン2および4
は顆粒画分(不溶性画分)を表す。レーン3および4で
矢印が指し示しているのは、コントロールのSf9細胞で
あるレーン 1と2では認められず、PDE10Aを組み込んだ
バキュロウィルスを感染させたSf9細胞にのみ認められ
るPDE10Aを示している。分子量マーカー(MW)は図の右に
示している。Bは組換えPDE10Aのウェスタンブロット解
析を示す。レーン3と4は、Aで示したゲルのデュープ
リケートの抗Xpressタグ抗体でのウェスタンブロットを
示している。
【図7】PDE10Aバキュロウイルス感染Sf9細胞の細胞質
抽出液のPDE活性を示す図である。Aは感染細胞の抽出
液のcAMP加水分解活性を、基質として1μM [3H] cAMPを
用いて、1μMのcGMPの存在下(黒いバー)または非存在
下(白いバー)でアッセイした結果を示す。Bは感染細
胞の抽出液のcGMP加水分解活性を、基質として1μM[3H]
cGMPを用いて、1μMのcAMPの存在下(黒いバー)また
は非存在下(白いバー)でアッセイした結果を示す。す
べてのアッセイは3連で行った。
抽出液のPDE活性を示す図である。Aは感染細胞の抽出
液のcAMP加水分解活性を、基質として1μM [3H] cAMPを
用いて、1μMのcGMPの存在下(黒いバー)または非存在
下(白いバー)でアッセイした結果を示す。Bは感染細
胞の抽出液のcGMP加水分解活性を、基質として1μM[3H]
cGMPを用いて、1μMのcAMPの存在下(黒いバー)また
は非存在下(白いバー)でアッセイした結果を示す。す
べてのアッセイは3連で行った。
【図8】PDE10Aのカイネティクスを示す図である。cAMP
濃度 0.022〜10.0μM(パネルA)、またはcGMP濃度 0.
1〜10.0μM(パネルB)での Lineweaver-Burk プロット
を示す。ヒトPDE10Aタンパク質を感染Sf9細胞の細胞質
分画から調製して用いた。酵素濃度およびインキュベー
ション時間はサイクリックヌクレオチドの変換が15%を
超えないように最適化した。
濃度 0.022〜10.0μM(パネルA)、またはcGMP濃度 0.
1〜10.0μM(パネルB)での Lineweaver-Burk プロット
を示す。ヒトPDE10Aタンパク質を感染Sf9細胞の細胞質
分画から調製して用いた。酵素濃度およびインキュベー
ション時間はサイクリックヌクレオチドの変換が15%を
超えないように最適化した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 9/00 48/00 11/00 A61P 9/00 13/12 11/00 25/00 13/12 43/00 111 25/00 C07K 16/40 43/00 111 C12N 1/15 C07K 16/40 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/16 C 1/21 C12Q 1/44 5/10 G01N 33/15 Z 9/16 33/50 Z C12Q 1/44 33/53 D G01N 33/15 33/573 A 33/50 C12P 21/08 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/573 A61K 37/02 // C12P 21/08 C12N 5/00 A
Claims (13)
- 【請求項1】 配列番号:2に記載のアミノ酸配列から
なるタンパク質、または該タンパク質中のアミノ酸配列
において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿
入、および/または付加したアミノ酸配列を有し、配列
番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と機
能的に同等なタンパク質。 - 【請求項2】 配列番号:1に記載の塩基配列からなる
DNAとハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質で
あって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタ
ンパク質と機能的に同等なタンパク質。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のタンパク質を
コードするDNA。 - 【請求項4】 請求項3に記載のDNAが挿入されたベク
ター。 - 【請求項5】 請求項4に記載のベクターを保持する宿
主細胞。 - 【請求項6】 請求項5に記載の宿主細胞を培養し、該
宿主細胞またはその培養上清から発現させたタンパク質
を回収する工程を含む、請求項1または2に記載のタン
パク質の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1または2に記載のタンパク質に
結合する抗体。 - 【請求項8】 請求項1または2に記載のタンパク質の
部分ペプチド。 - 【請求項9】 配列番号:1に記載の塩基配列からなる
DNAまたはその相補鎖に相補的な少なくとも15ヌクレオ
チドを含むポリヌクレオチド。 - 【請求項10】 請求項1または2に記載のタンパク質
に結合する化合物のスクリーニング方法であって、 (a)該タンパク質またはその部分ペプチドに被検試料
を接触させる工程、 (b)該タンパク質またはその部分ペプチドと被検試料
との結合活性を検出する工程、 (c)該タンパク質またはその部分ペプチドに結合する
活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法。 - 【請求項11】 請求項10に記載の方法により単離さ
れうる、請求項1または2に記載のタンパク質に結合す
る化合物。 - 【請求項12】 請求項1または2に記載のタンパク質
の活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方
法であって、 (a)被検試料の存在下で、該タンパク質と3',5'-サイ
クリックヌクレオチドモノホスフェートとを接触させる
工程、 (b)該タンパク質の3',5'-サイクリックヌクレオチド
モノホスフェートに対する加水分解活性を検出する工
程、 (c)被検試料非存在下で検出した場合と比較して、該
加水分解活性を上昇または低下させる化合物を選択する
工程、を含む方法。 - 【請求項13】 請求項12に記載の方法により単離さ
れうる、請求項1または2に記載のタンパク質の活性を
促進または阻害する化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000297366A JP2001161379A (ja) | 1999-09-29 | 2000-09-28 | サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ遺伝子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27695799 | 1999-09-29 | ||
JP11-276957 | 1999-09-29 | ||
JP2000297366A JP2001161379A (ja) | 1999-09-29 | 2000-09-28 | サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ遺伝子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001161379A true JP2001161379A (ja) | 2001-06-19 |
Family
ID=26552189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000297366A Pending JP2001161379A (ja) | 1999-09-29 | 2000-09-28 | サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ遺伝子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001161379A (ja) |
-
2000
- 2000-09-28 JP JP2000297366A patent/JP2001161379A/ja active Pending
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
JPN6010031648, J. Biol. Chem., vol. 274, pages 18438−18445 (Jun. 1999) * |
JPN6010031649, Biochem. Biophys. Res. Commun., vol. 261, pages 551−557 (Aug. 1999) * |
JPN6010031651, Gene, vol. 234, pages 109−117 (Jun. 24) * |
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