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JP2001063599A - 車両の自動操舵装置 - Google Patents

車両の自動操舵装置

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Publication number
JP2001063599A
JP2001063599A JP20476099A JP20476099A JP2001063599A JP 2001063599 A JP2001063599 A JP 2001063599A JP 20476099 A JP20476099 A JP 20476099A JP 20476099 A JP20476099 A JP 20476099A JP 2001063599 A JP2001063599 A JP 2001063599A
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JP
Japan
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vehicle
wheel
moving distance
steering
distance
Prior art date
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Application number
JP20476099A
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Inventor
Katsuhiro Sakai
克博 酒井
Yasuo Shimizu
康夫 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP20476099A priority Critical patent/JP4104252B2/ja
Publication of JP2001063599A publication Critical patent/JP2001063599A/ja
Application granted granted Critical
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サスペンションのジオメトリが変化しても車
両の移動軌跡がずれないようにする。 【解決手段】 車両の移動距離に対するステアリングホ
イールの転舵角の関係として予め記憶した移動軌跡に基
づいて、ステアリングアクチュエータで前輪を操舵する
車両の自動操舵装置において、例えば車両の積載重量の
変化により発生するサスペンションのジオメトリの変化
で移動軌跡がずれるのを補償すべく、左前輪の移動距離
L および右前輪の移動距離LR の関係が所定の関係か
らずれたときに、そのずれの程度に応じて前記予め記憶
した移動軌跡を修正することにより、サスペンションの
ジオメトリの変化による影響を補償して車両を目標位置
に正しく導けるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライバーのステ
アリング操作によらずに車両を自動的に駐車するための
車両の自動操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる車両の自動操舵装置は特開平4−
55168号公報、特開平11−78936号公報によ
り既に知られている。これらの車両の自動操舵装置は、
従来周知の電動パワーステアリング装置のステアリング
アクチュエータを利用し、予め記憶した車両の移動距離
と転舵角との関係に基づいて前記ステアリングアクチュ
エータを制御することにより、バック駐車や縦列駐車を
自動で行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば車両
の積載重量が変化するとサスペンションのジオメトリが
変化するため、ステアリングホイールの転舵角に対する
車輪の切れ角の関係も変化してしまう。従って、予め記
憶された転舵角が再現されるようにステアリングアクチ
ュエータを制御しても、その転舵角に対応する車輪の切
れ角がサスペンションのジオメトリによって変化してし
まい、正しい移動軌跡に沿って車両を移動させることが
できなくなる。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、サスペンションのジオメトリが変化しても車両の移
動軌跡がずれないようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、目標位置まで
の車両の移動軌跡を記憶または算出する移動軌跡設定手
段と、車輪を転舵するステアリングアクチュエータと、
車両が目標位置まで移動する間に移動軌跡設定手段によ
り設定された移動軌跡に基づいてステアリングアクチュ
エータの駆動を制御するアクチュエータ制御手段とを備
えた車両の自動操舵装置において、前記アクチュエータ
制御手段は、第1の車輪の回転角から車両の第1移動距
離を算出する第1移動距離算出手段と、第2の車輪の回
転角から車両の第2移動距離を算出する第2移動距離算
出手段と、第1移動距離および第2移動距離が所定の関
係にあるか否かを判定する判定手段と、判定手段により
前記所定の関係にないと判定されたときに、該所定の関
係となるように前記移動軌跡を修正するか、あるいはス
テアリングアクチュエータの制御を中止する修正・中止
手段とを備えたことを特徴とする車両の自動操舵装置が
提案される。
【0006】上記構成によれば、例えば積載重量の差に
よってサスペンションのジオメトリが変化して第1の車
輪の回転角から算出した車両の移動距離と第2の車輪の
回転角から算出した車両の移動距離とが所定の関係にな
くなると、該所定の関係となるように予め設定された車
両の移動軌跡を修正するか、あるいはステアリングアク
チュエータの制御を中止するので、車両が正しい移動軌
跡から外れるのを確実に防止することができる。
【0007】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記判定手段は、第1移動距
離に応じて決まる第2移動距離の目標値と該第2移動距
離の実際値との差が閾値以上のときに、前記所定の関係
にないと判定することを特徴とする車両の自動操舵装置
が提案される。
【0008】上記構成によれば、第1移動距離に応じて
決まる第2移動距離の目標値と実際値との差が閾値以上
のときに移動軌跡の修正、あるいはステアリングアクチ
ュエータの制御中止を実行するので、サスペンションの
ジオメトリの変化に伴う移動軌跡のずれを的確に検出し
て対応することができる。
【0009】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項1または2の構成に加えて、前記判定手段は第1
移動距離に応じて決まる第2移動距離の目標値と該第2
移動距離の実際値との差が第1閾値以上のときに前記所
定の関係にないと判定し、前記修正・中止手段は前記移
動軌跡を修正することを特徴とする車両の自動操舵装置
が提案される。
【0010】上記構成によれば、第1移動距離に応じて
決まる第2移動距離の目標値と実際値との差が第1閾値
以上のときに移動軌跡を修正するので、サスペンション
のジオメトリが変化しても車両を正しく目標位置に導く
ことができる。
【0011】また請求項4に記載された発明によれば、
請求項3の構成に加えて、前記判定手段は第1移動距離
に応じて決まる第2移動距離の目標値と該第2移動距離
の実際値との差が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以
上のときに前記所定の関係にないと判定し、前記修正・
中止手段はステアリングアクチュエータの制御を中止す
ることを特徴とする自動操舵装置が提案される。
【0012】上記構成によれば、第1移動距離に応じて
決まる第2移動距離の目標値と実際値との差が前記第1
閾値よりも大きい第2閾値以上のときにステアリングア
クチュエータの制御を中止するので、サスペンションの
ジオメトリが大きく変化して移動軌跡の修正による対処
が困難になっても、車両が誤った目標位置に導びかれる
のを防止することができる。
【0013】尚、実施例の制御部22は本発明のアクチ
ュエータ制御手段に対応し、実施例の記憶部23は本発
明の移動軌跡設定手段に対応し、実施例の前輪Wrおよ
び後輪Wrは本発明の車輪に対応する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0015】図1〜図9は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は操舵制御装置を備えた車両の全体構成図、
図2はバック駐車/左モードの作用説明図、図3はモー
ド選択スイッチおよび自動駐車スタートスイッチを示す
図、図4はステアリングホイールの転舵角と前輪の切れ
角との関係を示す図、図5は移動軌跡修正手段のブロッ
ク図、図6は積載重量が小さい車両が後進するときの作
用説明図、図7は第1前輪移動距離および第2前輪移動
距離の関係を示す図、図8は積載重量が大きい車両が後
進するときの作用説明図、図9は移動軌跡を修正する基
準の説明図である。
【0016】図1に示すように、車両Vは一対の前輪W
f,Wfおよび一対の後輪Wr,Wrを備える。ステア
リングホイール1と操舵輪である前輪Wf,Wfとが、
ステアリングホイール1と一体に回転するステアリング
シャフト2と、ステアリングシャフト2の下端に設けた
ピニオン3と、ピニオン3に噛み合うラック4と、ラッ
ク4の両端に設けた左右のタイロッド5,5と、タイロ
ッド5,5に連結された左右のナックル6,6とによっ
て接続される。ドライバーによるステアリングホイール
1の操作をアシストすべく、あるいは後述する車庫入れ
のための自動操舵を行うべく、電気モータよりなるステ
アリングアクチュエータ7がウオームギヤ機構8を介し
てステアリングシャフト2に接続される。
【0017】操舵制御装置21は制御部22と記憶部2
3とから構成されており、制御部22には、ステアリン
グホイール1の回転角である転舵角θを検出する転舵角
検出手段S1 と、ステアリングホイール1の操舵トルク
Tを検出する操舵トルク検出手段S2 と、左右の前輪W
f,Wfの回転角および左右の後輪Wr,Wrの回転角
を検出する車輪回転角検出手段S3 …と、ブレーキペダ
ル9の操作量を検出するブレーキ操作量検出手段S
4 と、セレクトレバー10により選択されたシフトレン
ジ(「D」レンジ、「R」レンジ、「N」レンジ、
「P」レンジ等)を検出するシフトレンジ検出手段S5
とからの信号が入力される。
【0018】図3を併せて参照すると明らかなように、
ドライバーにより操作されるモード選択スイッチS6
よび自動駐車スタートスイッチS7 が制御部22に接続
される。モード選択スイッチS6 は、後述する4種類の
駐車モード、即ちバック駐車/右モード、バック駐車/
左モード、縦列駐車/右モードおよび縦列駐車/左モー
ドの何れかを選択する際に操作される4個のボタンを備
える。自動駐車スタートスイッチS7 は、モード選択ス
イッチS6 で選択した何れかのモードによる自動駐車を
開始する際に操作される。
【0019】記憶部23には、前記4種類の駐車モード
のデータ、即ち車両Vの移動距離Xに対する規範転舵角
θrefの関係が、予めテーブルとして記憶されてい
る。車両Vの移動距離Xは、既知である車輪Wf,Wr
の周長に車輪回転角検出手段S 3 …で検出した車輪W
f,Wrの回転角を乗算することにより求められる。
尚、前記移動距離Xの算出には、車輪回転角検出手段S
3 …の出力のハイセレクト値、ローセレクト値、あるい
は平均値が使用される。
【0020】制御部22は、前記各検出手段S1 〜S5
およびスイッチS6 ,S7 からの信号と、記憶部23に
記憶された駐車モードのデータとに基づいて、前記ステ
アリングアクチュエータ7の作動と、液晶モニター、ス
ピーカ、ランプ、チャイム、ブザー等を含む操作段階教
示装置11の作動とを制御する。
【0021】ところで、車両Vの積載重量が変化すると
懸架ばねの圧縮量が増減してサスペンションのジオメト
リが変化するため、同じ転舵角θに対する前輪Wf,W
fの切れ角δが変化する。即ち、図4に示すように、ス
テアリングホイール1を転舵角θで操作したとすると、
積載重量が小さいとき(例えば、ドライバーのみ乗車の
場合)には切れ角がδ1 であるのに対し、積載重量が大
きいとき(例えば、4人乗車の場合)には切れ角が前記
δ1 よりも小さいδ2 になるため、車両Vの移動軌跡に
誤差が発生する図5には、前記車両Vの移動軌跡の誤差
を補償すべく制御部22に設けられた移動軌跡修正手段
が示される。制御部22に設けられた移動軌跡修正手段
は、第1の車輪(例えば、左前輪Wf)の回転角から車
両Vの移動距離(第1移動距離LL )を算出する第1移
動距離算出手段M1と、第2の車輪(例えば、右前輪W
f)の回転角から車両Vの移動距離(第2移動距離
R )を算出する第2移動距離算出手段M2と、第1移
動距離LL および第2移動距離LR が後述する所定の関
係にあるか否かを判定する判定手段M3と、判定手段M
3により両移動距離L L ,LR が前記所定の関係にない
と判定されたときに、該所定の関係となるように記憶部
23に記憶された移動軌跡を修正するか、あるいはステ
アリングアクチュエータ7の制御を中止する修正・中止
手段M4とから構成される。
【0022】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
【0023】自動駐車を行わない通常時(前記モード選
択スイッチS6 が操作されていないとき)には、操舵制
御装置21は一般的なパワーステアリング制御装置とし
て機能する。具体的には、ドライバーが車両Vを旋回さ
せるべくステアリングホイール1を操作すると、操舵ト
ルク検出手段S2 がステアリングホイール1に入力され
た操舵トルクTを検出し、制御部22は前記操舵トルク
Tに基づいてステアリングアクチュエータ7の駆動を制
御する。その結果、ステアリングアクチュエータ7の駆
動力によって左右の前輪Wf,Wfが転舵され、ドライ
バーのステアリング操作がアシストされる。
【0024】次に、バック駐車/左モード(車両Vの左
側にある駐車位置にバックしながら駐車するモード)を
例にとって、自動操舵制御の内容を説明する。
【0025】先ず、図2(A)に示すように、ドライバ
ー自身のステアリング操作により車両Vを駐車しようと
する車庫の近傍に移動させ、車体の左側面を車庫入口線
にできるだけ近づけた状態で、予め決められた基準(例
えば、ドアの内側に設けられたマークやサイドミラー)
が車庫の中心線に一致する位置(スタート位置)に車
両Vを停止させる。そして、モード選択スイッチS6
操作してバック駐車/左モードを選択するとともに自動
駐車スタートスイッチS7 をONすると、自動操舵制御
が開始される。自動操舵制御が行われている間、操作段
階教示装置11には自車の現在位置、周囲の障害物、駐
車位置、スタート位置から目標位置までの自車の予想移
動軌跡、前進から後進に切り換える折り返し位置等が表
示され、併せてスピーカからの音声でドライバーに前記
折り返し位置におけるセレクトレバー10の操作等の各
種の指示や警報が行われる。
【0026】自動操舵制御により、ドライバーがブレー
キペダル9を緩めて車両Vをクリープ走行させるだけで
ステアリングホイール1を操作しなくても、モード選択
スイッチS6 により選択されたバック駐車/左モードの
データに基づいて前輪Wf,Wfが自動操舵される。即
ち、スタート位置から折り返し位置まで車両Vが前
進する間は前輪Wf,Wfは右に自動操舵され、折り返
し位置から目標位置まで車両Vが後進する間は前輪
Wf,Wfは左に自動操舵される。
【0027】図2(B)から明らかなように、自動操舵
が行われている間、制御部22は記憶部23から読み出
したバック駐車/左モードの規範転舵角θrefと、転
舵角検出手段S1 から入力された転舵角θとに基づいて
偏差E(=θref−θ)を算出し、その偏差Eが0に
なるようにステアリングアクチュエータ7の作動を制御
する。このとき、規範転舵角θrefのデータは車両V
の移動距離Xに対応して設定されているため、クリープ
走行の車速に多少の変動があっても車両Vは常に前記移
動軌跡上を移動することになる。
【0028】上記自動操舵制御はドライバーがブレーキ
ペダル9を踏んで車両がクリープ走行する間に実行され
るため、ドライバーが障害物を発見したときに速やかに
ブレーキペダル9を踏み込んで車両Vを停止させること
ができる。
【0029】上述した自動操舵制御は、ドライバーがモ
ード選択スイッチS6 をOFFした場合に中止される
が、それ以外にもドライバーがブレーキペダル9から足
を離した場合、ドライバーがステアリングホイール1を
操作した場合に中止され、通常のパワーステアリング制
御に復帰する。
【0030】図6は、基準となる積載重量で車両Vがス
テアリングホイール1を左に操舵して折り返し位置か
ら目標位置まで後進する状態を示している。このと
き、第1移動距離検出手段M1で検出される第1の車輪
としての左前輪Wfの移動距離LL (第1移動距離
L )と、第2移動距離検出手段M2で検出される第2
の車輪としての右前輪Wfの移動距離LR (第2移動距
離LR )とは、左前輪Wfの旋回半径をRL とし、右前
輪Wfの旋回半径をRR とすると、 LR =(RR /RL )×LL の関係が成立する(図7の破線参照)。
【0031】それに対して、図8の実線は、前記基準と
なる積載重量よりも大きい積載重量で車両Vがステアリ
ングホイール1を左に操舵して折り返し位置から目標
位置まで後進する状態を示している。図6および図8
を比較すると明らかなように、積載重量が増加すると前
輪Wf,Wfの切れ角δが減少するために、第1の車輪
としての左前輪Wfの旋回半径はRL からRL ′に増加
し、第2の車輪としての右前輪Wfの旋回半径はRR
らRR ′に増加する。その結果、左前輪Wfが第1移動
距離LL だけ移動したとき、右前輪Wfの第2移動距離
は前記LR からLR ′に変化し、第1移動距離LL およ
び第2移動距離LR ′の間に、 LR ′=(RR ′/RL ′)×LL が成立する(図7の実線参照)。この状態では車両Vの
旋回中心がOからO′に移動し、車両Vは旋回量の不足
により目標位置に正しく到達できなくなる。
【0032】そこで、図9に示すように、基準となる第
2移動距離の目標値LR と第2移動距離の実際値LR
との偏差の絶対値が第1閾値ε1 未満であれば、判定手
段M3が移動軌跡に大きなずれが発生しないと判断し、
修正・中止手段M4は規範転舵角θrefの修正を行う
ことなくステアリングアクチュエータ7の制御をそのま
ま継続する。また前記偏差の絶対値が第1閾値ε1 以上
になると、判定手段M3がそのままでは移動軌跡に無視
できないずれが発生すると判断し、修正・中止手段M4
は修正した規範転舵角θrefに基づいて制御を継続す
る。具体的には、積載重量の増加により旋回量が不足す
る場合には規範転舵角θrefを増加方向に修正し、積
載重量の減少により旋回量が過剰になる場合には規範転
舵角θrefを減少方向に修正することにより、車両V
を目標位置に正しく導くことができる。
【0033】更に、前記偏差の絶対値が第2閾値ε2
上になると、判定手段M3が規範転舵角θrefを修正
するだけでは車両Vを目標位置に正しく導くことがで
きないと判断し、修正・中止手段M4によりステアリン
グアクチュエータ7の制御を中止するとともに、スピー
カからの音声でドライバーに警報を発する。これによ
り、ドライバーは自発的なステアリング操作を行って車
両Vを目標位置に正しく導くことができる。
【0034】次に、図10および図11に基づいて本発
明の第2実施例を説明する。第2実施例では、左前輪W
fが本発明の第1の車輪に対応し、左後輪Wrが本発明
の第2の車輪に対応する。
【0035】基準となる積載重量で車両Vがステアリン
グホイール1を左に操舵して折り返し位置から目標位
置まで後進するとき、第1移動距離検出手段M1で検
出される第1の車輪としての左前輪Wfの移動距離LL
(第1移動距離LL )と、第2移動距離検出手段M2で
検出される第2の車輪としての左後輪Wrの移動距離L
LR(第2移動距離LLR)とは、左前輪Wfの旋回半径を
L とし、左後輪Wrの旋回半径をRLRとすると、 LLR=(RLR/RL )×LL の関係が成立する(図11の破線参照)。
【0036】一方、前記基準となる積載重量よりも大き
い積載重量で車両Vがステアリングホイール1を左に操
舵して折り返し位置から目標位置まで後進すると
き、積載重量の増加により前輪Wf,Wfの切れ角δが
減少するために、第1の車輪としての左前輪Wfの旋回
半径はRL からRL ′に増加し、第2の車輪としての左
後輪Wrの旋回半径はRLRからRLR′に増加する。その
結果、左前輪Wfが第1移動距離LL だけ移動したと
き、左後輪Wrの第2移動距離は前記LLRからLLR′に
変化して第1移動距離LL および第2移動距離LLR′の
間に、 LLR′=(RLR′/RL ′)×LL が成立し(図11の実線参照)、旋回中心がOからO′
に移動して車両Vは旋回量の不足により目標位置に正
しく到達できなくなる(図10参照)。
【0037】そこで、図11に示すように、基準となる
第2移動距離の目標値LLRと第2移動距離の実際値
LR′との偏差の絶対値が第1閾値ε1 未満であれば、
移動軌跡に大きなずれが発生しないと判断し、ステアリ
ングアクチュエータ7の制御をそのまま継続する。また
前記偏差の絶対値が第1閾値ε1 以上になると、そのま
までは移動軌跡に無視できないずれが発生すると判断
し、修正した規範転舵角θrefに基づいて制御を継続
する。即ち、重量の増加により旋回量が不足する場合に
は規範転舵角θrefを増加方向に修正し、積載重量の
減少により旋回量が過剰になる場合には規範転舵角θr
efを減少方向に修正する。更に、前記偏差の絶対値が
第2閾値ε2 以上になると、規範転舵角θrefを修正
するだけでは車両Vを目標位置に正しく導くことがで
きないと判断し、ステアリングアクチュエータ7の制御
を中止してドライバーに警報を発する。
【0038】次に、図12および図13に基づいて本発
明の第3実施例を説明する。第3実施例では、左前輪W
fが本発明の第1の車輪に対応し、右後輪Wrが本発明
の第2の車輪に対応する。
【0039】基準となる積載重量で車両Vがステアリン
グホイール1を左に操舵して折り返し位置から目標位
置まで後進するとき、第1移動距離検出手段M1で検
出される第1の車輪としての左前輪Wfの移動距離LL
(第1移動距離LL )と、第2移動距離検出手段M2で
検出される第2の車輪としての右後輪Wrの移動距離L
RR(第2移動距離LRR)とは、左前輪Wfの旋回半径を
L とし、右後輪Wrの旋回半径をRRRとすると、 LRR=(RRR/RL )×LL の関係が成立する(図13の破線参照)。
【0040】一方、前記基準となる積載重量よりも大き
い積載重量で車両Vがステアリングホイール1を左に操
舵して折り返し位置から目標位置まで後進すると
き、積載重量の増加により前輪Wf,Wfの切れ角δが
減少するために、第1の車輪としての左前輪Wfの旋回
半径はRL からRL ′に増加し、第2の車輪としての右
後輪Wrの旋回半径はRRRからRRR′に増加する。その
結果、左前輪Wfが第1移動距離LL だけ移動したと
き、右後輪Wrの第2移動距離は前記LRRからLRR′に
変化して第1移動距離LL および第2移動距離LRR′の
間に、 LRR′=(RRR′/RL ′)×LL が成立し(図13の実線参照)、旋回中心がOからO′
に移動して車両Vは旋回量の不足により目標位置に正
しく到達できなくなる(図12参照)。
【0041】そこで、図13に示すように、基準となる
第2移動距離の目標値LRRと第2移動距離の実際値
RR′との偏差の絶対値が第1閾値ε1 未満であれば、
移動軌跡に大きなずれが発生しないと判断し、ステアリ
ングアクチュエータ7の制御をそのまま継続する。また
前記偏差の絶対値が第1閾値ε1 以上になると、そのま
までは移動軌跡に無視できないずれが発生すると判断
し、修正した規範転舵角θrefに基づいて制御を継続
する。即ち、重量の増加により旋回量が不足する場合に
は規範転舵角θrefを増加方向に修正し、積載重量の
減少により旋回量が過剰になる場合には規範転舵角θr
efを減少方向に修正する。更に、前記偏差の絶対値が
第2閾値ε2 以上になると、規範転舵角θrefを修正
するだけでは車両Vを目標位置に正しく導くことがで
きないと判断し、ステアリングアクチュエータ7の制御
を中止してドライバーに警報を発する。
【0042】次に、図14および図15に基づいて本発
明の第4実施例を説明する。第4実施例では、左後輪W
rが本発明の第1の車輪に対応し、右後輪Wrが本発明
の第2の車輪に対応する。
【0043】基準となる積載重量で車両Vがステアリン
グホイール1を左に操舵して折り返し位置から目標位
置まで後進するとき、第1移動距離検出手段M1で検
出される第1の車輪としての左後輪Wrの移動距離LLR
(第1移動距離LLR)と、第2移動距離検出手段M2で
検出される第2の車輪としての右後輪Wrの移動距離L
RR(第2移動距離LRR)とは、左後輪Wrの旋回半径を
LRとし、右後輪Wrの旋回半径をRRRとすると、 LRR=(RRR/RLR)×LLR の関係が成立する(図15の破線参照)。
【0044】一方、前記基準となる積載重量よりも大き
い積載重量で車両Vがステアリングホイール1を左に操
舵して折り返し位置から目標位置まで後進すると
き、積載重量の増加により前輪Wf,Wfの切れ角δが
減少するために、第1の車輪としての左後輪Wrの旋回
半径はRLRからRLR′に増加し、第2の車輪としての右
後輪Wrの旋回半径はRRRからRRR′に増加する。その
結果、左後輪Wrが第1移動距離LLRだけ移動したと
き、右後輪Wrの第2移動距離は前記LRRからLRR′に
変化して第1移動距離LLRおよび第2移動距離LRR′の
間に、 LRR′=(RRR′/RLR′)×LLR が成立し(図15の実線参照)、旋回中心がOからO′
に移動して車両Vは旋回量の不足により目標位置に正
しく到達できなくなる(図14参照)。
【0045】そこで、図15に示すように、基準となる
第2移動距離の目標値LRRと第2移動距離の実際値
RR′との偏差の絶対値が第1閾値ε1 未満であれば、
移動軌跡に大きなずれが発生しないと判断し、ステアリ
ングアクチュエータ7の制御をそのまま継続する。また
前記偏差の絶対値が第1閾値ε1 以上になると、そのま
までは移動軌跡に無視できないずれが発生すると判断
し、修正した規範転舵角θrefに基づいて制御を継続
する。即ち、重量の増加により旋回量が不足する場合に
は規範転舵角θrefを増加方向に修正し、積載重量の
減少により旋回量が過剰になる場合には規範転舵角θr
efを減少方向に修正する。更に、前記偏差の絶対値が
第2閾値ε2 以上になると、規範転舵角θrefを修正
するだけでは車両Vを目標位置に正しく導くことがで
きないと判断し、ステアリングアクチュエータ7の制御
を中止してドライバーに警報を発する。
【0046】而して、上記第2実施例〜第4実施例によ
っても、上記第1実施例と同様の作用効果を達成するこ
とができる。
【0047】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0048】例えば、実施例では目標位置までの車両V
の移動軌跡が予め記憶部23に記憶されているが、車両
Vの現在位置および目標位置から前記移動軌跡を算出す
ることも可能である。また実施例では車両Vが折り返し
位置から目標位置まで後進する間に本発明を適用し
ているが、車両Vがスタート位置から折り返し位置
まで前進する間に本発明を適用することも可能である。
また第1の車輪および第2の車輪の選択は第1実施例〜
第4実施例のものに限定されず、4個の車輪のうちの任
意の2個を第1の車輪および第2の車輪として選択する
ことが可能である。また第1閾値ε1 および第2閾値ε
1 の大きさは、各実施例毎に任意に設定されるものであ
る。
【0049】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、例えば積載重量の差によってサスペンション
のジオメトリが変化して第1の車輪の回転角から算出し
た車両の移動距離と第2の車輪の回転角から算出した車
両の移動距離とが所定の関係になくなると、該所定の関
係となるように予め設定された車両の移動軌跡を修正す
るか、あるいはステアリングアクチュエータの制御を中
止するので、車両が正しい移動軌跡から外れるのを確実
に防止することができる。
【0050】また請求項2に記載された発明によれば、
第1移動距離に応じて決まる第2移動距離の目標値と実
際値との差が閾値以上のときに移動軌跡の修正、あるい
はステアリングアクチュエータの制御中止を実行するの
で、サスペンションのジオメトリの変化に伴う移動軌跡
のずれを的確に検出して対応することができる。
【0051】また請求項3に記載された発明によれば、
第1移動距離に応じて決まる第2移動距離の目標値と実
際値との差が第1閾値以上のときに移動軌跡を修正する
ので、サスペンションのジオメトリが変化しても車両を
正しく目標位置に導くことができる。
【0052】また請求項4に記載された発明によれば、
第1移動距離に応じて決まる第2移動距離の目標値と実
際値との差が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上の
ときにステアリングアクチュエータの制御を中止するの
で、サスペンションのジオメトリが大きく変化して移動
軌跡の修正による対処が困難になっても、車両が誤った
目標位置に導びかれるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】操舵制御装置を備えた車両の全体構成図
【図2】バック駐車/左モードの作用説明図
【図3】モード選択スイッチおよび自動駐車スタートス
イッチを示す図
【図4】ステアリングホイールの転舵角と前輪の切れ角
との関係を示す図
【図5】移動軌跡修正手段のブロック図
【図6】積載重量が小さい車両が後進するときの作用説
明図
【図7】第1前輪移動距離および第2前輪移動距離の関
係を示す図
【図8】積載重量が大きい車両が後進するときの作用説
明図
【図9】移動軌跡を修正する基準の説明図
【図10】第2実施例に係る積載重量が大きい車両が後
進するときの作用説明図
【図11】第2実施例に係る移動軌跡を修正する基準の
説明図
【図12】第3実施例に係る積載重量が大きい車両が後
進するときの作用説明図
【図13】第3実施例に係る移動軌跡を修正する基準の
説明図
【図14】第4実施例に係る積載重量が大きい車両が後
進するときの作用説明図
【図15】第4実施例に係る移動軌跡を修正する基準の
説明図
【符号の説明】
7 ステアリングアクチュエータ 22 制御部(アクチュエータ制御手段) 23 記憶部(移動軌跡設定手段) LL 第1移動距離 LLR 第1移動距離、第2移動距離、(第2移動
距離の目標値) LLR′ 第2移動距離の実際 LR 第2移動距離(第2移動距離の目標値) LR ′ 第2移動距離の実際値 LRR 第2移動距離、(第2移動距離の目標値) LRR′ 第2移動距離の実際値 M1 第1移動距離算出手段 M2 第2移動距離算出手段 M3 判定手段 M4 修正・中止手段 V 車両 Wf 前輪(車輪) Wr 後輪(車輪) ε1 第1閾値(閾値) ε2 第2閾値(閾値)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 119:00 Fターム(参考) 3D032 CC20 CC30 DA03 DA15 DA22 DA24 DA50 DA91 DA93 DA95 DB07 DC04 DC29 DC33 DC34 DC40 DD02 DE09 EA01 EC22 FF03 GG01 3D033 CA03 CA11 CA16 CA17 CA21 CA32 CA33 5H301 AA03 AA10 BB20 CC03 CC06 DD01 GG12 HH04 HH18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標位置までの車両(V)の移動軌跡を
    記憶または算出する移動軌跡設定手段(23)と、 車輪(Wf)を転舵するステアリングアクチュエータ
    (7)と、 車両(V)が目標位置まで移動する間に移動軌跡設定手
    段(23)により設定された移動軌跡に基づいてステア
    リングアクチュエータ(7)の駆動を制御するアクチュ
    エータ制御手段(22)と、を備えた車両の自動操舵装
    置において、 前記アクチュエータ制御手段(22)は、 第1の車輪(Wf,Wr)の回転角から車両(V)の第
    1移動距離(LL ,L LR)を算出する第1移動距離算出
    手段(M1)と、 第2の車輪(Wf,Wr)の回転角から車両(V)の第
    2移動距離(LR ,L LR,LRR)を算出する第2移動距
    離算出手段(M2)と、 第1移動距離(LL ,LLR)および第2移動距離
    (LR ,LLR,LRR)が所定の関係にあるか否かを判定
    する判定手段(M3)と、 判定手段(M3)により前記所定の関係にないと判定さ
    れたときに、該所定の関係となるように前記移動軌跡を
    修正するか、あるいはステアリングアクチュエータ
    (7)の制御を中止する修正・中止手段(M4)と、を
    備えたことを特徴とする車両の自動操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段(M3)は、第1移動距離
    (LL ,LLR)に応じて決まる第2移動距離の目標値
    (LR ,LLR,LRR)と該第2移動距離の実際値
    (LR ′,LLR′,LRR′)との差が閾値(ε1
    ε2 )以上のときに、前記所定の関係にないと判定する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の車両の自動操舵装
    置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段(M3)は第1移動距離
    (LL ,LLR)に応じて決まる第2移動距離の目標値
    (LR ,LLR,LRR)と該第2移動距離の実際値
    (LR ′,LLR′,LRR′)との差が第1閾値(ε1
    以上のときに前記所定の関係にないと判定し、前記修正
    ・中止手段(M4)は前記移動軌跡を修正することを特
    徴とする、請求項1または2に記載の車両の自動操舵装
    置。
  4. 【請求項4】 前記判定手段(M3)は第1移動距離
    (LL ,LLR)に応じて決まる第2移動距離の目標値
    (LR ,LLR,LRR)と該第2移動距離の実際値
    (LR ′,LLR′,LRR′)との差が前記第1閾値(ε
    1 )よりも大きい第2閾値(ε2 )以上のときに前記所
    定の関係にないと判定し、前記修正・中止手段(M4)
    はステアリングアクチュエータ(7)の制御を中止する
    ことを特徴とする、請求項3に記載の車両の自動操舵装
    置。
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