JP2001057283A

JP2001057283A - サージアブソーバ

Info

Publication number: JP2001057283A
Application number: JP11234021A
Authority: JP
Inventors: Yukio Mogi; 幸雄茂木
Original assignee: Koa Corp
Current assignee: Koa Corp
Priority date: 1999-08-20
Filing date: 1999-08-20
Publication date: 2001-02-27

Abstract

(57)【要約】【課題】比較的安価な材料を用い、且つ簡単な製造工
程により、高安定で長寿命のサージ吸収特性が得られる
サージアブソーバを提供する。【解決手段】内部を気密封止した絶縁ハウジング１１
と、該ハウジング内に収納された一対の電極１２Ａ，１
２Ｂと、該電極間に配置されたバルク状のガラス体１５
と、電極から絶縁ハウジング外に取り出した一対のリー
ド端子１３Ａ，１３Ｂとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品及び電子
機器等をその配線に侵入した過電圧サージから保護する
サージアブソーバに関する。

【０００２】

【従来の技術】各種電子部品や電子機器等を過電圧サー
ジから保護するために、過電圧サージが印加されるとこ
れを放電により吸収するサージアブソーバが各種開発さ
れている。従来のサージアブソーバとして、例えば特開
平７−６８５３号公報に開示されたものが知られてい
る。これは絶縁筒内部に対向する二個の電極を設け、そ
の電極間のギャップに微小な導電性シリコンチップを挿
入して、不活性ガスにより封止したものである。この導
電性シリコンチップの表面には、微細なギャップ溝が設
けられ、多数の直方突起が形成されている。そして、そ
の表面に酸化膜を形成することで、この酸化膜が通常の
電圧では絶縁体として働くが、過電圧に対して導通する
ことで、良好な放電特性が得られるというものである。

【０００３】又同様に、特開平７−１６９５５３号公報
に開示されたサージアブソーバは、絶縁筒内に同様に一
対の電極が対向して配置され、その間にシリコンコアを
絶縁膜で被覆したものを挿入したものである。シリコン
コアの両端面の絶縁膜が、通常の電圧に対して高抵抗絶
縁の被膜として作用し、封止電極間の電気的絶縁が保た
れる。サージである瞬間的な異常電圧が両電極間に印加
されると、放電現象が絶縁膜を挟んで電極と導電性のシ
リコンコアの間で発生し、異常電圧は瞬時に吸収され
る。そして、異常電圧の印加が停止すると放電は停止
し、両電極間の電気的絶縁が復元される。このようにし
て、良好な放電特性及び長寿命が得られるというもので
ある。

【０００４】又、特開平８−３０６４６７号公報に開示
されたサージアブソーバは、上記サージアブソーバと略
同様な構成であるが、一対の対向する電極間に挿入する
チューブコアとして、導電性材料と非導電性材料とを任
意に組合せて階段状或いはタワー状に構成したものであ
る。絶縁筒内の電極間の空気室内には、不活性ガスを充
填し、これによって作動電圧範囲が広く、操作速度の早
いサージアブソーバが得られるというものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来のサージアブソーバは、いずれも電極間に挿入す
る放電に関与するコアとして、複雑な形状、或いは構造
が要求され、そして又、比較的高価なシリコン等の半導
体材料等を必要とするものであった。サージ電圧吸収特
性の安定性にも問題がある場合があり、その製造が必ず
しも容易でなく、又、製造コストが高くなる場合も生じ
ていた。

【０００６】本発明は上述した事情に鑑みて為されたも
ので、比較的安価な材料を用い、且つ簡単な製造工程に
より、高安定で長寿命のサージ吸収特性が得られるサー
ジアブソーバを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のサージアブソー
バは、内部を気密封止した絶縁ハウジングと、該ハウジ
ング内に収納された一対の電極と、該電極間に配置され
たバルク状のガラス体と、前記電極から前記絶縁ハウジ
ング外に取り出した一対のリード端子とを備えたことを
特徴とする。

【０００８】上述した本発明によれば、対向する電極間
に挿入するコアとしてガラスのバルク材を用いたので、
過電圧サージに対する高安定な放電特性が得られ、長寿
命のサージアブソーバとすることができる。又、コアの
材料自体が極めて一般的なものであるので、この加工も
容易であり、その製造コストを低減することができる。

【０００９】又、前記バルク状のガラス体は、ガラス板
をカッタで切断して、両端面を研磨して形成したもので
あることことが好ましい。これにより、電極端面との密
着性を向上させ、特性の安定性を高めることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照しながら説明する。図１は、本発明の
実施の形態のサージアブソーバの断面図であり、図２は
そのII-II線に沿った断面図であり、図３はコアの斜視
図を示す。

【００１１】ガラス管等の絶縁筒１１には、一対の対向
する電極１２Ａ，１２Ｂが封入されている。電極１２
Ａ，１２Ｂは、例えばジメット線により構成され、リー
ド端子１３Ａ，１３Ｂが該電極に一体的に形成されてい
る。対向する電極１２Ａ，１２Ｂ間には、バルク状のガ
ラス体からなるコア１５が挿入され、両電極間の空間に
は、Ａｒ、Ｎ_２、ＳＦ_６等の不活性ガスが封入されてい
る。

【００１２】バルク状のガラス体からなるコア１５は、
図３に示すような直方体状の形状を有するガラス片であ
り、両端面１５ａ，１５ｂが電極に密着するように研磨
されている。ガラス材としては、例えば市販の板ガラス
を利用することができる。このコア１５の製造方法は、
例えば市販の厚さ１ｍｍ程度の板ガラスを購入する。そ
して両端面を研磨して鏡面化すると共に、所要のギャッ
プ間の厚さｔを出す。これに水をかけながらカッター等
でダイス状に裁断する。そして、洗浄及び乾燥を行い、
絶縁筒１１内の電極１２Ａ，１２Ｂ間に挿入して固定す
る。

【００１３】係る構成のサージアブソーバによれば、過
電圧サージがリード端子１３Ａ、１３Ｂ間に到来する
と、電極１２Ａ、１２Ｂ間にコア１５の側面に沿って放
電が起こり、サージを吸収する。そして、放電後はコア
１５の側面は、元の正常な状態に復帰して、通常の電圧
に対して高い絶縁性を有する。放電電圧は、電極間のギ
ャップの大きさ等により決定され、コア１５の寸法精度
を上げることにより、安定な放電電圧が得られる。そし
て、放電後は元の状態に復帰するので長寿命のサージア
ブソーバとすることができる。

【００１４】尚、以上の説明はバルク状のガラス体とし
て、市販の板ガラスを用いて研磨した例について説明し
たが、予め寸法精度を出した石英ガラス等を用いても勿
論良い。但し、絶縁体であれば、セラミックス等でも可
能である。また、形状は円柱状、円筒状、三角柱以上の
多角柱状、三角形以上の多角形の筒状、ビーズ状でも可
能である。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、バ
ルク状のガラス体を電極間に挿入するコアとして用いる
ことで、高安定な放電特性が得られ、又長寿命のサージ
アブソーバとすることができる。更に、このサージアブ
ソーバは、コアとして極めてありふれた材料を用いて、
簡単な構造であり、単純な加工により製造できるので、
低製造コストのサージアブソーバを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態のサージアブソーバの断面
図である。

【図２】図１のII−II線に沿った断面図である。

【図３】バルク状のガラス体（コア）の斜視図である。

【符号の説明】

１１絶縁筒１２Ａ，１２Ｂ電極１３Ａ，１３Ｂリード端子１５コア（バルク状のガラス体）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内部を気密封止した絶縁ハウジングと、
該ハウジング内に収納された一対の電極と、該電極間に
配置されたバルク状のガラス体と、前記電極から前記絶
縁ハウジング外に取り出した一対のリード端子とを備え
たことを特徴とするサージアブソーバ。
【請求項２】前記バルク状のガラス体は、ガラス板を
カッタで切断して、両端面を研磨して形成したものであ
ることを特徴とする請求項１記載のサージアブソーバ。