JP2003217789A - サージアブソーバ及びその製造方法 - Google Patents
サージアブソーバ及びその製造方法Info
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- JP2003217789A JP2003217789A JP2002016152A JP2002016152A JP2003217789A JP 2003217789 A JP2003217789 A JP 2003217789A JP 2002016152 A JP2002016152 A JP 2002016152A JP 2002016152 A JP2002016152 A JP 2002016152A JP 2003217789 A JP2003217789 A JP 2003217789A
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- JP
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- glass
- surge
- surge absorber
- discharge gap
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- Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高精度かつ容易に放電ギャップを形成する。
【解決手段】 絶縁性物質のガラスからなるガラス管1
1内に、放電ギャップ15を有する導電性のサージ吸収
素子12を不活性ガスとともに封止する。一対のシリコ
ンチップ13,13をガラス14で貼り合わせることに
よってサージ吸収素子12を構成し、放電ギャップ15
をガラス14によって形成する。ガラス14をシリコン
チップ13の表面よりも外方に突出させる。ガラス14
におけるシリコンチップ13の表面からの突出量tを、
1〜100μmの範囲に設定する。
1内に、放電ギャップ15を有する導電性のサージ吸収
素子12を不活性ガスとともに封止する。一対のシリコ
ンチップ13,13をガラス14で貼り合わせることに
よってサージ吸収素子12を構成し、放電ギャップ15
をガラス14によって形成する。ガラス14をシリコン
チップ13の表面よりも外方に突出させる。ガラス14
におけるシリコンチップ13の表面からの突出量tを、
1〜100μmの範囲に設定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サージから様々な
機器を保護し、事故を未然に防ぐのに使用するサージア
ブソーバ及びその製造方法に関するものである。
機器を保護し、事故を未然に防ぐのに使用するサージア
ブソーバ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電話機、ファクシミリ、モデム等の通信
機器用の電子機器が通信線と接続する部分、あるいはC
RT駆動回路等、雷サージや静電気等の異常電圧(サー
ジ電圧)による電撃を受けやすい部分には、異常電圧に
よって電子機器やこの機器を搭載するプリント基板の熱
的損傷または発火等による破壊を防止するために、サー
ジアブソーバが接続されている。
機器用の電子機器が通信線と接続する部分、あるいはC
RT駆動回路等、雷サージや静電気等の異常電圧(サー
ジ電圧)による電撃を受けやすい部分には、異常電圧に
よって電子機器やこの機器を搭載するプリント基板の熱
的損傷または発火等による破壊を防止するために、サー
ジアブソーバが接続されている。
【0003】このようなサージアブソーバの一例とし
て、図3に示すようなものが知られている。このサージ
アブソーバ1は、絶縁性物質のガラスからなるガラス管
2と、円柱状をなす絶縁体4の表面に放電ギャップ5を
有する導電性皮膜6が着膜されたサージ吸収素子3と、
サージ吸収素子3の両端部を保持する一対のキャップ電
極7,7と、キャップ電極7,7に接続されるとともに
キャップ電極7,7及びサージ吸収素子3を不活性ガス
とともにガラス管1内に封止する一対の対向電極8,8
とから構成されている。また、対向電極8,8の外面側
の中央部には、それぞれリード端子9,9が接続されて
いる。
て、図3に示すようなものが知られている。このサージ
アブソーバ1は、絶縁性物質のガラスからなるガラス管
2と、円柱状をなす絶縁体4の表面に放電ギャップ5を
有する導電性皮膜6が着膜されたサージ吸収素子3と、
サージ吸収素子3の両端部を保持する一対のキャップ電
極7,7と、キャップ電極7,7に接続されるとともに
キャップ電極7,7及びサージ吸収素子3を不活性ガス
とともにガラス管1内に封止する一対の対向電極8,8
とから構成されている。また、対向電極8,8の外面側
の中央部には、それぞれリード端子9,9が接続されて
いる。
【0004】このようなサージアブソーバ1に、異常電
圧が印加されると、放電ギャップ5でグロー放電がトリ
ガされる。この放電は、導電性皮膜6に沿ってサージ吸
収素子3の両端側まで進展して、最終的に対向するキャ
ップ電極7,7間でアーク放電が発生する。これによ
り、異常電圧がサージアブソーバ1に吸収されのであ
る。
圧が印加されると、放電ギャップ5でグロー放電がトリ
ガされる。この放電は、導電性皮膜6に沿ってサージ吸
収素子3の両端側まで進展して、最終的に対向するキャ
ップ電極7,7間でアーク放電が発生する。これによ
り、異常電圧がサージアブソーバ1に吸収されのであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のサー
ジ吸収素子3における放電ギャップ5は、まず、絶縁体
4の表面に導電性皮膜6を着膜させた後、この絶縁体4
の中央部に対して周方向に沿ってレーザ光線を照射して
ゆき、導電性皮膜6を切断・分割することで形成され
る。しかしながら、このようなレーザ照射による微細加
工で放電ギャップ5を形成するためには、大規模の設備
や高度な技術を必要とするのであり、また、その形成精
度を高く保つことは非常に困難であるので、安定した放
電ギャップ5を得るためには多大な労力を要していた。
ジ吸収素子3における放電ギャップ5は、まず、絶縁体
4の表面に導電性皮膜6を着膜させた後、この絶縁体4
の中央部に対して周方向に沿ってレーザ光線を照射して
ゆき、導電性皮膜6を切断・分割することで形成され
る。しかしながら、このようなレーザ照射による微細加
工で放電ギャップ5を形成するためには、大規模の設備
や高度な技術を必要とするのであり、また、その形成精
度を高く保つことは非常に困難であるので、安定した放
電ギャップ5を得るためには多大な労力を要していた。
【0006】なお、放電ギャップ5を形成するのに、レ
ーザによる微細加工を必要としないものとして、特開平
10−22043号公報や特開平10−144444号
公報に開示されているようなサージアブソーバがある
が、前者は、放電ギャップを構成する絶縁層を形成する
ために、シリコンウエハの熱酸化、化学気相堆積、また
はスパッタリングなどの方法を採用したことで、その製
造工程に手間がかかるものであり、後者は、放電ギャッ
プを構成する絶縁部材を個別に形成する手間がかかるも
のであるので、いずれの場合も、高精度かつ容易に放電
ギャップを形成できるものではなかった。
ーザによる微細加工を必要としないものとして、特開平
10−22043号公報や特開平10−144444号
公報に開示されているようなサージアブソーバがある
が、前者は、放電ギャップを構成する絶縁層を形成する
ために、シリコンウエハの熱酸化、化学気相堆積、また
はスパッタリングなどの方法を採用したことで、その製
造工程に手間がかかるものであり、後者は、放電ギャッ
プを構成する絶縁部材を個別に形成する手間がかかるも
のであるので、いずれの場合も、高精度かつ容易に放電
ギャップを形成できるものではなかった。
【0007】また、別の課題として、放電時におけるス
パッタリング現象によって導電性皮膜6が放電ギャップ
5に堆積することにより、絶縁抵抗が低下して特性劣化
が促進され、寿命が短くなってしまうという問題もあっ
た。
パッタリング現象によって導電性皮膜6が放電ギャップ
5に堆積することにより、絶縁抵抗が低下して特性劣化
が促進され、寿命が短くなってしまうという問題もあっ
た。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、高精度かつ容易に放電ギャップを形成
することができるサージアブソーバ及びその製造方法を
提供することである。また、本発明の別の目的は、寿命
の延長を図ることができるサージアブソーバ及びその製
造方法を提供することである。
で、その目的は、高精度かつ容易に放電ギャップを形成
することができるサージアブソーバ及びその製造方法を
提供することである。また、本発明の別の目的は、寿命
の延長を図ることができるサージアブソーバ及びその製
造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決して、
このような目的を達成するために、本発明のサージアブ
ソーバは、絶縁性物質からなる管内に、放電ギャップを
有する導電性のサージ吸収素子が不活性ガスとともに封
止されたサージアブソーバであって、複数の導電性素体
(半導体素体を含む。)がガラスで貼り合わされること
により前記サージ吸収素子が構成され、前記放電ギャッ
プが前記ガラスによって形成されていることを特徴とす
る。また、本発明のサージアブソーバの製造方法は、前
記複数の導電性素体を前記ガラスによって貼り合わせて
前記サージ吸収素子を形成し、このサージ吸収素子を前
記管内に不活性ガスとともに封止することを特徴とす
る。このような本発明によれば、複数の導電性素体をガ
ラスによって貼り合わせるだけで放電ギャップを有する
サージ吸収素子を作成することができる、すなわち、ガ
ラスに対して導電性素体同士を互いに接合する機能をも
たせるとともに、このガラス自体の厚みによって放電ギ
ャップを構成するようにしたから、放電ギャップを有す
るサージ吸収素子を高精度かつ容易に形成することを可
能にしたのである。
このような目的を達成するために、本発明のサージアブ
ソーバは、絶縁性物質からなる管内に、放電ギャップを
有する導電性のサージ吸収素子が不活性ガスとともに封
止されたサージアブソーバであって、複数の導電性素体
(半導体素体を含む。)がガラスで貼り合わされること
により前記サージ吸収素子が構成され、前記放電ギャッ
プが前記ガラスによって形成されていることを特徴とす
る。また、本発明のサージアブソーバの製造方法は、前
記複数の導電性素体を前記ガラスによって貼り合わせて
前記サージ吸収素子を形成し、このサージ吸収素子を前
記管内に不活性ガスとともに封止することを特徴とす
る。このような本発明によれば、複数の導電性素体をガ
ラスによって貼り合わせるだけで放電ギャップを有する
サージ吸収素子を作成することができる、すなわち、ガ
ラスに対して導電性素体同士を互いに接合する機能をも
たせるとともに、このガラス自体の厚みによって放電ギ
ャップを構成するようにしたから、放電ギャップを有す
るサージ吸収素子を高精度かつ容易に形成することを可
能にしたのである。
【0010】また、前記ガラスが、前記導電性素体の表
面よりも外方に突出している構成とすると、放電時にお
いて、スパッタリング現象が生じたとしても、このガラ
スの露出部表面への導電性物質のスパッタ付着量を著し
く低減させ、寿命の延長を図ることができる。このと
き、前記ガラスにおける前記導電性素体の表面からの突
出量が小さすぎると、スパッタリング現象に起因するガ
ラスの露出部表面へのスパッタ付着量を低減することが
できなくなるおそれがあり、逆に、突出量が大きすぎて
も、放電が起き難くなるおそれが生じてしまうので、こ
の突出量は、1〜100μmの範囲に設定されているこ
とが好ましい。
面よりも外方に突出している構成とすると、放電時にお
いて、スパッタリング現象が生じたとしても、このガラ
スの露出部表面への導電性物質のスパッタ付着量を著し
く低減させ、寿命の延長を図ることができる。このと
き、前記ガラスにおける前記導電性素体の表面からの突
出量が小さすぎると、スパッタリング現象に起因するガ
ラスの露出部表面へのスパッタ付着量を低減することが
できなくなるおそれがあり、逆に、突出量が大きすぎて
も、放電が起き難くなるおそれが生じてしまうので、こ
の突出量は、1〜100μmの範囲に設定されているこ
とが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付し
た図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に
よるサージアブソーバを示す中央断面図、図2は、本実
施形態によるサージアブソーバの製造工程を示す説明図
である。
た図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に
よるサージアブソーバを示す中央断面図、図2は、本実
施形態によるサージアブソーバの製造工程を示す説明図
である。
【0012】本実施形態のサージアブソーバ10は、図
1に示すように、絶縁性物質のガラスからなる円筒型の
ガラス管11内に、放電ギャップ15を有する略円柱型
をなす導電性のサージ吸収素子12が、その両端面を狭
持面として一対の対向電極16,16により狭持され
て、ガラス管11内に不活性ガスとともに封止されたも
のである。また、対向電極16,16の外面側の中央部
には、それぞれリード端子17,17が接続されてい
る。
1に示すように、絶縁性物質のガラスからなる円筒型の
ガラス管11内に、放電ギャップ15を有する略円柱型
をなす導電性のサージ吸収素子12が、その両端面を狭
持面として一対の対向電極16,16により狭持され
て、ガラス管11内に不活性ガスとともに封止されたも
のである。また、対向電極16,16の外面側の中央部
には、それぞれリード端子17,17が接続されてい
る。
【0013】このサージ吸収素子12は、円柱状をなす
一対のシリコンチップ13,13(導電性素体(半導体
素体を含む。))の端面同士が同軸状に接合されて略円
柱型をなしているものである。また、一対のシリコンチ
ップ13,13同士の接合には絶縁性を有するガラス1
4が用いられている、すなわち、一対のシリコンチップ
13,13同士の間に絶縁性を有するガラス14が介在
することになり、このガラス14自体の厚みによって所
定幅dの放電ギャップ15が構成される。なお、この放
電ギャップdの幅は、例えば、1〜50μmの範囲に設
定されている。
一対のシリコンチップ13,13(導電性素体(半導体
素体を含む。))の端面同士が同軸状に接合されて略円
柱型をなしているものである。また、一対のシリコンチ
ップ13,13同士の接合には絶縁性を有するガラス1
4が用いられている、すなわち、一対のシリコンチップ
13,13同士の間に絶縁性を有するガラス14が介在
することになり、このガラス14自体の厚みによって所
定幅dの放電ギャップ15が構成される。なお、この放
電ギャップdの幅は、例えば、1〜50μmの範囲に設
定されている。
【0014】また、放電ギャップ15を構成している所
定厚みのガラス14は、略円柱状のサージ吸収素子12
の周方向のすべてに亘って、シリコンチップ13の周面
(表面)よりも外方側に突出しており、略円柱状のサー
ジ吸収素子12の中央部には、一段径が大きくなる箇所
が存在するようになっている。このとき、ガラス14に
おけるシリコンチップ13の周面からの径方向外方側へ
の突出量tは、1〜100μmの範囲に設定されてい
る。
定厚みのガラス14は、略円柱状のサージ吸収素子12
の周方向のすべてに亘って、シリコンチップ13の周面
(表面)よりも外方側に突出しており、略円柱状のサー
ジ吸収素子12の中央部には、一段径が大きくなる箇所
が存在するようになっている。このとき、ガラス14に
おけるシリコンチップ13の周面からの径方向外方側へ
の突出量tは、1〜100μmの範囲に設定されてい
る。
【0015】このような構成とされたサージアブソーバ
10は、例えば、以下のようにして製造される。まず、
シリコンウエハを円柱状に切り出すことにより、一対の
シリコンチップ13,13を得る。そして、これらシリ
コンチップ13,13の端面同士を、この端面に塗布さ
れたガラス14を介して貼り合わせ、熱処理を施すこと
により、一対のシリコンチップ13,13同士が互いに
接合されて、放電ギャップ15を有するサージ吸収素子
12が形成される。
10は、例えば、以下のようにして製造される。まず、
シリコンウエハを円柱状に切り出すことにより、一対の
シリコンチップ13,13を得る。そして、これらシリ
コンチップ13,13の端面同士を、この端面に塗布さ
れたガラス14を介して貼り合わせ、熱処理を施すこと
により、一対のシリコンチップ13,13同士が互いに
接合されて、放電ギャップ15を有するサージ吸収素子
12が形成される。
【0016】また、対向電極16,16は、ガラス管1
1の熱収縮によるひび割れを防止するため、ガラス管1
1と熱膨張係数のほぼ等しい金属(ジュメット:FeN
i合金)で構成されるものであり、例えば、ジュメット
線を輪切りにして形成される。さらに、対向電極16,
16の端面に、それぞれリード端子17,17がスポッ
ト溶接される。
1の熱収縮によるひび割れを防止するため、ガラス管1
1と熱膨張係数のほぼ等しい金属(ジュメット:FeN
i合金)で構成されるものであり、例えば、ジュメット
線を輪切りにして形成される。さらに、対向電極16,
16の端面に、それぞれリード端子17,17がスポッ
ト溶接される。
【0017】そして、本実施形態によるサージアブソー
バ10は、以下のようにして組み立てられる。図2に示
すように、カーボンヒータ20の穴21内に、ガラス管
11と、一方の対向電極16と、サージ吸収素子12
と、他方の対向電極16とをこの順番で収納する。その
後、穴31の雰囲気を真空排気した後、不活性ガスを導
入して、この雰囲気内でガラス管11を加熱することに
より、ガラス管11が対向電極16,16に接着し、サ
ージアブソーバ10が完成される。
バ10は、以下のようにして組み立てられる。図2に示
すように、カーボンヒータ20の穴21内に、ガラス管
11と、一方の対向電極16と、サージ吸収素子12
と、他方の対向電極16とをこの順番で収納する。その
後、穴31の雰囲気を真空排気した後、不活性ガスを導
入して、この雰囲気内でガラス管11を加熱することに
より、ガラス管11が対向電極16,16に接着し、サ
ージアブソーバ10が完成される。
【0018】上記のようなサージアブソーバ10に対し
て、異常電圧が印加されると、まず、放電ギャップ15
でグロー放電がトリガされる。この放電は、シリコンチ
ップ13の表面に沿ってサージ吸収素子12の両端側ま
で伸展して、最終的に対向する対向電極16,16間で
アーク放電が発生する。これにより、異常電圧がサージ
アブソーバ10に吸収されるのである。
て、異常電圧が印加されると、まず、放電ギャップ15
でグロー放電がトリガされる。この放電は、シリコンチ
ップ13の表面に沿ってサージ吸収素子12の両端側ま
で伸展して、最終的に対向する対向電極16,16間で
アーク放電が発生する。これにより、異常電圧がサージ
アブソーバ10に吸収されるのである。
【0019】このような本実施形態では、一対のシリコ
ンチップ13,13をガラス14によって貼り合わせる
という作業だけで、従来のようなレーザ照射による微細
加工を行わずとも、放電ギャップ15を有するサージ吸
収素子12を形成できるのである。換言すれば、ガラス
14に対して導電性素体同士を互いに接合する機能をも
たせるとともに、このガラス14自体の厚みによって所
定幅の放電ギャップ15を構成しているので、高精度か
つ極めて容易に、安定した放電ギャップを有するサージ
吸収素子12を形成することができる。
ンチップ13,13をガラス14によって貼り合わせる
という作業だけで、従来のようなレーザ照射による微細
加工を行わずとも、放電ギャップ15を有するサージ吸
収素子12を形成できるのである。換言すれば、ガラス
14に対して導電性素体同士を互いに接合する機能をも
たせるとともに、このガラス14自体の厚みによって所
定幅の放電ギャップ15を構成しているので、高精度か
つ極めて容易に、安定した放電ギャップを有するサージ
吸収素子12を形成することができる。
【0020】また、放電ギャップ15を構成するガラス
14が、1〜100μmの範囲に設定された突出量t
で、シリコンチップ13の周面から突出していることに
より、放電時において、スパッタリング現象が生じたと
しても、このガラス14の露出部表面への導電性物質
(シリコンチップ13に由来する)のスパッタ付着量を
著しく低減させることができ、絶縁抵抗が低下してしま
うことなく、寿命の延長を図ることが可能になる。ここ
で、この突出量tが、1μmより小さくなってしまう
と、ガラス14の露出部に対するスパッタ付着量を低減
する効果が薄れてしまうおそれがあり、逆に、突出量
が、100μmより大きくなっても、放電現象が起き難
くなるおそれが生じてしまう。なお、上述した効果をよ
り確実なものとするためには、突出量tを、1〜50μ
mの範囲に設定することが好ましい。
14が、1〜100μmの範囲に設定された突出量t
で、シリコンチップ13の周面から突出していることに
より、放電時において、スパッタリング現象が生じたと
しても、このガラス14の露出部表面への導電性物質
(シリコンチップ13に由来する)のスパッタ付着量を
著しく低減させることができ、絶縁抵抗が低下してしま
うことなく、寿命の延長を図ることが可能になる。ここ
で、この突出量tが、1μmより小さくなってしまう
と、ガラス14の露出部に対するスパッタ付着量を低減
する効果が薄れてしまうおそれがあり、逆に、突出量
が、100μmより大きくなっても、放電現象が起き難
くなるおそれが生じてしまう。なお、上述した効果をよ
り確実なものとするためには、突出量tを、1〜50μ
mの範囲に設定することが好ましい。
【0021】また、本実施形態によるサージアブソーバ
10は、従来のサージアブソーバのようなキャップ電極
を用いな構成とされているので、サージ吸収素子12の
両端部にキャップ電極を取り付ける労力を省き、製造コ
ストを抑えることが可能となっている。
10は、従来のサージアブソーバのようなキャップ電極
を用いな構成とされているので、サージ吸収素子12の
両端部にキャップ電極を取り付ける労力を省き、製造コ
ストを抑えることが可能となっている。
【0022】また、本実施形態においては、シリコンチ
ップ13(導電性素体)を2つ用いてサージ吸収素子1
2を構成しているが、これに限定されることなく、3つ
以上のシリコンチップ13を一方向に配列して、互いに
ガラス14で貼り合わせる構成としてもよい。このよう
に、シリコンチップ13の数を増やし、ガラス14の介
在箇所を増やした場合には、サージ吸収素子12がより
高電圧作動のものとなる。また、シリコンチップ3は、
上記のような円柱型に限定されることなく、両端面が平
面であれば、直方体、三角柱、その他の角柱のものを使
用することもできる。
ップ13(導電性素体)を2つ用いてサージ吸収素子1
2を構成しているが、これに限定されることなく、3つ
以上のシリコンチップ13を一方向に配列して、互いに
ガラス14で貼り合わせる構成としてもよい。このよう
に、シリコンチップ13の数を増やし、ガラス14の介
在箇所を増やした場合には、サージ吸収素子12がより
高電圧作動のものとなる。また、シリコンチップ3は、
上記のような円柱型に限定されることなく、両端面が平
面であれば、直方体、三角柱、その他の角柱のものを使
用することもできる。
【0023】さらに、本実施形態においては、リード端
子型のサージアブソーバ10について説明しているが、
これに限定されることなく、面実装型(メルフ型)のサ
ージアブソーバ、すなわち、対向電極16,16にリー
ド端子17,17が接続されないで、実装するときは対
向電極16,16と基板とを半田付けで接続して固定す
るものであってもよい。
子型のサージアブソーバ10について説明しているが、
これに限定されることなく、面実装型(メルフ型)のサ
ージアブソーバ、すなわち、対向電極16,16にリー
ド端子17,17が接続されないで、実装するときは対
向電極16,16と基板とを半田付けで接続して固定す
るものであってもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、複数の導電性素体をガ
ラスによって貼り合わせるだけで放電ギャップを有する
サージ吸収素子を作成することができる、すなわち、ガ
ラスに対して導電性素体同士を互いに接合する機能をも
たせるとともに、このガラス自体の厚みによって放電ギ
ャップを構成するようにしたから、従来のようなレーザ
照射による微細加工を必要とせずに、安定した放電ギャ
ップを有するサージ吸収素子を高精度かつ容易に形成で
きる。
ラスによって貼り合わせるだけで放電ギャップを有する
サージ吸収素子を作成することができる、すなわち、ガ
ラスに対して導電性素体同士を互いに接合する機能をも
たせるとともに、このガラス自体の厚みによって放電ギ
ャップを構成するようにしたから、従来のようなレーザ
照射による微細加工を必要とせずに、安定した放電ギャ
ップを有するサージ吸収素子を高精度かつ容易に形成で
きる。
【図1】 本発明の実施形態によるサージアブソーバ
を示す中央断面図である。
を示す中央断面図である。
【図2】 本発明の実施形態によるサージアブソーバ
の製造工程を示す説明図である。
の製造工程を示す説明図である。
【図3】 従来のサージアブソーバを示す中央断面図
である。
である。
10 サージアブソーバ
11 ガラス管
12 サージ吸収素子
13 シリコンチップ(導電性素体)
14 ガラス
15 放電ギャップ
16 対向電極
17 リード端子
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 池田 宏幸
埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三
菱マテリアル株式会社セラミックス工場電
子デバイス開発センター内
Claims (4)
- 【請求項1】 絶縁性物質からなる管内に、放電ギャッ
プを有する導電性のサージ吸収素子が不活性ガスととも
に封止されたサージアブソーバであって、 複数の導電性素体がガラスで貼り合わされることにより
前記サージ吸収素子が構成され、前記放電ギャップが前
記ガラスによって形成されていることを特徴とするサー
ジアブソーバ。 - 【請求項2】 請求項1に記載のサージアブソーバにお
いて、 前記ガラスが、前記導電性素体の表面よりも外方に突出
していることを特徴とするサージアブソーバ。 - 【請求項3】 請求項2に記載のサージアブソーバにお
いて、 前記ガラスにおける前記導電性素体の表面からの突出量
が、1〜100μmの範囲に設定されていることを特徴
とするサージアブソーバ。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
のサージアブソーバを製造するための製造方法であっ
て、 前記複数の導電性素体を前記ガラスによって貼り合わせ
て前記サージ吸収素子を形成し、 このサージ吸収素子を前記管内に不活性ガスとともに封
止することを特徴とするサージアブソーバの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002016152A JP2003217789A (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | サージアブソーバ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002016152A JP2003217789A (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | サージアブソーバ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003217789A true JP2003217789A (ja) | 2003-07-31 |
Family
ID=27652307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002016152A Pending JP2003217789A (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | サージアブソーバ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003217789A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102589616A (zh) * | 2012-02-07 | 2012-07-18 | 东北林业大学 | 人造板多层压机热压过程的多传感器数据融合方法及实现装置 |
-
2002
- 2002-01-24 JP JP2002016152A patent/JP2003217789A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102589616A (zh) * | 2012-02-07 | 2012-07-18 | 东北林业大学 | 人造板多层压机热压过程的多传感器数据融合方法及实现装置 |
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