JP2000326105A - 人工ダイヤモンド被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents
人工ダイヤモンド被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆超硬合金製切削工具Info
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- JP2000326105A JP2000326105A JP13291099A JP13291099A JP2000326105A JP 2000326105 A JP2000326105 A JP 2000326105A JP 13291099 A JP13291099 A JP 13291099A JP 13291099 A JP13291099 A JP 13291099A JP 2000326105 A JP2000326105 A JP 2000326105A
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- diamond coating
- cemented carbide
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 人工ダイヤモンド被覆層がすぐれた密着性を
有する表面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 表面被覆超硬合金製切工具が、結合相形
成成分としてCo:1〜20重量%を含有し、残りが分
散相形成成分としてのWCと不可避不純物からなる組
成、並びに縦断面組織観察で、内部のWC粒に実質的粒
成長はなく、焼結ままの塊状形状を保持し、一方最表面
部は実質的にWC粒からなり、かつこのWC粒は基体表
面に対して縦方向に厚さに変化のない状態で(100)
結晶面が成長した板状形状を呈する組織を有する超硬基
体の表面に、人工ダイヤモンド被覆層または人工ダイヤ
モンド状炭素被覆層を4〜500μmの平均層厚で形成
してなる。
有する表面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 表面被覆超硬合金製切工具が、結合相形
成成分としてCo:1〜20重量%を含有し、残りが分
散相形成成分としてのWCと不可避不純物からなる組
成、並びに縦断面組織観察で、内部のWC粒に実質的粒
成長はなく、焼結ままの塊状形状を保持し、一方最表面
部は実質的にWC粒からなり、かつこのWC粒は基体表
面に対して縦方向に厚さに変化のない状態で(100)
結晶面が成長した板状形状を呈する組織を有する超硬基
体の表面に、人工ダイヤモンド被覆層または人工ダイヤ
モンド状炭素被覆層を4〜500μmの平均層厚で形成
してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭化タングステ
ン基超硬合金で構成された基体(以下、超硬基体と云
う)の表面に気相合成法により形成された人工ダイヤモ
ンド被覆層または人工ダイヤモンド状炭素被覆層(以
下、これらを総称してダイヤ被覆層と云う)がすぐれた
密着性を有する表面被覆超硬合金製切削工具(以下、被
覆超硬工具と云う)に関するものである。
ン基超硬合金で構成された基体(以下、超硬基体と云
う)の表面に気相合成法により形成された人工ダイヤモ
ンド被覆層または人工ダイヤモンド状炭素被覆層(以
下、これらを総称してダイヤ被覆層と云う)がすぐれた
密着性を有する表面被覆超硬合金製切削工具(以下、被
覆超硬工具と云う)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、結合相形成成分としてC
o:1〜20重量%を含有し、残りが分散相形成成分と
しての炭化タングステン(以下、WCで示す)と不可避
不純物からなる組成、並びに縦断面組織観察で図2に模
写図で示される組織(倍率:3000倍)を有する焼結
ままの超硬基体の表面に、(a)例えばダイヤモンド砥
石を用いて、寸法出しのための表面研削加工処理、
(b)例えば1×10―5〜-3Torrの真空雰囲気
中、1300〜1500℃の範囲内の所定温度に1〜3
時間の範囲内の所定時間保持の条件で上記基体表面に露
出するWC粒を粗大化して、ダイヤ被覆層の密着性を向
上させるための熱処理(この場合、同じく図3に縦断面
組織が模式図で示されるように、上記(a)工程で発生
して表面に付着する微細なWC粒が相対的に粗粒のWC
粒に取り込まれて成長するが、内部のWCも粒成長して
粗大化する)、以上(a)および(b)の処理を施した
状態で、例えば特開昭58−91100号公報などに記
載される熱電子放射法や、特開昭58−110494号
公報などに記載されるマイクロ波法、さらに特開昭58
−135117号公報などに記載される高周波プラズマ
法などの気相合成法を用いてダイヤ被覆層を4〜30μ
mの平均層厚で形成してなる被覆超硬工具が知られてお
り、またこの被覆超硬工具が、例えば純AlやAl−S
i合金などのAl合金、さらにCu合金などの非鉄金属
材料、および炭素材などの非金属材料の連続切削や断続
切削に用いられていることも良く知られるところであ
る。
o:1〜20重量%を含有し、残りが分散相形成成分と
しての炭化タングステン(以下、WCで示す)と不可避
不純物からなる組成、並びに縦断面組織観察で図2に模
写図で示される組織(倍率:3000倍)を有する焼結
ままの超硬基体の表面に、(a)例えばダイヤモンド砥
石を用いて、寸法出しのための表面研削加工処理、
(b)例えば1×10―5〜-3Torrの真空雰囲気
中、1300〜1500℃の範囲内の所定温度に1〜3
時間の範囲内の所定時間保持の条件で上記基体表面に露
出するWC粒を粗大化して、ダイヤ被覆層の密着性を向
上させるための熱処理(この場合、同じく図3に縦断面
組織が模式図で示されるように、上記(a)工程で発生
して表面に付着する微細なWC粒が相対的に粗粒のWC
粒に取り込まれて成長するが、内部のWCも粒成長して
粗大化する)、以上(a)および(b)の処理を施した
状態で、例えば特開昭58−91100号公報などに記
載される熱電子放射法や、特開昭58−110494号
公報などに記載されるマイクロ波法、さらに特開昭58
−135117号公報などに記載される高周波プラズマ
法などの気相合成法を用いてダイヤ被覆層を4〜30μ
mの平均層厚で形成してなる被覆超硬工具が知られてお
り、またこの被覆超硬工具が、例えば純AlやAl−S
i合金などのAl合金、さらにCu合金などの非鉄金属
材料、および炭素材などの非金属材料の連続切削や断続
切削に用いられていることも良く知られるところであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削装置
のFA化はめざましく、かつ切削加工の省力化に対する
要求も強く、これに伴い、被覆超硬工具おけるダイヤ被
覆層は厚膜化し、切削加工は高速化する傾向にあるが、
上記の従来被覆超硬工具においては、これを高速切削に
用いたり、通常の切削条件でもダイヤ被覆層が平均層厚
で50μmを越えて厚膜化した場合、超硬基体表面に対
するダイヤ被覆層の密着性が不十分であるために、前記
ダイヤ被覆層に剥離が発生し易く、比較的短時間で使用
寿命に至るのが現状である。
のFA化はめざましく、かつ切削加工の省力化に対する
要求も強く、これに伴い、被覆超硬工具おけるダイヤ被
覆層は厚膜化し、切削加工は高速化する傾向にあるが、
上記の従来被覆超硬工具においては、これを高速切削に
用いたり、通常の切削条件でもダイヤ被覆層が平均層厚
で50μmを越えて厚膜化した場合、超硬基体表面に対
するダイヤ被覆層の密着性が不十分であるために、前記
ダイヤ被覆層に剥離が発生し易く、比較的短時間で使用
寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、ダイヤ被覆層の超硬基体表面に
対する密着性向上を図るべく研究を行った結果、上記の
焼結ままの超硬基体の表面に施される上記の(a)およ
び(b)の処理のうちの(b)処理に代って、超硬基体
を、例えばマイクロ波プラズマ発生装置に装入し、 反応雰囲気:水素、 反応雰囲気圧力:5〜100Torr、 超硬基体表面温度:1100〜1300℃、 出力:100〜8000W, 処理時間:5〜30時間、 の条件でプラズマ処理を施すと、この結果の超硬基体
は、図1に同じく縦断面組織(倍率:3000倍)が模
写図で示されるように、その最表面部が実質的にWC粒
のみからなり、かつこのWC粒は基体表面に対して縦方
向に厚さに変化のない状態で(100)結晶面が成長し
た板状形状を呈し、一方その内部のWC粒に実質的粒成
長はなく、焼結ままの塊状形状を保持する組織を有する
ようになり、これの表面に、通常の気相合成法によりダ
イヤ被覆層を形成すると、この結果の被覆超硬工具は、
前記ダイヤ被覆層が前記超硬基体の表面に著しく強固に
付着するようになることから、これを高速切削に用いて
も、さらに前記ダイヤ被覆層の厚さを平均50μmを越
えて厚膜化してもダイヤ被覆層に剥離の発生なく、すぐ
れた切削性能を長期に亘って発揮するという研究結果を
得たのである。
上述のような観点から、ダイヤ被覆層の超硬基体表面に
対する密着性向上を図るべく研究を行った結果、上記の
焼結ままの超硬基体の表面に施される上記の(a)およ
び(b)の処理のうちの(b)処理に代って、超硬基体
を、例えばマイクロ波プラズマ発生装置に装入し、 反応雰囲気:水素、 反応雰囲気圧力:5〜100Torr、 超硬基体表面温度:1100〜1300℃、 出力:100〜8000W, 処理時間:5〜30時間、 の条件でプラズマ処理を施すと、この結果の超硬基体
は、図1に同じく縦断面組織(倍率:3000倍)が模
写図で示されるように、その最表面部が実質的にWC粒
のみからなり、かつこのWC粒は基体表面に対して縦方
向に厚さに変化のない状態で(100)結晶面が成長し
た板状形状を呈し、一方その内部のWC粒に実質的粒成
長はなく、焼結ままの塊状形状を保持する組織を有する
ようになり、これの表面に、通常の気相合成法によりダ
イヤ被覆層を形成すると、この結果の被覆超硬工具は、
前記ダイヤ被覆層が前記超硬基体の表面に著しく強固に
付着するようになることから、これを高速切削に用いて
も、さらに前記ダイヤ被覆層の厚さを平均50μmを越
えて厚膜化してもダイヤ被覆層に剥離の発生なく、すぐ
れた切削性能を長期に亘って発揮するという研究結果を
得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、結合相形成成分としてCo:1
〜20重量%を含有し、残りが分散相形成成分としての
WCと不可避不純物からなる組成、並びに縦断面組織観
察で、内部のWC粒に実質的粒成長はなく、焼結のまま
塊状形状を保持し、一方最表面部は実質的にWC粒のみ
からなり、かつこのWC粒は基体表面に対して縦方向に
厚さに変化のない状態で(100)結晶面が成長した板
状形状を呈する組織を有する超硬基体の表面に、ダイヤ
被覆層を4〜500μmの平均層厚で形成してなる、ダ
イヤ被覆層がすぐれた密着性を有する被覆超硬工具に特
徴を有するものである。
なされたものであって、結合相形成成分としてCo:1
〜20重量%を含有し、残りが分散相形成成分としての
WCと不可避不純物からなる組成、並びに縦断面組織観
察で、内部のWC粒に実質的粒成長はなく、焼結のまま
塊状形状を保持し、一方最表面部は実質的にWC粒のみ
からなり、かつこのWC粒は基体表面に対して縦方向に
厚さに変化のない状態で(100)結晶面が成長した板
状形状を呈する組織を有する超硬基体の表面に、ダイヤ
被覆層を4〜500μmの平均層厚で形成してなる、ダ
イヤ被覆層がすぐれた密着性を有する被覆超硬工具に特
徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の被覆超硬工具において、
超硬基体のCo含有量を1〜20重量%としたのは、そ
の含有量が1重量%未満では、焼結性が低下し、所望の
強度を確保することができず、一方その含有量が20重
量%を越えると、耐熱塑性変形性が急激に低下し、高熱
発生を伴う高速切削では基体変形が著しく、ダイヤ被覆
層剥離の原因となるという理由によるものであり、また
ダイヤ被覆層の平均層厚を4〜500μmとしたのは、
その平均層厚が4μm未満では、所望の耐摩耗性を確保
することができず、一方その平均層厚が500μmを越
えると、ダイヤ被覆層自体に欠けやチッピングが発生し
易くなるという理由によるものである。
超硬基体のCo含有量を1〜20重量%としたのは、そ
の含有量が1重量%未満では、焼結性が低下し、所望の
強度を確保することができず、一方その含有量が20重
量%を越えると、耐熱塑性変形性が急激に低下し、高熱
発生を伴う高速切削では基体変形が著しく、ダイヤ被覆
層剥離の原因となるという理由によるものであり、また
ダイヤ被覆層の平均層厚を4〜500μmとしたのは、
その平均層厚が4μm未満では、所望の耐摩耗性を確保
することができず、一方その平均層厚が500μmを越
えると、ダイヤ被覆層自体に欠けやチッピングが発生し
易くなるという理由によるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の被覆超硬工具
を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、平
均粒径:1.3μmのWC粉末、および同1.5μmの
Co粉末を用い、これら原料粉末のうちのCo粉末の配
合割合を表1,2に示される割合にそれぞれ配合し、ボ
ールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、1.5t
on/cm2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、これら圧
粉体を圧力:1×10-2Torrの真空雰囲気中、13
00〜1500℃の範囲内の所定温度に1時間保持の条
件で焼結し、これに研削加工を施してISO規格SPG
N120408のチップ形状をもった超硬基体をそれぞ
れ製造し、ついで、これら超硬基体を通常のマイクロ波
プラズマ法発生装置に装入し、 反応雰囲気:水素、 反応雰囲気圧力:40Torr、 超硬基体表面温度:1250℃、 出力:5KW、 処理時間:5〜30時間の範囲内の所定時間、 の条件でプラズマ処理を施して、超硬基体が図1に縦断
面組織で示されるように、内部のWC粒に実質的粒成長
はなく、焼結ままの塊状形状を保持し、一方最表面部は
実質的にWC粒のみからなり、かつこのWC粒は基体表
面に対して縦方向に厚さに変化のない状態で(100)
結晶面が成長した板状形状を呈する組織を有するものと
し、ついで、気相合成法の1種であるマイクロ波プラズ
マ法を用い、 雰囲気圧力:20torr、 超硬基体表面温度:850℃、 反応ガス組成:CH4/H2=1.5/100(容量比) 処理時間:2〜250時間の範囲内の所定時間、 の条件で表1に示される目標層厚のダイヤ被覆層を形成
することにより本発明被覆超硬工具1〜10をそれぞれ
製造した。なお、図1および図2は本発明被覆超硬工具
4を構成する超硬基体の焼結後(図2)およびプラズマ
処理後(図1)の縦断面組織をそれぞれ模式図で示した
ものである。また、比較の目的で、上記の超硬基体に施
されるプラズマ処理に代って、1×10-4Torrの真
空雰囲気中、1400℃に1〜3時間の範囲内の所定時
間保持の条件で上記基体表面に露出するWC粒を粗大化
させる熱処理を施す以外は同一の条件で従来被覆超硬工
具1〜10をそれぞれ製造した。また、図3に従来被覆
超硬工具4を構成する超硬基体のWC粒粗大化熱処理後
の縦断面組織を模式図で示した。さらに、上記の各種被
覆超硬工具について、その縦断面組織からダイヤ被覆層
の平均層厚を測定したところ、目標層厚と実質的に同じ
値を示した。
を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、平
均粒径:1.3μmのWC粉末、および同1.5μmの
Co粉末を用い、これら原料粉末のうちのCo粉末の配
合割合を表1,2に示される割合にそれぞれ配合し、ボ
ールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、1.5t
on/cm2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、これら圧
粉体を圧力:1×10-2Torrの真空雰囲気中、13
00〜1500℃の範囲内の所定温度に1時間保持の条
件で焼結し、これに研削加工を施してISO規格SPG
N120408のチップ形状をもった超硬基体をそれぞ
れ製造し、ついで、これら超硬基体を通常のマイクロ波
プラズマ法発生装置に装入し、 反応雰囲気:水素、 反応雰囲気圧力:40Torr、 超硬基体表面温度:1250℃、 出力:5KW、 処理時間:5〜30時間の範囲内の所定時間、 の条件でプラズマ処理を施して、超硬基体が図1に縦断
面組織で示されるように、内部のWC粒に実質的粒成長
はなく、焼結ままの塊状形状を保持し、一方最表面部は
実質的にWC粒のみからなり、かつこのWC粒は基体表
面に対して縦方向に厚さに変化のない状態で(100)
結晶面が成長した板状形状を呈する組織を有するものと
し、ついで、気相合成法の1種であるマイクロ波プラズ
マ法を用い、 雰囲気圧力:20torr、 超硬基体表面温度:850℃、 反応ガス組成:CH4/H2=1.5/100(容量比) 処理時間:2〜250時間の範囲内の所定時間、 の条件で表1に示される目標層厚のダイヤ被覆層を形成
することにより本発明被覆超硬工具1〜10をそれぞれ
製造した。なお、図1および図2は本発明被覆超硬工具
4を構成する超硬基体の焼結後(図2)およびプラズマ
処理後(図1)の縦断面組織をそれぞれ模式図で示した
ものである。また、比較の目的で、上記の超硬基体に施
されるプラズマ処理に代って、1×10-4Torrの真
空雰囲気中、1400℃に1〜3時間の範囲内の所定時
間保持の条件で上記基体表面に露出するWC粒を粗大化
させる熱処理を施す以外は同一の条件で従来被覆超硬工
具1〜10をそれぞれ製造した。また、図3に従来被覆
超硬工具4を構成する超硬基体のWC粒粗大化熱処理後
の縦断面組織を模式図で示した。さらに、上記の各種被
覆超硬工具について、その縦断面組織からダイヤ被覆層
の平均層厚を測定したところ、目標層厚と実質的に同じ
値を示した。
【0008】この結果得られた各種の被覆超硬工具につ
いて、 被削材:Al−18%Si合金の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:600m/min、 切込み:0.5mm、 送り:0.1mm/rev、 切削時間:30分、 の条件での高Si含有Al合金の湿式高速断続切削試
験、並びに、 被削材:Al−18%Si合金の100mm×100m
m×400mmの寸法をもった丸棒、 切削速度:1500m/min、 切込み:2mm、 送り:0.15mm/刃、 切削時間:30分、 の条件での高Si含有Al合金の湿式高速フライス切削
試験を行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅
を測定した。これらの測定結果を表1、2に示した。
いて、 被削材:Al−18%Si合金の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:600m/min、 切込み:0.5mm、 送り:0.1mm/rev、 切削時間:30分、 の条件での高Si含有Al合金の湿式高速断続切削試
験、並びに、 被削材:Al−18%Si合金の100mm×100m
m×400mmの寸法をもった丸棒、 切削速度:1500m/min、 切込み:2mm、 送り:0.15mm/刃、 切削時間:30分、 の条件での高Si含有Al合金の湿式高速フライス切削
試験を行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅
を測定した。これらの測定結果を表1、2に示した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【発明の効果】表1,2に示される結果から、本発明被
覆超硬工具1〜10は、いずれも超硬基体表面部におけ
る実質的にWC粒のみからなり、かつこのWC粒が基体
表面に対して縦方向に厚さに変化のない状態で(10
0)結晶面が成長した板状形状を呈する組織によって超
硬基体表面に対するダイヤ被覆層の密着性が著しく向上
したものになっているので、高速切削を行っても、さら
にダイヤ被覆層の厚さを平均層厚で50μmを超えて厚
膜化した状態で切削を行っても前記ダイヤ被覆層に剥離
の発生なく、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮し、
かつ基体内部のWC粒に実質的粒成長なく、焼結ままの
塊状形状を保持するので、強度低下も避けられるのに対
して、超硬基体表面部が研削加工で発生した微細なWC
粒を取り込んで成長して粗大化したWC粒からなる従来
被覆超硬工具1〜10においては、ダイヤ被覆層の密着
性が十分でないために、いずれの場合にも剥離が発生
し、比較的短時間で使用寿命に至り、しかも基体内部の
WC粒成長による強度低下が避けられないことが明らか
である。上述のように、この発明の被覆超硬工具は、高
速切削に用いた場合にも、さらにダイヤ被覆層を平均層
厚で50μmを超えて厚膜化した状態で用いた場合に
も、これを構成するダイヤ被覆層に剥離の発生なく、す
ぐれた切削性能を発揮するので、切削装置のFA化およ
び切削加工の省力化にも十分満足に対応することができ
るのである。
覆超硬工具1〜10は、いずれも超硬基体表面部におけ
る実質的にWC粒のみからなり、かつこのWC粒が基体
表面に対して縦方向に厚さに変化のない状態で(10
0)結晶面が成長した板状形状を呈する組織によって超
硬基体表面に対するダイヤ被覆層の密着性が著しく向上
したものになっているので、高速切削を行っても、さら
にダイヤ被覆層の厚さを平均層厚で50μmを超えて厚
膜化した状態で切削を行っても前記ダイヤ被覆層に剥離
の発生なく、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮し、
かつ基体内部のWC粒に実質的粒成長なく、焼結ままの
塊状形状を保持するので、強度低下も避けられるのに対
して、超硬基体表面部が研削加工で発生した微細なWC
粒を取り込んで成長して粗大化したWC粒からなる従来
被覆超硬工具1〜10においては、ダイヤ被覆層の密着
性が十分でないために、いずれの場合にも剥離が発生
し、比較的短時間で使用寿命に至り、しかも基体内部の
WC粒成長による強度低下が避けられないことが明らか
である。上述のように、この発明の被覆超硬工具は、高
速切削に用いた場合にも、さらにダイヤ被覆層を平均層
厚で50μmを超えて厚膜化した状態で用いた場合に
も、これを構成するダイヤ被覆層に剥離の発生なく、す
ぐれた切削性能を発揮するので、切削装置のFA化およ
び切削加工の省力化にも十分満足に対応することができ
るのである。
【図1】この発明の被覆超硬工具4の超硬基体のプラズ
マ処理後の縦断面組織を示す模写図である(倍率:30
00倍)である。
マ処理後の縦断面組織を示す模写図である(倍率:30
00倍)である。
【図2】被覆超硬工具4の超硬基体の焼結ままの状態の
縦断面組織を示す模写図(倍率:3000倍)である。
縦断面組織を示す模写図(倍率:3000倍)である。
【図3】従来被覆超硬工具4の超硬基体のWC粒粗大化
熱処理後の縦断面組織を示す模写図(倍率:3000
倍)である。
熱処理後の縦断面組織を示す模写図(倍率:3000
倍)である。
Claims (1)
- 【請求項1】 基体が、結合相形成成分としてCo:1
〜20重量%を含有し、残りが分散相形成成分としての
炭化タングステンと不可避不純物からなる組成、並びに
縦断面組織観察で、内部の炭化タングステン粒に実質的
粒成長はなく、焼結ままの塊状形状を保持し、一方最表
面部は実質的に炭化タングステン粒のみからなり、かつ
この炭化タングステン粒は基体表面に対して縦方向に厚
さに変化のない状態で(100)結晶面が成長した板状
形状を呈する組織を有する炭化タングステン基超硬合金
基体の表面に、人工ダイヤモンド被覆層または人工ダイ
ヤモンド状炭素被覆層を4〜500μmの平均層厚で形
成してなる、人工ダイヤモンド被覆層がすぐれた密着性
を有する表面被覆超硬合金製切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13291099A JP2000326105A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 人工ダイヤモンド被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13291099A JP2000326105A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 人工ダイヤモンド被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆超硬合金製切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000326105A true JP2000326105A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15092395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13291099A Withdrawn JP2000326105A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 人工ダイヤモンド被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆超硬合金製切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000326105A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-05-13 JP JP13291099A patent/JP2000326105A/ja not_active Withdrawn
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