JP2000344867A - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
熱硬化性エポキシ樹脂組成物Info
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Abstract
む硬化樹脂を与え、且つ常温における混練時の作業性な
らびに熱硬化時における作業性が良好な熱硬化性エポキ
シ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂の機械的物性を改良する成
分として、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化
合物の少なくとも1種を配合させる。
Description
絶縁材、封止剤、積層板などに用いられる熱硬化性エポ
キシ樹脂組成物に関するもので、機械的および電気的特
性が優れ、且つ作業性が良好な熱硬化性エポキシ樹脂組
成物を提供するものである。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂などがよく知られており、近年、こ
れらの材料の高性能化が求められ、優れた機械的特性、
電気的特性、耐熱性を有し、且つ硬化時における作業性
が良好な樹脂組成物が求められている。このような技術
的課題を解決するために多くの研究がなされており、例
えばトリグリシジルイソシアヌレートをエポキシ樹脂に
配合する方法が特開昭54-10355号、特開昭54-
10356号、および特開昭54-10357号公報に
提案されている。またトリグリシジルイソシアヌレート
を各種ポリマーに配合して機械的物性、耐熱性を向上さ
せる方法が、特公昭58-44095号および特公昭6
0-19334号公報等に開示されている。
リシジルイソシアヌレートは比較的高い融点(約110
℃)を持ち、高い結晶性を示すためにエポキシ樹脂との
相溶性が悪く、エポキシ樹脂との均一な混合物が得られ
難いという作業性の問題があった。また、エポキシ樹脂
硬化剤との反応性が極めて高いため、硬化反応を制御す
ることが難しく、熱硬化が急激に進行して良好な硬化物
が得られないという欠点がある。
な問題点を改良すべく鋭意研究を重ねた結果、モノアリ
ルジグリシジルイソシアヌレート化合物は、エポキシ樹
脂硬化剤との反応性が穏やかであり、且つ優れた機械的
特性、電気的特性、耐熱性を有する硬化物を与えるこ
と、並びにモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化
合物がエポキシ樹脂との混練性、相溶性に優れ、さらに
モノアリルジグリシジルイソシアヌレートとエポキシ樹
脂およびエポキシ樹脂硬化剤とからなる熱硬化性樹脂組
成物が優れた機械的特性、電気的特性、耐熱性を有する
硬化物を与えることを見い出し本発明の完成に至った。
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物は、下
記の一般式で表される。
基を表わす。
ノアリルジグリシジルイソシアヌレート、1−アリル−
3,5−(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレ
ート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−ジグリ
シジルイソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニ
ル)−3,5−(2−メチルエポキシプロピル)イソシ
アヌレート等が挙げられる。
脂硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応して硬化させる
ものであれば特に限定されないが、通常はフェノール性
水酸基を有する化合物、酸無水物、アミン類が使用され
る。フェノール性水酸基を有する化合物としては、ビス
フェノール、レゾルシノール、フェノールノボラック、
クレゾールノボラック等の多価フェノール類等が挙げら
れる。酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等、通常エポキ
シ樹脂の硬化剤として使用されるものであればよく、特
に限定されるものではない。またアミン類としてはメタ
フェニレンジアミン、ジ(アミノフェニル)メタン(通称
ジアミノジフェニルメタン)、ジアミノジフェニルスル
ホンなどの芳香族アミン、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾールなどのイミダゾール類が例示される。
内にエポキシ基を複数個持つものならば特に限定され
ず、これらの具体例としては、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂およびハロゲ
ン化エポキシ樹脂等が挙げられる。
樹脂の硬化反応を促進させるため、硬化触媒を用いても
よい。硬化触媒として例えば、2−エチル−4−メチル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メ
チルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、1、8−
ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7などの三
級アミン化合物、トリフェニルホスフインなどの有機ホ
スフイン化合物および有機金属化合物が挙げられる。
晶性シリ力、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケ
イ酸カルシウム、酸化チタン、ガラス繊維などの無機質
充填材を配合することができ、特に非晶性シリカを用い
た場合にはエポキシ硬化物の線膨張係数を低下させる効
果が顕著である。
として例えば、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル等
の各種ポリマー、また、ジクミルパーオキシドに代表さ
れる過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
などのアリル基の重合を促進する重合開始剤を添加する
ことも可能である。本発明の樹脂組成物には、前記以外
に例えばカップリング剤、消泡剤、顔料など、樹脂に通
常使用される各種添加剤を併用することができる。
シジルイソシアヌレート化合物とエポキシ樹脂硬化剤を
用いる場合の配合比は、モノアリルジグリシジルイソシ
アヌレート化合物100重量部に対し、アミン系硬化剤
の場合は1〜10重量部、好ましくは2〜4重量部であ
り、また酸無水物硬化剤を用いる場合は、モノアリルジ
グリシジルイソシアヌレート化合物に対し当量の硬化剤
を用いることが望ましい。また、モノアリルジグリシジ
ルイソシアヌレート化合物とエポキシ樹脂およびエポキ
シ樹脂硬化剤を用いる場合は、モノアリルジグリシジル
イソシアヌレート化合物98〜2重量部、好ましくは8
0〜20重量部、エポキシ樹脂2〜98重量部、好まし
くはエポキシ樹脂20〜80重量部の割合で混練し、こ
れらの100重量部に対してアミン系硬化剤の場合は1
〜10重量部、好ましくは2〜4重量部であり、また酸
無水物硬化剤を用いる場合は、当量の硬化剤を用いるこ
とが望ましい。
されないが前述した各成分の所定量を撹拌混合したの
ち、ロール混練機、ニーダー、または押出機等を用いて
混練あるいは溶融混練することができる。
よって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、これらの試験における評価方法
は、次に示した試験規格及び条件に従ったものである。 曲げ弾性率、曲げ強度:ASTMD−790 ガラス転移点 :TMA法 ゲルタイム :JIS C−2105(熱版法 150℃) 体積抵抗率 :ASTMD−257
リットルの3口フラスコに、エピクロルヒドリン55
5.12g(6.0mol)、モノアリルイソシアヌレ
ート50.75g(0.3mol)、ベンジルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド2.4g(0.0129mo
l)を入れ、エピクロルヒドリンの沸点(119℃)で
1時間反応させた。反応液を冷却したのち、40℃以下
を保ちつつ、50%水酸化ナトリウム水溶液66.14
g(0.83mol)を徐々に加え、1時間反応させ
た。次いで、反応液を静置して水層と油層に分離させた
のち、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートが溶解
している油層を分取した。この油層を減圧下で濃縮し、
目的物であるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート
81.85g(収率97.0%)を得た。
シアヌレート(以下MA−DGICと略記する)100
重量部に、エポキシ樹脂硬化剤として2−エチル−4−
メチルイミダゾール(四国化成製、以下2E4MZと略
記する)2重量部を加えプラネタリーミキサーを用いて
加温、撹拌、混練してエポキシ樹脂組成物を得た。前記
処理において、MA−DGICは約60℃で溶解し、混
練時の作業性が著しく向上した。前記樹脂組成物を70
℃の温度で110分間一次硬化を行い、次いで150℃
の温度で4時間二次硬化を行ってエポキシ硬化物を調製
した。この硬化物の物性を評価した試験結果は表1に示
すとおりであり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の単
独硬化物(比較例1)と比べて機械的特性が良好であ
り、高い耐熱性を示した。
部、ビスフェノール型エポキシ樹脂としてビスフェノー
ルA型のエピコート828(油化シェルエポキシ製)5
0重量部、これにエポキシ樹脂硬化剤として2E4MZ
2重量部を加え、プラネタリーミキサーで撹拌、混練し
てエポキシ樹脂組成物を得た。この場合、トリグリシジ
ルイソシアヌレートは代表的なエポキシ樹脂であるエピ
コート828中では100℃に加温しても溶けないのに
対し、MA−DGICは相溶性が良く約50℃で溶け、
混練の作業性が著しく向上した。この樹脂組成物を70
℃の温度で110分間一次硬化を行い、次いで150℃
の温度で4時間二次硬化を行って硬化物を調製した。こ
の硬化物の物性を評価試験した結果は表1に示すとおり
であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の単独硬化物
(比較例1)と比べて機械的特性が良好であった。
部、エピコート828:70重量部を用い、以下実施例
2と同様の処理をしてエポキシ樹脂組成物を調製し硬化
物を得た。この硬化物の物性を評価した試験結果は表1
に示すとおりであり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
の単独硬化物(比較例1)と比べて機械的特性が良好で
あった。
部、エピコート828:20重量部を用い、以下実施例
2と同様の処理をしてエポキシ樹脂組成物を調製し硬化
物を得た。この硬化物の物性を評価した試験結果は表1
に示すとおりであり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
の単独硬化物(比較例1)と比べて機械的特性が良好で
あった。
部、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物
(新日本理化製、以下MHHPAと略記する)116.
3重量部、これにエポキシ樹脂硬化促進剤として2E4
MZ:0.2重量部を加え、プラネタリーミキサーで加
温、撹拌、混練してエポキシ樹脂組成物を得た。この組
成物を90℃の温度で120分間一次硬化を行い、次い
で150℃の温度で4時間二次硬化を行い硬化物を調製
した。この硬化物の物性を評価した試験結果は表1に示
すとおりであり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の単
独硬化物(比較例1)と比べて機械的特性が良好であ
り、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とMHHPAとの
硬化物(比較例2)に比べて機械的特性が良好であり、
高い耐熱性を示した。
部、エピコート828:50重量部、硬化剤としてMH
HPA:100重量部を用い、以下実施例5と同様の処
理を行って硬化物を調製した。この場合、トリグリシジ
ルイソシアヌレートは代表的なエポキシ樹脂であるエピ
コート828中では100℃に加温しても溶けないのに
対し、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートは相溶
性が良く約50℃で溶け、混練の作業性が著しく向上し
た。この硬化物の物性を評価した試験結果は表1に示す
とおりであり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の単独
硬化物(比較例1)と比べて機械的特性が良好であり、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂とMHHPAとの硬化
物(比較例2)に比べて機械的特性が良好であり、高い
耐熱性を示した。
量部にエポキシ樹脂硬化剤として2E4MZ:2重量部
を加え、70℃の温度で110分間一次硬化を行い、次
いで150℃の温度で4時間二次硬化を行って、硬化物
を調製した。この硬化物の物性を評価した試験結果は表
1に示すとおりであった。
量部、MHHPA:86重量部をエポキシ樹脂硬化剤と
し、これにエポキシ樹脂硬化促進剤として2E4MZ:
0.2重量部を加え、90℃の温度で120分間一次硬
化を行い、150℃で4時間二次硬化を行って硬化物を
調製し、この硬化物の物性を評価した試験結果は表1に
示すとおりであった。
レート:30重量部、エピコート828:70重量部を
エポキシ樹脂とし、これにアエロジル(日本アエロジル
社、#300)1重量部およびエポキシ樹脂硬化剤とし
て2E4MZ2重量部を加え、プラネタリーミキサーで
加温、攪拌、混練してエポキシ樹脂組成物を調製した。
この際、トリグリシジルイソシアヌレートが溶解せず、
均一な樹脂組成物を得ることが困難であった。得られた
樹脂組成物を60℃の温度で120分間一次硬化を行
い、次いで150℃の温度で4時間二次硬化を行った。
この硬化物の物性を評価試験した結果は表1に示すとお
りであり、この熱硬化性組成物はMA−DGICを単独
で用いた場合、MA−DGICとビスフェノールA型の
エピコート828あるいは酸無水物を用いた場合と比較
して、常温における相溶性および作業性が悪いものであ
った。
グリシジルイソシアヌレート単独の硬化物、モノアリル
ジグリシジルイソシアヌレートおよびビスフェノールA
型エポキシ樹脂の混合系の硬化物は、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂単独の硬化物に比べて、優れた機械的特
性を示している。また、モノアリルジグリシジルイソシ
アヌレートはトリグリシジルイソシアヌレートに比べ
て、ビスフェノールA型エポキシ樹脂との併用系におい
て、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に対する相溶性が
顕著に優れている。
作業性および熱硬化時における作業性が良好で、機械的
および電気的特性に優れ、耐熱性に富む硬化樹脂を与え
る熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 必須成分としてモノアリルジグリシジル
イソシアヌレート化合物とエポキシ樹脂硬化剤を含むこ
とを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 必須成分としてモノアリルジグリシジル
イソシアヌレート化合物とエポキシ樹脂およびエポキシ
樹脂硬化剤を含むことを特徴とする熱硬化性エポキシ樹
脂組成物。
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