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JP2000237703A - 真空洗浄乾燥方法及び装置 - Google Patents

真空洗浄乾燥方法及び装置

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Publication number
JP2000237703A
JP2000237703A JP11040155A JP4015599A JP2000237703A JP 2000237703 A JP2000237703 A JP 2000237703A JP 11040155 A JP11040155 A JP 11040155A JP 4015599 A JP4015599 A JP 4015599A JP 2000237703 A JP2000237703 A JP 2000237703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
tank
work
drying
vacuum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11040155A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Domoto
雅洋 堂元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aquatech Corp
Original Assignee
Aquatech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aquatech Corp filed Critical Aquatech Corp
Priority to JP11040155A priority Critical patent/JP2000237703A/ja
Publication of JP2000237703A publication Critical patent/JP2000237703A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ワークから油や汚れを短時間で確実に除去する
ことができると共に乾燥でき、安全性も確保できる真空
洗浄乾燥方法及び装置を提供する。 【解決手段】洗浄槽13内に貯留した炭化水素系溶剤1
2中にワーク11を浸漬し、洗浄槽13内を減圧した
後、超音波振動と揺動を付与しながらワーク11に付着
する不純油を炭化水素系溶剤12中に溶出すると共に固
形状の汚れをフィルタで除去してワーク11を洗浄し、
洗浄後のワーク11を仕上げ洗浄・乾燥槽16内に入
れ、炭化水素系溶剤12を加熱気化して得た炭化水素系
蒸気を仕上げ洗浄・乾燥槽16内に導入し、仕上げ洗浄
・乾燥槽16の内部空間を減圧した後大気開放し、必要
に応じてこの動作を複数回繰り返すことによって蒸気洗
浄と真空乾燥を行ない、ワーク11に付着する不純油を
除去した後、ワーク11を乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体のリードフ
レームやプレス部品等の各種ワークの洗浄に用いること
ができる真空洗浄乾燥方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体のリードフレームやプレス
部品等のように、表面や内部に油や汚れが付着するワー
クの洗浄は、フロンや、トリクロロエタン、トリフルオ
ロエチレン等の溶剤を用いて行なっていたが、これら
は、環境破壊物質を含むため、その使用が禁止されつつ
ある。そこで、その代替となる溶剤として灯油等の炭化
水素系溶剤(HC溶剤)の使用が提唱されている。この
場合、まず、炭化水素系溶剤である灯油を貯留する洗浄
槽の開閉蓋を開けてワークを浸漬し、次に、開閉蓋を閉
じた後、洗浄槽の内部を減圧して真空状態にし、超音波
振動発生装置を用いて超音波振動をワークに付与し、ワ
ークに付着するマシーン油等の不純油を灯油中に溶出し
て真空洗浄を行なう。次に、洗浄槽の開閉蓋を開けてワ
ークを取り出し、熱風乾燥によってワークを乾燥させ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなワ
ークの洗浄・乾燥は、以下の問題を有する。 (1)熱風乾燥なので、ワークを完全に乾燥するために
は、灯油の蒸発温度である160℃以上に加熱する必要
があり、乾燥のために莫大なエネルギーが必要となる。
また、そのエネルギーは回収することができず、さら
に、大気中に排出された場合は、公害や地球温暖化をも
たらすことになる。 (2)ワークがリードフレームの場合、160℃以上の
加熱温度で熱風乾燥すると、ワークが変色し、ワークの
品質向上を図ることができない。 (3)炭化水素系溶剤は危険物として指定されており、
その取り扱いには十分な注意を有するが、対策が十分に
なされていない。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、ワークから不純物や汚れを短時間で確実に
除去することができると共に乾燥でき、安全性も確保で
きる真空洗浄乾燥方法及び装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る真空洗浄乾燥方法は、実質的に、ワーク洗浄工程
と、ワーク蒸気洗浄工程と、ワーク乾燥工程からなる。
そして、ワーク洗浄工程において、洗浄槽内に貯留した
炭化水素系溶剤中にワークを浸漬して密閉し、更に減圧
して内部の空気を抜くと共に炭化水素系溶剤中の酸素を
脱気した後、ワークに超音波振動と揺動を付与してワー
クの洗浄を行い、ワーク蒸気洗浄工程においては、ワー
ク洗浄工程を終了したワークを洗浄槽から取り出し、仕
上げ洗浄・乾燥槽に入れて、内部を減圧して脱気した
後、炭化水素系蒸気を仕上げ洗浄・乾燥槽内に供給して
蒸気洗浄を行い、ワーク乾燥工程においては、ワーク蒸
気洗浄工程を終了した後、仕上げ洗浄・乾燥槽内を大気
開放して内部に溜まった不純油を含む炭化水素系溶剤を
排出し、次に、仕上げ洗浄・乾燥槽内を減圧してワーク
に付着した炭化水素系溶剤を蒸発させる。
【0006】ここで、不純油とは、ワークに付着するマ
シーン油等の洗浄対象物をいう。また、洗浄槽の内部の
真空度は、好ましくは40〜50Torrとする。この
洗浄槽における真空度は、引火の危険性を確実に防止し
て安全性を高めると共に、洗浄槽内での炭化水素系溶剤
によるワーク洗浄において気化する炭化水素系蒸気を外
部に取り出すために行なう真空引きができれば十分だか
らである。さらに、ワークの蒸気洗浄と乾燥を行なう仕
上げ洗浄・乾燥槽の内部の真空度は、好ましくは3〜5
Torrとする。真空乾燥を行なうためには高い真空度
が必要だからである。
【0007】このように、本発明に係る真空洗浄乾燥方
法では、内部を真空状態にした洗浄槽内に貯留した炭化
水素系溶剤にワークを浸漬し、超音波振動及び揺動を付
与しながらワークを洗浄し、その後、ワークを仕上げ洗
浄・乾燥槽内に投入した後、仕上げ洗浄・乾燥槽内で、
蒸気洗浄と真空乾燥を行なっているので、処理を行う槽
の数が少なくて済む。更には一つの仕上げ洗浄・乾燥槽
内で仕上げ洗浄と乾燥とを行っているので、ワークを搬
送する手間が省け、全体として処理が単純化する。ま
た、全ての工程を実質的に真空中で行なうので、操作の
安全性も十分に確保できる。
【0008】上記した真空洗浄乾燥方法において、洗浄
槽内に溜まった炭化水素系溶剤を、予め又は洗浄槽内
で、ワークに付着した不純油の融点以上で、炭化水素系
溶剤の沸点より十分に低い温度に加熱し、しかも、洗浄
槽内に溜まった炭化水素系溶剤から、循環ポンプとフィ
ルタとを備えたフィルタユニットによって、含まれる固
形状の汚れを除去することもできる。この場合、ワーク
に付着したマシーン油等の不純油を容易に炭化水素系溶
剤に溶け出させることができる。また、洗浄槽内に溜ま
った炭化水素系溶剤は、循環ポンプとフィルタとを備え
たフィルタユニットによって、含まれる固形状の汚れが
除去されているので、炭化水素系溶剤に混入した汚れ等
によってワークが汚されにくく、より清浄なワークの洗
浄が行え、炭化水素系溶剤を繰り返し使用できる。
【0009】上記した真空洗浄乾燥方法において、仕上
げ洗浄・乾燥槽を、予め蒸気洗浄を行う炭化水素系溶剤
の凝結温度近傍又は凝結温度以上に加熱することもでき
る。この場合、ワーク蒸気洗浄工程で供給される蒸気が
仕上げ洗浄・乾燥槽の側壁に付着しにくく、これによっ
て洗浄に使用する蒸気量を減らすことができる。上記し
た真空洗浄乾燥方法において、上流側に冷却器を備えた
単一の真空ポンプを駆動して洗浄槽の内部と仕上げ洗浄
・乾燥槽の内部を減圧することもできる。この場合、単
一の真空ポンプでワーク洗浄、ワーク蒸気洗浄及びワー
ク乾燥を行なうことができるので、真空洗浄乾燥方法を
効率的に行なうことができる。また、真空ポンプの上流
側に冷却器を備えているので、真空ポンプに吸引される
ガス中の蒸気分の大部分が除去され、これによって真空
ポンプの負担を軽減させ、より容量の小さい真空ポンプ
で、効率的に洗浄槽と仕上げ洗浄・乾燥を行なうことが
できる。
【0010】上記した真空洗浄乾燥方法において、洗浄
槽の所定レベルをオーバーする不純油を含む炭化水素系
溶剤をオーバーフローラインを通して溶剤回収タンクに
回収すると共に、冷却器によって回収される炭化水素系
溶剤を溶剤回収ラインを通して溶剤回収タンクに回収
し、溶剤回収タンクに貯留した炭化水素系溶剤から蒸留
器を用いて炭化水素系溶剤の蒸気を生成し、その一部を
仕上げ洗浄・乾燥槽内に炭化水素系蒸気として導入する
と共に、残りを液化装置を用いて液化して洗浄剤として
使用できる炭化水素系溶剤を再生することもできる。こ
の場合、洗浄槽からの不純油を含む余剰な炭化水素系溶
剤、及び仕上げ洗浄・乾燥槽で使用された不純油を含む
炭化水素系溶剤を回収し、これを再度洗浄剤として使用
できる炭化水素系溶剤に再生しているので、炭化水素系
溶剤の節約を行うことができると共に、炭化水素系溶剤
の大気開放を防止することができる。
【0011】前記目的に沿う本発明に係る真空洗浄乾燥
装置は、洗浄籠に収納したワークを洗浄するための炭化
水素系溶剤を貯留すると共に、その上部開口部を密閉可
能な開閉蓋と、第1の真空度計、第1の真空破壊弁及び
第1の排気弁を備え、ワークを炭化水素系溶剤によって
洗浄する洗浄槽と、ワークの洗浄時に超音波振動と揺動
をそれぞれ付与する超音波振動手段及び揺動機構と、洗
浄槽内に貯留された固形状の汚れを回収するフィルタユ
ニットと、上部開口部を密閉可能な開閉蓋を有すると共
に、第2の真空度計、第2の真空破壊弁及び第2の排気
弁を備え、洗浄槽によって洗浄されたワークの仕上げ洗
浄とその後のワークの乾燥処理を行う仕上げ洗浄・乾燥
槽と、洗浄槽と仕上げ洗浄・乾燥槽に連通連結され、直
上流側には冷却器を備える真空ポンプと、洗浄槽及び仕
上げ洗浄・乾燥槽から送られる不純油を含む炭化水素系
溶剤を加熱気化する蒸留器及該蒸留器によって加熱気化
した炭化水素系溶剤を冷却して洗浄剤として使用できる
炭化水素系溶剤を再生する蒸留再生ユニットと、これら
の制御手段とを有する。このように、ワークの洗浄及び
乾燥を行う槽が洗浄槽と仕上げ洗浄・乾燥槽との2槽で
済むので、設備の小型化を図ることができると共に、ワ
ークの仕上げ洗浄・乾燥を行っている時には、洗浄槽に
て別のワークの洗浄をすることができるので、動作が連
続し、比較的大量のワークを処理することができる。上
記した真空洗浄乾燥装置は、更に、真空ポンプの下流側
に配置され、真空ポンプを通過したガス中に含まれる不
純油及び炭化水素系溶剤を回収するガス冷却器と、少な
くとも、真空ポンプ、冷却器、及びガス冷却器の冷却水
による冷却を行うクーリングタワーとを備えたものとす
ることができる。この場合、大気中に放出するガス中に
含まれる炭化水素系溶剤の量を著しく減少することがで
きる。また、少なくとも、真空ポンプ、冷却器、及びガ
ス冷却器の冷却水による冷却を行うクーリングタワーと
を備えているので、比較的安価な設備でガスや機器等の
冷却を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。
【0013】まず、図1に示すブロック図を参照して、
本発明の一実施の形態に係る真空洗浄乾燥装置10の概
念的構成を説明する。図示するように、内部にワーク1
1を洗浄するための炭化水素系溶剤の一例である精整し
た灯油12を貯留する洗浄槽13は、その上部開口部を
密閉可能な開閉蓋14を有すると共に、その下部に超音
波振動手段の一例である超音波振動発生装置15を有す
る。また、後述するように、洗浄槽13はワーク11を
揺動するための揺動機構68(図5参照)を具備する。
洗浄槽13の一側方には仕上げ洗浄・乾燥槽16が並設
されており、仕上げ洗浄・乾燥槽16は、その内部に灯
油蒸気が供給されるものであり、上部開口部を密閉可能
な開閉蓋18を有する。
【0014】洗浄槽13は、中途に冷却器19を具備す
る第1の真空吸引配管20を介して真空ポンプ21に連
通連結されており、真空ポンプ21を駆動することによ
って洗浄槽13の内部を減圧して真空状態にすることが
できる。一方、仕上げ洗浄・乾燥槽16は、第2の真空
吸引配管22を介して第1の真空吸引配管20に連通連
結されており、同様に真空ポンプ21を駆動することに
よって仕上げ洗浄・乾燥槽16の内部を減圧して真空状
態にすることができる。
【0015】本実施の形態において、洗浄槽13への灯
油12への供給、及び、仕上げ洗浄・乾燥槽16への灯
油蒸気の供給は、これらを再生してその有効利用を図る
ため、以下の構成を用いて行なっている。即ち、洗浄槽
13は、開閉弁23aを具備するオーバーフローライン
23を介して溶剤回収タンクの一例である灯油回収タン
ク24の流入口に連通連結されている。また、真空ポン
プ21の下流側に設けた溶剤回収ラインの一例である灯
油回収ライン25を介して灯油回収タンク24のもう一
つの流入口に連通連結されており、灯油回収ライン25
の中途にはガス冷却器26と逆止弁26aが取付けられ
ている。なお、灯油回収タンク24の上部空間には先部
が大気に開放された排気ダクト24aの基部が連通連結
されており、排気ダクト24aの中途部には排気ファン
24bが取付けられている。
【0016】また、灯油回収タンク24の流出口にはフ
ィルタ28と開閉弁29aを具備する第1の灯油供給ラ
イン27を介して蒸留器29の流入口が連通連結されて
いる。そして、蒸留器29の流出口には第1の灯油蒸気
供給ライン30が連通連結されている。第1の灯油蒸気
供給ライン30の下流側部分は、三方弁からなる蒸気案
内弁30aを介して第2及び第3の灯油蒸気供給ライン
31、32に分岐されている。さらに、蒸留器29の下
部に接続された配管にはドレンバルブ29bが取付けら
れている。第2の灯油蒸気供給ライン31は、洗浄剤と
して使用できる灯油12を生成するための液化装置の一
例であるコンデンサ33の流入口に連通連結されてい
る。一方、コンデンサ33の流出口は、循環タンク3
4、逆止弁33b、エジェクター33c、開閉弁34a
を取付けた第2の灯油供給ライン35を介して洗浄槽1
3内に連通連結されている。なお、符号34bは循環ポ
ンプを示す。また、第3の灯油蒸気ライン32の下流側
端は仕上げ洗浄・乾燥槽16の内部に連通連結されてい
る。
【0017】上記した構成によって、洗浄槽13からマ
シーン油等の洗浄対象物である不純油を溶かした灯油1
2のうち、所定のレベルを超える分を取り出し、オーバ
ーフローライン23を通して灯油回収タンク24に回収
することができる。また、真空ポンプ21によって洗浄
槽13や仕上げ洗浄・乾燥槽16から吸引される空気中
に含まれる灯油蒸気を真空ポンプ21の上流側に設けた
冷却器19を通して液化した後においても吸引空気中に
わずかに含まれる灯油12も真空ポンプ21の下流側に
設けた灯油回収ライン25を通して灯油回収タンク24
に不純油を含む灯油12として回収することができる。
その後、これらの回収された不純油を含む灯油12から
蒸留器29を用いて不純油を含まない灯油蒸気を生成
し、その一部を仕上げ洗浄・乾燥槽16内に灯油蒸気と
して導入すると共に、残りをコンデンサ33を用いて液
化して新液としての灯油12を生成した後、循環タンク
34を介して洗浄槽13内に導入することができる。
【0018】また、図1に示すように、洗浄槽13には
第1の真空度計36、第1の真空破壊弁37及び第1の
排気弁38が取付けられている。なお、本実施の形態で
は、第1の排気弁38は、便宜上、第1の真空吸引配管
20の洗浄槽13に近接した個所に取付けられている。
一方、仕上げ洗浄・乾燥槽16には、第2の真空度計3
9、第2の真空破壊弁40及び第2の排気弁41が取付
けられている。また、便宜上、第2の真空破壊弁40と
第2の排気弁41は、第3の灯油蒸気供給ライン32及
び第2の真空吸引配管22の仕上げ洗浄・乾燥槽16の
近傍をなす個所に取付けられている。そして、制御手段
の一例である制御装置76(図2及び図3参照)を用い
て、真空ポンプ21と第1の真空度計36、第1の真空
破壊弁37及び第1の排気弁38を駆動制御して洗浄槽
13内の真空度を、例えば40〜50Torrに調整す
ることができると共に、真空ポンプ21と第2の真空度
計39、第2の真空破壊弁40及び第2の排気弁41を
駆動制御して、仕上げ洗浄・乾燥槽16内を交互に真空
状態と大気開放状態にすると共に、真空度を、例えば3
〜4Torrに調整することができる。
【0019】また、図1に示すように、本実施の形態で
は、灯油12を用いることから、その安全性を確実なも
のとするため、蒸留器29内に供給される油や汚れを溶
かした灯油12を、熱媒油を用いて加熱するようにして
いる。即ち、ヒーター等によって加熱される難燃性の熱
媒油を充填する油タンク42は、循環ポンプ45を取付
けた熱媒油供給ライン43と熱媒油戻しライン44から
なる循環流路によって蒸留器29に連通連結されてい
る。なお、本実施の形態では、蒸留器29の上流側に設
けた開閉弁29aを閉じて灯油12の蒸留器29への流
入を一時的に停止するようにしている。これは、灯油1
2中に混入されている不純油の沸点(例えば、120
℃)が灯油12の沸点(例えば、80℃)より高いこと
に鑑み、蒸留器29内で灯油12を煮詰め、灯油12の
み蒸発させ、油濃度を十分に高めた後に、ドレインバル
ブ29bを開けて外部に取り出し廃棄することにより、
廃棄量を少なくすると共に、廃棄回数を少なくして、真
空洗浄乾燥装置10の運転停止時間を可及的に短くする
ためである。
【0020】図示の実施の形態におけるその他の構成に
ついて説明すると、図1に示すように、仕上げ洗浄・乾
燥槽16の底部と冷却器19の底部はそれぞれ第1又は
第2の灯油戻し配管46、47を介して灯油戻しタンク
48に連通連結されており、灯油戻しタンク48は第3
の灯油戻し配管49を介して洗浄槽13の底部に連通連
結されている。なお、第3の灯油戻し配管49には戻し
ポンプ50が取付けられている。また、第1の灯油戻し
配管46には開閉弁46aが取付けられ、第2の灯油戻
し配管47にはガス逆流防止タンク19aが取付けられ
ている。かかる構成によって、仕上げ洗浄・乾燥槽16
の蒸気洗浄によって仕上げ洗浄・乾燥槽16の底部に滴
下した灯油12と、冷却器19による液化によって生じ
た灯油12をいったん灯油戻しタンク48を経由して、
洗浄槽13内に戻し、再利用することができる。
【0021】また、図1に示すように、冷却器19、ガ
ス冷却器26、真空ポンプ21、コンデンサ33等は、
高価なチラーを用いずに、クーリングタワー51からの
冷却水を用いて作動するようにしている。即ち、冷却器
19、ガス冷却器26、真空ポンプ21、コンデンサ3
3等は、冷却水供給配管52と冷却水戻し配管53を介
してクーリングタワー51に連通連結されている。
【0022】さらに、図1に示すように、洗浄槽13に
は、灯油12中に含まれる無機質のごみを除去するため
のフィルタユニット54が取付けられている。フィルタ
ユニット54は、実質的に循環ポンプ55とフィルタ5
6を取付けた灯油循環流路57から形成されている。
【0023】次に、上記した構成を有する真空洗浄乾燥
装置10による真空洗浄乾燥方法について説明する。以
下に説明するように、真空洗浄乾燥方法は、実質的に、
ワーク洗浄工程と、ワーク蒸気洗浄工程と、ワーク乾燥
工程とからなる。 (1)まず、洗浄槽13内に炭化水素系溶剤の一例であ
る灯油12を入れる。この灯油12は、最初の状態で
は、洗浄槽13の開閉蓋14を開いて直接投入するのが
好ましいが、循環タンク34内に再生された灯油12が
残っている場合には、開閉弁34aを開いて第2の灯油
供給ライン35より供給してもよい。洗浄槽13内に供
給する灯油12の量は第2のレベルセンサ72によって
検知され、この第2のレベルセンサ72が作動している
ことを確認して、以下の処理が行われるようになってい
る。
【0024】この洗浄槽13は油タンク42からの熱媒
油によって加熱され、内部の灯油12の温度が図示しな
い温度センサによって検知・制御されて約40℃になっ
ている。これは、ワーク11に付着している不純油の溶
解温度が約30℃程度であるので、ワーク11を入れた
場合に、約40℃(不純油の融点以上で、灯油12の沸
点より十分に低い温度)に加熱されてワーク11に付着
した不純油を灯油12に溶かすためである。 (2)洗浄槽13の下部にその出口及び入口が設けられ
ているフィルタユニット54を駆動する。これによっ
て、灯油12内に含まれる汚れはフィルタ56によって
除去されることになるが、新しい灯油12を洗浄槽13
内に入れた直後では、汚れ(SS)等は無いので、この
工程は、ワーク11を洗浄槽13内に入れた後に行って
もよい。
【0025】(3)開閉蓋14を開けた状態で、洗浄槽
13内の灯油12中に洗浄籠67(図5参照)に入った
ワーク11を浸漬して、開閉蓋14を閉じる。このと
き、オーバーフローする灯油12はオーバーフローライ
ン23を通じて灯油回収タンク24に流れ込む。 (4)オーバーフローライン23に設けられている開閉
弁23aを閉じた状態で、真空ポンプ21を作動して洗
浄槽13内を減圧し、内部の空気を抜くと共に、灯油1
2中に溶解している酸素を脱気し、第1の真空度計36
で測定する洗浄槽13内の真空度が40Torrになっ
た段階で第1の排気弁38を閉じ真空ポンプ21の作動
を停止する。
【0026】(5)洗浄槽13の底部に取付けられてい
る超音波振動発生装置15を作動させると共に、揺動機
構68を作動させてワーク11の収納されている洗浄籠
67を揺動させる。これによって、ワーク11に付着し
ている不純油が強制的に灯油12中に溶け出し、汚れも
ワーク11から除去される。この操作によって汚れた灯
油12はフィルタユニット54によって含まれる固形状
の汚れ(SS)が除去される。超音波洗浄を行うと、灯
油12の温度が徐々に上昇するので、超音波洗浄中は常
時灯油12が約40℃を保持するように洗浄槽13を水
冷しておく(ワーク洗浄工程終了)。
【0027】(6)所定時間の洗浄作業が完了すると、
超音波振動発生装置15と揺動機構68の作動を止め、
第1の真空破壊弁37を作動して洗浄槽13の内部を大
気開放する。次に、洗浄槽13の開閉蓋14を開けて、
ワーク11を外部に取り出し、仕上げ洗浄とその後のワ
ーク11の乾燥を行なう仕上げ洗浄・乾燥槽16の直上
まで移送する。ここで、灯油戻しタンク48から戻しポ
ンプ50を介して洗浄槽13に灯油12が供給され、そ
のオーバーフロー分が灯油回収タンク24に供給される
ようになっている。これによって洗浄槽13内の不足の
灯油12を補うと共に、灯油戻しタンク48内の不純な
油を少量含む灯油12を、洗浄槽13内で再利用してい
る。
【0028】(7)開閉蓋18を開けて、洗浄槽13で
洗浄剤である灯油12による液洗浄が完了したワーク1
1を、図3〜図5に示すように、昇降機構65によって
仕上げ洗浄・乾燥槽16内に入れる。この仕上げ洗浄・
乾燥槽16内には、底部に簀の子が設けられて、洗浄籠
67に入ったワーク11が仕上げ洗浄・乾燥槽16の中
間位置に配置されるようになっている。ここで、ワーク
11の温度は約40〜60℃であるが、仕上げ洗浄・乾
燥槽16の側壁の温度は約80℃(蒸気洗浄を行う灯油
12の凝結温度近傍又は凝結温度以上)に内部に加熱ヒ
ーターを備えた熱媒油によって予め加熱されている。こ
れは、ワーク11の仕上げ洗浄時に供給される灯油12
の蒸気が仕上げ洗浄・乾燥槽16の側壁に付着しないよ
うにして洗浄効率を高めるためである。
【0029】(8)開閉蓋18を閉じて、第2の排気弁
41を開くと共にその他の弁を閉じて、真空ポンプ21
を作動し、仕上げ洗浄・乾燥槽16の内部を減圧して内
部の空気を除去する。これは仕上げ洗浄・乾燥槽16内
に空気があると、仕上げ洗浄(濯ぎ洗浄)である蒸気洗
浄が円滑に行われないためである。 (9)仕上げ洗浄・乾燥槽16の真空度が4〜5Tor
rになった時点で、第2の排気弁41を閉じると共に真
空ポンプ21を止め、蒸気案内弁30aを開いて、蒸留
器29からの約80℃の灯油蒸気を仕上げ洗浄・乾燥槽
16内に導く。仕上げ洗浄・乾燥槽16内に入った灯油
蒸気は、約40〜60℃のワーク11に接して凝結し、
これによってワーク11の蒸気洗浄が行われる。蒸気洗
浄の過程において発生する不純油を含む灯油12は、仕
上げ洗浄・乾燥槽16の底部に溜まる。
【0030】(10)80℃に加熱された灯油蒸気が接
することによってワーク11の温度は徐々に上昇し、8
0℃又は80℃近傍の温度になった時点で蒸気洗浄を終
了する。これは、ワーク11が80℃近傍になると灯油
蒸気の付着が極端に悪くなって洗浄効率が著しく落ちる
からである(ワーク蒸気洗浄工程終了)。 (11)ワーク11の蒸気洗浄が終了すると、蒸気案内
弁30aを閉じて、第2の真空破壊弁40を開いて内部
を大気圧にした後、仕上げ洗浄・乾燥槽16の下部に設
けられている開閉弁46aを開いて、仕上げ洗浄・乾燥
槽16の底部に溜まっている灯油(不純油を含む)12
を灯油戻しタンク48内に移す。これによって、仕上げ
洗浄・乾燥槽16内の灯油12が一応抜けることにな
る。
【0031】(12)次に、第2の真空破壊弁40及び
開閉弁46aを閉じた状態で、第2の排気弁41を開く
と共に真空ポンプ21を作動させ、仕上げ洗浄・乾燥槽
16内を減圧する。これによって、ワーク11に付着し
た灯油12が蒸気となって蒸発する。この灯油蒸発の過
程において、灯油12に溶融している不純油も蒸発し、
ワーク11の表面は清浄となって乾燥する。この乾燥処
理は、仕上げ洗浄・乾燥槽16を熱媒で加熱しながら、
仕上げ洗浄・乾燥槽16の内部圧力が4〜5Torrに
なるまで継続する(ワーク乾燥工程終了)。なお、ワー
ク11に盲穴や油溜まりがある場合には上記処理では十
分に付着した不純油の除去が困難であるので、仕上げ洗
浄・乾燥槽16内に蒸気を入れてワーク11を蒸気洗浄
する処理と、仕上げ洗浄・乾燥槽16内を減圧して、不
純油が混入した凝結灯油を気化させる減圧処理とを複数
回繰り返す。ワーク11はワーク蒸気洗浄工程によって
温度が上がり、減圧処理による気化によって温度が下が
るので、効率的に次の処理を行うことができ、この繰り
返し処理(フラッシングという)によって、局所に溜ま
った不純油も略完全に除去できる。
【0032】(13)以上の処理が終了した後、第2の
真空破壊弁40を開くと共に、他の弁は閉じて、仕上げ
洗浄・乾燥槽16の開閉蓋18を開け、乾燥処理したワ
ーク11を取り出す。
【0033】次に、この真空洗浄乾燥処理装置10によ
って使用される灯油12の再生処理について説明する。 (1)真空ポンプ21の上流側には、通過するガスを4
0℃以下に冷却する冷却器19が設けられ、ガスに含ま
れる灯油分の大部分を液化し、下部のガス逆流防止タン
ク19aを介して液化した灯油12を灯油戻しタンク4
8に貯留している。これによって、真空ポンプ21に吸
引される灯油蒸気の進入を防いで真空ポンプ21の負荷
を著しく軽減し、更には、吸引ガス中の灯油12を回収
している。 (2)真空ポンプ21から排出されたガスは、真空ポン
プ21へのガスの逆流を防止してその負荷を軽減する逆
止弁26a、及びガス冷却器26を介して灯油回収タン
ク24に入り、更に含まれている灯油12を回収した
後、排気ファン24bを介して大気開放されている。
【0034】(3)灯油回収タンク24に貯留される灯
油12は、不純油を含むので、フィルタ28を介して蒸
留器29に供給されている。この蒸留器29は熱媒油に
よって約80〜90℃に加熱されて、灯油12を気化し
て不純油の除去された灯油蒸気を発生させている。この
灯油蒸気は蒸気案内弁30aを介して、仕上げ洗浄・乾
燥槽16又はコンデンサ33に供給されている。なお、
蒸留器29の下部には不純油が溜まるので、ドレンバル
ブ29bを定期的に開いて除去している。 (4)コンデンサ33の上流側にはガス冷却器33aが
設けられて、予め灯油蒸気を冷却し、コンデンサ33の
負荷を軽減している。コンデンサ33で液化された純粋
な再生灯油は、逆止弁33b及びエジェクター33cを
介して循環タンク34に供給されている。循環タンク3
4では、下部に循環ポンプ34bを備え、内部の再生灯
油を循環させて、エジェクター33cによるコンデンサ
33からの再生灯油の回収及び循環タンク34への再生
灯油の送り出しに寄与している。
【0035】
【実施例】図2〜図5に上記した真空洗浄乾燥装置10
の具体的構成を示す。図示するように、矩形箱体からな
るケーシング60の下部基台61上には、槽取付フレー
ム62が設置されており、槽取付フレーム62には、幅
方向に間隔をあけて洗浄槽13と仕上げ洗浄・乾燥槽1
6が取付けられている。図3に示すように、洗浄槽13
と仕上げ洗浄・乾燥槽16の上方には走行レール63が
架設されており、走行レール63上には、ワーク搬送台
車64が走行自在に載置されている。図3及び図5に示
すように、ワーク搬送台車64の下面から一対の昇降機
構65が下方に向けて延びており、昇降機構65の下部
には着脱自在に揺動台66が取付けられている。また、
揺動台66の上面にはワーク11を収納した洗浄籠67
が取付けられている。
【0036】図5に示すように、洗浄槽13の周壁の一
側には、揺動台66を片持ち状態で支持すると共に揺動
することできる揺動機構68が取付けられている。洗浄
槽13の底壁には、超音波振動発生装置取付板69が取
付けられおり、超音波振動発生装置取付板69には超音
波振動発生装置15が取付けられている。また、洗浄槽
13の周壁の両側には、それぞれ、水圧検出型の通常の
第1のレベルセンサ71と、フロート式の第2のレベル
センサ72が取付けられている。さらに、図2〜図4に
示すように、開閉蓋14、18は、それぞれ蓋開閉用シ
リンダ73、74によって開閉可能に構成されている。
ケーシング60の下部基台61上において、洗浄槽13
と仕上げ洗浄・乾燥槽16の後部をなす個所には、蒸留
器29と、コンデンサ33と、循環タンク34と、油タ
ンク42等から構成される蒸留再生ユニット75や、真
空ポンプ21や、灯油回収タンク24や、制御装置76
が配設されている。
【0037】上記した構成において、昇降機構65を具
備するワーク搬送台車64を用いることによって、洗浄
槽13へのワーク11の出入り動作、洗浄槽13から仕
上げ洗浄・乾燥槽16への移動、仕上げ洗浄・乾燥槽1
6へのワーク11の出入り動作を全て自動的に行なうこ
とができ、ワーク11の洗浄・乾燥を効果的に行なうこ
とができる。また、揺動機構68によってワーク11を
揺動しながら洗浄することができるので洗浄効果を促進
できる。
【0038】以上、本発明を、一実施の形態を参照して
説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記
載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に
記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施
の形態や変形例も含むものである。例えば、コンベア上
に洗浄槽と仕上げ洗浄・乾燥槽を配置し、帯状のワーク
を、順次、洗浄槽と仕上げ洗浄・乾燥槽とに通すことに
よって、帯状のワークを連続的に洗浄・乾燥することが
できる。また、前記実施の形態においては、炭化水素系
溶剤の一例として灯油を使用したが、灯油以外の炭化水
素系溶剤にも適用できる。この場合、灯油と沸点、融点
が近似している炭化水素系溶剤を使用することによっ
て、全体として比較的低い温度で処理が行える。
【0039】
【発明の効果】請求項1〜5記載の真空洗浄乾燥方法に
おいては、内部空間を真空状態にした洗浄槽内に貯留し
た炭化水素系溶剤にワークを浸漬し、超音波振動及び揺
動を付与しながらワークを洗浄し、その後、ワークを仕
上げ洗浄・乾燥槽内に投入した後、仕上げ洗浄・乾燥槽
内で、蒸気洗浄と真空乾燥を行なっているので、処理を
行う槽の数が少なくて済む。更には一つの仕上げ洗浄・
乾燥槽内で仕上げ洗浄と乾燥とを行っているので、ワー
クを搬送する手間が省け、全体として処理が単純化し、
短時間で確実に不純物や汚れを除去することができると
共に乾燥でき、安全性も確保できる。
【0040】特に、請求項2記載の真空洗浄乾燥方法に
おいては、洗浄槽内に溜まった炭化水素系溶剤は、予め
又は洗浄槽内で、ワークに付着した不純油の融点以上
で、該炭化水素系溶剤の沸点より十分に低い温度に加熱
されているので、これによって、ワークに付着したマシ
ーン油等の不純油が容易に炭化水素系溶剤に溶け出す。
そして、洗浄槽内に溜まった炭化水素系溶剤は、循環ポ
ンプとフィルタとを備えたフィルタユニットによって、
含まれる固形状の汚れが除去されているので、炭化水素
系溶剤に混入した汚れ等によってワークが汚されにく
く、より清浄なワークの洗浄が行え、炭化水素系溶剤を
繰り返し使用できる。請求項3記載の真空洗浄乾燥方法
においては、仕上げ洗浄・乾燥槽は、予め蒸気洗浄を行
う炭化水素系溶剤の凝結温度近傍又は凝結温度以上に加
熱されているので、ワーク蒸気洗浄工程で供給される蒸
気が仕上げ洗浄・乾燥槽の側壁に付着しにくく、これに
よって洗浄に使用する蒸気量を減らすことができる。
【0041】請求項4記載の真空洗浄乾燥方法において
は、真空ポンプの上流側に冷却器を備えているので、真
空ポンプに吸引されるガス中の蒸気分の大部分が除去さ
れ、これによって真空ポンプの負担を軽減させ、より容
量の小さい真空ポンプで、効率的に洗浄槽と仕上げ洗浄
・乾燥槽の脱気処理ができる。請求項5記載の真空洗浄
乾燥方法においては、洗浄槽からの不純油を含む余剰な
炭化水素系溶剤、及び仕上げ洗浄・乾燥槽で使用された
不純油を含む炭化水素系溶剤を回収し、これを再度洗浄
剤として使用できる炭化水素系溶剤に再生しているの
で、炭化水素系溶剤の節約を行うことができると共に、
炭化水素系溶剤の大気開放を防止することができる。
【0042】そして、請求項6及び7記載の真空洗浄乾
燥装置においては、ワークの洗浄及び乾燥を行う槽が洗
浄槽と仕上げ洗浄・乾燥槽との2槽で済むので、設備の
小型化を図ることができると共に、ワークの仕上げ洗浄
・乾燥を行っている時には、洗浄槽にて別のワークの洗
浄をすることができるので、動作が連続し、比較的大量
のワークを処理することができる。特に、請求項7記載
の真空洗浄乾燥装置においては、真空ポンプの下流側に
配置された、該真空ポンプを通過したガス中に含まれる
不純油及び炭化水素系溶剤を回収するガス冷却器を備え
ているので、大気中に放出するガス中に含まれる炭化水
素系溶剤の量を著しく減少することができる。そして、
少なくとも、真空ポンプ、冷却器、及びガス冷却器の冷
却水による冷却を行うクーリングタワーとを備えている
ので、比較的安価な設備でガスや機器等の冷却を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る真空洗浄乾燥装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る真空洗浄乾燥装置
の平面図である。
【図3】同正面図である。
【図4】同側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る真空洗浄乾燥装置
の洗浄槽の正面図である。
【符号の説明】
10:真空洗浄乾燥装置、11:ワーク、12:灯油
(炭化水素系溶剤)、13:洗浄槽、14:開閉蓋、1
5:超音波振動発生装置(超音波振動手段)、16:仕
上げ洗浄・乾燥槽、18:開閉蓋、19:冷却器、19
a:ガス逆流防止タンク、20:第1の真空吸引配管、
21:真空ポンプ、22:第2の真空吸引配管、23:
オーバーフローライン、23a:開閉弁、24:灯油回
収タンク、24a:排気ダクト、24b:排気ファン、
25:灯油回収ライン(溶剤回収ライン)、26:ガス
冷却器、26a:逆止弁、27:第1の灯油供給ライ
ン、28:フィルタ、29:蒸留器、29a:開閉弁、
29b:ドレンバルブ、30:第1の灯油蒸気供給ライ
ン、30a:蒸気案内弁、31:第2の灯油蒸気供給ラ
イン、32:第3の灯油蒸気供給ライン、33:コンデ
ンサ(液化装置)、33a:ガス冷却器、33b:逆止
弁、33c:エジェクター、34:循環タンク、34
a:開閉弁、34b:循環ポンプ、35:第2の灯油供
給ライン、36:第1の真空度計、37:第1の真空破
壊弁、38:第1の排気弁、39:第2の真空度計、4
0:第2の真空破壊弁、41:第2の排気弁、42:油
タンク、43:熱媒油供給ライン、44:熱媒油戻しラ
イン、45:循環ポンプ、46:第1の灯油戻し配管、
46a:開閉弁、47:第2の灯油戻し配管、48:灯
油戻しタンク、49:第3の灯油戻し配管、50:ポン
プ、51:クーリングタワー、52:冷却水供給配管、
53:冷却水戻し配管、54:フィルタユニット、5
5:循環ポンプ、56:フィルタ、57:灯油循環流
路、60:ケーシング、61:下部基台、62:槽取付
フレーム、63:走行レール、64:ワーク搬送台車、
65:昇降機構、66:揺動台、67:洗浄籠、68:
揺動機構、69:超音波振動発生装置取付板、71:第
1のレベルセンサ、72:第2のレベルセンサ、73:
蓋開閉用シリンダ、74:蓋開閉用シリンダ、75:蒸
留再生ユニット、76:制御装置(制御手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄槽内に貯留した炭化水素系溶剤中に
    ワークを浸漬して密閉し、更に減圧して内部の空気を抜
    くと共に前記炭化水素系溶剤中の酸素を脱気した後、前
    記ワークに超音波振動と揺動を付与して該ワークの洗浄
    を行うワーク洗浄工程と、前記ワーク洗浄工程を終了し
    た前記ワークを前記洗浄槽から取り出し、仕上げ洗浄・
    乾燥槽に入れて、内部を減圧して脱気した後、炭化水素
    系蒸気を前記仕上げ洗浄・乾燥槽内に供給して蒸気洗浄
    を行うワーク蒸気洗浄工程と、前記ワーク蒸気洗浄工程
    を終了した後、前記仕上げ洗浄・乾燥槽内を大気開放し
    て内部に溜まった不純油を含む前記炭化水素系溶剤を排
    出し、次に、該仕上げ洗浄・乾燥槽内を減圧して前記ワ
    ークに付着した前記炭化水素系溶剤を蒸発させるワーク
    乾燥工程とを有することを特徴とする真空洗浄乾燥方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の真空洗浄乾燥方法におい
    て、前記洗浄槽内に溜まった炭化水素系溶剤は、予め又
    は前記洗浄槽内で、前記ワークに付着した不純油の融点
    以上で、該炭化水素系溶剤の沸点より十分に低い温度に
    加熱され、しかも、前記洗浄槽内に溜まった炭化水素系
    溶剤は、循環ポンプとフィルタとを備えたフィルタユニ
    ットによって、含まれる固形状の汚れが除去されている
    ことを特徴とする真空洗浄乾燥方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の真空洗浄乾燥方法
    において、前記仕上げ洗浄・乾燥槽は、予め蒸気洗浄を
    行う前記炭化水素系溶剤の凝結温度近傍又は凝結温度以
    上に加熱されていることを特徴とする真空洗浄乾燥方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の真
    空洗浄乾燥方法において、上流側に冷却器を備えた単一
    の真空ポンプを駆動して前記洗浄槽の内部と前記仕上げ
    洗浄・乾燥槽の内部を減圧するようにしたことを特徴と
    する真空洗浄乾燥方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の真空洗浄乾燥方法におい
    て、前記洗浄槽の所定レベルをオーバーする不純油を含
    む前記炭化水素系溶剤をオーバーフローラインを通して
    溶剤回収タンクに回収すると共に、前記冷却器によって
    回収される前記炭化水素系溶剤を溶剤回収ラインを通し
    て前記溶剤回収タンクに回収し、該溶剤回収タンクに貯
    留した炭化水素系溶剤から蒸留器を用いて蒸気を生成
    し、その一部を前記仕上げ洗浄・乾燥槽内に前記炭化水
    素系蒸気として導入すると共に、残りを液化装置を用い
    て液化して洗浄剤として使用できる炭化水素系溶剤を再
    生することを特徴とする真空洗浄乾燥方法。
  6. 【請求項6】 洗浄籠に収納したワークを洗浄するため
    の炭化水素系溶剤を貯留すると共に、その上部開口部を
    密閉可能な開閉蓋と、第1の真空度計、第1の真空破壊
    弁及び第1の排気弁を備え、前記ワークを前記炭化水素
    系溶剤によって洗浄する洗浄槽と、前記ワークの洗浄時
    に超音波振動と揺動をそれぞれ付与する超音波振動手段
    及び揺動機構と、前記洗浄槽内に貯留された固形状の汚
    れを回収するフィルタユニットと、上部開口部を密閉可
    能な開閉蓋を有すると共に、第2の真空度計、第2の真
    空破壊弁及び第2の排気弁を備え、前記洗浄槽によって
    洗浄された前記ワークの仕上げ洗浄とその後の該ワーク
    の乾燥処理を行う仕上げ洗浄・乾燥槽と、前記洗浄槽と
    前記仕上げ洗浄・乾燥槽に連通連結され、直上流側には
    冷却器を備える真空ポンプと、前記洗浄槽及び仕上げ洗
    浄・乾燥槽から送られる不純油を含む炭化水素系溶剤を
    加熱気化する蒸留器及該蒸留器によって加熱気化した炭
    化水素系溶剤を冷却して洗浄剤として使用できる炭化水
    素系溶剤を再生する蒸留再生ユニットと、これらの制御
    手段とを有することを特徴とする真空洗浄乾燥装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の真空洗浄乾燥装置におい
    て、更に、前記真空ポンプの下流側に配置され、該真空
    ポンプを通過したガス中に含まれる不純油及び炭化水素
    系溶剤を回収するガス冷却器と、少なくとも、前記真空
    ポンプ、前記冷却器、及び前記ガス冷却器の冷却水によ
    る冷却を行うクーリングタワーとを備えていることを特
    徴とする真空洗浄乾燥装置。
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