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JP2003080187A - 部品洗浄乾燥方法、及び部品洗浄乾燥装置 - Google Patents

部品洗浄乾燥方法、及び部品洗浄乾燥装置

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Publication number
JP2003080187A
JP2003080187A JP2001275560A JP2001275560A JP2003080187A JP 2003080187 A JP2003080187 A JP 2003080187A JP 2001275560 A JP2001275560 A JP 2001275560A JP 2001275560 A JP2001275560 A JP 2001275560A JP 2003080187 A JP2003080187 A JP 2003080187A
Authority
JP
Japan
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cleaning
drying
solvent
pressure
tank
Prior art date
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Granted
Application number
JP2001275560A
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English (en)
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Inventor
Takeshi Tsuchiya
武司 土屋
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Tosei Denki Corp
Original Assignee
Tosei Denki Corp
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Publication date
Application filed by Tosei Denki Corp filed Critical Tosei Denki Corp
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Publication of JP2003080187A publication Critical patent/JP2003080187A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬洗浄工程において微細な孔の内部の洗浄
をも行うことができ、また真空乾燥工程において乾燥効
率を向上させて乾燥時間を短縮することができ、さらに
駆動機器の重複使用を排除して装置コストを全体として
低減する。 【解決手段】 洗浄乾燥槽3内に被処理物2を収容し、
被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与えて洗
浄する浸漬洗浄工程において、洗浄乾燥槽3内を200
Pa以下に減圧して減圧洗浄を行うと共に、この減圧洗
浄を行った後、200Paを超え洗浄溶剤の爆発下限界
以下の圧力まで復圧し、復圧洗浄を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂系の汚れ等が
付着した機械部品やメッキ部品等を減圧下で洗浄し乾燥
する部品洗浄乾燥方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製機械部品、メッキ部品、電子部品
等の各種部品には、その製造工程や組立工程等におい
て、切削油等の工作油脂、フラックス、塵埃等をはじめ
として様々な汚れが付着する。このような汚れが付着し
た機械部品や電子部品等の被処理物の清浄は、従来、例
えば炭化水素系、塩素系等の金属洗浄溶剤を使用して、
被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与え
て洗浄する浸漬洗浄工程を行ない、次に、洗浄溶剤の蒸
気を噴霧して洗浄を行う蒸気洗浄工程を行なうことによ
り成されている。そして、真空乾燥工程を行うことによ
り、蒸気洗浄後の被処理物を乾燥している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の乾燥
工程は、洗浄時に加熱された洗浄溶剤によって与えられ
る熱に真空を付加することによって行なわれるが、重ね
合わせた被洗浄物や、微細な孔、隙間が存在する場合に
はこれらの微細な孔や隙間などの中に洗浄溶剤が残留し
て乾燥しづらいため、乾燥してもシミ等の不具合が発生
していた。
【0004】また、前述の真空乾燥工程を行うと、被処
理物に付着した洗浄溶剤が気化する際に、気化熱によっ
て被処理物の表面温度が低下してしまう。このため、乾
燥効率が低下し易く、減圧して洗浄溶剤の沸点を低下さ
せても実際には乾燥に相当の時間を要していた。
【0005】また、従来の洗浄装置において、浸漬洗浄
工程における洗浄乾燥槽への洗浄溶剤の給液、及び洗浄
乾燥槽から使用済みの洗浄溶剤を貯溜する溶剤タンクへ
の排液は、その給液系及び排液系に搬送用のポンプを夫
々介設して行われており、駆動機器の重複使用によりコ
ストが全体として増大していた。
【0006】そこで、本発明は、真空乾燥工程におい
て、従来よりも乾燥効率を向上させて乾燥時間を短縮す
ることができる部品洗浄乾燥方法、及びその装置を提供
することを目的とする。
【0007】また、駆動機器の重複使用を排除して装置
のコストを全体として低減することができる部品洗浄乾
燥方法、及びその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提
案されたもので、請求項1に記載のものは、洗浄乾燥槽
内に被処理物を収容し、該被処理物を洗浄溶剤に浸漬し
て超音波振動を与えて洗浄する部品洗浄乾燥方法におい
て、前記洗浄溶剤は溶剤タンク内に貯溜されており、該
溶剤タンクから洗浄乾燥槽への洗浄溶剤の給液、及び該
洗浄乾燥槽から溶剤タンクへの洗浄溶剤の排液は、洗浄
乾燥槽内の圧力と溶剤タンク内の圧力とを爆発下限界以
下の圧力範囲内で圧力差を付け、圧力に差がついた状態
で洗浄乾燥槽と溶剤タンクとの間を連通させることによ
り、高圧力側の洗浄溶剤を低圧力側に移送することを特
徴とする部品洗浄乾燥方法である。
【0009】請求項2に記載のものは、洗浄乾燥槽内に
被処理物を収容し、該被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超
音波振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程と、洗浄溶剤の
加熱蒸気を導入して被処理物を蒸気洗浄する蒸気洗浄工
程と、蒸気洗浄後の被処理物を減圧状態で乾燥する真空
乾燥工程とを行う部品洗浄乾燥方法であって、上記真空
乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽内を真空ポンプの限
界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、該低圧真
空乾燥を行った後、真空ポンプの限界値を開放し洗浄溶
剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、所定時間が経過
した後に、再び低圧真空乾燥を行うことを特徴とする部
品洗浄乾燥方法である。本願における「真空乾燥」は、
減圧状態で乾燥する意味である。また、「復圧」は、一
旦減圧した圧力を大気圧側に戻すことを意味する。そし
て、「真空ポンプの限界値を開放する」とは、その限界
値に相当する減圧状態を解くことを意味する。
【0010】請求項3に記載のものは、前記低圧真空乾
燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定
の時間復圧する操作を乾燥工程中で複数回繰り返すこと
を特徴とする請求項2に記載の部品洗浄乾燥方法であ
る。
【0011】請求項4に記載のものは、前記復圧の時間
を被処理物に応じて調整することを特徴とする請求項2
または請求項3に記載の部品洗浄乾燥方法である。
【0012】請求項5に記載のものは、被処理物を収容
する洗浄乾燥槽と、該洗浄乾燥槽内の被処理物を洗浄溶
剤に浸漬して超音波振動を与える超音波発生器と、洗浄
乾燥槽内を減圧する真空ポンプと、洗浄乾燥槽内に洗浄
溶剤を給液する洗浄溶剤給液系と、洗浄乾燥槽内の洗浄
溶剤を排液する洗浄溶剤排液系と、洗浄乾燥槽内に洗浄
溶剤の加熱蒸気を導入する洗浄溶剤蒸気導入系と、を備
え、制御装置の制御の下で、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤を
給液する洗浄溶剤給液工程と、洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤
に被処理物を浸漬して減圧状態で超音波振動を与えて洗
浄する浸漬洗浄工程と、浸漬洗浄工程の後に洗浄乾燥槽
内の洗浄溶剤を排液する排液工程と、排液工程の後に洗
浄溶剤の加熱蒸気を洗浄乾燥槽内に導入して被処理物を
蒸気洗浄する蒸気洗浄工程と、蒸気洗浄工程の後に洗浄
乾燥槽内を減圧して被処理物を乾燥する真空乾燥工程と
を行う部品洗浄乾燥装置であって、上記制御装置は、真
空乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽内を真空ポンプの
限界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、該低圧
真空乾燥を行った後、真空ポンプの限界値を開放し洗浄
溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、所定時間が経
過した後に、再び低圧真空乾燥を行う制御を実行するこ
とを特徴とする部品洗浄乾燥装置である。
【0013】請求項6に記載のものは、前記制御装置
は、低圧真空乾燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を
行った後、所定の時間復圧する操作を乾燥工程中で複数
回繰り返す制御を実行することを特徴とする請求項5に
記載の部品洗浄乾燥装置である。
【0014】請求項7に記載のものは、前記制御装置
は、外部入力手段からの入力により前記復圧状態の時間
を調整可能としたことを特徴とする請求項5または請求
項6に記載の部品洗浄乾燥装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係る部品洗浄乾
燥装置1の系統構成を示す概略図、図2は部品洗浄乾燥
装置1を制御する制御装置50の概略ブロック図であ
る。
【0016】図1に示すように、工作油脂等の汚れが付
着した機械部品や電子部品等の被処理物2の洗浄及び乾
燥は、洗浄乾燥槽3内にバスケット4に入れた複数の被
処理物2を収容して行われる。この洗浄乾燥槽3内で
は、例えば炭化水素等の洗浄溶剤を使用して、被処理物
2を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄
する浸漬洗浄工程を行ない、次に洗浄溶剤の蒸気を導入
して被処理物2の洗浄を行う蒸気洗浄工程を行ない、さ
らに蒸気洗浄後の被処理物2を真空乾燥工程を行って乾
燥する。
【0017】洗浄溶剤としては、炭化水素系溶剤(パラ
フィン、ナフテン)、塩素系溶剤(トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン)、臭素系溶剤(ノルマルプ
ロピルブロマイド)、フッ素系溶剤(HFC、HFE、
HCFC)等が挙げられるが、環境保護の観点から炭化
水素系が好ましい。
【0018】洗浄乾燥槽3は、上部が開閉可能な中空箱
体状の耐圧容器であり、上部開口部5に形成されたフラ
ンジ部5aにはシール材6を介して、該開口部5を密閉
して覆う開閉蓋7が設けられている。この開閉蓋7は、
少なくともその天井面(下面)7aが傾斜するように洗
浄乾燥槽3の上部開口部5に開閉自在に設けられる。開
閉蓋7の天井面7aを傾斜させて設けるのは、この開閉
蓋7の天井面7aに溶剤ガスが結露した場合に、溶剤液
滴を該天井面7aを伝わらせて傾斜側へと流下させるた
めであり、傾斜側に集められた溶剤液滴は洗浄乾燥槽3
の側壁面3bから底面3aへと流下する。したがって、
結露した溶剤滴が被処理物2に付着してシミが発生する
ことを防止できる。
【0019】洗浄乾燥槽3の底部3aには、後述する溶
剤タンクに至る排液系8が本発明の洗浄溶剤排液系とし
て接続されており、該排液系8にはこれを開閉する排液
弁9が介設されている。
【0020】上述の浸漬洗浄工程、蒸気洗浄工程、及び
真空乾燥工程は、被処理物2を収容する洗浄乾燥槽3内
を炭化水素等の可燃性洗浄溶剤の爆発下限界以下まで減
圧して行われるので、洗浄乾燥槽3には、真空ポンプ1
0に至る排気系11が接続されており、該排気系11に
はこれを開閉する洗浄乾燥槽真空弁12が介設されてい
る。
【0021】また、洗浄乾燥槽3には、その内部に洗浄
溶剤を流入して被処理物2を浸漬洗浄するために、溶剤
タンク13に至る浸漬洗浄系14が本発明の洗浄溶剤給
液系として接続されており、該浸漬洗浄系14にはこれ
を開閉する浸漬洗浄弁15が介設されている。洗浄乾燥
槽3には、その内部に流入された洗浄溶剤のレベルを検
出するためのレベルスイッチ16が備えられている。浸
漬洗浄工程は、前述したように被処理物2を洗浄溶剤に
浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する工程であ
り、したがって、本実施形態の洗浄乾燥槽3には、超音
波発生装置3cが備えられている。なお、溶剤タンク1
3は、上部が覆われた密閉容器であり、後述する分岐排
気系を介して真空ポンプ10により減圧される。
【0022】浸漬洗浄工程の完了後、洗浄乾燥槽3内の
洗浄溶剤は、前述したように、上記排液弁9を開放して
両者を連通させることにより、洗浄乾燥槽3の傾斜底部
3aの最下部に接続された排液系8を通じて溶剤タンク
13へと排液される。
【0023】溶剤タンク13から洗浄乾燥槽3への洗浄
溶剤の流入、及び洗浄乾燥槽3から溶剤タンク13への
排液は、溶剤タンク13と洗浄乾燥槽3との圧力差によ
り行われる。したがって、洗浄乾燥槽3には、前述した
ように、真空ポンプ10に至る排気系11が接続されて
いる。また、洗浄乾燥槽3にはその内部圧力を検出する
洗浄乾燥槽圧力センサ51が備えられるとともに、内部
圧力表示する洗浄乾燥槽内圧力計17が備えられてお
り、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12の上流側(洗浄
乾燥槽側)には洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放して
調整する洗浄乾燥槽大気開放弁18が分岐介設されてい
る。
【0024】また、洗浄乾燥槽3との相対関係において
溶剤タンク13の内部圧力を調整する必要があるため、
排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12の下流側(真空ポン
プ側)は分岐され、溶剤タンク13に至る分岐排気系1
9が接続され、この分岐排気系19には溶剤タンク減圧
弁20が介設されている。さらに、溶剤タンク13に
は、その内部圧力を検出する溶剤タンク圧力センサ52
が備えられると共に、内部圧力を表示する溶剤タンク圧
力計21が備えられており、その内部圧力を大気開放し
て調整する溶剤タンク大気開放弁22が備えられてい
る。また、溶剤タンク13内の洗浄溶剤の温度を検出し
て温度管理を行うための溶剤タンク温度センサ53が設
けられており、該溶剤タンク温度センサ53からの信号
により洗浄溶剤が所定の温度よりも低下すると、制御装
置50がヒータ13aに通電して洗浄溶剤を加熱する。
【0025】浸漬洗浄工程の完了後、排液弁9を開放し
て両者を連通することにより、洗浄乾燥槽3内の使用済
み洗浄溶剤が排液系8を通じて溶剤タンク13へと排液
されるが、洗浄に使用した洗浄溶剤には被処理物2に付
着していた各種の汚れが混入している。これらの汚れ成
分は洗浄乾燥槽3や排液系8に設けるフィルタ等を通し
ただけでは除去しきれず、省資源および環境保護の観点
から洗浄溶剤を再生して使用する。したがって、溶剤タ
ンク13には、使用済み溶剤を蒸留して凝縮し、再生溶
剤として貯留するリザーブタンク23に至る再生処理系
24が接続されており、この再生処理系24には蒸留器
25及びコンデンサ26が順次介設されている。
【0026】蒸留器25は、例えば耐熱・耐圧性を有す
る概略円筒体状の竪型容器であり、本実施形態では蒸留
器25の下部を収納する状態で、加熱機構25aが備え
られている。この加熱機構25aは、例えばオイル加熱
ユニットであり、熱源として電気ヒータを備えており、
該ヒータにより加熱媒体としての耐熱オイルを加熱し、
この加熱オイルを介して蒸留器25を加熱することによ
り、この蒸留器25内を流通する汚れ成分を含む洗浄溶
剤を加熱して蒸発する。
【0027】なお、沸点を低下させるために蒸留器25
内を減圧する。また、溶剤タンク13から蒸留器25へ
の汚れ成分を含む溶剤の流入は、これら溶剤タンク13
と蒸留器25との圧力差により行われ、汚れ成分を含む
溶剤は蒸留器25の下部に流入し、気化した溶剤蒸気は
蒸留器25の上部から取り出される。
【0028】再生処理系24の蒸留器25よりも下流側
には、この蒸留器25によって蒸留した溶剤蒸気を凝縮
して液化するためのコンデンサ26が介設されている。
このコンデンサ26の本体は、例えば概略円筒体状の竪
型または横型の容器であり、その内部に冷却水を通す冷
却細管26aを収納した熱交換器である。コンデンサ2
6を通過する溶剤蒸気は冷却細管26aに接触して凝縮
(液化)され、この液化した再生溶剤がリザーブタンク
23内に貯溜される。コンデンサ26とリザーブタンク
23との間の再生処理系24には、循環ポンプ27aに
より再生溶剤を循環させて水分分離器27bに通して水
分を分離してからリザーブタンク23に供給すると共
に、コンデンサ26からの再生溶剤をエゼクタ27cに
より循環流路内に吸引合流する水分分離機構が介設され
ており、リザーブタンク23には再生溶剤の貯溜量を検
出するレベルスイッチ28が備えられている。なお、上
記エゼクタ27cは、蒸留器25内を減圧して蒸留効率
を高めている。
【0029】また、リザーブタンク23には、上記洗浄
乾燥槽3へ溶剤蒸気を導入して、該洗浄乾燥槽3内に収
容された被処理物2の蒸気洗浄工程を行うために、該洗
浄乾燥槽3に至る蒸気洗浄系29が本発明の洗浄溶剤蒸
気導入系として接続されている。この蒸気洗浄系29に
は、リザーブタンク23から導入される再生溶剤を溶剤
蒸気として気化させるための熱交換器30が介設されて
おり、リザーブタンク23から熱交換器30への再生溶
剤の導入、熱交換器30から洗浄乾燥槽3への溶剤蒸気
の導入は、リザーブタンク23と洗浄乾燥槽3との圧力
差により行われ、熱交換器30よりも上流側の蒸気洗浄
系29にはこれを開閉するための蒸気洗浄補助弁31が
介設され、熱交換器30よりも下流側の蒸気洗浄系29
にはこれを開閉するための蒸気洗浄弁32が介設されて
いる。
【0030】熱交換器30の本体は、例えば概略円筒体
状の竪型または横型の容器であり、その内部に加熱媒体
を通す加熱細管30aを収納しており、該熱交換器30
を通過する再生溶剤は加熱細管30aに接触して気化さ
れ、溶剤蒸気として洗浄乾燥槽3に導入されることにな
る。熱交換器30の加熱細管30aに通す加熱媒体とし
ては、電気ヒータ等の加熱手段により加熱したオイルが
挙げられる。また、熱交換器30の導入口には、この熱
交換器30内へ再生溶剤を霧状にして噴出させるための
噴霧ノズル33が設けられており、該熱交換器30内へ
再生溶剤を噴霧することにより発生する溶剤蒸気を確実
にガス化することができる。
【0031】前記した各機器、即ち真空ポンプ、各種の
弁、及び各種センサは、制御装置50に電気的に接続さ
れ、この制御装置50の制御の下で予め設定した手順と
条件で作動する。
【0032】本実施形態における制御装置50は、図2
に示すように、CPU、ROM、RAMなどを備えたコ
ンピュータにより構成され、タイマ54を備える。そし
て、この制御装置50の入力側には、操作パネル55に
設けた電源スイッチ56、スタートスイッチ57、減圧
洗浄時間設定スイッチ58、復圧洗浄時間設定スイッチ
59、低圧真空乾燥時間設定スイッチ60、復圧真空乾
燥時間設定スイッチ61の他に、洗浄乾燥槽圧力センサ
51、洗浄乾燥槽レベルスイッチ16、溶剤タンク温度
センサ53、溶剤タンク圧力センサ52、リザーブタン
クレベルスイッ28チなどが接続され、出力側には、操
作パネル55に設けた表示器62の他に、真空ポンプ1
0、洗浄乾燥槽真空弁12、排液弁9、浸漬洗浄弁1
5、溶剤タンクヒータ13a、洗浄乾燥槽大気開放弁1
8、分岐排気弁19、溶剤タンク減圧弁20、溶剤タン
ク大気開放弁22、蒸気洗浄補助弁31、蒸気洗浄弁3
2、耐熱オイル過熱ヒータなどが接続されている。
【0033】なお、復圧洗浄時間設定スイッチ59、復
圧真空乾燥時間設定スイッチ61は、被処理物2の重
量、表面積、微細孔や微細隙間の有無や数などの特質に
応じて、復圧時間をタイマ54に設定する入力手段とし
て機能する。また、減圧洗浄時間設定スイッチ58、低
圧真空乾燥時間設定スイッチ60は、被処理物に応じて
所望する時間をタイマ54に設定する入力手段として機
能するものである。
【0034】そして、本実施形態における制御装置50
は、浸漬洗浄工程において、上記洗浄乾燥槽内を200
Pa以下に減圧して減圧洗浄を行うと共に、該減圧洗浄
を行った後、200Paを超え洗浄溶剤の爆発下限界以
下の圧力まで復圧し、この復圧状態で復圧洗浄を行う制
御を実行するとともに、真空乾燥工程において、上記洗
浄乾燥槽3内を真空ポンプ10の限界値まで減圧して低
圧真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、
真空ポンプ10の限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界
以下の圧力まで復圧し、この復圧状態で復圧真空乾燥を
行う制御を実行する。
【0035】また、制御装置50は、減圧洗浄を所定の
時間行い、該減圧洗浄を行った後、所定の時間復圧洗浄
を行う操作を洗浄工程中で複数回繰り返す制御を実行す
る。なお、繰り返し回数は、予め設定した固定回数でも
よいが、操作パネル55の図示していない操作部(外部
入力手段)を操作することにより設定できるようにして
もよい。
【0036】さらに、制御装置50は、低圧真空乾燥を
所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定の時
間復圧真空乾燥する操作を乾燥工程中で複数回繰り返す
制御を実行する。なお、この繰り返し回数は、予め設定
した固定回数でもよいが、操作パネル55の操作部(外
部入力手段)を操作することにより設定できるようにし
てもよい。
【0037】次に、本実施形態における部品洗浄乾燥装
置1の操作を具体的に説明する。準備段階として、洗浄
乾燥槽大気開放弁18を開放した後、洗浄乾燥槽3の開
閉蓋7を開放して、機械部品等の被処理物2を複数個入
れたバスケット4を載置部上に載置し、開閉蓋7をシー
ル部材6を介して密閉状態で閉成する。そして、スター
トスイッチ57を操作すると、制御装置50が洗浄乾燥
槽大気開放弁18を閉成する。
【0038】このような準備が整ったら、まず、洗浄乾
燥槽3へ洗浄溶剤の給液を行う。給液操作は、制御装置
50が溶剤タンク大気開放弁22を開放して溶剤タンク
13の内部圧力を溶剤タンク圧力センサ52が爆発下限
界以下の500Paを検出するまで大気方向へと戻す。
そして、溶剤タンク13の内部圧力が500Paになっ
たことが検出されると、制御装置50が溶剤タンク大気
開放弁22を閉成し、浸漬洗浄系14の浸漬洗浄弁1
5、及び排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放する
と共に、真空ポンプ10を駆動する。すると、浸漬洗浄
弁15が洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との間を連通
し、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、
溶剤タンク13内から洗浄溶剤が洗浄乾燥槽3へと給液
される。このとき、制御装置50の制御により、溶剤タ
ンク減圧弁20、蒸気洗浄弁32、蒸気洗浄補助弁3
1、及び排液弁9は閉成されている。そして、洗浄乾燥
槽3のレベルスイッチ16の上限レベルスイッチが上限
レベルを検出して制御装置50に信号を送ると、これに
より、制御装置50が浸漬洗浄弁15及び洗浄乾燥槽真
空弁12を閉成すると共に、真空ポンプ10を停止す
る。
【0039】そして、真空浸漬洗浄工程を行う。この浸
漬洗浄工程では被処理物2が加熱溶剤内に浸漬している
状態で、超音波発生装置3cにより超音波振動を与えて
浸漬洗浄(超音波洗浄)を行う。具体的には、図3に示
すように、真空ポンプ10により排気系11を通じて洗
浄乾燥槽3内を洗浄乾燥槽圧力センサ51が200Pa
以下を検出するまで減圧して減圧洗浄を行うと共に、こ
の減圧洗浄を行った後に制御装置50が洗浄乾燥槽大気
開放弁18を開放し、洗浄乾燥槽圧力センサ51による
検出圧力が200Paを超え、かつ洗浄溶剤の爆発下限
界以下の500Paの圧力を指示するまで大気圧方向へ
と復圧して、この復圧状態で復圧洗浄を行い、この復圧
洗浄の所定時間が経過した後に洗浄乾燥槽大気開放弁1
8を閉成し、再度、真空ポンプ10により排気系11を
通じて洗浄乾燥槽3内を200Pa以下に減圧して減圧
洗浄を行うという、減圧洗浄と復圧洗浄を繰り返し行
う。
【0040】本実施形態では、洗浄乾燥槽3内を200
Pa以下に減圧して行う減圧洗浄を所定の時間(T1)
行い、この減圧洗浄を行った後、所定の時間(T2)だ
け復圧洗浄する操作を定期的に複数回繰り返して洗浄を
行っており、200Paを超え爆発下限界以下の圧力の
復圧時(T2)に被処理物2に超音波振動を与えてい
る。ただし、超音波を振動を与えるのは復圧洗浄時(T
2)に限る必要はなく、連続して発信してもよい。
【0041】洗浄乾燥槽3内を200Pa以下に減圧し
て減圧洗浄を行うのは、洗浄溶剤の爆発下限界値との間
に圧力差を確保して減圧洗浄を効果的に行うためであ
る。一方、200Paを超え爆発下限界以下の圧力まで
復圧するのは、減圧洗浄の圧力との間に圧力差を確保す
ると共に、洗浄溶剤の引火を防止するためである。
【0042】このように復圧洗浄を実施する理由は、被
処理物2に微細な空間、例えば微細な孔(特に直径に比
較して深い孔)が存在する場合には、洗浄溶剤中に浸漬
しても微細な孔の中に空気が残留して抜け難く、すなわ
ち孔内に洗浄溶剤が浸入し難く、超音波洗浄を施しても
孔内部へ洗浄溶剤が浸透していかない。また、一度減圧
しただけでは、孔内の空気が膨張して、膨張した分の空
気が抜けたとしても洗浄溶剤が孔内に浸透していかな
い。そこで、孔の中の空気を減圧して膨張させて希薄に
して膨張分は排出し、その後の復圧操作により残った空
気を収縮させることによりこの収縮分の洗浄溶剤を浸透
させ、この減圧と復圧とを繰り返すことにより、孔の中
から空気を抜け出し易くして、孔内部へ洗浄溶剤を浸透
させ、浸透した洗浄溶剤を介して孔の内周面に超音波を
伝播して超音波洗浄を効率良く行うものである。
【0043】なお、ポーラス状の微細な孔や狭い隙間を
洗浄する場合には、孔等の中の空気は抜け難いので、減
圧洗浄の時間(T1)を長めに設定した方がよいが、比
較的大きい孔を洗浄する場合には、復圧洗浄の時間(T
2)に超音波振動を与えて洗浄した方が効果が大きい。
上記した時間の調整は、前記したように、操作パネル5
5の減圧洗浄時間設定スイッチ、復圧洗浄時間設定スイ
ッチ59の操作により、被処理物2に応じて設定するこ
とができる。
【0044】浸漬洗浄の完了後に、洗浄乾燥槽3内の汚
れ成分を含む溶剤を排液する。排液操作は、制御装置5
0からの信号により洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放
し、洗浄乾燥槽3の内部圧力を洗浄乾燥槽圧力センサ5
1が爆発下限界以下の500Paを検出するまで大気方
向へと戻す。そして、500Paを検出したならば、洗
浄乾燥槽大気開放弁18を閉成し、排液系8の排液弁
9、及び分岐排気系19の溶剤タンク減圧弁20を開放
すると共に、真空ポンプ10を駆動する。すると、排液
弁9の開放により洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13とが連
通し、これにより洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧
力差により、洗浄乾燥槽3内から汚れ成分を含む溶剤が
溶剤タンク13へと排液される。そして、洗浄乾燥槽3
のレベルスイッチ16の下限レベル検出により、排液弁
9及び溶剤タンク減圧弁20を閉成する。
【0045】排液操作の完了後、仕上げ蒸気洗浄工程に
移行する。蒸気洗浄工程では、真空ポンプ10は既に駆
動状態にあり、制御装置50が排気系11の洗浄乾燥槽
真空弁12を開放した後、蒸気洗浄系29の蒸気洗浄弁
32及び蒸気洗浄補助弁31を開放する。蒸気洗浄弁3
2及び蒸気洗浄補助弁31の開放タイミングは、洗浄乾
燥槽3の洗浄乾燥槽圧力センサ51が100Pa以下の
減圧状態を検出したときである。すると、洗浄乾燥槽3
とリザーブタンク23との圧力差により、リザーブタン
ク23から熱交換器30の溶剤導入口30cに導入さ
れ、該溶剤導入口30cに設けられた噴霧ノズル33の
ノズル口33aから溶剤細管30bへ再生溶剤が霧状に
噴出されることにより、霧状溶剤が溶剤細管30b内を
通過しながら加熱媒体の通過する加熱細管30aと熱交
換してガス化し、溶剤液滴の混入しない完全なる溶剤ガ
スとして洗浄乾燥槽3に導入される。したがって、熱交
換器30を大型化することなく、洗浄乾燥槽3に導入す
る溶剤蒸気への溶剤液滴の混入を防止し、後述する真空
乾燥後の被処理物2へのシミの付着を防止することがで
きるものである。
【0046】蒸気洗浄を所定の時間行った後に制御装置
50が蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を閉成し
て蒸気洗浄工程を完了し、真空乾燥工程へと移行する。
移行した時点では真空ポンプ10は継続して駆動状態で
あり、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放したま
まであり、真空ポンプ10の限界値まで減圧する。な
お、真空ポンプ10は、真空乾燥に理想的な圧力である
約7Pa以下まで減圧する能力を備えている。そして、
限界値に達したならば、この状態を所定時間維持して低
圧真空乾燥を行い、その所定時間経過後に制御装置50
が洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して、即ち真空ポン
プ10の限界値を開放し、洗浄乾燥槽圧力センサ51が
爆発下限界以下の500Paを検出するまで大気方向へ
と戻す。すなわち、復圧する。そして、500Paを検
出すると、この復圧状態を所定時間だけ維持して復圧真
空乾燥を行い、その後に再度洗浄乾燥槽大気開放弁18
を閉成して真空ポンプ限界値まで減圧する。本実施形態
では、真空ポンプ限界値での低圧真空乾燥を所定の時間
(T1)だけ継続して行い、該真空ポンプ限界値での真
空乾燥を行った後に、所定の時間(T2)だけ復圧乾燥
する操作を乾燥工程中で複数回繰り返して、乾燥を行っ
ている。
【0047】このように乾燥工程中で復圧するのは、真
空乾燥を行うと、被処理物2に付着した溶剤が気化する
ときに、気化熱を奪い、被処理物2の表面温度が低下
し、この温度低下によって乾燥効率が低下するので、洗
浄乾燥槽3の内部圧力を所定時間(T1)ごとに爆発下
限界以下の500Paまで大気方向へと復圧して、復圧
により蒸発が抑制、すなわち気化熱が奪われて冷却され
ることを一時的に抑制し、この間に被処理物2が保有す
る芯熱(内部の熱)を表面に呼び戻して表面温度を高
め、この表面温度上昇後に、再び真空方向へと減圧する
ことにより被処理物2の表面からの蒸発を促進させ、こ
れにより総括的に乾燥効率を向上させるものである。
【0048】本実施形態では、上記復圧状態の保持時間
(T2)は、被処理物2に応じて可変である。例えば、
リードフレーム等の肉厚の薄い部品の被処理物2を洗浄
した後に乾燥を行うと、気化熱が奪われ、被処理物2全
体の温度が低下し易い。一方、質量の比較的大きな(表
面積の割りに重い)被処理物2は、復圧操作により洗浄
乾燥槽3の内部圧力を大気圧方向へと戻すことにより、
被処理物2の芯熱が呼び戻され易く、したがって、再び
減圧することにより乾燥が促進される割合が高い。しか
しながら、薄物の被処理物2の場合には芯熱の絶対量が
少ないために、表面の温度上昇を肉厚物ほどには期待す
ることができない。また、洗浄乾燥槽3自体には加熱洗
浄溶剤の熱が残っているが、洗浄乾燥槽3内が真空ポン
プ10の限界値まで減圧されていると、空気による熱伝
導も期待できない。そこで、上記復圧真空乾燥の保持時
間(T2)を可変とし、薄物の被処理物2の場合には、
爆発下限界以下の500Paまで戻している時間(T
2)を長く設定することにより、洗浄乾燥槽3の熱を被
処理物2に導入した空気を介して伝導させて加熱し、被
処理物2の表面温度が高められてから再び真空ポンプ限
界値へと減圧することにより、乾燥を促進させることが
できるものである。すなわち、復圧真空乾燥の時間T2
を調整すると、被処理物2が薄物であるか、厚物である
かにかかわらず、真空乾燥工程において乾燥効率を向上
させることができ、乾燥時間を大幅に短縮することがで
きる。
【0049】真空乾燥工程が完了したら、制御装置50
が洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して、洗浄乾燥槽3
の内部圧力を大気開放し、全工程の終了を報知する。そ
して、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放すれば、バスケッ
ト4と共に洗浄乾燥された複数の被処理物2を取り出す
ことができる。
【0050】また、浸漬洗浄系14による溶剤タンク1
3から洗浄乾燥槽3への給液、排液系8による洗浄乾燥
槽3から溶剤タンク13への排液、及び蒸気洗浄系29
によるリザーブタンク23から洗浄乾燥槽3への溶剤蒸
気の導入については、全て真空ポンプ10が駆動機器の
役割を果たしており、排気系11を通じて洗浄乾燥槽3
を、もしくは分岐排気系19を通じて溶剤タンク13を
減圧し、あるいは洗浄乾燥槽大気開放弁18により洗浄
乾燥槽3の内部圧力を大気開放し、もしくは溶剤タンク
大気開放弁22により溶剤タンク13の内部圧力を大気
開放することにより、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13と
に圧力差を与えて、あるいは洗浄乾燥槽3とリザーブタ
ンク23とに圧力差を与えて、洗浄溶剤や溶剤蒸気の移
送を行っている。したがって、駆動機器の重複使用を排
除して部品洗浄乾燥装置1の装置コストを全体として低
減することができる。
【0051】なお、前記減圧洗浄時間設定スイッチ5
8、復圧洗浄時間設定スイッチ59、低圧真空乾燥時間
設定スイッチ60、復圧真空乾燥設定スイッチ61は、
公知のスイッチを適宜選択して構成することができ、テ
ンキー、或いは表示器62と一体化したタッチパネルス
イッチでもよい。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、以下の効果を奏する。すなわち、洗浄溶剤は
溶剤タンク内に貯溜されており、該溶剤タンクから洗浄
乾燥槽への洗浄溶剤の給液、及び該洗浄乾燥槽から溶剤
タンクへの洗浄溶剤の排液は、これら洗浄乾燥槽から溶
剤タンクとの圧力差により行われるので、真空ポンプが
共通の駆動機器の役割を果たし、駆動機器の重複使用を
排除して部品洗浄乾燥装置の装置コストを全体として低
減することができる。そして、圧力差により洗浄溶剤を
移送する際に、いずれの圧力も爆発下限界以下の圧力範
囲なので、引火性のある洗浄溶剤であっても安全に行う
ことができる。
【0053】また、被処理物の真空乾燥工程において、
洗浄乾燥槽内を真空ポンプの限界値まで減圧して低圧の
真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真
空ポンプの限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界以下の
圧力まで復圧し、この状態で復圧真空乾燥を行うので、
低圧真空乾燥で気化熱が奪われて被処理物の表面温度が
低下しても、被処理物が保有する芯熱を呼び戻したり、
あるいは洗浄乾燥槽自体の熱を伝達させて被処理物の表
面の温度を高めることができる。したがって、再び真空
方向へと減圧して低圧の真空乾燥を行うことにより乾燥
効率を従来に比較して向上させることができ、その結果
として乾燥時間を短縮することができる。
【0054】そして、低圧真空乾燥を所定の時間行い、
該低圧真空乾燥を行った後に復圧して、所定の時間復圧
する操作を乾燥工程中で複数回繰り返すことにより、被
処理物の温度回復を促進でき、これにより真空乾燥をよ
り促進させることができ、乾燥時間をより短縮すること
ができる。
【0055】また、復圧状態の維持時間が被処理物に応
じて可変であることにより、被処理物が薄物であるか、
厚物であるかにかかわらず、真空乾燥を効率良く行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部品洗浄乾燥装置の系統構成を示
す概略図である。
【図2】制御装置の概略ブロック図である。
【図3】本実施形態の部品洗浄乾燥装置における浸漬洗
浄工程を示す概略図である。
【図4】本実施形態の部品洗浄乾燥装置における真空乾
燥工程を示す概略図である。
【図5】本実施形態の部品洗浄乾燥装置における一連の
洗浄乾燥工程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 部品洗浄乾燥装置 2 被処理物 3 洗浄乾燥槽 4 バスケット 5 上部開口部 5a フランジ部 6 シール材 7 開閉蓋 7a 開閉蓋の天井面 8 排液系 9 排液弁 10 真空ポンプ 11 排気系 12 洗浄乾燥槽真空弁 13 溶剤タンク 13a ヒータ 14 浸漬洗浄系 15 浸漬洗浄弁 16 レベルスイッチ 17 洗浄乾燥槽内圧力計 18 洗浄乾燥槽大気開放弁 19 分岐排気系 20 溶剤タンク減圧弁 21 溶剤タンク圧力計 22 溶剤タンク大気開放弁 23 リザーブタンク 24 再生処理系 25 蒸留器 26 コンデンサ 26a 冷却細管 27a 循環ポンプ 27b 水分分離器 27c エゼクタ 28 レベルスイッチ 29 蒸気洗浄系 30 熱交換器 30a 加熱細管 31 蒸気洗浄補助弁 32 蒸気洗浄弁 33 噴霧ノズル 50 制御装置 51 洗浄乾燥槽圧力センサ 52 溶剤タンク圧力センサ 53 溶剤タンク温度センサ 54 タイマ 55 操作パネル 56 電源スイッチ 57 スタートスイッチ 58 減圧洗浄時間設定スイッチ 59 復圧洗浄時間設定スイッチ 60 低圧真空乾燥時間設定スイッチ 61 復圧真空乾燥時間設定スイッチ 62 表示器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄乾燥槽内に被処理物を収容し、該被
    処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与えて洗浄す
    る部品洗浄乾燥方法において、 前記洗浄溶剤は溶剤タンク内に貯溜されており、該溶剤
    タンクから洗浄乾燥槽への洗浄溶剤の給液、及び該洗浄
    乾燥槽から溶剤タンクへの洗浄溶剤の排液は、洗浄乾燥
    槽内の圧力と溶剤タンク内の圧力とを爆発下限界以下の
    圧力範囲内で圧力差を付け、圧力に差がついた状態で洗
    浄乾燥槽と溶剤タンクとの間を連通させることにより、
    高圧力側の洗浄溶剤を低圧力側に移送することを特徴と
    する部品洗浄乾燥方法。
  2. 【請求項2】 洗浄乾燥槽内に被処理物を収容し、該被
    処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与えて洗浄す
    る浸漬洗浄工程と、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処
    理物を蒸気洗浄する蒸気洗浄工程と、蒸気洗浄後の被処
    理物を減圧状態で乾燥する真空乾燥工程とを行う部品洗
    浄乾燥方法であって、 上記真空乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽内を真空ポ
    ンプの限界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、
    該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプの限界値を開放
    し洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、所定時
    間が経過した後に、再び低圧真空乾燥を行うことを特徴
    とする部品洗浄乾燥方法。
  3. 【請求項3】 前記低圧真空乾燥を所定の時間行い、該
    低圧真空乾燥を行った後、所定の時間復圧する操作を乾
    燥工程中で複数回繰り返すことを特徴とする請求項2に
    記載の部品洗浄乾燥方法。
  4. 【請求項4】 前記復圧の時間を被処理物に応じて調整
    することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の
    部品洗浄乾燥方法。
  5. 【請求項5】 被処理物を収容する洗浄乾燥槽と、該洗
    浄乾燥槽内の被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動
    を与える超音波発生器と、洗浄乾燥槽内を減圧する真空
    ポンプと、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤を給液する洗浄溶剤
    給液系と、洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤を排液する洗浄溶剤
    排液系と、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤の加熱蒸気を導入す
    る洗浄溶剤蒸気導入系と、を備え、制御装置の制御の下
    で、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤を給液する洗浄溶剤給液工
    程と、洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤に被処理物を浸漬して減
    圧状態で超音波振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程と、
    浸漬洗浄工程の後に洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤を排液する
    排液工程と、排液工程の後に洗浄溶剤の加熱蒸気を洗浄
    乾燥槽内に導入して被処理物を蒸気洗浄する蒸気洗浄工
    程と、蒸気洗浄工程の後に洗浄乾燥槽内を減圧して被処
    理物を乾燥する真空乾燥工程とを行う部品洗浄乾燥装置
    であって、 上記制御装置は、真空乾燥工程において、上記洗浄乾燥
    槽内を真空ポンプの限界値まで減圧して低圧真空乾燥を
    行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプの
    限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復
    圧し、所定時間が経過した後に、再び低圧真空乾燥を行
    う制御を実行することを特徴とする部品洗浄乾燥装置。
  6. 【請求項6】 前記制御装置は、低圧真空乾燥を所定の
    時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定の時間復圧
    する操作を乾燥工程中で複数回繰り返す制御を実行する
    ことを特徴とする請求項5に記載の部品洗浄乾燥装置。
  7. 【請求項7】 前記制御装置は、外部入力手段からの入
    力により前記復圧状態の時間を調整可能としたことを特
    徴とする請求項5または請求項6に記載の部品洗浄乾燥
    装置。
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