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JP2000244378A - スペクトラム拡散通信用相関回路及び復調回路及び受信装置 - Google Patents

スペクトラム拡散通信用相関回路及び復調回路及び受信装置

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Publication number
JP2000244378A
JP2000244378A JP4696599A JP4696599A JP2000244378A JP 2000244378 A JP2000244378 A JP 2000244378A JP 4696599 A JP4696599 A JP 4696599A JP 4696599 A JP4696599 A JP 4696599A JP 2000244378 A JP2000244378 A JP 2000244378A
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speed
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spread spectrum
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Application number
JP4696599A
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Ichiro Imaizumi
市郎 今泉
Takaya Hoshina
孝也 星名
Kenjiro Yasunari
健次郎 安成
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Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
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Publication date
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    • H04B1/69Spread spectrum techniques
    • H04B1/707Spread spectrum techniques using direct sequence modulation
    • H04B1/709Correlator structure
    • H04B1/7093Matched filter type
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/69Spread spectrum techniques
    • H04B1/707Spread spectrum techniques using direct sequence modulation
    • H04B1/709Correlator structure
    • H04B1/7095Sliding correlator type
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B2201/00Indexing scheme relating to details of transmission systems not covered by a single group of H04B3/00 - H04B13/00
    • H04B2201/69Orthogonal indexing scheme relating to spread spectrum techniques in general
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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
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  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のスペクトラム拡散通信用相関回路で
は、スライディングコリレータを用いると時間がかか
り、マッチドフィルタを用いると回路規模及び消費電力
の増大をもたらすという問題点があったが、本発明は、
構成素子数を小規模にし、消費電力を低減できるスペク
トラム拡散通信用相関回路を提供する。 【解決手段】 スペクトラム拡散された受信信号をA/
D変換してデータメモリ部14にシンボル単位で蓄積し
ておき、データ速度を変換し、高速MF16で積和演算
処理を高速に行って相関出力を得るスペクトラム拡散通
信用相関回路である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信や無線
LAN等におけるスペクトラム拡散通信システムの受信
機側で用いられるスペクトラム拡散通信用相関回路に係
り、特に、簡単且つ小規模な構成で、更に消費電力を低
減できるスペクトラム拡散通信用相関回路及び復調回路
及び受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に移動体通信又は無線LAN(Loca
l Area Network)等に用いられるスペクトラム拡散(Sp
read Spectrum:SS)通信システムでは、送信側で送信
データに対して狭帯域変調(1次変調)を行い、更に拡
散変調(2次変調)を行う、2段階の変調を行ってデー
タを送信し、受信側では、受信データに対して逆拡散を
行って1次変調に戻してから、通常の検波回路でベース
バンド信号の再生を行うようになっている。
【0003】そして、従来、スぺクトラム拡散された受
信信号の復調を行うための相関を出力するスペクトラム
拡散通信用相関回路は、逆拡散回路、符号分割多重変調
波の復調回路で構成され、具体的に、スペクトラム拡散
通信用相関回路は、同期捕捉を行い、以降検出された同
期位相で相関を取るために、論理回路で構成されたスラ
イディングコリレータ(SC)が用いられている。
【0004】スライディングコリレータは、相関回路を
用いて局発符号系列(拡散符号)を1ビットづつシフト
させ、毎回受信の符号系列との相関を求めるものであ
り、符号系列長だけのビット数について相関を求めれ
ば、相関がピークとなる同期位相が求められ、同期捕捉
が行われるものである。
【0005】ここで、従来の逆拡散回路の1つであるス
ライディングコリレータについて図4を用いて説明す
る。図4は、従来のスライディングコリレータの一部分
の構成ブロック図である。従来のスライディングコリレ
ータにおける相関出力を取得する部分は、A/D変換器
31と、乗算器32と、PNコードレジスタ33と、加
算器34と、遅延回路35とから構成されている。
【0006】上記従来のスライディングコリレータの各
部を説明する。A/D変換器31は、符号分割多重(Co
de Division Multiple Access:CDMA)変調されて
送信され、アンテナ(図示せず)で受信されたアナログ
信号を、デジタル信号に変換する高精度のアナログ/デ
ジタル変換器である。PNコードレジスタ33は、送信
側でCDMA変調に用いられたのと同じ拡散符号である
PN(Pseudo Random Noise )符号コードを出力するレ
ジスタである。
【0007】乗算器32は、A/D変換器31から出力
されるデジタルの受信データに、PNコードレジスタ3
3から出力されるPNコードを乗算する乗算器である。
加算器34と遅延回路35は、乗算器32から出力され
る乗算結果を、1シンボル期間累積加算してその積分値
を相関出力として出力するものである。
【0008】従来のスライディングコリレータの動作
は、アンテナで受信された受信データのアナログ信号
が、A/D変換器31でデジタル信号に変換され、この
変換されたデジタル信号とPNコードレジスタ33から
出力されるPNコードとが乗算器32で乗算され、加算
器34と遅延回路35で累積加算されて、1シンボル分
の加算結果が相関出力として出力される。そして、乗算
器32における乗算のタイミングを1チップずらして位
相を変化させながら乗算、累積加算が繰り返され、相関
出力がピークとなる同期位相が検出されるようになって
いる。
【0009】この逆拡散回路としてスライディングコリ
レータを用いる構成は、比較的簡易でゲート数も少な
く、そのため消費電力も少ないが、同期捕捉を行うまで
の時間は一般的には、1シンボル分の時間×1シンボル
内のチップ数分だけかかるため、相関出力を出力するま
での時間がかかるという問題がある。
【0010】相関出力を出力するまでに時間がかかると
いう問題点を解決するために、スライディングコリレー
タの替わりに、マッチドフィルタ(整合フィルタ、若し
くはMatched Filter :MF)をスペクトラム拡散通信
用相関回路に用いることが考えられている。マッチドフ
ィルタは、位相をずらした場合の相関を一斉に取ること
により、1シンボル時間内に同期捕捉を行うものであ
る。
【0011】ここで、従来の逆拡散回路の別の例である
マッチドフィルタについて、図5を用いて説明する。図
5は、従来のマッチドフィルタの構成例を示すブロック
図である。従来のマッチドフィルタは、A/D変換器4
1と、乗算器42と、PNコードレジスタ43と、加算
器44と、サンプルホールド(S/H)回路45とから
構成されている。
【0012】上記従来のマッチドフィルタの各部を説明
する。A/D変換器41は、CDMA変調されているア
ナログの入力信号をデジタル信号に変換する変換器であ
る。サンプルホールド(S/H)回路45は、複数個設
けられており、A/D変換器41からのデジタル信号を
順次取り込んで保持する回路である。
【0013】PNコードレジスタ43は、拡散符号であ
るPN符号(コード)を出力するレジスタである。乗算
器42は、各サンプルホールド回路45で保持されたデ
ジタル信号に対してPNコードレジスタ43からのPN
符号を乗算する乗算器である。加算器44は、乗算器4
2からの出力を一斉に加算する加算器である。
【0014】従来のマッチドフィルタの動作は、A/D
変換器41でデジタル変換された入力信号が複数のS/
H回路45に順次保持され、そのS/H回路45からの
出力とPNコードレジスタ43から出力されるPN符号
とが乗算器42で乗算され、更に乗算器42での乗算結
果を加算器44で一斉に加算して、加算結果が出力され
る。その加算結果から相関出力を出力するようになって
いる。
【0015】しかしながら、一般的なマッチドフィルタ
では、一斉に位相をずらした場合の相関を取るため、例
えば上記説明したスライディングコリレータに対して、
1シンボル内のチップ数倍のゲート数が必要となり、ゲ
ート規模が増大し、LSI価格の増大と消費電力の増大
を招き、移動端末の受信機に用いるには事実上因難とな
っている。
【0016】また、W−CDMA(広帯域CDMA)の基地
局は、一般にセクタを有しており、周囲360度を6セ
クタに分割して送受信するようになっている。アダプテ
イブアンテナを使用しない場合には各セクタ毎に2つの
アンテナが存在し、従って基地局として受信し、復調し
なければならない信号の本数は、6セクタ、2アンテ
ナ、複素信号I/Q、更にキャリア周波数が複数(通常
は4波)有るので、その倍数となり、合計6×2×2×
4=96にもなる。
【0017】これらの同期を保持する為に、あるいは遅
延波の検出の為に、更に復調の為に、それぞれマッチド
フィルタ(MF)若しくはスライディングコリレータ
(SC)を設けることはハード規模の増大を更に増すこ
とになってしまう。
【0018】尚、従来のスライディングコリレータとマ
ッチドフィルタに関連する記述は、平成9年(1997
年)7月31日公開の特開平9−200179号公報
「マルチユーザ復調方法および装置」(出願人:国際電
気株式会社、株式会社鷹山、発明者:占部健三他)があ
る。この技術は、干渉キャンセラを用いることなく、同
期に関する問題を解消し得る方法及び装置となってい
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のス
ライディングコリレータでは、相関出力が得られるまで
の時間が掛かるという問題があり、また、従来のマッチ
ドフィルタでは、ゲート数が多くなり、LSI価格の増
大と消費電力の増大をもたらすという問題点があった。
【0020】更に、基地局では処理すべき信号の本数が
多く、それぞれにハードを用意したのでは規模が増大
し、結果的にコストの上昇をもたらすという問題点があ
った。尚、基地局として対応するユーザ数はその規模に
より異なるが、最も一般的な基地局は、1セクタ当たり
32ユーザ(正確には、搬送波当たり32チャネルで、
搬送波は全部で4波)であるので、1基地局の合計は1
92ユーザ(正確には、192チャネル)となる。但
し、処理すべき信号は、搬送波毎に処理すれば良く、搬
送波4波に亘って処理する必要は今のところ無いと考え
る。つまり、移動局が通信中搬送波を時間的に取り替え
ることは考えないものとする。この場合192ユーザを
一括して処理する為の信号の本数は、前述したように6
セクタ×2アンテナ×I/Q2信号の合計24本であ
る。
【0021】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、構成素子数を小規模にし、しかも消費電力を低減で
きるスペクトラム拡散通信用相関回路を提供することを
目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための本発明は、スペクトラム拡散された受信信
号を一旦デジタル信号に変換して少なくとも1シンボル
以上のデータ単位で蓄積しておき、蓄積されたデータを
シンボル単位で高速に読み出す速度変換を行い、高速に
読み出されたデータを高速に取り込まれた拡散符号と乗
算し、それを一斉に加算する積和演算処理を高速に行っ
て相関出力を出力するスペクトラム拡散通信用相関回路
としており、積和演算を高速に処理する手段を用いるこ
とにより回路規模を小規模化し、消費電力を低減できる
ものである。
【0023】また、本発明は、スペクトラム拡散された
アナログの受信信号をデジタル信号に変換するA/D変
換手段と、デジタル信号を少なくとも1シンボル以上の
データ単位で複数蓄積する記憶手段と、記憶手段から1
シンボル分のデータを入力すると共に高速にて出力する
データ速度変換手段と、拡散符号を発生させ、高速に出
力する符号発生手段と、データ速度変換手段からのデー
タと符号発生手段からの拡散符号とを乗算し、当該乗算
結果を一斉に加算する積和演算を高速にて処理して相関
出力を出力する高速積和演算手段とを有するスペクトラ
ム拡散通信用相関回路としており、積和演算を高速に処
理する高速積和演算手段を用いることにより、回路規模
を小規模化し、消費電力を低減できるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。尚、以下で説明する機能実現
手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのよう
な回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は
全部をソフトウェアで実現することも可能である。更
に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよ
く、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよ
い。
【0025】本発明の実施の形態について説明する前
に、本発明の原理について説明する。W−CDMA信号
の基地局での受信装置における復調には、以下の機能を
満たすことが必要である。復調は、信号の位相(シンボ
ル、無線スロット、フレームのいずれも、及び複数の遅
延波についても)が予め判明している必要がある。これ
により、シンボルの先頭位置から、ある程度正確に拡散
符号との積和演算を実施し相関出力を出力することがで
きる。この相関出力を出力するという機能だけを達成す
るには、受信信号の本数が少ない場合、スライディング
コリレータ(SC)の構成で十分である。
【0026】次の機能としては、遅延波を含めた受信信
号の位相を検出する機能である。基地局の受信信号とし
て、大きく分けて2種類存在し、1つ目はある程度その
位相を予知可能なデータチャネル信号、2つ目はほとん
どその位相を予知できないランダムアクセスチャネル信
号である。
【0027】いずれにせよ、遅延波成分の検出は、その
位相が予め予知できないことから、マッチドフィルタ
(MF)を必要とする。つまり、スライディングコリレ
ータ(SC)の構成では位相の検出に時間が掛かりすぎ
ることになり、この時間短縮を図るためにスライディン
グコリレータ(SC)の数を増やすことになると、マッ
チドフィルタ(MF)の構成よりハード規模の増大を招
いてしまうことになる。
【0028】本発明は1つの構成で上記2つの機能を、
時分割では有るが、達成可能とするもので、上位概念的
に説明すれば、本発明に係るスペクトラム拡散通信用相
関回路は、スペクトラム拡散された受信信号を一旦デジ
タル信号に変換して少なくとも1シンボル以上のデータ
単位で蓄積しておき、蓄積されたデータをシンボル単位
で高速に読み出す速度変換を行い、高速に読み出された
データを高速に取り込まれた拡散符号と乗算し、それを
一斉に加算する積和演算処理を高速に行って相関出力を
出力するものであり、回路規模を小規模化し、消費電力
を低減できるものである。
【0029】また、機能実現手段で説明すれば、本発明
に係るスペクトラム拡散通信用相関回路は、スペクトラ
ム拡散されたアナログの受信信号をデジタル信号に変換
するA/D変換手段と、デジタル信号をシンボル毎に複
数蓄積する記憶手段と、記憶手段から1シンボル分のデ
ータを入力すると共に高速にて出力するデータ速度変換
手段と、拡散符号を発生させ、高速に出力する符号発生
手段と、データ速度変換手段からのデータと符号発生手
段からの拡散符号とを乗算し、当該乗算結果を一斉に加
算する積和演算を高速にて処理して相関出力を出力する
高速積和演算手段とを有するものであり、積和演算を高
速に処理する高速積和演算手段を用いることにより、回
路規模を小規模化し、消費電力を低減できるものであ
る。
【0030】上記発明において、A/D変換手段は下記
のA/D変換器11と制御部12が相当し、記憶手段は
下記のデータメモリ部14と制御部12が相当し、デー
タ速度変換手段は下記の多タップF/F15と制御部1
2が相当し、符号発生手段は下記の符号発生器13と制
御部12が相当し、高速積和演算手段は下記の高速MF
16と制御部12が相当している。また、上記発明のス
ペクトラム拡散通信用相関回路を、復調回路及び受信装
置に応用すれば、回路規模の小規模化を実現し、消費電
力の低減を図ることができ、有効である。
【0031】次に、本発明の実施の形態に係るスペクト
ラム拡散通信用相関回路について図1を用いて説明す
る。図1は、本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡
散通信相関回路の構成ブロック図である。本発明の実施
の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路(本回
路)は、図1に示すように、拡散符号により変調された
スペクトラム拡散信号を入力し、そのアナログ信号をデ
ジタル信号に変換するA/D変換器11と、各部の動作
タイミングを制御する制御部12と、拡散符号を発生さ
せる符号発生器13と、デジタル信号に変換されたデー
タを複数単位で格納するデータメモリ部14と、データ
メモリ部14からデータを読み込んで保持する多タップ
F/F15と、多タップF/F15からの出力と符号発
生器13から出力される拡散符号とを高速に積和演算処
理する高速MF16とから構成されている。尚、データ
メモリ部14と多タップF/F15は必ずしも必要では
なく、そのどちらか1つが存在し、同一の機能を保有し
ていれば、回路構成上問題ではない。
【0032】次に、本発明の実施の形態に係るスペクト
ラム拡散通信用相関回路(本回路)の各部を具体的に説
明する。A/D変換器11は、スペクトラム拡散された
受信信号を入力し、アナログ信号からデジタル信号に変
換してデータメモリ部14に出力するものである。尚、
図1の例では、入力速度は4MHzのクロックの動作速
度であり、4倍オーバサンプリングしているため出力速
度は16MHzのクロックの動作速度となっている。制
御部12は、各部に対してデータの入出力タイミングを
制御するものであり、特に多タップF/F15からの高
速出力及び符号発生器13からの拡散符号高速出力及び
高速MF16での高速処理等のタイミングを制御するも
のである。
【0033】符号発生器13は、時系列の拡散符号(P
Nコード)を発生し、高速に高速MF16に拡散符号を
出力する発生器である。拡散符号の出力タイミングは、
高速MF16で積和演算処理が為される速度に応じたも
のとなっている。尚、この符号発生器13の替わりに予
め複数の拡散符号を記憶する符号メモリ又は符号レジス
タであってもよい。符号メモリの場合を「符号メモリ
部」と称する。
【0034】データメモリ部14は、A/D変換された
デジタル信号をシンボル単位で蓄積するものであり、シ
ンボル単位に複数のメモリから構成されるようになって
いる。例えば、図1では、入力速度及び出力速度は共に
16MHzのクロックの動作速度となっている。多タッ
プF/F(フリップ/フロップ)15は、データメモリ
部14からデータを読み込み、速度変換(時間変換)を
行って高速MF16に出力するものである。例えば、デ
ータメモリ部14からデータを16MHzのクロックの
動作速度で入力して一時保持し、160MHzのクロッ
クの動作速度でデータを高速MF16に出力している。
【0035】高速MF(マッチドフィルタ)16は、多
タップF/F15からデータを高速に入力すると共に、
符号発生器(又は符号メモリ部)13から拡散符号を高
速に入力し、データと拡散符号との乗算と、乗算結果の
一斉加算とを行う積和演算処理を高速に行って、相関出
力を出力するマッチドフィルタである。例えば、図1で
は、多タップF/F15からのデータを160MHzの
クロックの動作速度で入力し、160MHzのクロック
で積和演算処理を行って、160MHzのクロックで相
関出力を出力するものである。
【0036】本回路における動作の概要を説明する。受
信部(図示せず)から送出されてくるスペクトラム拡散
された信号はいわゆるチップ時間間隔で拡散符号で処理
されているが、それを積和演算する時には高速MF16
を用いて高速で処理する。その時間変換は、スペクトラ
ム拡散された信号を少なくとも1シンボル分以上データ
メモリ部14に蓄積し、それを結果的に高速で読み出す
ことにより実行するものである。従って、データメモリ
部14が存在しなくても、A/D変換器11からのデー
タを直接多タップF/F15に蓄積し、そこから高速に
読み出し、高速MF16即ち積和演算部に入力してもよ
い。また、直接データメモリ部14から高速MF16に
高速にデータ転送してもよい。
【0037】現在、IMT2000にARIB(社団法
人電波産業会)より提案されている、いわゆるW−CD
MA(広帯域CDMA)のチップ速度は4Mcpsであ
る。これに対し、W−CDMAが実用化される2001
年のLSI製造プロセス(CMOS 0.18μm)で
のクロック周波数はこれよりはるかに高い500MHz
から2GHzが予想されている。すなわち、入力信号の
周波数に比べはるかに高い処理が可能となる。チップ速
度が4Mcpsであるので、信号処理上からこの4倍程
度のサンプリングで信号を刻み、拡散符号とのマッチン
グをより精密に観察する必要が有るが、それでもクロッ
クは16MHzで処理することになり、クロック速度と
して例えば現状のCMOS 0.35μmプロセス/デ
バイスでも十分可能な160MHzを使用すれば10倍
の処理が可能となる。
【0038】次に、本回路における具体的動作を図2を
用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るス
ペクトラム拡散通信用相関回路における動作を示す説明
図である。尚、ここでは、遅延波成分の位相分かってい
るものとする。複数のメモリから成るデータメモリ部1
4にそれぞれ1シンボル分のデータを蓄積する。この時
遅延波成分も位相が分かっているので、その先頭から1
シンボル分蓄積する。このようにしておいて、図2に示
すように、先ずデータメモリ部14内の1つのメモリ
(メモリ1)から1シンボル分一括して1番目のクロッ
ク(クロック[1])で高速MF16に読み出しを行
う。
【0039】次のクロック(クロック[2])にて高速
MF16はデータと拡散符号の乗算及び加算を高速で行
う。データのシンボル位相が分かっているのでパイプラ
イン処理が可能となるため、当該拡散符号と積和演算を
1クロック時間で行うことができ、結果的に数クロック
後には)そのシンボルの相関出力、すなわち復調を行う
ことができるものである。
【0040】その次のクロック(クロック[3])にて
別のメモリ(メモリ2)から高速MF16に1シンボル
分一括してデータを読み出すと共に、必要であれば拡散
符号についても一括して新たな符号を高速MF16のレ
ジスタに書き込みを行う。
【0041】更に、次のクロック(クロック[4])に
て、そのデータと拡散符号の積和演算を行う。これを次
々に繰り返えせば、2クロック置きに次々と復調をする
ことができる。つまり、奇数クロックでデータの読み出
しを行い、偶数クロックで積和演算を行うものである。
図2では、メモリ1〜メモリnを用いて説明したが、メ
モリ1とメモリ2の2個のメモリを用い、これらを交互
に使用するようにしても構わない。メモリ1にI信号成
分を、メモリ2にQ信号成分を蓄積し、それらを交互に
高速MF16にて4回積和演算し、更に和と差を演算す
れば複素MFを構成できる。具体的には、拡散符号との
積和演算(I×i,I×q,Q×i,Q×q)を行い、
和Iq+Qi、差Ii+Qqを演算するものである。こ
れにより、通常は4つのMFが必要となるが、1つのM
F+加減算器で複素型に対応でき、ハード規模(ゲート
数)の低減が達成可能となる。
【0042】ここで、クロックの速度を10倍にし、デ
ータの拡散率を128とすれば、1実シンボル時間(チ
ップレートが4.096Mcpsの場合31.25μ
s)内に128×4×10/2=2560シンボル分の
復調を実行することが可能になる。このことは基地局が
復調機能として2560ユーザを1つの高速MFにて対
処できることを意味している。勿論、この場合には高速
MFとしては複素MF構成になっていなければならな
い。またアンテナダイバーシテイを取る為には、ユーザ
数として上記半分にしなければならないことは言うまで
もない。いずれにせよ、標準的な1基地局のユーザ数で
ある192ユーザを遅延波パス分必要最大数6パスを含
め処理可能である。尚、データの拡散率が256の場合
には更にこの2倍が可能になる。
【0043】クロック速度を更に向上できれば、例えば
100倍の1.6GHzであれば、更に10倍の処理を
1つの高速MFで対処できることになる。いずれにせ
よ、従来最適と考えられていたスライディングコリレー
タ(SC)をユーザ数分並べるよりは上記方式の方がハ
ード規模を小規模にできるものである。具体的な数値を
以下に記載する。
【0044】高速MFを用いた場合の条件として、複素
MF1個当たりのゲート数は600kゲート、タップ数
は1024タップ(拡散率256の4倍オーバサンプリ
ング、入力6ビット、出力12ビット、データレジスタ
2本、拡散符号レジスタ2本)とする。また、スライデ
ィングコリレータ(SC)を用いた場合の条件として、
複素SCの1個当たりのゲート数は600ゲート、入力
6ビット、出力12ビットとする。
【0045】また、メモリとして使用するF/F1個当
たりのゲート数は10ゲート/ビットとする。但し、本
発明のLSIにおいてはSRAM、DRAMを使用する
ことになるので、本計算ゲート数に比べLSI内の占有
面積及び消費電力は大幅に減少可能となるものである。
【0046】次に、比較のために本発明に係る高速MF
と従来のSCとの構成について簡単に説明する。高速M
Fは、サーチャ用としてMFを2個、復調用としてMF
を1個とする。サーチャとしての必要性については、後
述する。ゲート数を計算すると、600kゲート×3=
1800kゲート また、メモリ部のゲート数を計算すると、一括処理する
ための信号の本数は、24本(6セクタ×アンテナ2本
×I/Q2信号)であり、F/Fのゲート数は60ゲー
ト(10ゲート/ビット×入力6ビット)であるので、 60ゲート×1024タップ×24本×2シンボル分=
2949kゲート 従って、高速MFとメモリ部の合計ゲート数は、474
9kゲートとなる。
【0047】次に、従来方式であるスライディングコリ
レータ(SC)とサーチャとを組み合わせた構成では、
SC部が1基地局として192チャネル必要であるた
め、SC部のゲート数は、600ゲート×192本×6
(遅延波分)=690kゲートとなる。また、サーチャ
部は、6セクタ×2アンテナ×600kゲート=720
0kゲートとなる。この場合、サーチャの能力は1ユー
ザ/セクタとしている。従って、従来方式では合計ゲー
ト数は、7890kゲートとなる。
【0048】従って、メモリ部をF/Fにて構成したと
してゲート数を算定しても、従来の方式に比べ40%回
路規模を低減可能になる。尚、上記MFは、機能とし
て、フルMF(完全機能のMF)としてゲート規模等見
積もってあるが、必ずしもフルMFを用いる必要はな
い。例えば、MFはデータを蓄積及び移動するいわゆる
サンプル/ホールド部、符号レジスタ部、積和演算部に
分けられるが、そのうち積和演算部のみあれば機能実現
可能である。従って、メモリからのデータ(受信信号及
び符号)を直接積和演算部に供給しても同じ動作が可能
である。また、その積和演算部のハード構成を、本出願
人自ら出願している特願平10−345738号「相関
方法及びマッチドフィルタ及び携帯端末」のように構成
することもでき、更にハード規模(ゲート数)の低減が
可能である。
【0049】次に、受信信号の位相検出機能について、
2つの方式を説明する。基地局としてユーザからの信号
の位相を先ず検出する必要がある。その後或いはそれと
同時に、同一ユーザからの信号のマルチパスを検出しな
ければならない。このためにはマッチドフィルタと同一
の機能が必要になる。第1の方式は、マッチドフィルタ
と同一の機能をマルチパス検出に使用する場合、例えば
通常行われているように16MHzのクロック刻みでメ
モリに情報を蓄積し、それを例えば160MHzで読み
出し、マッチドフィルタにて積和演算をすれば10倍の
速度であるので、1シンボルの相関(1シンボル内の遅
延波(すなわちマルチパス)成分をすべて)を通常動作
速度のマッチドフィルタの10分の1の時間で取ること
ができる。
【0050】この場合、拡散コードは1シンボル分変化
させないが、スペクトラム拡散された信号は最大で2シ
ンボル分必要で、メモリとしては最低2シンボル分用意
しておく必要がある。ここで、遅延波として1シンボル
区間を報えない場合、通常は遅延波として、数分の1シ
ンボル以内を検出すれば十分と考えられるので(より正
確には数十チップ時間以内で十分と考えられる)、2シ
ンボル分よりはるかに1シンボル分に近いデータにな
る。
【0051】この動作により1ユーザからの信号の位相
とそのマルチパスの位相を1シンボル時間の1/10の
時間で取得できるものである。厳密には、アンテナ2本
に対応するため1/2ユーザ分である。従って、1シン
ボルの実時間内に5ユーザ分の位相情報を1つの高速M
Fと複数のデータメモリ及び複数のユーザコードメモリ
により取得できることになる。このサーチャとしての高
速MFを2個用意することにより、10ユーザ分の位相
検出を常時行うことができる。
【0052】1基地局として、上述したが、192ユー
ザであり、サーチャとしてはその約1/20の能力を有
している。位相検出は、そのユーザと通信を開始する時
に必要であり、通信状態となれば必ずしも常時監視する
必要はないので、1/20の能力で十分と考えられる。
従来方式においてもサーチャ機能は6ユーザ分としてあ
る。これを時分割で使用する点は同じである。第2の方
式は、複数ユーザに対し、複数ユーザが同一アンテナ内
に存在する場合、ユーザ毎の拡散コードを高速に取り替
え、メモリからのデータとの積和演算を高速に実行する
ことにより達成可能であり、複数のアンテナに対して行
う場合には、複数のデータを高速に取り替えることを更
に行えば(ユーザ毎の拡散コードも取り替えるものとす
る)、達成可能である。この場合、必ずしもデータを高
速に変化させる必要はなくなる利点がある。
【0053】以上説明したように、本回路を用いること
により、高速処理の複数(3つ)の高速MFと、複数の
データメモリ、複数の符号メモリにより、1基地局での
復調機能を達成でき、ハード規模を低減することができ
る。メモリとしてF/F構成でゲート数を計算したが、
SRAM、DRAM等のメモリを使用することが可能で
あるので、上記計算より大幅にハード規模(LSIの占
有面積)を低減可能となる。但し、上記SRAM、DR
AM等のメモリをデータメモリに使用する場合には、書
き込み速度、読み出し速度とも16MHzで行うことが
できるようにデータメモリと高速MFの間に時間変換用
の多タップF/Fを用意する必要があるが、近い将来、
メモリとしても160MHzでの読み出しが可能になる
と思われる。その場合には、多タップF/Fは不要とな
る。また、上記にて説明したように、比較した従来方式
に比べその能力は勝っているものである。
【0054】次に、本回路における具体的動作について
説明する。先ず比較的動作が単純な、シンボル同期、無
線スロット同期、フレーム同期が確立した後の動作(通
常通信時)について図1を用いて説明する。時系列の拡
散符号(PN符号)により変調されたスペクトラム拡散
信号を入力し、その信号をデジタル信号にA/D変換器
11で変換する。そして、そのデジタル信号を複数のメ
モリから成るデータメモリ部14で保持し、保持された
データと拡散符号とを高速MF16で高速に積和演算処
理する。
【0055】データメモリ部14は、制御部12の指示
により、信号の1シンボル分を先頭サンプルから順次取
り込む。シンボル同期、無線スロット同期、フレーム同
期が確立しているので、どの位相に特定のシンボルの先
頭サンプルが存在するかは分かっている。そして、1シ
ンボル分を(例えば拡散率128の場合、4倍オーバー
サンプリングであれば512サンプル)に取り込むと、
制御部12はデータメモリ部14に対し、今までの取り
込み速度の10倍、すなわちサンプル速度の10倍で一
括読み出しを指示する。ここで、通常の4倍オーバーサ
ンプリングであれば約16MHz(正確には4.096
MHzの4倍)の10倍の160MHzで一括読み出し
を指示することになる。
【0056】但し、データメモリ部14の読み出し速度
が10倍にならない場合には10列の多タップF/F1
5を用意し、そこで10倍の時間変換を行うようにすれ
ばよい。すなわち、個々のメモリからの読み出しは16
MHzで行い、F/F列からの読み出しは順々に10倍
の160MHzで行うことにより達成できる。
【0057】その出力を受けて高速MF16は160M
Hzのクロックで積和演算を行う。この時、符号発生器
13より拡散符号を受け取る。この拡散符号の読み出し
も同じ制御部12より指示される。この結果1シンボル
の書き込みに要した時間の1/10の1/512時間毎
に1ユーザからの信号(1パス分)の積和演算を完了
し、相関出力を出力することができる。従って、データ
メモリ部14に別のシンボルを格納しておけば順次その
相関も高速MF16にて出力することができる。
【0058】基地局の場合、メモリの本数は、最大でセ
クタユーザ6、アンテナ2本/セクタ、I/Q信号/ア
ンテナの24(6×2×2)本が必要になる。これにキ
ャリア周波数の差も個別に対応することとすれば、更に
この4倍になる。
【0059】次に、同期捕捉時(信号の位相の取得)に
ついて説明する。基地局では各ユーザからの信号の位相
とそのマルチパス(遅延波成分の位相)の取得を行い、
その位相情報を元にシンボル毎の復調を上述のように行
う。データメモリ部14は、制御部12の指示により、
信号の2シンボル分を順次取り込む。2シンボル分を
(例えば拡散率128の場合4倍オーバーサンプリング
であれば512サンプル)取り込むと、制御部12はデ
ータメモリ部14に対し、今までの取り込み速度の10
倍すなわちサンプル速度の10倍で読み出しを指示す
る。通常の4倍オーバーサンプリングであれば約16M
Hz(正確には4.096MHzの4倍)の10倍の1
60MHzで読み出しを指示する。
【0060】但し、メモリの読み出し速度が10倍にな
らない場合には10列の多タップF/F15を用意し、
そこで10倍の時間変換を行うようにすればよい。すな
わち、個々のメモリからの読み出しは16MHzで行
い、F/F列からの読み出しは順々に10倍の160M
Hzで行うことにより達成できる。
【0061】そして、その出力を受けて高速MF16は
160MHzのクロックで積和演算を行う。高速MF1
6のサンプルホールド(S/H)部には最初一括して1
シンボル分のデータが読み込まれようにする。この時、
符号発生部13より拡散符号を受け取る。この符号の読
み出しも同じ制御部12より指示される。この結果1シ
ンボルの書き込みに要した時間の1/10の時間で1ユ
ーザからの信号の1シンボル分の積和演算を完了し、相
関出力を出力することができる。従ってデータメモリ部
14に別のシンボルを格納しておけば順次その相関も高
速MF16にて出力することができる。
【0062】1つの高速MF16にて10ユーザの対応
が可能であり、1基地局当たり192ユーザが最大存在
可能なので、時分割対応で20分の1の能力を有するも
のである。データメモリ部14におけるメモリとして
は、基地局の場合、セクタ6、アンテナ2本/セクタ、
I/Q信号/アンテナの24本のメモリが必要になる。
これにキャリア周波数の差も個別に対応するものとすれ
ば更にこの4倍になる。
【0063】
【実施例】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散
通信用相関回路の具体的構成について、図3を用いて説
明する。図3は、本発明の実施の形態に係るスペクトラ
ム拡散通信用相関回路の具体的構成ブロック図である。
具体的スペクトラム拡散通信用相関回路は、図3に示す
ように、アンテナ51と、RF部52と、A/D変換器
53と、メモリ部54と、第1の高速MF55と、拡散
符号発生器56と、プロファイラ57と、第2の高速M
F58と、RAKE合成部59と、データ及び音声処理
部60と、制御部61と、フィンガメモリ62と、多タ
ップF/F63とから構成されている。
【0064】以下、上記回路の各部を具体的に説明す
る。アンテナ51は、セクタ当たり通常2本でダイバー
シテイ受信を行う。セクタは基地局当たり通常6セクタ
存在する。ダイバーシテイ受信とは、2本のアンテナで
同一送信信号を受信し、復調した結果を合成し受信感度
の向上を図るものである。RF部52は、アンテナに到
来したアナログ信号の周波数変換、帯域制限、直交検波
の無線処理を行う受信部を有し、直交検波されたI,Q
のベース信号を復調する復調部とを含むものである。
【0065】A/D変換器53は、RF部52からのB
Bアナログ信号をデジタル信号に変換する。変換ビット
数は4〜6ビットは必要である。変換周波数は、4倍オ
ーバーサンプリングであればW−CDMAの場合には1
6MHzとなる。A/D変換器53は、I/Q信号、ア
ンテナ毎に対し、各1個必要になるが、高速処理が可能
であれば、時分割処理にて1個でも構わない。
【0066】メモリ部54は、図1のデータメモリ部1
4に相当し、上記デジタル信号を少なくとも1シンボル
分以上シンボル単位で記憶し、それを高速で読み出す。
書き込み速度はチップ速度の1〜4倍程度、読み出し速
度はその10倍以上は必要である。この処理で、いわゆ
る時間変換を行う。少なくとも48シンボル〜100シ
ンボル分のメモリ容量が必要である。上記MF方式の場
合は、シンボル単位での一斉読み出しが要求される。
【0067】拡散符号発生器56は、拡散符号を格納す
るレジスタでもよく、制御部61からの指示により、指
定された拡散符号を指定された位相で送出する。プロフ
ァイラ57は、第2の高速MF58からの出力を取り込
み演算を行い、パスの特定をする。これによりチップ同
期、シンボル同期、無線スロット同期、フレーム同期を
取ることができ、パスの検出を行うものである。これら
の情報は制御部61に送られ、制御部61から、拡散符
号発生器56に指示が為される。
【0068】高速MF55,58は、スペクトラム拡散
された信号と拡散符号を取り込み、その積和演算を1シ
ンボル単位で行う。従って、高速MF55,58は、チ
ップレートに比べ高速動作が要求されるが、高速動作を
することにより複数のメモリからの情報を極めて高速に
処理できるようになる。
【0069】フィンガメモリ62は、高速MFからの相
関出力を複数受け、パイロットシンボルを用いた位相補
正を実施し、RAKE合成部59に出力するものであ
る。RAKE合成部59は、フィンガメモリ62からの
入力に従って複数パスの合成を行うものである。
【0070】この他、受信信号と周波数を合わせる為の
AFC、受信信号と雑音(他信号からの干渉を含む)の
割合が現在どうなっているかを測定するSIR測定部な
どが含まれる。
【0071】データ及び音声処理部60は、誤り訂正の
ため送信側で実施した各種信号処理の逆変換(復調)を
行う。これにはデインタリーブ、ビタビ復号、CRCデ
コーダ、リードソロモン復号(又はターボ復号)、音声
CODECなどがある。
【0072】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡
散通信用相関回路によれば、スペクトラム拡散された受
信信号をA/D変換してデータメモリ部14にシンボル
単位に蓄積し、多タップF/F15で読み出し速度を高
速化して高速積和演算処理する高速MF16にデータを
出力し、高速MF16でそのデータと符号発生器13か
らの拡散符号との積和演算を高速処理して相関出力を出
力するようにしているので、従来の方式に比べて論理ゲ
ート数を格段に減少させることができ、従って、消費電
力も低減できる効果がある。
【0073】また、本発明の実施の形態に係るスペクト
ラム拡散通信用相関回路を用いれば、少ないゲート規模
でCDMAの復調回路を構成でき、基地局用のLSIと
して小規模化及び省電力化を図ることができる効果があ
る。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、スペクトラム拡散され
た受信信号を一旦デジタル信号に変換して少なくとも1
シンボル以上のデータ単位で蓄積しておき、蓄積された
データをシンボル単位で高速に読み出す速度変換を行
い、高速に読み出されたデータを高速に取り込まれた拡
散符号と乗算し、それを一斉に加算する積和演算処理を
高速に行って相関出力を出力するスペクトラム拡散通信
用相関回路としているので、積和演算を高速に処理する
手段を用いることにより回路規模を小規模化し、消費電
力を低減できる効果がある。
【0075】本発明によれば、スペクトラム拡散された
アナログの受信信号をデジタル信号に変換するA/D変
換手段と、デジタル信号を少なくとも1シンボル以上の
データ単位で複数蓄積する記憶手段と、記憶手段から1
シンボル分のデータを入力すると共に高速にて出力する
データ速度変換手段と、拡散符号を発生させ、高速に出
力する符号発生手段と、データ速度変換手段からのデー
タと符号発生手段からの拡散符号とを乗算し、当該乗算
結果を一斉に加算する積和演算を高速にて処理して相関
出力を出力する高速積和演算手段とを有するスペクトラ
ム拡散通信用相関回路としているので、積和演算を高速
に処理する高速積和演算手段を用いることにより、回路
規模を小規模化し、消費電力を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通
信相関回路の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通
信用相関回路における動作を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通
信用相関回路の具体的構成ブロック図である。
【図4】従来のスライディングコリレータの一部分の構
成ブロック図である。
【図5】従来のマッチドフィルタの構成例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
11…A/D変換器、 12…制御部、 13…符号発
生器、 14…データメモリ部、 15…多タップF/
F、 16…高速MF、 51…アンテナ、52…RF
部、 53…A/D変換器、 54…メモリ部、 55
…第1の高速MF、 56…拡散符号発生器、 57…
プロファイラ、 58…第2の高速MF、 59…RA
KE合成部、 60…データ及び音声処理部、 61…
制御部、 62…フィンガメモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安成 健次郎 東京都中野区東中野三丁目14番20号 国際 電気株式会社内 Fターム(参考) 5K022 EE02 EE33 EE36 5K047 AA02 AA16 BB01 GG34 HH15 LL01 MM12 MM24 MM28 MM33 MM45 5K059 DD31 DD33 DD39 EE02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトラム拡散された受信信号を一旦
    デジタル信号に変換して少なくとも1シンボル以上のデ
    ータ単位で蓄積しておき、蓄積されたデータをシンボル
    単位で高速に読み出す速度変換を行い、高速に読み出さ
    れたデータを高速に取り込まれた拡散符号と乗算し、前
    記乗算結果を一斉に加算する積和演算処理を高速に行っ
    て相関出力を出力することを特徴とするスペクトラム拡
    散通信用相関回路。
  2. 【請求項2】 スペクトラム拡散された受信信号を一旦
    デジタル信号に変換する変換手段と、前記変換されたデ
    ジタル信号を少なくとも1シンボル以上のデータ単位で
    蓄積する複数の記憶手段と、前記記憶手段に蓄積された
    データをシンボル単位で高速に読み出す速度変換を行う
    速度変換手段と、高速に読み出されたデータを高速に取
    り込まれた拡散符号と乗算し、前記乗算結果を一斉に加
    算する積和演算処理を高速に行って相関出力を出力する
    高速積和演算手段とを有することを特徴とするスペクト
    ラム拡散通信用相関回路。
  3. 【請求項3】 スペクトラム拡散されたアナログの受信
    信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記
    デジタル信号を少なくとも1シンボル以上のデータ単位
    で複数蓄積する記憶手段と、前記記憶手段から1シンボ
    ル分のデータを入力すると共に高速にて出力するデータ
    速度変換手段と、拡散符号を発生させ、高速に出力する
    符号発生手段と、前記データ速度変換手段からのデータ
    と前記符号発生手段からの拡散符号とを乗算し、当該乗
    算結果を一斉に加算する積和演算を高速にて処理して相
    関出力を出力する高速積和演算手段とを有することを特
    徴とするスペクトラム拡散通信用相関回路。
  4. 【請求項4】 スペクトラム拡散されたアナログの受信
    信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記デ
    ジタル信号を少なくとも1シンボル以上のデータ単位で
    複数蓄積するデータメモリ部と、前記データメモリ部か
    ら1シンボル分のデータを入力すると共に高速にて出力
    する多タップF/Fと、拡散符号を発生させ、高速に出
    力する符号発生器と、前記多タップF/Fから高速に入
    力されたデータと前記符号発生器から高速に入力された
    拡散符号とを乗算し、当該乗算結果を一斉に加算する積
    和演算を高速にて処理して相関出力を出力する高速マッ
    チドフィルタと、前記各部における動作タイミングを制
    御する制御部とを有することを特徴とするスペクトラム
    拡散通信用相関回路。
  5. 【請求項5】 奇数クロックで、多タップF/Fは、デ
    ータメモリ部から1シンボル分のデータを順次読み出し
    て高速マッチドフィルタに出力し、偶数クロックで、前
    記高速マッチドフィルタは、前記入力された1シンボル
    分のデータについて積和演算を行うよう制御部にて制御
    されることを特徴とする請求項4記載のスペクトラム拡
    散通信用相関回路。
  6. 【請求項6】 A/D変換器では4MHzの動作クロッ
    クで受信信号を入力し、データメモリ部では16MHz
    の動作クロックでデータの入出力を行い、多タップF/
    Fで160MHzの動作クロックでデータを出力し、高
    速マッチドフィルタでは160MHzの動作クロックで
    積和演算処理して出力を行うことを特徴とする請求項4
    記載のスペクトラム拡散通信用相関回路。
  7. 【請求項7】 請求項4記載のスペクトラム拡散通信用
    相関回路を復調用として備え、前記スペクトラム拡散通
    信用相関回路をマルチパス検出のサーチャ用として備え
    ることを特徴とする復調回路。
  8. 【請求項8】 スペクトラム拡散されたアナログ高周波
    信号を各セクタをカバーする複数のアンテナで受信し、
    当該受信信号の検波を行い、ベースバンド信号に変換す
    る復調処理を行う複数のRF部と、 前記RF部から出力されるI,Qのベースバンドアナロ
    グ信号をデジタル信号に変換する複数のA/D変換器
    と、 前記A/D変換器からのデジタル信号が少なくとも1シ
    ンボル以上分のデータ単位に記憶される複数のメモリ部
    と、 前記メモリ部から1シンボル分のデジタル信号を、前記
    メモリ部への入力デジタル信号の速度より高速にて受け
    取る高速MFと、 拡散符号を発生させる符号発生器と、 前記各部における動作タイミングを制御する制御部とを
    有し、 前記高速MFが、前記符号発生器から入力される拡散符
    号と前記メモリ部から受け取ったデジタル信号とを乗算
    し、当該乗算結果を一斉に加算する積和演算処理を高速
    にて処理して相関出力を出力する高速MFである、スペ
    クトラム拡散通信用相関回路を備えることを特徴とする
    受信装置。
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