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JP2000139819A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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Publication number
JP2000139819A
JP2000139819A JP11237552A JP23755299A JP2000139819A JP 2000139819 A JP2000139819 A JP 2000139819A JP 11237552 A JP11237552 A JP 11237552A JP 23755299 A JP23755299 A JP 23755299A JP 2000139819 A JP2000139819 A JP 2000139819A
Authority
JP
Japan
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eyepiece
endoscope
frame
lens
unit
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Application number
JP11237552A
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English (en)
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JP4477165B2 (ja
JP2000139819A5 (ja
Inventor
Masaichi Higuma
政一 樋熊
Yasuyuki Futaki
泰行 二木
Yousuke Yoshimoto
羊介 吉本
Hidetoshi Saito
秀俊 齋藤
Ichiro Nakamura
一郎 中村
Yutaka Tatsuno
裕 龍野
Takao Yamaguchi
貴夫 山口
Susumu Aono
進 青野
Takeaki Nakamura
剛明 中村
Kazutaka Nakatsuchi
一孝 中土
Takahiro Kishi
孝浩 岸
Yasuto Kura
康人 倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP23755299A priority Critical patent/JP4477165B2/ja
Priority to DE19941320A priority patent/DE19941320B4/de
Publication of JP2000139819A publication Critical patent/JP2000139819A/ja
Priority to US10/097,463 priority patent/US6716161B2/en
Publication of JP2000139819A5 publication Critical patent/JP2000139819A5/ja
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  • Endoscopes (AREA)
  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像伝達手段としてイメージガイドファイバを
使用した内視鏡であっても観察者による視度調整が可能
で、かつ組立性及び修理性が良好な、オートクレーブ滅
菌の高圧高温水蒸気によって観察性能が劣化することを
防止した、視度調整機構付きの接眼部を有する内視鏡を
提供すること。 【解決手段】オートクレーブ滅菌に対応するため、内視
鏡600は、イメージガイドファイバ615の基端面に
対峙し、イメージガイドファイバ615によって伝達さ
れた被写体像をとらえる接眼部603に接眼レンズユニ
ット633を設けている。この接眼レンズユニット63
3は、接眼レンズ群632の焦点位置を変更させるため
の伸縮自在なベローズ640を備えており、このベロー
ズ640を備えた接眼レンズユニット633は内視鏡に
おける外装の水密レベルより密封度の高い密封構造であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体像の画像を
伝達するためにイメージガイドファイバを用いた、使用
後の滅菌をオートクレーブ装置で行う内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、細長の挿入部を体腔内に挿入
することにより、体腔内臓器などを観察したり、必要に
応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各
種治療処置の行える医療用の内視鏡が広く利用されてい
る。また、工業分野においても、ボイラ,タービン,エ
ンジン,化学プラントなどの内部の傷や腐蝕などを観察
したり検査することのできる工業用内視鏡が広く利用さ
れている。
【0003】特に、医療分野で使用される内視鏡は、挿
入部を体腔内に挿入して、臓器などを観察したり、内視
鏡の処置具チャンネル内に挿入した処置具を用いて、各
種治療や処置を行う。このため、一度使用した内視鏡や
処置具を他の患者に再使用する場合、内視鏡や処置具を
介しての患者間感染を防止する必要から、検査・処置終
了後に内視鏡装置の洗滌消毒を行わなければならなかっ
た。
【0004】これら内視鏡及びその附属品の消毒滅菌処
理としてはエチレンオキサイドガス(EOG)等のガス
や、消毒液を使用していた。しかし、周知のように滅菌
ガス類は、猛毒であり、滅菌作業の安全確保のために作
業行程が煩雑になるという問題があった。また、滅菌後
に、機器に付着したガスを取り除くためのエアレーショ
ンに時間がかかる。このため、滅菌後、直ちに機器を使
用することができないという問題があった。さらに、ガ
スが環境に与える悪影響も問題視されている。そして、
ランニングコストが高価になるという問題があった。一
方、消毒液の場合には、消毒薬液の管理が煩雑であり、
消毒液を廃棄処理するために多大な費用がかかるという
問題がある。
【0005】そこで、最近では、煩雑な作業を伴わず、
滅菌後すぐに使用でき、しかもランニングコストの安い
オートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)が内視鏡機器では
主流になりつつある。オートクレーブ滅菌の代表的な条
件としては、米国規格協会承認、医療機器開発協会発行
の米国規格ANSI/AAMI ST37−1992が
あり、この条件はプレバキュームタイプでは滅菌工程1
32℃、4分、またグラビティタイプでは滅菌工程13
2℃、10分となっている。条件は各国によって異なる
が、一般的には、オートクレーブ滅菌の温度としては、
115℃〜140℃の間で設定され、また、滅菌工程時
の圧力としては、大気圧に対してプラス0.2MPa程
度に設定されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た条件における高圧高温水蒸気は、ゴム、エラストマ
ー、樹脂(プラスチックス)等の高分子材料を主成分と
する素材、接着剤を透過する性質を有している。特に、
ゴム、エラストマー等の柔軟な材質は、一般的に水蒸を
透過しやすく、その中でもシリコーンゴム系の素材につ
いては水蒸気透過性が非常に高い。
【0007】このため、シリコーンゴム製のOリングや
シリコーン系接着剤等で水密構造を構成した従来の内視
鏡をオートクレーブ滅菌にかけた場合、高圧高温水蒸気
が内視鏡内部に侵入し、内視鏡内部に水滴が残るおそれ
があった。
【0008】また、前記シリコーンゴムに限らず、フッ
素ゴム製のOリングや、エポキシ系接着剤であっても、
さらにはその他各種高分子材料であっても、シリコーン
ゴムに比べてレベルは低いものの水蒸気を透過してしま
う。つまり、オートクレーブ滅菌の際、内視鏡内部に水
蒸気が侵入することを阻止するためには、従来の薬液に
浸漬しても薬液を侵入させない水密性や、通常の大気圧
における気密性等に比べてはるかに高い気密性が要求さ
れる。
【0009】現在米国規格等で規定される条件下で、高
圧高温蒸気を透過させない一般的な素材としては、金属
やセラミックス、ガラス、結晶性材料の中から選択され
る材質に限られる。そして、素材同士を接合する接合手
段としても、接合部の主成分が金属、セラミックス、ガ
ラス、結晶性材料となる接合方法、例えば半田付け等に
限られる。
【0010】なお、オートクレーブ滅菌がプレバキュー
ムタイプの場合、滅菌工程前に、水蒸気を機器の細部ま
で浸透させるため減圧工程としてプレバキューム工程が
ある。このプレバキュームタイプのオートクレーブ滅菌
に挿入部に湾曲部を有する湾曲付き内視鏡をかける場
合、湾曲部の外皮チューブの破裂を防止するために、内
視鏡の内外を連通状態にしてオートクレーブ滅菌するの
が一般的である。このため、前記連通部を通してオート
クレーブ滅菌の際の高圧高温蒸気が積極的に内視鏡内部
に侵入していくことになる。
【0011】また、一般のレンズ硝材である加工性の良
い多成分ガラスの多くは、オートクレーブ滅菌の高圧高
温蒸気によって劣化する。このため、上述したように内
視鏡内部に蒸気が侵入することによって、硝材自体が劣
化して、視野不良を引き起こす要因になるおそれがあ
る。
【0012】例えば、実開昭63−180821号公報
に示されている内視鏡の接眼装置では、接眼視度調整環
をOリングによって水密的に装着し、この視度調整環を
操作することによって接眼レンズを光軸方向に移動させ
て視度調整を可能にしている。この内視鏡をオートクレ
ーブ装置で滅菌した場合、Oリングを介して接眼部内部
に水蒸気が浸入する。すると、その水蒸気がカバーガラ
ス内面や接眼レンズ裏面やイメージガイドファイバ端面
まで到達する。このため、滅菌処理後に内視鏡を取り出
して観察したとき、曇りが生じたり、白く霧がかかった
ように見える不具合を生じるおそれがあった。そして、
オートクレーブ滅菌を長時間連続で行ったり、繰り返し
行うことによって、カバーガラス内面やレンズ表面やイ
メージガイドファイバ端面に水滴が付着したり、レンズ
硝材が劣化することにより、内視鏡の観察性能を著しく
損なうおそれもあった。
【0013】また、特開昭62−212614号公報に
は接眼レンズを含む観察光学系を気密的に密閉した構成
で、挿入部が硬性の硬性内視鏡が開示されている。しか
し、この内視鏡では接眼部の視度調節が不可能であるた
め、イメージガイドファイバを使用した内視鏡に適用す
る場合、観察者によっては視度が合わなくなるという不
具合が発生する。
【0014】つまり、イメージガイドファイバを使った
内視鏡の場合では、硬性鏡、軟性鏡に限らずイメージガ
イドファイバの画像出射端面に対して正確に接眼レンズ
の焦点を合わせる必要がある。すなわち、観察者それぞ
れの視度に合わせて視度調整を行うことによって最良の
被写体像を得られるようになっている。
【0015】したがって、前記特開昭62−21261
4号公報の硬性内視鏡の構成は、接眼部の視度調整を必
要としない、画像伝達手段としてリレーレンズを用いた
挿入部が硬性の硬性内視鏡に限られている。
【0016】この硬性内視鏡は、レンズやカバーガラス
等の光学部材と枠体とを接着剤によって接合した構成で
あるため、実際には余り高い圧力、温度の水蒸気を遮断
する効果は得難い。即ち、前述した現在米国規格等で規
定される条件でオートクレーブ滅菌を行った場合、接着
剤を通して観察光学系内部に水蒸気が侵入してしまう。
【0017】このため、DE19631840A1に示
される挿入部が硬性な硬性内視鏡においては、内視鏡外
装を構成するハウジングを可能な限り金属により構成
し、かつ、接合部分を半田付け等によって気密に接合し
ている。このことによって、内視鏡外装を通してオート
クレーブの高圧高温蒸気が侵入しない、気密に密閉され
た構成になる。そして、本実施形態においてはその気密
に密閉された内視鏡内部に配置したレンズを、内視鏡外
装に設けた変形可能な壁部領域を変形させて移動させる
ことによって、光学系の焦点距離調整を行えるようにし
た硬性内視鏡が開示されている。
【0018】しかしながら、例えば挿入部に湾曲部を有
する湾曲付き内視鏡の場合、湾曲部の外皮チューブには
柔軟なゴム、エラストマー等の高分子材料が用いてい
る。また、やはり湾曲付き内視鏡の場合、前記湾曲部の
湾曲操作を行う為の操作レバーの回転軸のシール部材と
して一般にOリング等のゴムシール部材を使用してい
る。さらに、挿入部に湾曲部を有さない内視鏡であって
も、挿入部が軟性な場合には挿入部の外皮チューブとし
てやはり柔軟な高分子材料を用いている。
【0019】したがって、挿入部の少なくとも一部が軟
性に構成された軟性内視鏡の場合には、内視鏡外装の少
なくとも一部を高分子材料で構成しているので、前記D
E19631840A1に示されるように内視鏡外装全
体を完全に気密に密閉することは不可能である。つま
り、オートクレーブ滅菌の際、高圧高温蒸気が徐々に内
視鏡内部に侵入してしまう構成である。
【0020】このように、前記DE19631840A
1に示された内視鏡は、挿入部を金属やセラミックスに
よって構成して内視鏡外装全体を気密に構成することが
可能な硬性内視鏡に限られてしまう。
【0021】また、前記DE19631840A1にお
いては、光学系の焦点距離調整を行うための変形可能な
壁部領域、つまり視度調整操作部も内視鏡外装の一部で
あるので、気密を保持するため、金属薄膜やレバーの設
けられた金属蛇腹等、蒸気が透過しない金属等の素材に
よって構成しなければならない。したがって、光学系の
焦点距離調整を行う際の操作性が、前記実開昭63−1
80821号公報に示されるような視度調整環等と比較
して低下する。
【0022】さらに、前記変形可能な壁部領域は、半田
付け等により内視鏡外装として気密に接合しなければな
らない。そして、その他の内視鏡外装の部品間の接合部
も、全て半田付け等、気密に接合する必要があるので組
立て性が非常に悪いばかりでなく、一度組み立てると、
内視鏡内部部品を修理するときや視度調整のため部材の
再調整等を行うときなどに外装の一部を取り外して行う
ことがほとんど不可能になってしまうという問題があっ
た。
【0023】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、画像伝達手段としてイメージガイドファイバを使
用した内視鏡であっても観察者による視度調整が可能
で、かつ組立性及び修理性が良好な、オートクレーブ滅
菌の高圧高温水蒸気によって観察性能が劣化することを
防止した、視度調整機構付きの接眼部を有する内視鏡を
提供することを目的にしている。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡は、被写
体像を結像させる対物レンズを先端部に設けた挿入部
と、この挿入部内に配設され、前記対物レンズによって
結像した被写体像を伝達する光学繊維で構成したイメー
ジガイドファイバとを具備する内視鏡であって、前記イ
メージガイドファイバの基端面に対峙し、前記イメージ
ガイドファイバによって伝達された被写体像をとらえ
る、少なくとも接眼レンズを有する接眼部を備え、前記
接眼部は、内視鏡における外装の水密レベルより密封度
の高い密封構造の接眼レンズユニットと、この接眼レン
ズユニットの接眼レンズの焦点位置を変更する焦点位置
変更手段とを有している。
【0025】また、前記挿入部の少なくとも一部に、柔
軟な高分子材料で形成した外装部材を配置した軟性部を
有し、その挿入部の内部に前記イメージガイドファイバ
を配設している。
【0026】この構成によれば、被写体像の画像を伝達
するためにイメージガイドファイバを使用した内視鏡で
あっても、焦点位置変更手段によって接眼レンズの焦点
を調整することによって、観察者の視度に合わせて最適
な観察を行える。また、オートクレーブ滅菌時、挿入部
の少なくとも一部に設けられている柔軟な高分子材料で
形成した外装部材から高圧高温蒸気が侵入した場合で
も、接眼レンズユニットが密封構造で形成されているの
で高圧高温蒸気が接眼レンズユニット内に侵入すること
が阻止される。さらに、内視鏡全体ではなく、接眼部の
一部である接眼レンズユニットだけを密閉した構成であ
るので、組み立てが容易で、かつ内視鏡の内部部品の調
整或いは修理を容易に行える。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1ないし図7は本発明の第1実
施形態に係り、図1は内視鏡の構成を説明する図、図2
は内視鏡の挿入部の先端部付近の構成を説明する図、図
3は接眼部の構成例及び接眼レンズユニットの動作を説
明する図、図4は連動枠を説明する図、図5はカバーガ
ラス枠にカバーガラスを配置した状態を示す図、図6は
接眼レンズユニットの構成を説明する図、図7は接眼レ
ンズユニットと内視鏡本体部との関係を説明する図であ
る。なお、図3(a)は接眼部の1構成例を説明する
図、図3(b)は接眼部に配置されている接眼レンズユ
ニットが先端側に移動した状態を示す図、図5(a)は
先端カバーガラス枠に先端側カバーガラスを配置した状
態を示す図、図5(b)は基端カバーガラス枠に基端側
カバーガラスを配置した状態を示す図である。
【0028】図1に示すように本実施形態の内視鏡60
0は、後述する図2の符号615で示す光学繊維束で構
成された画像伝達手段であるイメージガイドファイバを
内挿した挿入部601と、この挿入部601の基端側に
配設され観察者が把持して種々の操作を行う操作部60
2と、この操作部602の端部に設けられた接眼部60
3と、前記操作部602の側面から延出するユニバーサ
ルコード604とで主に構成されている。前記ユニバー
サルコード604の他端部には図示しない光源装置に接
続されるライトガイドコネクタ606を有するコネクタ
部605が設けられている。
【0029】前記挿入部601、前記操作部602、前
記ユニバーサルコード604、前記コネクタ部605の
それぞれ内部空間は互いに連通している。このことによ
り、内視鏡外装に対して1つの内視鏡内部空間(単に内
部空間とも記載する)を形成している。また、前記ユニ
バーサルコード604の外装には、柔軟性、軽さ、取り
回しの良さから、シリコーンゴムチューブ等、柔軟なゴ
ム材料で構成した外皮チューブを使用している。さら
に、本発明では前記イメージガイドファイバを内部に配
置している挿入部601及び操作部602を合わせて内
視鏡本体部(以下本体部と略記する)630と表現して
いる。
【0030】前記挿入部601は、先端部607と、湾
曲自在な湾曲部608と、可撓性を有する可撓管609
とで構成されている。
【0031】前記湾曲部608の外装を構成する外皮チ
ューブとしては、薄肉であっても、高強度、柔軟性を有
するフッ素ゴム等、ゴム材料、又は熱可塑性エラストマ
ーを使用している。
【0032】前記可撓管609の外装部材としては、適
度な可撓性を得るため、ポリエステルエラストマー、ポ
リアミドエラストマー等の柔軟な熱可塑性エラストマー
を使用している。
【0033】前記操作部602には、湾曲部608の動
作を制御する湾曲操作レバー610と、鉗子等の処置具
を挿入する処置具挿入口611等が設けられている。前
記湾曲操作レバー610は、シリコーンゴム又はフッ素
ゴム製の図示しないOリングによって回転自在かつ水密
的に組み付けられている。
【0034】前記コネクタ部605には内視鏡600の
内部空間と外部とを連通させる通気口金612が設けら
れている。この通気口金612に通気キャップ613を
矢印に示すように取り付けることによって内視鏡外装に
対して内外が、つまり内視鏡600の内部空間と外部と
が連通するようになっている。
【0035】オートクレーブ滅菌時には、前記通気キャ
ップ613を通気口金612に取り付けた状態にして、
内視鏡600をオートクレーブ滅菌装置のチャンバー内
に配置する。このことによって、前記内視鏡600の内
部空間と外部とが連通して湾曲部608を構成する外皮
チューブ等が破裂することが防止される。
【0036】なお、内視鏡600は、前記通気口金61
2を連通状態にしない限り内部空間と外部とは連通しな
い、つまり、薬液浸漬時等に液体が内部空間に浸入する
ことのない水密構造になっている。
【0037】また、前述したように挿入部601が軟性
の内視鏡600や湾曲部608を有する内視鏡600の
場合には、外装を構成する部材及びシール部材としてゴ
ムや熱可塑性エラストマー等の高分子材料を用いてい
る。このため、内視鏡600の内部空間内へ蒸気が侵入
することを完全に阻止することは不可能である。
【0038】図2に示すように前記内視鏡600は、挿
入部601の先端部607に硬性部材で形成した先端部
本体614を配設している。この先端部本体614には
観察光学系を構成するイメージガイドファイバ615と
照明光学系を構成するライトガイドファイバ616とが
組み付けられている。前記ライトガイドファイバ616
の先端面には照明レンズ617が接着剤によって先端部
本体614に固定されている。
【0039】前記先端部本体614の基端部には湾曲部
608を構成する先端湾曲駒618が固定されており、
この先端湾曲駒618の基端側にはさらに複数の湾曲駒
619,…,619がリベット620によって回動自在
に連接されている。
【0040】前記先端湾曲駒618及び複数の湾曲駒6
19の外周には金属製の網状管621が被覆され、さら
にその外周には外装部材としてフッ素ゴム製の外皮チュ
ーブ622が被覆されている。また、前記先端湾曲駒6
18には前記湾曲操作レバー610の操作により牽引さ
れて前記湾曲部608を湾曲させるための湾曲ワイヤ6
29の先端部がろう付け固定されている。
【0041】一方、前記イメージガイドファイバ615
は、先端部に配置されているファイバ素線の配列と、基
端部に配置されているファイバ素線の配列とが揃った状
態になるよう両端部が酸溶解ガラスによって固められて
いる。この酸溶解ガラスによって固められた端部のファ
イバ素線間は気密な構成になっている。また、このイメ
ージガイドファイバ615の中間部は、曲がり性を向上
させるため、コアとクラッドとにより構成される素線が
バラバラな状態に構成されている。
【0042】また、前記イメージガイドファイバ615
の先端部は、高圧高温蒸気耐性を有する気密隔壁部材で
ある金属製のイメージガイドファイバ枠623に溶融ガ
ラスによって気密に接合されている。そして、このイメ
ージガイドファイバ615の先端面には対物レンズ部の
対物レンズ群624を構成する基端側レンズ625が透
光性の接着剤によって貼り付け固定されている。
【0043】前記対物レンズ部の最先端に配置される対
物カバーガラス626は、気密隔壁部材であるサファイ
ア製であり、この対物カバーガラス626の外周面には
金属製の対物レンズ枠627との気密接合を可能にする
ためのメタライズ処理による表面処理が施されている。
このことにより、前記対物カバーガラス626と前記対
物レンズ枠627とが半田付けによって気密接合され
る。
【0044】前記対物カバーガラス626の外周面への
表面処理は、非金属部材の表面を金属表面にするための
処理であり、メタライズ処理といい、例えばクロム、ニ
ッケル、金を順番に真空蒸着して得られる表面処理等が
挙げられる。
【0045】また、各層は真空蒸着以外に、スパッタリ
ング、イオンプレーティング、めっき等により成膜する
ようにしてもよい。さらに、各層を構成する材質として
は前述した以外に各種材質を使用することが可能であ
る。そして、金属性の対物レンズ枠627のように、半
田付けされる金属部品に金層等を施して半田との濡れ性
を向上させておくことが好ましい。
【0046】前記対物カバーガラス626を気密に接合
した対物レンズ枠627の内部に対物レンズ群624の
先端側レンズ628を挿入配置して固定する。次いで、
この対物レンズ枠627の内部に前記対物レンズ群62
4の基端側レンズ625が貼り付けられているイメージ
ガイドファイバ615を配設したイメージガイドファイ
バ枠623を挿入していく。そして、ピントの合った位
置でイメージガイドファイバ枠623の挿入を停止して
スポット溶接により対物レンズ枠627とイメージガイ
ドファイバ枠623との仮止めを行う。その後、前記対
物レンズ枠627とイメージガイドファイバ枠623と
を例えばレーザー溶接によって気密に接合する。
【0047】このレーザー溶接は、対物レンズ枠627
の外周側より全周に渡って行うことにより部材同士を溶
融させて気密に接合することができる。これらのことに
より、前記対物カバーガラス626と、対物レンズ枠6
27と、イメージガイドファイバ枠623と、イメージ
ガイドファイバ615端部とによって囲まれた部分は、
気密隔壁部材と気密接合手段とによって気密に密閉され
た構成になるので、オートクレーブ滅菌を行った際、こ
の気密密閉部内に蒸気は侵入しない。
【0048】なお、イメージガイドファイバ615とし
ては、前述したように先端部及び基端部を酸溶解ガラス
によって固め、中間部のコアとクラッドとを有する素線
をバラバラの状態にしたフレキシブルファイババンドル
に限らず、例えば全長に渡って一本のコンジットとなっ
ている、クラッドガラス内に複数のコアガラスを配列し
たコンジットファイバでもよい。また、一般に、フレキ
シブルファイババンドルは多成分ガラスによって構成さ
れることが多く、コンジットファイバは多成分ガラス以
外に石英ガラス等によって構成されることがある。
【0049】図3(a),図3(b)に示すように接眼
部603は、前記本体部630の操作部602に固定さ
れたアイピース631と、このアイピース631内に設
けられ少なくとも1枚以上の光学部材で構成した接眼レ
ンズ群632を備えた接眼レンズユニット633と、前
記接眼レンズ群632の焦点位置変更手段の位置調整を
行う視度調整操作部となる視度調整リング634とによ
って主に構成されている。
【0050】前記接眼レンズユニット633の先端側に
は前記先端部607から延出するイメージガイドファイ
バ615の基端部、つまり画像出力端部が配置されてい
る。
【0051】前記接眼レンズユニット633は、気密隔
壁部材である金属製の先端側カバーガラス枠635と、
この先端側カバーガラス枠635に気密に接合される気
密隔壁部材であるサファイア製の先端側カバーガラス6
36と、気密隔壁部材である金属製の基端カバーガラス
枠637と、この基端カバーガラス枠637に気密に接
合される気密隔壁部材であるサファイア製の基端カバー
ガラス638と、前記基端カバーガラス枠637に気密
に接合される気密隔壁部材である金属製の接眼レンズ枠
639と、この接眼レンズ枠639及び先端側カバーガ
ラス枠635に両端部を気密に接合されて光軸方向に伸
縮自在な焦点位置変更手段となる管状弾性気密隔壁部材
である金属製のベローズ640と、前記接眼レンズ枠6
39内に配置された接眼レンズ群632とによって構成
されている。
【0052】前記接眼レンズ群632は、間隔環641
と押さえ部材642とによって接眼レンズ枠639内の
所定位置に配置固定されている。前記先端側カバーガラ
ス636及び基端カバーガラス638は、それぞれ接眼
レンズユニット633の先端側光学窓、基端側光学窓の
役割を果たしている。
【0053】前記ベローズ640としては、光軸方向に
伸縮自在で、気密を保持できる管状部材として例えば真
空配管用に用いられる金属製の真空用フレキシブルベロ
ーズ等を使用することが可能である。この真空用フレキ
シブルベローズは、複数の金属製円盤状部材を溶接して
蛇腹状に形成したもの、或いは、金属で一体的に蛇腹状
に成形したもの等がある。
【0054】前記先端側カバーガラス636のさらに先
端側には、前記イメージガイドファイバ615の基端部
が位置するようになっている。このイメージガイドファ
イバ615の基端部外周には基端イメージガイドファイ
バ枠643が例えば接着固定されており、この基端イメ
ージガイドファイバ枠643の基端部外周にはファイバ
ーカバーガラス枠644が接着固定されている。このフ
ァイバーカバーガラス枠644にはファイバーカバーガ
ラス645が接着固定されており、このファイバーカバ
ーガラス645と前記イメージガイドファイバ615の
基端面とが透光性の接着剤により空気層のないように貼
り合わせて固定されている。そして、前記ファイバーカ
バーガラス645と前記接眼レンズユニット633の先
端側カバーガラス636とも透光性の接着剤により空気
層のないように貼り合わせて固定されている。
【0055】なお、前記ファイバーカバーガラス枠64
4は、前記本体部630に接着固定されている。
【0056】前記接眼レンズユニット633の接眼レン
ズ枠639の外周には、図4に示すように円周方向に対
して斜めに形成したカム孔646を有する連動枠647
が外嵌配置されている。このカム孔646には前記接眼
レンズ枠639に取り付けられるカムピン648が係合
している。
【0057】前記アイピース631の内周面には前記接
眼レンズユニット633の回転を規制する回転規制溝6
49が形成されている。この回転規制溝649には前記
接眼レンズ枠639に取り付けられる回転止めピン65
0が係入配置される。
【0058】また、前記アイピース631の側周部には
周方向貫通孔651が形成されている。この周方向貫通
孔651には前記視度調整リング634を固定する固定
ピン652が挿通配置されるようになっており、この固
定ピン652を前記連動枠647に固定することによっ
て、視度調整リング634と連動枠647とが一体的に
固定される。
【0059】このことにより、前記視度調整リング63
4を回転操作することによって、前記固定ピン652に
よって連結固定された連動枠647が同時に回転する。
そして、この連動枠647が回転することにより、この
連動枠647のカム孔646に係合している前記カムピ
ン648が図3(b)に示すように光軸方向に移動され
て、前記接眼レンズ群632が内部に配置されている接
眼レンズ枠639が光軸方向の例えば先端方向に移動し
ていくことによりベローズ640が縮む。このとき、接
眼レンズユニット633内の気密は保持される。
【0060】なお、前記アイピース631の回転規制溝
649に回転止めピン650を係入しているので、前記
接眼レンズ枠639が回転することはない。また、前記
内視鏡600の本体部630と前記アイピース631、
及び前記アイピース631と前記接眼レンズユニット6
33、及び前記アイピース631と前記視度調整リング
634、及び前記視度調整リング634と前記固定ピン
652とのそれぞれ部品同士の間には、水密を保持する
Oリング653、654、655、656、657が配
置されている。このことにより、洗滌時或いは薬液浸漬
時等に液体が接眼部603内に侵入することを防止して
いる。
【0061】ここで、図5ないし図7を参照して前記接
眼レンズユニット633の詳細な構成及び接眼部603
の組立方法について説明する。
【0062】まず、図5(a)に示すように先端側カバ
ーガラス枠635と、先端側カバーガラス636及び図
5(b)に示すように基端カバーガラス枠637と基端
カバーガラス638をそれぞれ半田付け又はろう付けに
より気密に接合する。なお、前記先端側カバーガラス6
36及び基端カバーガラス638の外周面には上述した
メタライズ処理が施されている。
【0063】次に、図6に示すように間隔環641及び
押さえ部材642により所定位置に配置固定されている
接眼レンズ群632を備えた接眼レンズ枠639の基端
部に前記基端カバーガラス枠637をレーザー溶接によ
って気密接合する。
【0064】次いで、金属製のベローズ640の一端部
を前記先端側カバーガラス枠635にレーザー溶接によ
って気密接合する。そして、このベローズ640の他端
部を前記接眼レンズ枠639の先端部にレーザー溶接に
よって気密接合する。
【0065】このことにより、先端側カバーガラス63
6と、先端側カバーガラス枠635と、ベローズ640
と、接眼レンズ枠639と、基端カバーガラス枠637
と、基端カバーガラス638とによって囲まれた接眼レ
ンズユニット633の内部空間は、気密隔壁部材である
金属部材及びサファイアによって構成され、それぞれの
部材間の接合を半田付けやレーザ溶接等の気密接合手段
によって気密に接合したことにより気密密閉部として構
成される。
【0066】なお、気密隔壁部材である略剛体の金属部
材とサファイアとを気密接合して構成した接眼レンズユ
ニット633は非常に強固な構成である。このため、オ
ートクレーブ時の加圧、減圧によって破壊されない強度
を有している。
【0067】引き続き、図7に示すように前記接眼レン
ズユニット633を構成する接眼レンズ枠639の外周
面に連動枠647を外嵌配置し、この連動枠647のカ
ム孔646を通してカムピン648を接眼レンズ枠63
9に螺合固定する。その後、前記接眼レンズ枠639の
所定位置に回転止めピン650を螺合固定する。
【0068】次に、内視鏡600の本体部630からイ
メージガイドファイバ615の基端部を引き出し、この
イメージガイドファイバ615の基端面とファイバーカ
バーガラス枠644に固定されたファイバーカバーガラ
ス645とを透光性の接着剤によって空気層のないよう
に貼り合わせ固定する。
【0069】次いで、前記ファイバーカバーガラス64
5と気密に密閉された接眼レンズユニット633の先端
側カバーガラス636とを透光性の接着剤により空気層
のないように貼り合わせ固定する。このことにより、前
記イメージガイドファイバ615の基端面、つまり画像
出射端から気密に密閉された接眼レンズユニット633
の基端側光学窓に相当する基端カバーガラス638まで
の光路中に水蒸気が侵入する部分をなくすことができ
る。
【0070】そして、前記図3(a)で示したように、
この状態のファイバーカバーガラス枠644を本体部6
30に接着固定しその後、回転止めピン650をアイピ
ース631の回転規制溝649に係入配置し、このアイ
ピース631を後方から先端側にスライドさせて前記接
眼レンズユニット633の外周を覆うように配置する。
そして、最後にアイピース631と本体部630とをビ
ス658によって一体的に固定する。
【0071】このとき、前記アイピース631の外周に
は予め視度調整リング634が外嵌配置されている。こ
のため、アイピース631に形成されている周方向貫通
孔651を介して前記視度調整リング634と連動枠6
47とを固定ピン652によって一体的に固定すること
によって、接眼部603の組立てを完了する。
【0072】その他、接眼部603以外の内視鏡外装の
組立手順等は、従来の内視鏡と同様であり、外装部材間
は図示しないOリングや接着剤等によって水密を保持す
るように構成されている。
【0073】つまり、上述したように構成された本実施
形態の内視鏡600は、観察光学系の一部である接眼レ
ンズユニット633及び対物レンズ部のみを気密に密閉
した構成であるため、その他の組立ては従来の内視鏡と
同様に行える。このため、従来の内視鏡と同様に組立て
が容易である。また、本実施形態においては視度調整の
操作を行う視度調整操作部を、気密密閉空間を構成する
隔壁部材の一部とする構造でないため、従来と同様、O
リング655、656、657を使用して接眼部603
内の水密のみを確保する視度調整リング方式を採用でき
るので操作性に優れた構成になっている。
【0074】本実施形態の内視鏡600の作用を説明す
る。
【0075】前記内視鏡600は、使用時、観察者が接
眼部603を覗くことによって、前記対物レンズ群62
4によって結像した被写体像を観察することができるよ
うになっている。被写体像は、先端部607の対物レン
ズ部によってイメージガイドファイバ615先端面であ
る画像入射端面に結像され、挿入部601内を通ってい
るイメージガイドファイバ615によって基端面である
画像出射端面まで伝送される。
【0076】前記イメージガイドファイバ615の基端
面まで伝送された被写体像は、前記接眼レンズ群632
によって拡大されて観察者によって観察される。このと
き、接眼レンズ群632の焦点位置が前記イメージガイ
ドファイバ615の基端面に対して一致していないと、
ピントのあった画像を得られず、ボケた画像になってし
まう。
【0077】また、観察者の視度にはバラツキがある。
このため、観察者が代わるたびに接眼レンズ群632の
焦点位置を調整する必要がある。つまり、最良の被写体
像を得るため、観察者は視度調整を行わなければならな
い。
【0078】視度調整を行う際、観察者は、視度調整リ
ング634を回動操作する。この視度調整リング634
を回転させることによって、固定ピン652によって連
結された連動枠647が回転する。このことにより、上
述したように接眼レンズ群632を内部に配置した接眼
レンズ枠639が光軸方向に進退移動して焦点位置の調
整を行える。
【0079】このとき、ベローズ640が伸び縮みする
ことにより、接眼レンズユニット633内の気密が保持
された状態での接眼レンズ枠639の光軸方向への移動
が可能になっている。
【0080】なお、視度調整は、観察者が目視観察する
ときだけではなく、接眼部603に外部撮影装置の画像
入力手段を取り付けるときにも使用される。つまり、例
えば外付け式のカメラヘッドの固体撮像素子に対してイ
メージガイドファイバ出射面の被写体像を結像させる場
合に、視度調整リング634を操作して接眼レンズ群6
32の焦点位置を調整する。このことによって、図示し
ないモニタ画面上に最良の被写体像が表示される。
【0081】上述のようにして観察等に使用された内視
鏡600は、使用後、オートクレーブ滅菌にかける。プ
レバキュームタイプのオートクレーブ滅菌の場合、ま
ず、プレバキューム工程において、気密に密閉された接
眼レンズユニット633の内外に圧力差が生じる。
【0082】引き続き、滅菌工程において内視鏡600
は高圧高温蒸気に曝される。このとき、内視鏡外装を構
成する湾曲部608の外皮チューブ622等、高分子材
料からなる部材を透過して内視鏡内部に高圧高温蒸気が
徐々に侵入する。また、内視鏡600の内外を連通状態
にしている場合には内視鏡内部に積極的に高圧高温蒸気
が侵入する。そして、このとき、内視鏡600は115
℃〜140℃程度にまで熱せられる。
【0083】その後の乾燥工程では、前記プレバキュー
ム工程と同様の圧力差が接眼レンズユニット633の内
外に生じる。
【0084】前述したように、オートクレーブ滅菌時、
気密に密閉された構成である接眼レンズユニット633
内部には高圧高温蒸気が侵入することがない。また、接
眼レンズユニット633は、強固な構造であるため、前
記オートクレーブ滅菌時の圧力差及び温度変化の影響等
によって破壊されることはない。さらに、この内視鏡6
00の修理を行う際(例えば湾曲機構の調整を行う場合
や内部部品を万一取りかえる場合)には、通常の内視鏡
と同様、内視鏡外装の一部を取り外すことによって容易
に修理、内部部品の交換を行える。
【0085】本実施形態は以下の効果を有する。
【0086】・ 画像伝達手段としてイメージガイドフ
ァイバを使用した内視鏡であっても観察者によって視度
調整を行うことができ、かつオートクレーブ滅菌の高圧
高温蒸気によって発生する視野不良を確実に防止するこ
とができる。
【0087】・ 内視鏡外装の少なくとも一部を高分子
材料によって構成する必要がある湾曲付き内視鏡や、挿
入部が軟性な内視鏡で、かつ画像伝達手段としてイメー
ジガイドファイバを使用した内視鏡であっても、観察者
によって視度調整を行うことができ、かつオートクレー
ブ滅菌の高圧高温蒸気によって発生する視野不良を確実
に防止することができる。
【0088】・ 内視鏡外装全体を気密に密閉して構成
すること無く、接眼部を構成する接眼レンズユニット
等、観察光学系の一部だけを気密密閉したことによっ
て、その他の構成を従来の内視鏡と同様に構成すること
ができる。このため、従来の内視鏡と同様、組立てが容
易であるばかりでなく、内視鏡の内部部品が故障した際
に、従来の内視鏡と同様、内視鏡外装の一部だけを取り
外して、容易に内部部品の交換を行うことができるので
修理性が良好である。
【0089】・視度調整の操作を行う視度調整操作部
が、気密密閉構造を構成する気密隔壁部材の一部でない
ため、操作性の良い視度調整操作部を実現することがで
きる。本実施形態では従来と同様の視度調整リング方式
による視度調整操作部を採用して操作性を良好にしてい
る。
【0090】・電気制御することなく、非常に簡単な構
成で、接眼レンズユニットの気密を保持し、かつ視度調
整を行うことができる。つまり、本実施形態で使用する
内視鏡は、基本的に電気信号を必要としないファイバー
式の内視鏡であるため、視度調整のため電気制御を行わ
ない構成とすることにより、内視鏡を使用する上で電源
を必要としない構成になる。
【0091】・接眼光学系を固定焦点のズーム光学系と
すれば、変倍機構付きの気密接眼レンズユニットを構成
することが可能となる。
【0092】なお、本実施形態における接眼レンズユニ
ットは、上述したように気密に密閉することが好まし
い。また、接眼レンズユニットを気密密閉構造にするた
めの気密隔壁部材及び気密接合手段としては本実施形態
で述べたものに限定されるものではなく、以下に示すよ
うな気密隔壁部材及び気密接合手段であっても良い。
【0093】つまり、本実施形態では、接眼レンズユニ
ットの気密密閉部を構成する気密隔壁部材の素材とし
て、金属、サファイアを使用している。これら素材は、
耐熱性が高く、オートクレーブ滅菌の減圧、加圧によっ
て破壊されない耐圧性を有し、かつ素材自体の真空特性
が高く(JIS Z2331などに示されるヘリウム漏
れ検出器によって、試験体内空間容積0.1〜0.4c
3 の場合の等価基準リーク量が、1×10-9Pa・m3
/s以下)、気密接合が可能な素材である。気密接合
可能な素材とは、後述するような気密接合手段による接
合時の加温に耐える耐熱性を有した素材である。これに
対し、一般の樹脂、ゴム等の高分子材料は上記気密隔壁
部材としての条件をクリアできない。
【0094】即ち、気密隔壁部材の素材としては金属、
セラミックス、ガラス、結晶性材料を主成分とする素材
に限られ、その中からより好ましい素材を選択すること
になる。そして、金属としては各種素材を使用すること
が可能であり、例えばステンレスやコバール等の金属を
使用できる。
【0095】また、本実施形態ではセラミックスとガラ
スとを別素材のように区別して表現しているが、セラミ
ックスは一般的に成形・焼成等の工程を経て得られる非
金属無機材料の総称である。このため、広義においては
ガラスもセラミックスに含まれる。このようなセラミッ
クスには前記気密隔壁部材の条件をクリアするものが数
多くあり、絶縁の問題や、光学的な問題等から気密隔壁
部材として金属を用いることができない場合に使用され
る素材である。ただし、セラミックスの中でも真空特性
の低い素材、気密接合時の加熱により割れを生じる素
材、蒸気によって極端に劣化する素材もある。このた
め、素材選択時には注意が必要であり、例えば絶縁部材
としては窒化アルミ、サイアロン、アルミナ、プラック
アルミナ、窒化珪素等の絶縁性を有し、かつ真空特性が
高いファインセラミックスを使用することが好ましい。
【0096】又、一般に光学部材として使用される多成
分ガラスは蒸気によって劣化するものが多いので、気密
隔壁部材として使用する光学部材、つまり光学窓として
は透光性の結晶性材料、若しくは高い高圧高温蒸気耐性
を有する多成分ガラスを使用する必要がある。ちなみ
に、前記サファイアはAl23 の単結晶であり、透光
性の結晶性材料に分類され、前記気密隔壁部材の条件を
クリアする代表的な光学材料である。尚、透光性の結晶
性材料としては、他にルビー、水晶(石英)等が挙げら
れる。
【0097】また、気密接合手段としてレーザー溶接
と、半田付け又はろう付けといったろう接を採用した
が、その他各種、金属溶接による接合が採用可能であ
る。
【0098】前記溶接としては、レーザー溶接、電子ビ
ーム溶接等に代表される融接、抵抗溶接に代表される圧
接、ろう付け、半田付け等のろう接等が挙げられる。例
えば、気密隔壁部材である2つの金属部品をレーザー溶
接で接合すると、2つの金属部品が溶融して一体化する
ことにより、接合部は気密隔壁部材自体となって確実に
気密を確保することができる。
【0099】前記ろう接を行うと、気密隔壁部材間の接
合部は金属により充填されて気密を確保することができ
る。このろう材としては、金ろう、銀ろう、ニッケルろ
う、銅ろう等各種ろう剤が使用可能であるが、金ろう、
ニッケルろう等の耐食性が高く錆びにくいろう材がより
好ましい。半田材としては、一般のPb−Sn半田の他
に、Ag入り半田、Cu入り半田、Au−Sn半田等が
使用可能であるが、Au−Sn半田等の耐食性の高く錆
びにくい半田材がより好ましい。
【0100】前記金属溶接以外には、溶融ガラスによる
接合も気密に接合可能な接合手段であり、採用可能であ
る。気密に充填、接合するための溶融ガラスとしては、
低融点粉末ガラス等があり、これを加熱して溶融するこ
とにより、気密隔壁部材間の接合部をガラスにより充填
した気密を確保することができる。この低融点粉末ガラ
スとしては、ガラス状になるものと結晶化するものとが
ある。また、ガラス以外のセラミックスに関しては、焼
成することによって気密接合可能な接合剤が存在する。
【0101】つまり、接合部の主成分が金属、セラミッ
クス、ガラス、又は結晶化する物質となる接合手段であ
れば、気密接合手段として採用可能である。
【0102】尚、これら気密接合手段による接合時、例
えば代表的な金属溶接である半田付けの場合で200℃
〜400℃程度、ろう付けの場合では700℃〜100
0℃程度、さらにレーザー溶接の場合では金属の溶融温
度(ステンレスなら1400℃程度)まで温度が上昇す
る。また、気密接合用の溶融ガラスとしては一般に低融
点ガラスが使われるが、その融点は300℃〜600℃
程度である。
【0103】尚、本発明において述べた気密とは、基本
的にJIS Z2331などに示されるヘリウム漏れ検
出器によって、等価基準リーク量(試験体内空間容積
0.1〜0.4cm3 )が、目安としては1×10-9
Pa・m3 /S 以下である場合をいう。
【0104】前記値1×10-9 Pa・m3 /S を超え
る場合にはオートクレーブ滅菌を行った際、高圧高温蒸
気が侵入し、繰り返しオートクレーブ滅菌行うことで蒸
気が蓄積されてレンズ面に結露やくもりが発生したり、
レンズやレンズ面に施したコーティング、接着剤が劣化
して観察画像不良などの不具合の発生要因になる可能性
がある。
【0105】接合方法の違いによる前記等価基準リーク
量の差と、蒸気侵入の有無の関係を表1に示す。
【0106】溶接による気密構造、換言すれば上述した
実施形態で示した前記気密密閉部の気密構造と、一般的
なOリングや接着剤を用いて構成した水密構造とでは透
過基準リーク量が異なることが分かる。
【0107】
【表1】 オートクレーブ滅菌後の水蒸気侵入の有無のデータによ
り、ろう接、融接といった溶接に対し、高分子材料を使
用した接着又はシールでは、接着部、シール部材を通し
て蒸気が侵入することが分かる。このことは、繰り返し
オートクレーブ滅菌を行うことにより、より顕著な差と
して表れる。
【0108】上述したように本発明では接眼レンズユニ
ットを気密に密閉する構造としているが、前記接眼レン
ズユニットを完全に気密な構造にしなくても、例えば内
視鏡の外装の有する水密レベルよりも高い密封レベルで
密閉されていれば、本発明の効果を得られる。
【0109】特に、このような構成の場合には、前記接
眼レンズユニット内の例えば先端側カバーガラス枠63
5には図7の符号659に示す吸水性部材を配置してお
く。このことにより、僅かに侵入した蒸気が前記吸水性
部材659によって吸収されて、オートクレーブ滅菌を
繰り返し行った場合でもレンズ面に水滴が付着する等の
問題の発生を防止することができる。そして、この吸水
性部材を着脱交換可能とするとさらに効果的である。
【0110】なお、この構成の場合でも前記接眼レンズ
ユニット633の接合部、隔壁部材は、極力水蒸気が侵
入しない構成にする必要があり、例えば接合部を接着剤
により接合して密閉する場合にはシリコン系接着剤を使
用する代わりにエポキシ系接着剤やセラミック系接着剤
等の蒸気透過性の低い接着剤を使用する。
【0111】また、接眼レンズユニットの隔壁部材とし
て高分子材料を使用する場合にはポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニルサ
ルホン等、高分子材料の中では緻密な構造であるスーパ
ーエンジニアリングプラスチックを使用する。
【0112】さらに、接眼レンズユニットの外表面にガ
スバリア性のコーティングを施すことによって気密に近
い状態にするようにしてもよい。最終的に、接眼レンズ
ユニットは、少なくとも内視鏡外装の水密レベルよりも
高い密封レベルで密閉する。上述した実施形態におてい
は、オートクレーブ滅菌を行う医療用内視鏡に関して記
載したが、その他にも蒸気滅菌を行う内視鏡、液中に長
時間浸漬させたり、蒸気が内視鏡内部に侵入する可能性
がある内視鏡、高湿環境下で使用される例えば工業用内
視鏡等に本発明の構成を用いると効果的である。
【0113】また、本実施形態では前記図1に示したよ
うに挿入部601が軟性で、湾曲部608を有する内視
鏡600に関して記載したが、挿入部601の可撓管6
09に相当する部分が硬性の内視鏡についても本発明の
構成は効果的である。さらに、挿入部601が軟性で湾
曲部608を持たない内視鏡についても同様に効果的で
ある。つまり、本実施形態における構成は、挿入部60
1の少なくとも一部が柔軟な内視鏡全てにおいて効果的
である。
【0114】又、本発明は、画像伝達手段としてイメー
ジガイドファイバを使用した挿入部全長にわたって硬性
な硬性内視鏡にも展開可能であり、この構成を採用する
ことにより、前記DE19631840A1に開示され
た内視鏡よりも組立性、修理性が良好で、かつ視度調整
を行うことが可能な硬性内視鏡を提供することができ
る。この視度調整の操作性についても大幅に向上された
ものとなる。
【0115】なお、前記通気キャップ613の代わり
に、内視鏡600の内部空間が外部の圧力より所定圧力
以上高くなると連通する逆止弁機能を有する逆止弁アダ
プタ663を通気口金612に取付け可能に構成して、
湾曲部608の外皮チューブの破裂を防止するようにし
てもよい。この場合、連通部を通じて積極的に水蒸気が
侵入することがなく、内視鏡内部部品の劣化が長期間に
渡り防止される。
【0116】図8は前記内視鏡における接眼部の変形例
である。図に示すように本実施形態の接眼レンズユニッ
ト633Aでは接眼レンズ群632として1枚のレンズ
660だけを使用している。そして、この接眼レンズ6
60を接眼レンズ枠639に直接、半田付け等により気
密に接合している。つまり、前記カバーガラス636
と、前方カバーガラス枠635と、前記ベローズ640
と、前記接眼レンズ枠639と、接眼レンズ660とに
よって気密に密閉された接眼レンズユニット633Aを
構成している。
【0117】本実施形態に示すように接眼レンズ群を1
枚の接眼レンズ660で構成したり、この接眼レンズ6
60が気密空間の内部に配置されずに接眼レンズユニッ
ト633Aにおける光学窓としての機能を果たしている
場合等でも本発明の効果を得ることができる。なお、こ
の場合においては前記接眼レンズ660をオートクレー
ブ滅菌における高温高圧水蒸気に対する耐性を有する硝
材で形成する必要がある。
【0118】図9及び図10は本発明の第2実施形態に
係り、図9は内視鏡本体部の接眼部の構成を説明する断
面図、図10は液晶レンズの概念図である。
【0119】図9に示すように内視鏡の本体部1には接
眼部100を構成するアイピース2が固定的に締結され
ている。このアイピース2内には接眼レンズ群6を有す
る接眼レンズユニット3が設けられている。
【0120】接眼レンズユニット3は、略パイプ形状で
外装部を構成する金属製のユニット外枠4と、このユニ
ット外枠4の内周面に配置される両端部に凸部5a,5
bを有する略ボビン形状で内部空間部5cを備えた金属
製のユニット本体枠5と、このユニット本体枠5の内部
空間部5c内に配置されるパイプ形状で内孔に複数の光
学レンズ及び後述する焦点位置変更手段(視度調整機
構)である液晶レンズ20を配設してなる接眼レンズ群
6を備えた金属製の接眼レンズ枠7と、この接眼レンズ
枠7及びユニット本体枠5の基端部に配置されるサファ
イアなど高耐熱ガラスで形成したカバーガラス8とで主
に構成されている。
【0121】なお、前記ユニット本体枠5の凸部5aの
略中央部には前記内部空間部5cに連通するイメージガ
イドファイバ装着部である透孔5dが形成され、前記凸
部5bの基端面側には前記カバーガラス8が配置される
凹部5eが形成されている。さらに、前記接眼レンズ枠
7の長さ寸法は、前記内部空間部5cの深さ寸法より前
記カバーガラス8の厚み寸法分だけ短く形成されてい
る。
【0122】一方、前記本体部1の内部には内視鏡先端
部に配置されている図示しない観察光学系から延出する
イメージガイドファイバ10及び電気信号を流して前記
液晶レンズ20を駆動させる信号ケーブル9a,9bと
が配置されており、前記イメージガイドファイバ10の
端部を被う金属製のファイバ口金11及び前記信号ケー
ブル9a,9bの端部と電気的に接続されている接点端
子12とが前記凸部5aに固定されている。
【0123】なお、前記信号ケーブル9a,9bには視
度調整するためのスイッチ700が設けられている。こ
のスイッチ700は、本体部1の外部から操作可能に設
けられている。さらに、スイッチ700から延出する信
号ケーブル701は図示しない外部装置又は内視鏡内部
に設けられたバッテリーに電気的に接続されている。ス
イッチ700は、本体部に水密的に取り付けられてお
り、操作部をゴム等で覆った押しボタン式であり、非常
に操作性が良い。
【0124】そして、前記ユニット外枠4の端部と前記
凸部5a及び前記ユニット外枠4の内周面と前記凸部5
bの外周面とを例えばろう付け、半田等によるろう接、
或いはレーザー溶接や超音波半田等の溶接、融接、圧接
などの金属溶接によって接合面から気体が侵入すること
を防止するように気密的に接合されている。また、前記
接眼レンズ群6を構成する各光学レンズを前記接眼レン
ズ枠7の内周面に接着剤によって接着固定している。さ
らに、前記カバーガラス8を、ガラス外周面にメタライ
ズ処理を施した後、ろう接によって前記ユニット本体枠
5の凹部5e内周面に気密に接合している。このことに
より、カバーガラス8とユニット本体枠5との接合面を
介して気体が侵入することが防止されている。
【0125】一方、前記イメージガイドファイバ10の
端部とファイバ口金11とをファイバ素線間及びファイ
バ端部の外周面とファイバ口金11の内周面に充填した
例えば溶融ガラスによって、ファイバ素線間及びファイ
バ端部の外周面とファイバ口金11の内周面との接合面
を介して気体が侵入することを防止するように気密的に
接合されている。
【0126】また、前記ファイバ口金11を前記凸部5
aの透孔5dに、金属溶接によって接合面から気体が侵
入することを防止するように気密的に接合されている。
さらに、前記接点端子12を凸部5aに形成されている
貫通孔5fに、この貫通孔5fの内周面と前記接点端子
12の外周面との隙間に非導電性の溶融ガラスを封入し
て前記凸部5aに一体、かつ気体が貫通孔5fを介して
侵入することを防止するように気密的に接合されてい
る。このことによって、前記接眼レンズユニット3の内
部空間は、気密的に密閉して構成される。
【0127】前記接眼レンズ群6を構成する液晶レンズ
20には中継ケーブル17の一端部が接続されており、
他端部は前記接点端子12に電気的に接続されている。
このことにより、気密的に密閉された接眼レンズユニッ
ト3の内部空間に配置された液晶レンズ20と図示しな
い外部装置とが前記中継ケーブル17、接点端子12、
信号ケーブル9a,9bによって電気的に接続されて、
スイッチ700の操作により外部装置又はバッテリーか
らの電気信号が液晶レンズ20に伝達される。
【0128】なお、気密的な接合は、半田付け、ろう付
け、レーザーなどによる溶接、溶融ガラスによる封着等
の中から選択的に行われる。また、前記中継ケーブル1
7は、接眼レンズ枠7及びユニット本体枠5にそれぞれ
形成されて連通する透孔を通って液晶レンズ20と接点
端子12とを接続している。
【0129】ここで、図10を参照して接眼レンズ群6
を構成する液晶レンズ20について説明する。(なお、
本実施形態の液晶レンズは特開平10−073758号
公報に開示されているような液晶レンズである。)◎図
に示す液晶レンズ20は、実質的に透明な複屈折液晶材
からなる第1液晶本体21と、この第1液晶本体21と
同様に実質的に透明な複屈折液晶材からなる第2液晶本
体22と、電気場又は磁場を前記第1液晶本体21及び
第2液晶本体22の全体に加える2対の電極23とで構
成されており、液晶本体21,22の複屈折差を利用し
て可変焦点とすることができるようになっている。この
ため、本体部1に設けてある図示しないスイッチを操作
することにより、外部装置から信号ケーブル9a,9b
を介して液晶レンズ20に電気が流れ、液晶の配列が変
化する。これにより液晶レンズ20の焦点が変わり、観
察者の視力に合わせた視度調整が可能となる。
【0130】なお、本構成では各液晶本体21,22を
構成する液晶層を2層重ねて配設し、各層の配向方向を
直交させた構成にすることで、偏光板を必要としない可
変焦点レンズを可能にしている。また、前記液晶レンズ
20を構成する液晶本体21,22及び配光膜24,2
5,26,27及び透明電極28,29,30,31及
び平行平板レンズ32,33及び凹レンズ34は、オー
トクレーブ滅菌の滅菌温度に耐え得る耐熱性の部材から
選択されており、液晶としてはネマティック液晶等を用
いている。
【0131】このように、接合面を介して気体が侵入す
ることが防止した接眼レンズユニット内に液晶レンズを
設けた接眼レンズ群を構成したことにより、液晶レンズ
に電気を流して、液晶の配列を変化させることにより焦
点距離が変化して観察者の視力に合わせた視度調整を行
うことができるとともに、オートクレーブ滅菌を行って
も水蒸気による接眼レンズの曇り等による視野不良を防
止することができる。また、電気信号は必要とするもの
の、前記第1の実施形態と同様な効果を得られる。ま
た、液晶レンズの光学系によっては、変倍機構付きの気
密接眼レンズユニットを構成することもできる。
【0132】なお、接眼レンズユニット3を構成する部
材の接合面を介して気体が侵入することが防止する気密
的に密閉させる方法としては本実施形態のものに限定さ
れるものではなく、以下の構成であってもよい。
【0133】例えば、ユニット隔壁部材の素材として金
属、セラミックス、ガラス、サファイアの中から1つ又
は複数を選択する。一方、接合手段としては金属溶接、
溶融ガラスによる接合の中から1つ又は複数を選択的に
使用する。前記素材と接合手段を適宜組み合わせて空間
部を構成することによって、空間部内は気密的に密閉さ
れる。なお、金属溶接としては、レーザー溶接等の融
接、ろう付け、半田付け等のろう接、抵抗溶接等の圧接
などが挙げられる。
【0134】ところで、プラスチック、ゴムや熱可塑性
エラストマー等のエラストマーは、水蒸気等の気体が透
過する。このため、隔壁にこれらの部材を使用すること
により、気密的に密閉することは不可能になる。
【0135】また、接着剤も水蒸気等の気体が透過す
る。このため、接合部に接着剤を使うことにより、気密
的に密閉することが不可能になる。特に、シリコーンゴ
ムは非常に蒸気透過性が高い。このため、隔壁にシリコ
ーンゴムを使用したり、シール部にシリコーン製のOリ
ングを使用したり、接合部にシリコーン系接着剤を使用
して密閉空間を構成した場合、水密に密閉された状態で
あっても、水蒸気等の気体は非常に透過しやすい空間に
なっている。
【0136】このため、やむを得ず接着剤を使用する際
にはシリコン系接着剤以外の、エポキシ系接着剤やセラ
ミックス接着剤等の接着剤を採用する。また、接着剤に
よる接合部の外表面にガスバリア性のコーティングを施
すことによって気密的に密閉するのに効果的である。こ
のコーティングが透明であれば、接眼レンズユニット全
体をコーティングすることも可能である。また、コーテ
ィングが非透明であるときには、カバーガラス等の光路
部分がコーティングされないように予めマスク処理を施
してからコーティング作業を行う。
【0137】前記透明なコーティングとしてはシラザン
から転化するシリカコーティングや、パリレン樹脂コー
ティングが挙げられる。非透明なコーティングとしては
アルミ蒸着コーティングや、半田剤ディップコーティン
グなどの金属蒸着コーティングが挙げられる。その他セ
ラミックコーティング等でも効果が得られる。
【0138】また、接眼レンズユニット内部に吸水性の
部材を予め配置しておくことによって、レンズの曇りを
防止する上で効果的である。尚、この吸水性の部材を着
脱交換可能にしてもよい。
【0139】また、接眼レンズユニットの内部空間全体
にシリコンオイル等の透明な充填剤を充填してレンズの
曇りを防止するという手段もある。
【0140】図11は前記第2実施形態の応用例に係る
対物レンズ光学系の構成を示す説明図である。図に示す
ように本実施形態においては前記接眼部100に設けた
接眼レンズユニット3を構成する接眼レンズ群6の構成
を内視鏡101の先端部102に位置する対物レンズ光
学系103に応用したものである。
【0141】図に示すように内視鏡101の先端部10
2に形成されている透孔102a内にはパイプ形状で内
孔に、複数の光学レンズ及び焦点位置変更手段(視度調
整機構)である液晶レンズ104を配設してなる対物レ
ンズ群105を備えた金属製の対物レンズ枠106と、
この対物レンズ枠106の先端部及び基端部に配置され
るサファイアなど高耐熱ガラスで形成したカバーガラス
107a,107bとで主に構成された対物レンズユニ
ット108が配置されている。
【0142】前記カバーガラス107a,107bは、
ガラス外周面にメタライズ処理を施した後、ろう接によ
って前記対物レンズ枠106の先端部内周面及び基端部
内周面に接合されている。このことにより、カバーガラ
ス107a,107bと対物レンズ枠106との接合面
を介して気体が侵入することが防止されている。
【0143】また、対物レンズユニット108の後方に
は固体撮像素子109が配置されている。この固体撮像
素子109の前面に位置するカバーガラス110と、前
記対物レンズユニット108の後方側に位置するカバー
ガラス107bとは透光性を有する接着剤によって密着
固定されている。
【0144】液晶レンズ104には信号ケーブル111
の一端部が接続されており、他端部は図示しない操作ス
イッチに電気的に接続されている。このスイッチ操作に
より、気密的に密閉された対物レンズユニット108の
内部空間に配置された液晶レンズ104と図示しない外
部装置とが電気的に接続されて、外部からの電気信号が
液晶レンズ104に伝達されて、この液晶レンズ104
に電気が流れ、液晶の配列が変化する。このことにより
液晶レンズ104の焦点が変化して対物レンズユニット
108のピント調整が行われる。なお、前記液晶レンズ
104と信号ケーブル111とは接続ピン112を介し
て電気的に接続されている。この接続ピン112は対物
レンズ枠106に形成されている透孔に溶融ガラス11
3によって対物レンズ枠106と絶縁された状態で気密
的に封着固定されている。
【0145】このように、対物レンズユニットを気密的
に構成し、対物レンズ群を複数の光学レンズ及び液晶レ
ンズを配設して構成したことにより、オートクレーブ滅
菌を行っても対物レンズユニットの光学レンズに水蒸気
による曇りが発生して起こる視野不良を防止することが
できるとともに、液晶レンズの焦点距離を電気的に変化
させることによって対物レンズユニットのピント調整を
行うことができる。
【0146】また、気密的に密閉した対物レンズユニッ
トに、ピント調整機構を設けた対物レンズ群を配置する
ことにより、内視鏡の対物レンズユニットにピント調整
機構を備えた内視鏡を容易に構成することができる。
【0147】このことにより、水蒸気によるレンズ曇り
等の問題を発生させることなく、対物レンズユニットの
ピント調整や、焦点深度を変化させたり、拡大観察等を
行うことが可能でオートクレーブ滅菌対応の内視鏡が提
供される。
【0148】なお、本実施形態においてはピント調整の
みならず、液晶レンズの光学系によっては、内視鏡検査
中に焦点深度を変化させることや、拡大観察を行ったり
することも可能になる。また、本実施形態において対物
レンズユニットの後方に固体撮像素子を配置した構成を
示したが、前記固体撮像素子の代わりにイメージガイド
ファイバの先端面を配置する光学式内視鏡に本実施形態
の構成を適用するようにしてもよい。
【0149】図12ないし図13は本発明の第3実施形
態に係り、図12は内視鏡本体部の接眼部の他の構成を
説明する断面図、図13は可変焦点レンズの概念図であ
る。
【0150】図12に示すように本実施形態において
は、前記第1実施形態の接眼レンズユニット3を構成す
る接眼レンズ群6の中に配置した液晶レンズ20の代わ
りに、透明液体からなる可変焦点レンズ40と焦点位置
変更手段(視度調整機構)とを配置し、この可変焦点レ
ンズ40を変形させるアクチュエータ部41を設けて接
眼レンズユニット3Aを構成している。
【0151】このアクチュエータ部41には中継ケーブ
ル17の一端部が接続されており、この中継ケーブル1
7の他端部は接眼レンズ枠7及びユニット本体枠5にそ
れぞれ形成されて連通する透孔を通って接点端子12に
接続されている。このことにより、外部の信号ケーブル
9cからの電気信号を、気密的に密閉されて構成された
接眼レンズユニット3の可変焦点レンズ40に伝達する
ことができるようになっている。その他の構成は前記第
2実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して説
明を省略する。
【0152】図13に示すように可変焦点レンズ40
は、一対の耐熱性を有する透明弾性膜42と、この一対
の透明弾性膜42内に充填された透明動作液43とで主
に構成されている。
【0153】前記アクチュエータ部41は、圧電素子か
らなる加圧駆動部44と、この加圧駆動部44に固定さ
れ、加圧駆動部44の変位に伴って前記弾性膜42を押
し引きする軸部45とで構成されている。
【0154】このため、本体部1に設けてある図示しな
いスイッチを操作することにより、前記接眼レンズユニ
ット3の外部の信号ケーブル9cから図12(a),
(b)に示すようにアクチュエータ部41に電気信号が
伝達されて、前記軸部45が矢印に示すように移動して
可変焦点レンズ40の形状を変化させて焦点を変えるこ
とにより、観察者の視力に合わせた視度調整が可能とな
る。
【0155】このように、アクチュエータ部に電気を流
して、アクチュエータ部を前後に移動させることにより
可変焦点レンズの形状が変わって、焦点距離が変化して
観察者の視力に合わせた視度調整を行うことができる。
その他の作用及び効果は前記第2実施形態と同様であ
る。
【0156】図14は本発明の第4実施形態に係る内視
鏡本体部の接眼部の別の構成を説明する断面図である。
本実施形態においては接眼部100の、イメージガイド
ファイバ10の端部と接眼レンズユニット3Bとの間に
焦点位置変更手段(視度調整機構)として空気換算光路
長を変換する視度調整部材50を挿入配置するための視
度調整部材装着部(以下部材装着部と略記する)59が
設けられている。なお、符号56は前記部材装着部59
に視度調整部材50が配置された後、この視度調整部材
50が外れるのを防止する部材装着部59に装着される
ゴム製のフタである。
【0157】前記視度調整部材50は、例えば第1部材
51,第2部材52,…第5部材55と複数用意されて
おり、前記部材装着部59に選択的に配置可能である。
前記視度調整部材50の第1部材51と第2部材52と
は例えば屈折率の違う光学部材や、或いは第3部材53
のように厚みの違う光学部材で形成されており、その違
いからイメージガイドファイバ10の端部と接眼レンズ
ユニット3Bとの間の空気換算光路長を変換するもので
ある。また、第4部材54は、レンズ形状の焦点距離変
換用の光学部材を設けたものである。さらに、第5部材
55は、CCDを有した画像入力装置であるカメラヘッ
ド接続用の視度調整部材であり、複屈折性の光学部材で
ある例えば水晶やサファイアで構成され、CCDとイメ
ージガイドファイバ端面とのピントを合わせるととも
に、モアレ干渉縞除去用のローパスフィルターの役割を
果たすものである。
【0158】前記接眼レンズユニット3Bは、金属性の
接眼レンズ枠13と、この接眼レンズ枠13内に配設さ
れている複数の光学レンズで構成された接眼レンズ群1
4と、前記接眼レンズ枠13の両端部に配設されたサフ
ァイアなどの高耐熱ガラスからなる接眼部カバーガラス
15a,15bとで構成されている。
【0159】そして、前記接眼部カバーガラス15は、
ガラス外周面にメタライズ処理を施した後、ろう接によ
って前記接眼レンズ枠13の先端部内周面及び基端部内
周面に、接合面を介して気体が侵入することを防止する
ように接合されている。なお、前記接眼レンズ枠13と
前記接眼部カバーガラス15とは気密的に接合されてい
る。
【0160】一方、内視鏡側のイメージガイドファイバ
10の端面にもサファイアなどの高耐熱ガラスからなる
ファイバ用カバーガラス16が接眼部に気密的に接合さ
れている。このことによって、イメージガイドファイバ
10の端部に水蒸気が侵入しない構成になっている。
【0161】それぞれの気密接合部は、半田付け、ろう
付け、レーザーなどによる溶接、溶融ガラスによる封着
等から選択して行われる。また、前記接眼部カバーガラ
ス15a表面又はファイバ用カバーガラス16表面に付
着している水滴を除去するため水滴拭き取りブラシ57
が用意してある。このブラシ57の先端部にはスポンジ
58など吸水性の高い部材が設けられている。さらに、
符号17は前記イメージガイドファイバ10の端部を被
う金属製のファイバ口金である。又、本実施形態におい
ては接眼レンズユニット3Bが接眼部100に固定され
ているが、この接眼レンズユニット3Bを前記接眼部1
00に対して着脱自在に構成するようにしてもよい。こ
のことによって、前記接眼部カバーガラス15aとファ
イバ用カバーガラス16とに付着した水滴を容易に拭き
取れる構成になる。
【0162】このように、部材装着部に複数の視度調整
部材の中から選択的に所望の視度調整部材を装着するこ
とによって、イメージガイドファイバの端面と接眼レン
ズユニットとの間の空気換算光路長が変化させて、すな
わち接眼レンズの焦点を変えて観察者の視力に合わせた
視度調整を行うことができる。
【0163】また、部材装着部にカメラヘッド接続用の
第5部材を装着することにより、カメラヘッドのCCD
とイメージガイドファイバ一端面とのピントを合わせる
ことができるとともに、イメージガイドファイバから伝
送された光学像が複屈折性の光学部材によって複屈折を
起こし、ファイバの網目によるモアレの発生を抑えるこ
とができる。
【0164】さらに、第4部材のようにレンズ形状の焦
点距離変換用の光学部材を部材装着部に装着することに
よって、視度調整のみならず、接眼倍率を変化させるこ
ともできる。
【0165】又、オートクレーブ滅菌を行った際、カバ
ーガラスに水滴が付着するが、水滴拭き取りブラシによ
ってこの水滴を拭き取ることができる。このとき、接眼
レンズユニット内部及びイメージガイドファイバ端面に
は水滴が付着することはない。
【0166】なお、接眼部100の、イメージガイドフ
ァイバ10の端部と接眼レンズユニット3Bとの間に焦
点位置変更手段(視度調整機構)として空気換算光路長
を変換する視度調整部材50を挿入配置する代わりに、
図15及び図16に示すように視度調整部材60を接眼
レンズ枠13の基端面側に配置する構成であってもよ
い。
【0167】このとき、図15に示す実施形態において
はアイピース2aの前記接眼レンズ枠13に対応する位
置に設けられたネジ部18に視度調整部材60の雄ネジ
部61を螺合して取り付けられ、図16に示す実施形態
においては接眼部100の前記接眼レンズ枠13に対応
する位置に設けられたネジ部19に視度調整部材60の
雄ネジ部61を螺合して取り付けられるようになってい
る。この視度調整部材60は、観察者の視度に合わせる
ため、様々な形状又は屈折率の異なる光学部材を使用し
たものが用意されており、接眼レンズの焦点距離を変換
することが可能である。また、ローパスフィルタの役割
を果たす視度調整部材62も用意されている。そして、
オートクレーブ滅菌の際、接眼部カバーガラス15bに
付着した水滴は、視度調整部材60を取り外すことによ
って、容易に拭き取ることができる。
【0168】一方、図15に示すように接眼レンズユニ
ット3Cを構成する接眼レンズ枠13に設けた透孔13
aにイメージガイドファイバ10の端部に設けた口金1
1を前記第1実施形態のように気密的に接合したり、図
16に示すように接眼レンズユニット3Dを構成する接
眼部カバーガラス15aとファイバ用カバーガラス16
とを透光性の接着剤によって接着して水滴が付着しない
構成になっている。
【0169】図17は第5実施形態に係る内視鏡本体部
の接眼部のまた他の構成を説明する断面図である。本実
施形態において内視鏡の本体部1には接眼部100を構
成するアイピース2が固定的に締結されている。このア
イピース2内には接眼レンズユニット3Eが固定されて
いる。
【0170】前記接眼レンズユニット3Eは、略パイプ
形状のユニット外枠4と、このユニット外枠4の一端部
に気密的に接合され、開口部71aにサファイアなどの
高耐熱ガラスよりなるカバーガラス8を気密的に接合固
定した断面形状が略凸字形状で金属製の基端側ユニット
枠71と、前記ユニット外枠4の他端部に気密的に接合
され、開口部72aにイメージガイドファイバ10の端
部に設けた口金11を気密的に接合固定した断面形状が
略凸字形状で金属製の先端側ユニット枠72とで内部空
間が気密的に密閉された気密エリアになっている。な
お、それぞれの気密的な接合は、ろう付け、レーザーな
どによる溶接、溶融ガラスによる封着等から選択的に行
われている。
【0171】前記基端側ユニット枠71及び先端側ユニ
ット枠72の気密エリア側には、それぞれ円筒状の突出
部71b,72bが設けられ、それぞれの突出部71
b,72bの先端面間には所定の隙間が形成されるよう
になっている。
【0172】また、前記突出部71b,72bの外周
と、前記ユニット外枠4の内周面との空間部には焦点位
置変更手段(視度調整機構)を構成するリング状の第1
電磁石73と第2電磁石74とが固定されている。これ
ら電磁石73,74の電源は、それぞれの電磁石73,
74に一端部が接続された中継ケーブル17と、この中
継ケーブル17の他端部が接続された気密エリア側に位
置する接点端子12と、この接点端子12の反気密エリ
ア側に接続された信号ケーブル9d,9eと、スイッチ
75とを経由して図示しない外部装置から供給されるよ
うになっている。
【0173】なお、前記接点端子12は、貫通孔72c
の外周面とこの接点端子12の外周面との隙間に非導電
性の溶融ガラスを封入して、先端側ユニット枠72に一
体、かつ気体が貫通孔72cを介して侵入することを防
止するように気密的に接合されている。
【0174】前記突出部71b,72bの内周面側には
軸方向に摺動可能に形成したリング形状で複数の光学レ
ンズで構成された接眼レンズ群14を備えたレンズ枠7
6が配置されている。そして、このレンズ枠76と摺動
する前記突出部71b,72bの内周面にはOリング7
7を配置して、前記レンズ枠76に適切な摺動抵抗を負
荷している。また、このレンズ枠76の中途部外周面に
は焦点位置変更手段(視度調整機構)を構成するリング
状の磁石等からなる磁性体78が固定されている。この
磁性体78は、前記突出部71b,72bの先端面間で
形成する隙間から前記突出部71b,72bの外形を超
えて突出している。その他の構成は前記第2実施形態と
同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略す
る。
【0175】上述したように焦点位置変更手段を構成し
たことにより、本実施形態においては、前記スイッチ7
5を適宜操作することにより、第1電磁石73と磁性体
78との間又は第2電磁石74と磁性体78との間に磁
力が発生する。そのとき、磁石間に発生する前記Oリン
グ77の抵抗力を越えた磁力によって、前記レンズ枠7
6が矢印に示すように軸方向の先端側又は基端側に移動
して焦点が変化する。
【0176】そして、焦点調整が行われた段階で前記ス
イッチ75から指を離すことによって第1電磁石73と
磁性体78との間、又は、第2電磁石74と磁性体78
との間に働く磁力が消滅し、Oリング77の摺動抵抗に
より再びレンズ枠76が焦点調整された位置に固定され
る。
【0177】なお、前記電磁石73,74と磁性体78
との間に働く磁力は、互いに引き合う力であっても、反
発し合う力のどちらであってもよい。このことによっ
て、上述の実施形態と同様の作用及び効果を得ることが
できる。
【0178】図18は前記第5実施形態の変形例を説明
する断面図である。◎、前記図17に示した第5実施形
態では前記電磁石73,74と磁性体78との間に働く
磁力によって前記レンズ枠76を摺動させる際、このレ
ンズ枠76に適切な摺動抵抗を負荷させるため突出部7
1b,72bの外周にOリング77を配置していた。本
実施形態においては前記Oリング77を配置して摺動抵
抗を負荷させる代わりに図18に示すように出力調整装
置79を設けている。
【0179】前記出力調整装置79は、第1電磁石73
と第2電磁石74の出力を相対的に調整するものであ
り、一方の出力が大きくした場合に、他方の出力を小さ
くするよう調整する。すなわち、スイッチ75が操作さ
れると、第1電磁石73と磁性体78との間の磁力と第
2電磁石74と磁性体78との間の磁力とのバランスが
変化することによってレンズ枠76が移動する。そし
て、スイッチ75から指を離すと前記出力調整装置79
によって距離と磁力との関係を調整して前記レンズ枠7
6を静止状態にする。その他の構成及び作用・効果は前
記第5実施形態と同様であり、同部材には同符合を付し
て説明を省略する。
【0180】図19は前記図17及び図18に示した実
施形態の変形例を説明する断面図である。◎、本実施形
態においては前記先端側ユニット枠72の代わりに先端
構成枠81を設け、前記イメージガイドファイバ10の
基端部に設けた口金11aを本体部1に固定したファイ
バ固定枠80に配置して接眼レンズユニット3Fを構成
している。
【0181】具体的には、図に示すように本体部1の基
端部には断面形状が略凸字状のファイバ固定枠80が固
設されている。このファイバ固定枠80の中心部に形成
された透孔80aにはイメージガイドファイバ10の端
部を内挿配置した口金11aが接着剤によって固定され
ている。また、前記ファイバ固定枠80の細径部80b
の外周面に形成されている凹部にはOリング82が配置
されている。
【0182】一方、前記先端構成枠81は、略パイプ形
状で中央部にフランジ部81cを備え、先端側突出部8
1aと基端側突出部81bとを有して構成されており、
この先端構成枠81の内周面略中央部にはサファイアな
どの高耐熱ガラスよりなるカバーガラス83が気密的に
接合固定されている。
【0183】前記先端側突出部81aの内周面は、前記
ファイバ固定枠80の細径部80bの外周面に外嵌配置
されている。この細径部80bの外周面と先端側突出部
81aの内周面との間の水密は、前記Oリング82によ
って確保されている。そして、この状態で、前記先端側
突出部81aの内周面内に配置されたファイバ固定枠8
0の細径部80bの基端面と前記カバーガラス83の先
端面との間に空間部84が形成されるようになってい
る。なお、空間部84内にはオイルなどの透明な液体を
充填している。
【0184】なお、前記接点端子12は、貫通孔81d
の外周面とこの接点端子12の外周面との隙間に非導電
性の溶融ガラスを封入して、先端構成枠81に一体、か
つ気体が貫通孔81dを介して侵入することを防止する
ように気密的に接合されている。その他の構成は前記第
5実施形態及び第5実施形態の変形例と同様であり、同
部材には同符合を付して説明を省略する。
【0185】上述のように接眼レンズユニット3Fを構
成したことにより、前記カバーガラス8と前カバーガラ
ス83との間に配置されている光学系は気密的に接合さ
れた空間内に配置されているのでオートクレーブ滅菌時
に水蒸気にさらされることが防止される。また、前記カ
バーガラス83とイメージガイドファイバ10端面との
間の空間部内に液体を満たしたことにより、オートクレ
ーブ滅菌時にたとえ水蒸気が侵入した場合でも結露の発
生を防止している。
【0186】このように、先端側突出部を有する先端構
成枠を、本体部に固定されているファイバ固定枠に外嵌
配置し、先端側突出部内に配置されたファイバ固定枠の
細径部基端面とカバーガラスの先端面との間に形成され
る空間部内に透明な液体を充填して接眼レンズユニット
を構成したことにより、イメージガイドファイバの後端
部をを接眼レンズユニットに固定する際、気密的な接合
レベルが必要無くなり、通常の内視鏡装置の組立てで用
いる水密レベルの固定で良くなるため、安価なオートク
レーブ滅菌対応の内視鏡を提供することができる。その
他の作用及び効果は上述した前記第5実施形態及び第5
実施形態の変形例と同様である。
【0187】図20は前記第6実施形態に係る内視鏡本
体部の接眼部のまた別の構成を説明する断面図である。
図に示すように本実施形態においては複数の光学レンズ
で構成された接眼レンズ群14を備えたレンズ枠76
を、第1電磁石73と磁性体78との間の磁力と第2電
磁石74と磁性体78との間の磁力とのバランスを変え
て移動させる代わりに、焦点位置変更手段として突出部
72bに設けた光軸方向駆動パルス発生装置(以下パル
ス装置と略記する)85で行うように接眼レンズユニッ
ト3Gを構成している。
【0188】前記パルス装置85は、装置本体部85a
と矢印に示すように光軸方向に往復運動する振動部85
bとで構成されている。この装置本体部85aは、装置
本体部85aに設けられている固定部85cを突出部7
2bの外周面に設けた凹部72dに配置して、この突出
部72bに一体的に固定されている。
【0189】一方、前記振動部85bは、振動部85b
に設けられている係合部85dを接眼レンズ群14を備
えたレンズ枠76の外周面に設けた係入穴76aに配置
してこのレンズ枠76に一体的に固定されている。
【0190】前記パルス装置85の電源は、このパルス
装置85に一端部が接続された中継ケーブル17と、こ
の中継ケーブル17の他端部が接続された気密エリア側
に位置する接点端子12と、この接点端子12の反気密
エリア側に接続された信号ケーブル9fと図示しないス
イッチとを経由して外部装置から供給されるようになっ
ている。
【0191】このパルス装置85は、例えば、光軸方向
に振幅を有する超音波振動子の振動やモーターの回転運
動を光軸方向の往復運動に変換することにより得るもの
であり、光軸方向に対して比較的高速な振幅運動を前記
振動部85bに付与する。なお、振幅は、前記接眼レン
ズ群14の焦点移動に適したものを選択的に使用してい
る。その他の構成は前記第5実施形態と同様であり、同
部材には同符合を付して説明を省略する。
【0192】上述のように接眼レンズユニット3Gを構
成したことにより、パルス装置85の振動により、レン
ズ枠76、すなわち接眼レンズ群14が光軸方向に高速
に往復運動する。この高速な往復運動により焦点位置
が、遠点から近点までの間を高速に変位し、それらの状
態での観察像の残像により、接眼レンズ群14が静止し
ている場合よりも深い深度の観察像を得られる。
【0193】このように、接眼レンズユニットを構成す
るレンズ枠をパルス装置の振動によって光軸方向に高速
に往復運動させることにより、観察像の被写界深度を広
くしたことと同様の効果を得ることができる。このこと
によって、パルス装置の振動によって接眼レンズ群を高
速に往復運動させて、焦点調整を行う手間を省いて、ス
ムーズな診断、処置が行える。その他の作用及び効果は
上述した実施形態と同様である。
【0194】図21は第7実施形態に係る内視鏡本体部
の接眼部の又他の構成を説明する断面図である。本実施
形態においては内視鏡の本体部201に対して接眼枠2
10が着脱自在な構成である。
【0195】図に示すように本体部201の後端部には
透孔を有するイメージガイドファイバ枠(以下ファイバ
枠と略記する)202が固定され、このファイバ枠20
2の透孔にはイメージガイドファイバ203を被う金属
製の口金205がろう接等の金属溶接によって気密的に
接合固定され、このファイバ枠202の基端部にはサフ
ァイア等の高耐熱ガラスで形成されたカバーガラス20
4が気密的に接合固定されている。なお、イメージガイ
ドファイバ203の端部には金属製の口金205が溶融
ガラス等によって気密的に接合固定されている。
【0196】前記本体部201の後端部は、前記ファイ
バ枠202と同軸に円筒状に突出して内周面に雌ネジ2
06aを形成した接眼固定部206が設けられてる。こ
の接眼固定部206の内周面と前記ファイバ枠202と
の隙間部207にはコイルバネ208が配置され、この
コイルバネ208の基端面側にはワッシャ209が配置
されている。なお、符号206bは本体部201の内周
面から周状に凸設したストッパであり、前記コイルバネ
208が隙間部207から脱落することを防止してい
る。
【0197】一方、接眼枠210の先端部外周面には前
記雌ネジ206aに螺合する雄ネジ211が形成されて
おり、この雄ネジ211と前記雌ネジ206aとが螺合
した状態で接眼枠先端面がワッシャ209に当接するよ
うに構成されている。
【0198】この接眼枠210の略中央部には周状に凹
部が形成されており、この凹部に前記接眼固定部206
内周面と接眼枠210外周面との間の水密を確保すると
ともに、この接眼枠210と前記接眼固定部206との
間の回転抵抗を付与するOリング212が設けられてい
る。
【0199】前記接眼枠210には、複数の光学レンズ
で構成された接眼レンズ群216を内孔に配置したレン
ズ枠213が配設されている。そして、このレンズ枠2
13の先端部及び後端部にサファイアなどの高耐熱ガラ
スで形成したカバーガラス214を気密的に接合して接
眼レンズユニット215を構成している。
【0200】上述のように構成した内視鏡の作用を説明
する。内視鏡使用時には、前記接眼枠210の雄ネジ2
11と接眼固定部206の雌ネジ206aとを螺合し
て、接眼枠210を本体部201に取り付けた状態にす
る。このとき、前記コイルバネ208がワッシャ209
を介して接眼枠210の先端面を付勢する力によって発
生する雌ネジ206aと雄ネジ211との螺合部の接触
抵抗及びOリング212の接眼固定部206の内周面に
対する接触抵抗によって接眼枠210が接眼固定部20
6の所望の位置に一体的に固定保持される。尚、内視鏡
本体部への接眼部固定手段は、本構成以外でも良く、例
えば別途設けてもよい。
【0201】なお、接眼枠210は、前記ストッパ20
6bに接眼枠210の端面210bが当接するまで締め
込んでいく方向に移動可能であり、この接眼枠210を
光軸方向に移動させることによって、イメージガイドフ
ァイバ203の後端面と接眼レンズ群216との間の距
離を変化させて焦点調整を行えるようになっている。
【0202】つまり、本実施形態の焦点位置変更手段
は、本体部に着脱自在な接眼レンズユニットを有する接
眼部と、光軸方向の所望の位置に固定して取り付け可能
な位置固定手段とによって構成される。
【0203】使用後、洗滌時は接眼枠210と本体部2
01とを一体の状態で行えるが、オートクレーブ装置に
て滅菌処理する際には接眼枠210と本体部201とを
別体にして行う。また、前記接眼枠210と前記本体部
201とを一体にした状態でオートクレーブ装置にて滅
菌処理を行ってもよいが、この場合には、接眼枠210
と本体部201との間に形成される空間部に水蒸気が侵
入して、カバーガラス204,214のガラス表面に結
露が生じて視野を妨げるおそれがあるので、滅菌後に接
眼枠210と本体部201とを別体にして結露した面を
清掃する。
【0204】このように、接眼枠と本体部とを着脱自在
に別体に構成することによって、内視鏡全体を気密的に
接合して構成する必要がなくなり、製造コストを低減し
つつ、オートクレーブ滅菌可能な内視鏡を提供すること
ができる。その他の作用及び効果は上述した実施形態と
同様である。
【0205】図22は第7実施形態の変形例を説明する
断面図である。本実施形態においては内視鏡の本体部2
01に対して接眼枠210aが着脱自在な構成であり、
前記接眼枠210aは固定リング220によって本体部
201に固定される。
【0206】図に示すように接眼固定部206の基端側
内周面には雌ネジ206aが形成されている。また、本
体部201の後端部に固定されているイメージガイドフ
ァイバ枠202の外周部の対称な位置には外側面に突出
した2つの凸部221が設けられている。
【0207】一方、本実施形態の接眼枠210aは、先
端部が接眼固定部206の内周面に摺動可能に係入配置
されるようになっている。この2つの部品の嵌合によ
り、イメージガイドファイバ203と接眼レンズ群21
6との軸方向のずれや傾きが発生することを防止してい
る。また、前記接眼枠210aの内周面には前記凸部2
21が配置される溝部222が光軸方向に形成されてお
り、この溝部222に前記凸部221が係入することに
よって、前記接眼枠210aと本体部201が回転する
ことを防止している。
【0208】また、前記接眼枠210aの先端部側外周
面には接眼固定部206の内周面に密着する水密用のO
リング212が設けられている。接眼枠210aの中央
部外周面には前記接眼固定部206の雄ネジ206cに
螺合する雌ネジを223を備えた固定リング220が回
動自在に設けられている。
【0209】なお、接眼枠210aの先端面はワッシャ
209に当接している。符号224は前記固定リング2
20の接眼枠210aからの脱落を防止するとともに、
この接眼枠210aを所望の位置に固定配置するための
ストッパーとなる係止凸部である。その他の構成は前記
第6実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して
説明を省略する。
【0210】上述のように構成した内視鏡の作用を説明
する。内視鏡使用時には、接眼枠210aを本体部20
1に取り付ける。このとき、固定リング220の雌ネジ
223を雄ネジ206cに螺合する。すると、前記係止
凸部224が固定リング220を押圧した状態で、接眼
枠210aの先端面がワッシャ209に当接してコイル
バネ208がこの接眼枠210aを基端側に押圧する。
このことによって、前記雌ネジ223と雄ネジ206c
との螺合部に接触抵抗が与えられて接眼枠210aが接
眼固定部206に一体的に保持固定される。
【0211】この状態で、固定リング220を締め込ん
でいく方向に回転させると、接眼枠210aが本体部2
01側に移動していく。このとき、凸部221が溝部2
22に係入していることにより接眼枠210aに働く回
転トルクによって回転することなく光軸方向に移動す
る。このことによって、イメージガイドファイバ203
の後端面と、接眼レンズ群216との距離が変化して焦
点調整を行えるようになっている。
【0212】使用後オートクレーブ装置にて滅菌処理す
る際には固定リング220を回して接眼枠210aと本
体部201とを分離した状態にして滅菌を行う。
【0213】このように、接眼枠を本体部に固定リング
を介して接続する際、接眼枠が本体部に対して回転する
ことなく、光軸方向のみに移動させて取付けを行うこと
ができる。このことによって、焦点調整を行った際に、
たとえ接眼枠にCCD等のカメラが接続されている場合
でもその接続された状態のままで焦点調整を行える。ま
た、本体部と接眼枠との嵌合によるはめあいによって軸
出しを行えるため、本体部に接眼枠をねじ込んでいく構
成の第5実施形態と比較してイメージガイドファイバと
接眼レンズ群との光軸のずれや傾きの発生を防止するこ
とができる。その他の作用及び効果は前記第6実施形態
と同様である。
【0214】図23は本発明の第7実施形態の応用例に
係る対物レンズ光学系の構成を示す説明図である。図に
示すように内視鏡先端部300には内視鏡先端を形成す
る先端枠301が配置されている。この先端枠301に
はレンズ枠配置孔302とファイバ配設孔303とが貫
通して設けられている。
【0215】前記ファイバ配設孔303の先端側にはサ
ファイア等の高耐熱ガラスで形成されたファイバー用カ
バーガラス304がろう付けや溶融ガラス等によって気
密的に接合固定されている。そして、このファイバー用
カバーガラス304の後端面には先端部をファイバ枠3
06内に溶融ガラス等によって気密的に接合固定したイ
メージガイドファイバ305の先端面が配置されてい
る。
【0216】前記レンズ枠配置孔302には複数の光学
レンズで構成された対物レンズ群308をレンズ枠30
9の内孔に配置した対物レンズユニット310が配置さ
れるようになっている。前記レンズ枠309の両端部に
は前記ファイバー用カバーガラス304と同様なカバー
ガラス311,312が気密的に接合固定されている。
このことによって、対物レンズユニット310は気密的
に構成される。
【0217】前記レンズ枠配置孔302の内周面には雌
ネジ313が形成されおり、この雌ネジ313に前記レ
ンズ枠309の外周面に形成した雄ネジ314が螺合し
て、前記レンズ枠309が前記レンズ枠配置孔302に
固定されるようになっている。
【0218】なお、前記レンズ枠309の外周面にはO
リング315を配置する凹部316が周状に形成され、
先端面には前記対物レンズユニット310を先端枠30
1に着脱する際に使用するかに目レンチの先端部を配置
するためのかに目穴317が形成されている。
【0219】内視鏡を使用する際には、図示しないかに
目レンチの先端部を前記かに目穴317に配置し、前記
レンズ枠309を所定の方向に回転させていく。する
と、レンズ枠309の雄ネジ314とレンズ枠配置孔3
02の雌ネジ313とが螺合する。そして、レンズ枠3
09の先端面と先端枠301の先端面とが一致するまで
螺合させることによって、対物レンズユニット310の
内視鏡先端部300への取付け固定が完了する。
【0220】このとき、前記Oリング315がレンズ枠
配置孔302の内周面に密着して水密状態を確保し、前
記カバーガラス312が前記ファイバー用カバーガラス
304の前面に対設して観察状態になる。
【0221】使用後、オートクレーブ装置にて滅菌処理
を行う。このとき、前記Oリング315を介してカバー
ガラス312とファイバー用カバーガラス304との間
に形成されている空間部に水蒸気が侵入して、ファイバ
ー用カバーガラス304又はカバーガラス312のガラ
ス表面に結露が生じることがある。この場合には前記対
物レンズユニット310を先端枠301から取り外して
結露したガラス表面を清掃する。
【0222】このように、内視鏡の先端部に対して気密
的に構成した対物レンズユニットを着脱自在にすること
によって、内視鏡の先端部全体を気密的に構成する必要
がなくなり、製造コストを低減しつつ、オートクレーブ
滅菌可能な内視鏡を提供することができる。
【0223】なお、図24に示すようにイメージガイド
ファイバ305の先端部を接合固定するファイバ枠30
6aの先端部内にファイバー用カバーガラス304の代
わりにサファイア等の高耐熱ガラスで形成した焦点レン
ズ321を気密的に接合固定し、レンズ枠512aの先
端部にカバーガラス311の代わりに前記焦点レンズ3
21と同様な焦点レンズ322を気密的に接合して、カ
バーガラス312の接合されていないレンズ枠309a
の基端部の開口を介して前記ファイバ枠306aを前記
レンズ枠309aの内周面に挿入配置する構成にするこ
とによって、前記図23で示した実施形態と同様の作用
及び効果を得ることができる。このことによって、3つ
のカバーガラスを無くしてコスト低減を図れる。
【0224】そして、対物レンズユニット310を先端
枠301に取り付ける際、この対物レンズユニット31
0の先端枠301に対するねじ込み量を調節することに
よって、対物レンズの焦点調整を行っている。そして、
焦点調整終了後、比較的固着力の小さな接着剤、例えば
シリコーン系接着剤で対物レンズユニット310の取り
外しを可能にして螺合部を接着固定している。また、フ
ァイバ枠306aはファイバ配設孔303に接着により
一体的に固定されている。
【0225】また、図25に示すように前記図23及び
図24で示した構成で照明光学系を構成するようにして
もよい。つまり、前記図23及び図24のイメージガイ
ドファイバ305の代わりにライトガイドファイバ33
1を配し、図23の対物レンズ群308の代わりに照明
レンズ332を配置することによって、内視鏡先端部3
00に対して着脱自在な照明光学ユニット330を構成
している。
【0226】このことによって、内視鏡の先端部に対し
て気密的に構成した照明光学ユニットを着脱自在にする
ことによって、内視鏡の先端部全体を気密的に構成する
必要がなくなり、製造コストを低減しつつ、オートクレ
ーブ滅菌可能な内視鏡を提供することができる。
【0227】図26は本発明の第8実施形態の他の応用
例に係る内視鏡先端部の構成を示す説明図である。図に
示すように内視鏡先端部300には先端枠340が固定
されており、この先端枠340の前面側にレンズ枠35
0が配置されるようになっている。
【0228】前記先端枠340にはイメージガイドファ
イバ305及びライトガイドファイバ331をそれぞれ
配設するための貫通孔であるファイバ配設孔341,3
42が2箇所設けられている。
【0229】これらファイバ配設孔341,342の先
端部にはサファイア等の高耐熱ガラスにより形成された
ファイバー用カバーガラス304がろう付けや溶融ガラ
ス等によって気密的に接合固定されている。
【0230】そして、それぞれのファイバー用カバーガ
ラス304の後端側面に当接するように、枠部材343
内に先端部を配設したイメージガイドファイバ305,
ライトガイドファイバ331の先端面が配置固定されて
いる。
【0231】前記先端枠340の先端部外周面には雄ネ
ジ344が形成されており、基端部側にはOリング34
5を配置する溝部346が周状に形成されている。さら
に、前記先端枠340の先端面からは、少なくとも2つ
の位置決めピン347が突出している。
【0232】一方、前記レンズ枠350には観察光学部
351及び照明光学部352を構成するための貫通孔で
あるユニット用孔353,354が前記先端枠340に
形成したファイバ配設孔341,342に対向するよう
に貫通して2箇所に設けられている。
【0233】前記ユニット用孔353,354の両端部
にはサファイア等の高耐熱ガラスにより形成されたカバ
ーガラス355がろう付け或いは溶融ガラス等によって
気密的に接合固定されている。
【0234】また、ユニット用孔353内には複数の光
学レンズで構成された対物レンズ群356が配設され、
ユニット用孔354内には照明レンズ357が配設され
ている。
【0235】さらに、前記レンズ枠350の後端面には
前記先端枠340に設けた位置決めピン347が係入す
る位置決め穴358が形成されている。
【0236】そして、前記レンズ枠350の外周にはこ
のレンズ枠350に対して回動可能な略パイプ形状の固
定リング360が外嵌配置されるようになっている。こ
の固定リング360の基端側開口端部には前記雄ネジ3
44に螺合する雌ネジ361が形成されており、先端側
開口の内周面にはOリング362を配置するための凹部
363が周状に形成されている。
【0237】内視鏡を使用する際には、まず先端枠34
0の前面にレンズ枠350を配置するこのとき、位置決
めピン347と位置決め穴358との位置を一致させ
る。次に前記レンズ枠350の外周側に固定リング36
0を配置し、この固定リング360を所定の方向に回転
させる。すると、この固定リング360の雌ネジ361
と、前記340の雄ネジ344とが螺合する。そして、
この固定リング360の先端面とレンズ枠350の先端
面とが一致するまで螺合することによって、レンズ枠3
50の先端枠340への取付け固定が完了する。
【0238】このとき、前記Oリング345が固定リン
グ360の内周面に密着して水密状態を確保するととも
に、前記Oリング362がレンズ枠350の外周面に密
着して水密状態を確保する。また、前記カバーガラス3
55が前記ファイバー用カバーガラス304の前面に対
設して照明状態及び観察状態になる。
【0239】使用後、オートクレーブ装置にて滅菌処理
を行う。このとき、前記Oリング362を介してカバー
ガラス355とファイバー用カバーガラス304との間
に形成されている空間部に水蒸気が侵入して、ファイバ
ー用カバーガラス304又はカバーガラス355のガラ
ス表面に結露が生じることがある。この場合には前記固
定リング360を先端枠340から取り外した後、レン
ズ枠350を先端枠340から取り外して結露したガラ
ス表面を清掃する。
【0240】このように、固定リングによって、先端枠
の前面に配置した観察光学部及び照明光学部を配置した
レンズ枠を内視鏡先端部に着脱自在に配設する構成にし
たことにより、対物光学部及び照明光学部まわりを一括
して着脱して、取り扱いし易い構成にすることができ
る。
【0241】なお、上述の実施形態においてはカバーガ
ラス304の後端面にイメージガイドファイバ305を
配置する構成を示したが、図27に示すように前記イメ
ージガイドファイバ305の代わりに固体撮像素子37
0を配置する構成であってもよい。
【0242】図28ないし図31は本発明の第9実施形
態に係り、図28は内視鏡装置の概略構成を示す図、図
29は接眼部の構成を説明する断面図、図30はアクチ
ュエータの構成を説明する図、図31は内視鏡と駆動装
置との関係を説明する図である。
【0243】図28に示すように内視鏡装置400は、
内視鏡401と、この内視鏡401に照明光を供給する
光源装置402と、駆動装置403とで主に構成されて
る。内視鏡401には体内に挿入される挿入部404
と、この挿入部404の基端部に連結された操作部40
5と、この操作部405の外周面がら延出するユニバー
サルコード406と、このユニバーサルコード406の
端部に連結されたコネクタ407とで構成されている。
【0244】前記内視鏡401の挿入部404は、細長
で柔軟な可撓管部408が設けられ、この可撓管部40
8の先端側には湾曲部409を介して先端構成部410
が連設している。また、前記操作部405には接眼部4
11が設けられている。
【0245】図29及び図30に示すように接眼部41
1内には接眼光学系412と、前記先端構成部410に
設けられた図示しない対物レンズで結像された像を伝達
する口金413a内に配置されたイメージガイドファイ
バ413の基端部とが配設されている。
【0246】前記接眼光学系412には固定レンズ枠4
15に配置された複数の固定レンズ414aと、前記固
定レンズ枠415に対して接眼光学系412の光軸方向
に移動可能な移動レンズ枠416に固定された視度調整
用のフォーカシングレンズ(ズームレンズでも可)41
4bとが設けられている。なお、前記固定レンズ枠41
5は接眼部本体417に一体的に固定されている。
【0247】前記接眼部本体417の固定レンズ枠41
5の下部部には前記フォーカシングレンズ414bを光
軸方向に移動操作するアクチュエータ420の収容部4
18が設けられている。
【0248】前記固定レンズ枠415には接眼光学系4
12の光軸方向に切り欠いて形成したスリット状のガイ
ド溝415aが形成されている。また、前記フォーカシ
ングレンズ414bを支持する移動レンズ枠416には
前記ガイド溝415aを通ってアクチュエータ収容部4
18側に突出する凸部416aが設けられている。
【0249】一方、アクチュエータ420は圧電アクチ
ュエータであり、前記凸部416aに連結部材421を
介して一体的に固設される細長で略凹字形状の移動体4
22と、この移動体422に固定された衝撃力発生部と
しての圧電素子(又は電歪素子)423とが設けられて
いる。
【0250】なお、前記圧電素子としては、例えばチタ
ン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、磁気等のセラミ
ックスに電極を形成し、この電極に直流電流を加えるこ
とにより機械的な伸び変形を生じるものである。また、
圧電素子は、逆電圧効果により電界強度に比例した歪が
生ずる素子である。さらに、電歪素子は駆動電圧の2乗
に比例した歪が生じる素子である。
【0251】前記移動体422には前記圧電素子423
の上下外周部を囲むように梁部422aが突設してお
り、この梁部422aの延出基端部422bは接眼部本
体417及び固定レンズ枠415の一面に接触してそれ
ぞれ摩擦係合している。
【0252】前記圧電素子423にはリード線424の
一端部が接続されている。このリード線424の他端部
は内視鏡401の操作部405及びユニバーサルコード
406内を経てコネクタ407に延出している。
【0253】上述のように構成されたアクチュエータ4
20は、前記リード線424を介して圧電素子423に
電圧が印加されることにより伸縮動作をする。この圧電
素子423の伸縮動作は、移動体422に駆動力として
伝達され、この移動体422に固定されている連結部材
421を介して接眼光学系412を構成する移動レンズ
枠416を光軸方向に移動させる。このことによって、
前記移動レンズ枠416に固定されているフォーカシン
グレンズ414bが光軸方向に移動して視度調整を行え
るようになっている。
【0254】前記図28及び図31に示すように内視鏡
401の操作部405には前記アクチュエータ420を
操作して視度調整を行う視度調整用スイッチ(以下スイ
ッチと略記する)425が設けられている。
【0255】前記スイッチ425は、術者が接眼部41
1の視度調整を行うためのものであり、このスイッチ4
25を操作することによって、前記接眼光学系412の
フォーカシングレンズ414bを光軸方向に移動させて
視度調整が行えるようになっている。
【0256】このスイッチ425からは前記駆動装置4
03からの信号線426が延出している。この信号線4
26は、操作部405及びユニバーサルコード406内
を経てコネクタ407まで延出している。
【0257】前記ユニバーサルコード406のコネクタ
407の端部には前記光源装置402に着脱自在に接続
される光源接続部427が設けられており、この光源接
続部427を前記光源装置402の接続部402aに配
置することによって、図示しないライトガイドファイバ
の入射端面に光源装置402内のランプからの照明光が
入射して内視鏡401に観察用照明光が供給される。
【0258】また、このコネクタ407の側部には電気
コネクタ受け430が設けられている。この電気コネク
タ受け430には接続コード431の一端部に設けられ
ている第1コネクタ431aが着脱自在に接続されるよ
うになっており、この他端部に設けられている第2コネ
クタ431bは前記駆動装置403に着脱自在に接続さ
れるようになっている。
【0259】前記接続コード431の内部には内視鏡4
01側に設けられているリード線424及び信号線42
6にそれぞれ接続される接続用リード線433及び接続
用信号線434が設けられている。
【0260】前記駆動装置403の内部には前記アクチ
ュエータ420の圧電素子423に駆動電力を供給する
駆動回路435が設けられている。この駆動回路435
にはリード線436及び装置側信号線437の各端部が
接続されており、これらの装置側リード線436及び装
置側信号線437の他端部が第2コネクタ431bを介
して前記接続コード431内の接続用リード線433及
び接続用信号線434にそれぞれ電気的に接続されるよ
うになっている。
【0261】すなわち、前記コネクタ407と前記駆動
装置403とを接続コード431を介して接続すること
によって、前記スイッチ425の操作信号が信号線42
6,接続用信号線434,装置側信号線437を介して
駆動回路435に入力されるようになっている。
【0262】そして、この操作信号を受けた駆動回路4
35からは、装置側リード線436,接続用リード線4
33,リード線424を介してアクチュエータ駆動電力
がアクチュエータ420の圧電素子423に供給される
ようになっている。
【0263】なお、前記光源接続部427には内視鏡4
01に内臓されている図示しない送気チューブ、送水チ
ューブに連通する連結部が設けられており、前記光源接
続部427が接続部402aに配置されることによっ
て、この連結部を介して送気チューブ、送水チューブに
空気、水が供給されるようになっている。
【0264】上述のように構成した内視鏡装置400の
作用を説明する。本実施形態の内視鏡装置400では通
常駆動装置403に接続コード431が予め接続されて
いる。このため、装置使用時に内視鏡401のコネクタ
407を光源装置402に接続固定した後、前記接続コ
ード431の第1のコネクタ431aを電気コネクタ受
け430に接続固定する。このことにより、内視鏡40
1は動作可能状態になる。
【0265】この状態で、術者は操作部405のスイッ
チ425を操作する。すると、このスイッチ425から
の操作信号が駆動回路435に伝達され、この駆動回路
435からアクチュエータ420にアクチュエータ駆動
電力が供給される。このことによって、圧電素子423
に電圧が印加されて伸縮動作をすることにより、移動体
422に駆動力が伝達され、この移動体422に固定さ
れている連結部材421が移動レンズ枠416を光軸方
向に移動させて、フォーカシングレンズ414bが光軸
方向に移動して視度調整を行うことができる。その他の
構成及び作用は上述した実施形態と同様である。
【0266】このように、アクチュエータを駆動制御し
てフォーカシングレンズを光軸方向に移動させて視度調
整を行うことができる。なお、本実施形態の構成におい
ては接眼部に、Oリング等を用いた可動部が不要である
ので、貫通孔部や接合部を上述した方法で気密的に接合
することが可能であり、気密的に接合することにより気
密的な内視鏡を容易に提供することができる。
【0267】なお、図32及び図33に示すようにイメ
ージガイドファイバ413の端部を移動枠を兼ねる口金
440内に配設し、この口金440を複数の光学レンズ
で構成された対物レンズ群441を配設したレンズ枠4
42の内周面内に配置するようにしてもよい。
【0268】このとき、前記レンズ枠442には接眼光
学系412の光軸方向に切り欠いて形成したスリット状
のガイド溝442aが形成されている。また、前記イメ
ージガイドファイバ413を配設した口金440には前
記ガイド溝442aを通ってアクチュエータ収容部41
8側に突出する凸部440aが設けられている。
【0269】このことによって、口金440がアクチュ
エータ420によってレンズ枠442内を光軸方向に移
動して、口金440内に配設されているライトガイドフ
ァイバ端面とレンズ枠442内の対物レンズ群441と
の距離が変化して前記第7実施形態と同様の効果を得る
ことができる。
【0270】図34及び図35は本発明の第10実施形
態に係り、図34は接眼部を説明する断面図、図35は
図34に示すA−A断面図である。
【0271】図34及び図35に示すように本実施形態
の接眼部505には第1の接眼光学系である挿入部内に
挿通配置されたイメージガイドファイバ503の端部が
配置されている。このイメージガイドファイバ503の
先端部は挿入部の先端部に設けた対物レンズに臨まれて
いる。
【0272】前記イメージガイドファイバ503の後端
部は、操作部502の基端部に設けた接眼部505内に
配置されている第2の接眼光学系である接眼レンズ50
5a近傍に至っている。このため、体腔内被検部の像
は、図示しない対物レンズによってイメージガイドファ
イバ503の先端面に結像し、前記接眼レンズ505a
を通して観察される。
【0273】前記イメージガイドファイバ503の後端
部は、ファイバ口金506の貫通穴貫通孔506a内に
挿入配置されて溶融ガラス等によって固定されている。
前記ファイバ口金506は、操作部502に形成されて
いる支持孔502a内に挿入されてろう付けによって接
合されている。
【0274】前記イメージガイドファイバ503の後端
面503a上には観察視野の形状を整えるマスク509
が固着されている。そして、このイメージガイドファイ
バ503の後端面503aは、前記ファイバ口金506
の防塵筒部506b及びこの防塵筒部506bの開口に
気密的に接合された透明カバーガラス516によって気
密的に被われている。
【0275】前記接眼部505を構成する本体筒510
の先端部内周面には前記操作部502の外周面に形成さ
れている雄ネジ507に螺合する雌ネジ508が形成さ
れている。また、前記本体筒510の内孔には太径部と
細径部とを有する略パイプ形状の接眼レンズ枠511が
光軸方向に移動自在に配置されている。この本体筒51
0の外周部には略パイプ形状の視度補正環512が遊嵌
配置されている。
【0276】前記接眼レンズ505aを保持している接
眼レンズ枠511の太径部の側部には回転規制ピン51
4が螺合固定されている。この回転規制ピン514の基
端部は、本体筒510に形成されている直進案内溝51
0aを通って前記視度補正環512の内周面に形成され
ているカム513内に配置されている。
【0277】前記回転規制ピン514は、前記接眼レン
ズ枠511の細径部外周に配置されている圧縮バネ51
5の付勢力によって、常時カム面513aに当接されて
いる。つまり、前記圧縮バネ515は、前記接眼レンズ
枠511を操作部502方向に摺動付勢するものであ
る。
【0278】したがって、前記視度補正環512を回動
させることによって、カム面513aの傾斜面に沿って
回転規制ピン514が移動することによって、接眼レン
ズ505aを保持している接眼レンズ枠511が光軸方
向に移動して視度調整が行われる。尚、前記接眼レンズ
505aは、半田等によって気密に接合された接眼レン
ズ枠511、カバーガラス517によって気密に密封さ
れている。
【0279】なお、本実施形態の前記接眼レンズ505
aを配置した接眼部505は、視度補正環512のよう
な可動部材を配置するので、接眼部全体を気密的な構造
を構成することが困難である。したがって、少なくとも
通常の装置で洗浄した際に、内部に洗浄液が侵入しない
ように水密構造をとる必要がある。
【0280】このため、前記接眼部505と、イメージ
ガイドファイバ503を気密的に接合した操作部502
とを、本体筒510の雌ネジ508と、操作部502に
設けた雄ネジ507とにより固定した状態でオートクレ
ーブ滅菌を行い、その後、透明カバーガラス516,5
17に水滴が付着した場合に、雌ネジ508と雄ネジ5
07との螺合状態を解除して、透明カバーガラス51
6,517に付着した水滴を払拭して鮮明な像を観察で
きるようになっている。なお、イメージガイドファイバ
503側及び接眼レンズ505a部には水蒸気が侵入し
ないのでイメージガイドファイバ503及び接眼レンズ
505aの劣化が防止される。
【0281】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0282】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。
【0283】(1)柔軟な内視鏡挿入部に画像を伝達す
るイメージガイドファイバと、このイメージガイドファ
イバによって伝達された画像を観察する接眼部とを有す
る内視鏡において、前記接眼部内の接眼レンズユニット
を密封して構成し、この接眼部内に焦点位置変更手段を
設けた内視鏡装置。
【0284】(2)前記前記接眼レンズユニットを、気
密的に密閉して構成した付記1記載の内視鏡。
【0285】(3)気密的に密閉して構成した前記接眼
レンズユニットの外装部品の素材として、金属、セラミ
ックス、ガラス、サファイアの中から1つ又は複数の素
材が選択的に使用され、前記外装部品どうしの接合手段
として金属溶接又は溶融ガラスによる接合の中から1つ
又は複数が選択的に使用される付記1記載の内視鏡。
【0286】(4)前記金属溶接は、融接、ろう接、圧
接である付記3記載の内視鏡。
【0287】(5)前記融接は、レーザー溶接である付
記4記載の内視鏡。
【0288】(6)前記ろう接は、ろう付け、半田付け
である付記4記載の内視鏡 (7)密閉して構成した前記接眼レンズユニットの外装
部品の素材として、金属、セラミックス、ガラス、サフ
ァイアの中から1つ又は複数の素材が選択的に使用さ
れ、前記外装部品どうしの接合手段として金属溶接又は
溶融ガラス又は接着剤による接合の中から1つ又は複数
が選択的に使用されている付記1記載の内視鏡。
【0289】(8)前記接着剤はエポキシ系接着剤であ
る付記7記載の内視鏡。
【0290】(9)前記接着剤はセラミックス接着剤で
ある付記7記載の内視鏡。
【0291】(10)気密的に密閉して構成した前記接
眼レンズユニット内部に、吸水性部材を配置した付記1
記載の内視鏡。
【0292】(11)前記接眼レンズユニットの外装部
の少なくとも一部に、ガスバリア性を有するコーティン
グを施した付記1記載の内視鏡。
【0293】(12)前記ガスバリア性を有するコーテ
ィングを、イメージ伝送光路を除いた部分にコーティン
グした付記11記載の内視鏡。
【0294】(13)前記ガスバリア性を有するコーテ
ィングを、外装部の接合部に施した付記11記載の内視
鏡。
【0295】(14)前記接眼レンズユニットの外装部
全体に、ガスバリア性を有する透明のコーティングを施
した付記1記載の内視鏡。
【0296】(15)前記ガスバリア性を有する透明の
コーティングは、シラザンから転化するシリカコーティ
ングである付記14記載の内視鏡。
【0297】(16)前記ガスバリア性を有する透明の
コーティングは、パリレン樹脂コーティングである付記
14記載の内視鏡。
【0298】(17)前記コーティングは、金属蒸着コ
ーティングである付記11記載の内視鏡。
【0299】(18)前記金属蒸着コーティングは、ア
ルミ蒸着コーティングである付記17記載の内視鏡。
【0300】(19)前記コーティングは、半田剤ディ
ップコーティングである付記11記載の内視鏡。
【0301】(20)前記半田剤は、Pb−Sn系半田
剤である付記19記載の内視鏡。
【0302】(21)前記接眼レンズユニットの内部空
間に、透明な充填剤を充填した付記1記載の内視鏡。
【0303】(22)前記接眼レンズユニットは、前記
イメージガイドファイバを配置した内視鏡本体部に対し
て着脱自在である付記1記載の内視鏡。
【0304】(23)前記イメージガイドファイバ端面
から接眼レンズユニット端面までの間に密閉された空間
部を有する付記22記載の内視鏡。
【0305】(24)前記密閉された空間部内に透明な
充填剤を充填した付記23記載の内視鏡。
【0306】(31)前記焦点位置変更手段は、密封し
て構成された接眼レンズユニット内に配置した可変焦点
レンズである付記1記載の内視鏡。
【0307】(32)前記可変焦点レンズは、液晶レン
ズである付記31記載の内視鏡。
【0308】(33)前記液晶レンズは、実質的に透明
な複屈折液晶体から成る液晶レンズ本体と、電磁場又は
磁場を前記液晶レンズ本体に加える電極とを備える付記
32記載の内視鏡。
【0309】(34)前記液晶レンズは、実質的に透明
な複屈折液晶体から成る液晶レンズ第1液晶本体と、実
質的に透明な複屈折液晶体から成る液晶レンズ第2液晶
本体と、電磁場又は磁場を前記液晶レンズ第1液晶本体
及び液晶レンズ第2液晶本体の全体に加える少なくとも
一対の電極とを備える付記32記載の内視鏡。
【0310】(35)前記可変焦点レンズは、透明弾性
膜と透明液体とで構成される付記31記載の内視鏡。
【0311】(36)前記透明弾性膜を対向させて配置
し、その弾性膜の内部に透明液体を封入した付記35記
載の内視鏡。
【0312】(37)前記透明弾性膜の曲率を変化させ
る駆動手段を有する付記36記載の内視鏡。
【0313】(38)前記駆動手段は、少なくとも1枚
の圧電素子からなる加圧駆動部と、前記加圧駆動部に固
定されて前記加圧駆動部の変位に伴い前記弾性膜を押し
引きする軸とで構成されるアクチュエーターである付記
37記載の内視鏡。
【0314】(41)前記焦点位置変更手段は、イメー
ジ伝送光路中に選択的に配置可能な空気換算光路長変換
手段である付記1記載の内視鏡。
【0315】(42)前記空気換算光路長変換手段は、
厚み及び/又は屈折率の違う光学部材で形成された複数
の空気換算光路長変換部材と、前記イメージ伝送光路中
に設けられる空気換算光路長変換部材装着部とで構成さ
れ、前記空気換算光路長変換部材装着部に前記複数の空
気換算光路長変換部材を選択的に装着可能である付記4
1記載の内視鏡。
【0316】(43)前記複数の空気換算光路長変換部
材のうち、少なくとも1つの空気換算光路長変換部材
が、複屈折性の光学部材を含んで構成される付記42記
載の内視鏡。
【0317】(44)前記複屈折性の光学部材を含んだ
空気換算光路長変換部材は、固体撮像素子を有する画像
入力装置を前記内視鏡の接眼部に接続した際、固体撮像
素子とイメージガイドファイバ端面のピントが合うよう
に空気換算光路長が設定されている付記43記載の内視
鏡。
【0318】(45)前記複屈折性の光学部材は水晶で
ある付記43記載の内視鏡。
【0319】(46)前記複屈折性の光学部材は、サフ
ァイアである付記43記載の内視鏡。
【0320】(47)画像を伝達するイメージガイドフ
ァイバと、前記イメージガイドファイバによって伝達さ
れた画像を観察する接眼部とを有する内視鏡において、
前記接眼部内の接眼レンズユニットを密封して構成し、
イメージ伝送光路中に厚み及び/又は屈折率の違う光学
部材からなる複数の空気換算光路長変換部材を選択的に
装着可能な内視鏡。
【0321】(48)前記複屈折性の光学部材は、モア
レ除去用ローパスフィルターの役割を果たす付記43記
載の内視鏡。
【0322】(49)前記焦点位置変更手段は、イメー
ジ伝送光路中に選択的に配置される焦点位置を変換する
光学部材である付記1記載の内視鏡。
【0323】(50)前記光学部材は、レンズである付
記49記載の内視鏡。
【0324】(51)前記光学部材は、接眼部の端面に
配置される付記49記載の内視鏡(61)前記焦点位置
変更手段は、密封して構成された接眼レンズユニットの
全体又はこの接眼レンズユニットを構成する光学部材の
一部が光軸方向に移動する付記1記載の内視鏡。
【0325】(62)前記接眼レンズユニットの全体又
はこの接眼レンズユニットを構成する光学部材の一部が
光軸方向に移動させる駆動力として電磁力を用いる付記
61記載の内視鏡。
【0326】(63)前記接眼レンズユニットは、焦点
レンズを備え、光軸方向へ移動可能なレンズ枠に固定さ
れた磁性体と、内視鏡本体に対して不動な状態に固定さ
れ、前記磁性体を挟んで光軸方向に対向して配置された
電磁石とを有する付記62記載の内視鏡。
【0327】(64)前記電磁石と前記磁性体との間に
発生する引き合う力によって光軸方向への移動を行う付
記63記載の内視鏡。
【0328】(65)前記電磁石と前記磁性体との間に
発生する反発し合う力によって光軸方向への移動を行う
付記63記載の内視鏡。
【0329】(66)光軸方向に移動する接眼レンズユ
ニットの全体又はこの接眼レンズユニットを構成する光
学部材の一部は、前記電磁石と前記磁性体との間に発生
する力よりもやや小さな摩擦抵抗を生じる位置保持手段
によって所定位置に固定保持される付記61記載の内視
鏡。
【0330】(67)前記位置保持手段は、レンズ枠と
接眼レンズユニットの本体部との間に介在するOリング
である付記66記載の内視鏡。
【0331】(68)前記位置保持手段は、前記2つの
電磁石と磁性体とが引き合う力をお互いに関連つけて調
整することによって、任意の位置にレンズ枠を固定保持
する付記66記載の内視鏡。
【0332】(71)前記焦点位置変更手段は、光軸方
向駆動パルス発生装置である付記1記載の内視鏡。
【0333】(72)前記光軸方向駆動パルス発生装置
は、モータの回転運動を光軸方向の往復運動に変換して
出力する付記71記載の内視鏡。
【0334】(73)前記光軸方向駆動パルス発生装置
は、光軸方向の超音波振動を発生する付記71記載の内
視鏡。
【0335】(74)前記焦点位置変更手段は、圧電ア
クチュエーターである付記71記載の内視鏡。
【0336】(75)前記焦点位置変更手段は、カム機
構である付記71記載の内視鏡。
【0337】(76)前記焦点位置変更手段は、ネジ機
構である付記71記載の内視鏡。
【0338】(77)イメージガイドファイバを配置し
た内視鏡本体部と、前記イメージガイドファイバによっ
て伝達された画像を観察する接眼部とを有し、前記接眼
部は、前記内視鏡本体部に対して着脱自在な内視鏡にお
いて、前記接眼部内の接眼レンズユニットを密封して構
成し、この接眼レンズユニットが光軸方向に移動可能
で、かつ位置固定手段によって位置固定可能である内視
鏡。
【0339】(78)前記位置固定手段を、前記接眼部
及び前記内視鏡本体部の接眼部取付け部に設けられた係
止部と押圧部とによって構成する付記77記載の内視
鏡。
【0340】(79)前記接眼部と前記接眼取付け部と
の間に、イメージガイドファイバと接眼レンズとの光軸
ずれや傾きを防止する機構を設けた付記77記載の内視
鏡。
【0341】(80)前記接眼部と前記接眼部取付け部
との間にシール部材を設けた付記78記載の内視鏡。
【0342】(81)前記内視鏡は、前記接眼部と接眼
取付け部との取付け位置によって視度調整可能であり、
前記シール部材が視度調整力量決定部材を兼ねる付記8
0記載の内視鏡。
【0343】(91)画像を伝送するイメージガイドフ
ァイバを備えた内視鏡本体部と、前記イメージガイドフ
ァイバ入射端面に被写体の画像を結像させる対物レンズ
と、前記イメージガイドファイバによって伝達された画
像を拡大する接眼レンズとを有した内視鏡において、少
なくとも1つの密封して構成されたレンズユニットが、
前記イメージガイドファイバを備えた内視鏡本体部に対
して着脱自在である内視鏡。
【0344】(92)前記内視鏡は、さらに照明光を伝
達するライトガイドファイバを備える付記91記載の内
視鏡。
【0345】(93)被写体像を結像する対物レンズ
と、前記結像した被写体像を撮像する固体撮像素子とを
有した内視鏡において、前記対物レンズユニットを、前
記固体撮像素子を有した内視鏡本体部に対して着脱自在
としたする内視鏡。
【0346】(94)前記レンズユニットは、光軸方向
に移動可能で、かつ位置固定手段によって位置固定可能
である付記91記載の内視鏡。
【0347】(95)前記位置固定手段は、前記レンズ
ユニット及び前記内視鏡本体部への取付け部に設けられ
た係止部と押圧部とによって構成されている付記94記
載の内視鏡。
【0348】(96)前記レンズユニットと前記取付け
部との間にイメージガイドファイバとレンズの光軸ずれ
や傾きを防止する機構を設けた付記91記載の内視鏡。
【0349】(97)前記レンズユニットと前記取付け
部との間にシール部材を設けた付記91記載の内視鏡。
【0350】(98)前記内視鏡は、前記レンズユニッ
トと取付け部の取付け位置によって焦点調整可能であ
り、前記シール部材が焦点調整力量決定部材を兼ねる付
記97記載の内視鏡。
【0351】(99)前記レンズユニットは、接眼レン
ズユニットである付記91記載の内視鏡。
【0352】(100)前記レンズユニットは、対物レ
ンズユニットである付記91記載の内視鏡。
【0353】(101)前記レンズユニットは、出射側
照明レンズユニットである付記92記載の内視鏡。
【0354】(102)前記レンズユニットは、入射側
照明レンズユニットである付記92記載の内視鏡。
【0355】(103)前記レンズユニットは、対物レ
ンズと出射側照明レンズとを含み、内視鏡本体部に対し
て一体的に着脱可能な先端レンズユニットである付記9
1記載の内視鏡。
【0356】(104)前記レンズユニットは、気密的
に密閉されている付記91記載の内視鏡。
【0357】(105)導光路としてファイバを使用し
た内視鏡において、ファイバ一端面に密封して構成され
たレンズユニットを着脱自在とした内視鏡。
【0358】(106)撮像手段として固体撮像素子を
使用した内視鏡において、固体撮像素子の撮像部端面に
密封して構成されたレンズユニットを着脱自在とした内
視鏡。
【0359】(111)画像伝達手段の前方に配置さ
れ、被写体像を前記画像伝達手段に結像させる対物レン
ズユニットを有する内視鏡において、前記対物レンズユ
ニットを密閉して構成し、この対物レンズユニットの焦
点位置を変化させる焦点位置変更手段を設けた内視鏡。
【0360】(112)前記対物レンズユニットを、気
密的に密封した付記111記載の内視鏡。
【0361】(113)前記焦点位置変更手段を前記対
物レンズユニット内に配置した付記112記載の内視
鏡。
【0362】(114)前記焦点位置変更手段は、可変
焦点レンズである付記113記載の内視鏡。
【0363】(115)前記焦点位置変更手段は、光路
中に選択的に配置可能な空気換算光路長変換手段である
付記113記載の内視鏡。
【0364】(116)前記焦点位置変更手段は、光路
中に選択的に配置される焦点位置を変換する光学部材で
ある付記113記載の内視鏡。
【0365】(117)前記焦点位置変更手段が液晶レ
ンズである付記113記載の内視鏡。
【0366】(121)内視鏡の操作部に固定されたラ
イトガイドファイバを配置した第1の接眼光学系と、こ
の第1の接眼光学系に着脱自在に取り付けられる第2の
接眼光学系とを備える内視鏡の接眼装置において、少な
くとも、前記第1の接眼光学系を気密的に構成した内視
鏡の接眼装置。
【0367】(122)前記第2の接眼光学系に視度補
正装置を設けた付記121記載の内視鏡の接眼装置。
【0368】(123)前記第1の接眼光学系と前記第
2の接眼光学系とは着脱自在である付記121記載の内
視鏡の接眼装置。
【0369】(124)前記第1の接眼光学系と前記第
2の接眼光学系とはネジによって着脱自在である付記1
23記載の内視鏡の接眼装置。
【0370】(125)前記第2の接眼光学系が水密構
造である付記122の内視鏡の接眼装置。
【0371】(126)前記密閉された接眼レンズユニ
ットは、少なくともオートクレーブ滅菌時の高温高圧水
蒸気下での水蒸気の侵入の防止が可能な構成にて密閉さ
れている付記1記載の内視鏡。
【0372】(131)被写体像を結像させる対物レン
ズを先端部に設けた挿入部と、この挿入部内に配設さ
れ、前記対物レンズによって結像した被写体像を伝達す
る光学繊維で構成したイメージガイドファイバとを具備
する内視鏡において、前記イメージガイドファイバの基
端面に対峙し、前記イメージガイドファイバによって伝
達された被写体像をとらえる、少なくとも接眼レンズを
有する接眼部を備え、前記接眼部は、内視鏡における外
装の水密レベルより密封度の高い密封構造の接眼レンズ
ユニットと、この接眼レンズユニットの接眼レンズの焦
点位置を変更する焦点位置変更手段とを有する内視鏡。
【0373】(132)前記挿入部の少なくとも一部
に、柔軟な高分子材料で形成した外装部材を配置した軟
性部を有し、その挿入部の内部に前記イメージガイドフ
ァイバを配設した付記131記載の内視鏡。
【0374】(133)前記接眼レンズユニットは、複
数の気密隔壁部材と、これら気密隔壁部材同士を気密に
接合する気密接合手段とによって構成され、この接眼レ
ンズユニット内は前記内視鏡における外装の水密レベル
より高い密封度である気密レベルで密閉されている付記
131記載の内視鏡。
【0375】(134)前記気密隔壁部材は、金属、セ
ラミックス、ガラス、結晶性材料で形成された部材であ
り、前記気密接合手段は融接、圧接、ろう接等の金属溶
接、又は溶接ガラスによる接合である付記133記載の
内視鏡。
【0376】(135)前記接眼レンズユニットは、オ
ートクレーブ滅菌時における陰圧及び加圧によって破壊
されることのない耐圧性と、オートクレーブ滅菌時にお
ける高圧高温蒸気が内部へ侵入することを防止する密封
度とを有する付記133記載の内視鏡。
【0377】(136)前記接眼レンズユニットを、少
なくともオートクレーブ滅菌時の陰圧及び加圧によって
破壊されない耐圧性を有する隔壁部材と、これら隔壁部
材同士を接合して、少なくとも内視鏡における外装の水
密レベルより高い密封度で接合して構成するとき、この
接眼レンズユニットの内部空間に吸水性部材を配置した
付記131記載の内視鏡。
【0378】(137)前記焦点位置可変手段は、前記
接眼レンズユニットを構成する光軸方向に伸縮可能な管
状弾性気密隔壁部材である付記131記載の内視鏡。
【0379】(138)前記管状弾性気密隔壁部材は、
蛇腹構造に形成した金属製薄板である付記137記載の
内視鏡。
【0380】(139)前記管状弾性気密隔壁部材は、
前記接眼レンズを保持固定する接眼レンズ枠に気密接合
手段によって接合されており、このため、焦点調整の
際、接眼レンズユニット内の気密を保持した状態で管状
弾性気密隔壁部材が伸縮して接眼レンズが光軸方向へ進
退する付記137記載の内視鏡。
【0381】(140)さらに、前記接眼レンズユニッ
トに、前記管状弾性気密隔壁部材が伸縮したときに変化
する内部空間内の気体の体積変化を吸収する体積変化吸
収部材を気密に接合して設けた付記139記載の内視
鏡。
【0382】(141)前記接眼レンズユニットに2つ
の管状弾性気密隔壁部材を設けたとき、接眼レンズを挟
んで形成される接眼レンズ先端側空間と接眼レンズ基端
側空間とを連通して空間内の気体の体積変化を吸収する
通気孔を設けた付記137記載の内視鏡。
【0383】(142)前記焦点位置変更手段は、前記
接眼レンズユニット内に配置した可変焦点レンズである
付記131記載の内視鏡。
【0384】(143)前記可変焦点レンズは、液晶レ
ンズである付記142記載の内視鏡。
【0385】(144)前記焦点位置変更手段は、前記
イメージガイドファイバの画像出射端である基端面より
基端側のイメージ伝送光路中に選択的に配置可能な空気
換算光路長変換部材である付記131記載の内視鏡。
【0386】(145)前記空気換算光路長変換部材
は、厚み又は屈折率の少なくとも一方が異なる複数の光
学部材であり、前記イメージ伝送光路中に設けた空気換
算光路長変換部材装着部に選択的に装着可能である付記
144記載の内視鏡。
【0387】(146)前記空気換算光路長変換部材装
着部は、イメージガイドファイバの基端面と、気密に密
閉された接眼レンズユニットとの間のイメージ伝送光路
中に形成される付記145記載の内視鏡。
【0388】(147)前記焦点位置変更手段は、本体
部に着脱自在で接眼レンズユニットを所定位置に配設し
た接眼部を、光軸方向の所望の位置に固定して取付け可
能にする位置固定手段である付記131記載の内視鏡。
【0389】(148)前記位置固定手段は、接眼部及
び本体部の接眼部取付け部に設けられた係止部と押圧部
とで構成した付記147記載の内視鏡。
【0390】(149)さらに、前記接眼部と前記接眼
部取付け部との間にシール部材を設けた付記147記載
の内視鏡。
【0391】(150)イメージガイドファイバの画像
出射端である基端面から内視鏡における外装に露出する
接眼レンズユニットの基端側光学窓までの光路中に、オ
ートクレーブ滅菌時における高圧高温蒸気が侵入する空
間を無くした付記131記載の内視鏡。
【0392】(151)前記接眼レンズユニットは、先
端側光学窓及び基端側光学窓に2つの光学窓を有し、前
記接眼レンズユニットの先端側光学窓を、前記イメージ
ガイドファイバの画像出射端面に密着して配置し、基端
側光学窓は内視鏡における外装に露出して配置した付記
150記載の内視鏡。
【0393】(152)さらに、前記焦点位置変更手段
は、観察者が操作する視度調整操作部を備え、この視度
調整操作部は、気密構造の接眼レンズユニットを構成す
る部材と別部材である付記127記載の内視鏡。
【0394】(153)前記視度調整操作部を内視鏡に
おける外装部材に対して水密に取り付けた付記152記
載の内視鏡。
【0395】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、画
像伝達手段としてイメージガイドファイバを使用した内
視鏡であっても観察者による視度調整が可能で、かつ組
立性及び修理性が良好な、オートクレーブ滅菌の高圧高
温水蒸気によって観察性能が劣化することを防止した、
視度調整機構付きの接眼部を有する内視鏡を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係
り、図1は内視鏡の構成を説明する図
【図2】内視鏡の挿入部の先端部付近の構成を説明する
【図3】接眼部の構成例及び接眼レンズユニットの動作
を説明する図
【図4】連動枠を説明する図
【図5】カバーガラス枠にカバーガラスを配置した状態
を示す図
【図6】接眼レンズユニットの構成を説明する図
【図7】接眼レンズユニットと内視鏡本体部との関係を
説明する図
【図8】内視鏡の接眼部の変形例を説明する図
【図9】図9及び図10は本発明の第2実施形態に係
り、図9は内視鏡本体部の接眼部の構成を説明する断面
【図10】液晶レンズの概念図
【図11】前記第2実施形態の応用例に係る対物レンズ
光学系の構成を示す説明図
【図12】図12ないし図13は本発明の第3実施形態
に係り、図12は内視鏡本体部の接眼部の他の構成を説
明する断面図
【図13】可変焦点レンズの概念図
【図14】本発明の第4実施形態に係る内視鏡本体部の
接眼部の別の構成を説明する断面図
【図15】視度調整部材を接眼レンズ枠の基端面側に配
置した接眼部の1構成例を示す図
【図16】視度調整部材を接眼レンズ枠の基端面側に配
置した接眼部の他の構成例を示す図
【図17】本発明の第5実施形態に係る内視鏡本体部の
接眼部のまた他の構成を説明する断面図
【図18】前記第5実施形態の変形例を説明する断面図
【図19】前記図17及び図18に示した実施形態の変
形例を説明する断面図
【図20】本発明の第6実施形態に係る内視鏡本体部の
接眼部のまた別の構成を説明する断面図
【図21】本発明の第7実施形態に係る内視鏡本体部の
接眼部の又他の構成を説明する断面図
【図22】前記第7実施形態の変形例を説明する断面図
【図23】本発明の第7実施形態の応用例に係る対物レ
ンズ光学系の構成を示す説明図
【図24】本発明の第7実施形態の他の応用例に係る対
物レンズ光学系の構成を示す説明図
【図25】図23で示した構成を照明光学系に用いた状
態を説明する図
【図26】本発明の第8実施形態の他の応用例に係る内
視鏡先端部の構成を示す説明図
【図27】イメージガイドファイバの代わりに固体撮像
素子を配置した状態を示す図
【図28】図28ないし図31は本発明の第9実施形態
に係り、図28は内視鏡装置の概略構成を示す図
【図29】接眼部の構成を説明する断面図
【図30】アクチュエータの構成を説明する図
【図31】内視鏡と駆動装置との関係を説明する図
【図32】接眼部の他の構成を説明する断面図
【図33】アクチュエータの他の構成を説明する図
【図34】図34及び図35は本発明の第10実施形態
に係り、図34は接眼部を説明する断面図
【図35】図34に示すA−A断面図
【符号の説明】
603…接眼部 615…イメージガイドファイバ 630…本体部 631…アイピース 632…接眼レンズ群 633…接眼レンズユニット 635…先端側カバーガラス枠 636…先端側カバーガラス 637…基端カバーガラス枠 638…基端カバーガラス 639…接眼レンズ枠 640…ベローズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 羊介 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 齋藤 秀俊 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中村 一郎 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 龍野 裕 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 山口 貴夫 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 青野 進 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中村 剛明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中土 一孝 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 岸 孝浩 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 倉 康人 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体像を結像させる対物レンズを先端
    部に設けた挿入部と、この挿入部内に配設され、前記対
    物レンズによって結像した被写体像を伝達する光学繊維
    で構成したイメージガイドファイバとを具備する内視鏡
    において、 前記イメージガイドファイバの基端面に対峙し、前記イ
    メージガイドファイバによって伝達された被写体像をと
    らえる、少なくとも接眼レンズを有する接眼部を備え、 前記接眼部は、内視鏡における外装の水密レベルより密
    封度の高い密封構造の接眼レンズユニットと、 この接眼レンズユニットの接眼レンズの焦点位置を変更
    する焦点位置変更手段とを有することを特徴とする内視
    鏡。
  2. 【請求項2】 前記挿入部の少なくとも一部に、柔軟な
    高分子材料で形成した外装部材を配置した軟性部を有
    し、その挿入部の内部に前記イメージガイドファイバを
    配設したことを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
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