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JP2000128801A - 抗菌性組成物 - Google Patents

抗菌性組成物

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Publication number
JP2000128801A
JP2000128801A JP10300174A JP30017498A JP2000128801A JP 2000128801 A JP2000128801 A JP 2000128801A JP 10300174 A JP10300174 A JP 10300174A JP 30017498 A JP30017498 A JP 30017498A JP 2000128801 A JP2000128801 A JP 2000128801A
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antibacterial composition
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JP10300174A
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Kenji Osawa
謙二 大澤
Keiji Imai
啓二 今井
Hideyuki Yasuda
英之 安田
Mitsunori Sasazu
備規 笹津
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Lotte Co Ltd
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Lotte Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の高い植物抽出物の中から種々の微生
物に対して相乗的に抗菌活性が高まるものを見出し、そ
れらを併用することにより生体に無害であり、かつ単独
での使用に比べて精油等に起因する強い芳香並びに苦味
等が軽減され、しかも、極めて抗菌活性が高く利用範囲
の広い抗菌性組成物を提供する。 【解決手段】 (A)メンタ属植物から得られる精油お
よびその精油を構成する成分から選択される1種または
2種以上と、(B)茶葉抽出物、カカオ豆抽出物および
それらの抽出物を構成する成分から選択される1種また
は2種以上とを有効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(A)メンタ属植
物から得られる精油およびその精油を構成する成分から
選択される1種または2種以上と、(B)茶葉抽出物、
カカオ豆抽出物およびそれらの抽出物を構成する成分か
ら選択される1種または2種以上とを有効成分として含
有する抗菌性組成物に関し、さらに詳しくは、それらの
相乗効果を利用してグラム陽性細菌、グラム陰性細菌等
の幅広い微生物に対して強い抗菌活性を有する抗菌性組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物から抗菌活性を有する成分を抽出し
て、それらを抗菌剤として利用することは従来から広く
行われてきており、食中毒菌、炎症起因菌、口腔内細菌
等の細菌および真菌等種々の微生物に対して使用されて
きている。食品の分野において抗菌剤は、食品を製造す
る時に使用する調理器具の殺菌消毒剤として、あるいは
食品そのものに含有させることにより食品の腐敗防止剤
として使用されている。また、医療の分野においては、
口腔内での虫歯、歯周病予防剤あるいは喉の炎症緩和剤
として等、その使用分野は多岐にわたっている。特に最
近では、腸管出血性大腸菌O157による汚染が大きな
社会問題になっており、これらの菌に対する安全な抗菌
剤の開発が望まれている。
【0003】植物抽出物にあっては、テルペン類を主成
分とする精油成分に抗菌性を示すものが多く、アニス、
カルダモン、キャラウェイ、シナモン、クローブ、レモ
ン、オレンジ、ローズマリー、ペパーミント、セージ、
タイム等の精油及び精油成分の有効性に関する報告がみ
られ(日本食品工業学会誌,29(2),第111〜116頁(1982
年);日本食品化学工学会誌,43(5),第535〜540頁(199
6年);香料,108,第9〜13頁(1974年))、その実用化が
試みられている。このように抗菌剤として植物抽出成分
が好まれる理由としては、それらの植物は古くより一般
的に利用されているものであり、その安全性が確認され
ているためと考えられる。しかしながら、植物から得ら
れる精油成分は、水に対する溶解性が低く、また低分子
の揮発性物質を含有することから、いずれも独特の強い
芳香を有し、その使用範囲や使用量が制限されるなどの
問題点が指摘されている。例えば、ペパ一ミント精油は
種々の細菌に対して抗菌活性は有することは既に知られ
ているが、ペパーミント精油は水に対する溶解性が低
く、またその成分がメントール、メントン、ネオメント
ール等の低分子の揮発性物質から構成されているために
独特の強い芳香を有し、その使用範囲や使用量が制限さ
れている。
【0004】また、精油以外の植物抽出物、例えば茶葉
抽出物およびその成分であるポリフェノールについて
は、食中毒関連細菌に対する抗菌性(日本食品微生物学
雑誌,12(4),第227〜234頁(1996年))、あるいは、口
腔内細菌(Agric. Biol. Chem.,53 (9) 第2307〜2311
頁(1989年))等に対して抗菌性を有することも既に知
られているが、強い苦味を有しているためそれらを嗜好
性が重要視される食品分野等については高濃度での使用
は困難である。
【0005】このような観点から、2種類の植物抽出物
を併用して抗菌活性の強い抗菌剤の研究が広くなされて
いるが、植物から得られた精油成分を用いて抗菌性につ
いての相乗効果の研究としては、精油成分とビスーピグ
アニドヘキサン化合物とを併用することによる口腔内細
菌に対する相乗効果の研究が(特開昭62−28951
1号公報)、またタイム抽出物と精油およびオレオレジ
ン群の1種または2種とを併用することによる歯周病原
因菌に対する相乗効果の研究が(特開平3−25503
1号公報)報告されているが、メンタ属植物から得られ
る精油の抗菌性については十分な効果は報告されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み、本発明
は、安全性の高い植物抽出物の中から種々の微生物に対
して相乗的に抗菌活性が高まるものを見出し、それらを
併用することにより生体に無害であり、かつ単独での使
用に比べて精油等に起因する強い芳香並びに苦味等が軽
減され、しかも極めて抗菌活性が高く利用範囲の広い抗
菌性組成物の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため、飲食物に使用可能な安全性の高い植物
抽出物を用いて抗菌活性の相乗効果について検討を行っ
た結果、メンタ属植物から得られる精油およびその精油
を構成する成分から選択される1種または2種以上と、
茶葉抽出物、カカオ豆抽出物およびそれらの抽出物を構
成する成分から選択される1種または2種以上とを併用
することにより、上記目的を達成し得るとの知見を得て
本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明の抗菌性組成物は、(A)メ
ンタ属植物から得られる精油およびその精油を構成する
成分から選択される1種または2種以上と、(B)茶葉
抽出物、カカオ豆抽出物およびそれらの抽出物を構成す
る成分から選択される1種または2種以上とを有効成分
とするものである。
【0009】また、本発明の抗菌性組成物において、上
記(A)の精油を構成する成分としてはメントール、メ
ントン、ネオメントールが好ましく、また、上記(B)
の抽出物を構成する成分としてはポリフェノールが好ま
しく、更にポリフェノールとしては、カテキン、エピカ
テキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エ
ピガロカテキンガレートが好ましい態様として挙げられ
る。
【0010】更に、本発明の抗菌性組成物について、飲
食物または抗菌製剤が好ましい態様として挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性組成物における構
成成分(A)である、メンタ属植物から得られる精油お
よびその精油を構成する成分を得るために使用するメン
タ属植物は、ペパーミント(Mentha piperita)、ハッ
カ(Mentha arvensis)、スペアミント(Mentha spicat
a)等から適宜選択して使用することができる。それら
の植物から精油を抽出する方法は、特に限定しないが、
通常は水蒸気蒸留により抽出することができる。他の抽
出法としては、ヘキサン、エーテル、クロロホルム、酢
酸エチル、エタノール等の精油成分が溶解可能な有機溶
剤により抽出することもできるが、精油成分以外の不純
物が抽出されるため、水蒸気蒸留による方法により精油
を得るのが好ましい。
【0012】また、メンタ属植物の精油を構成する成分
としては、メントール、メントン、ネオメントールが好
適である。それらの精油成分は、ペパーミント精油等か
ら再結晶、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィー等の手法により分離、精製して使用に供す
ることができるが、合成により得られたものも使用する
ことができる。
【0013】メントール、メントン、ネオメントール
(異性体を含む)は、以下の一般式で示されるものであ
る。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】本発明の抗菌性組成物における構成成分
(B)として、茶葉抽出物、カカオ豆抽出物およびそれ
らの抽出物を構成する成分から選択される1種または2
種以上を使用する。
【0018】茶葉抽出物を得るために使用する茶葉(Ca
meria sinensisの葉)としては、緑茶、ウーロン茶、紅
茶等の醗酵度の異なった茶葉のいずれでも使用すること
ができるが、低分子のポリフェノール含量の最も高い緑
茶を使用することが好ましい。
【0019】カカオ豆抽出物は、カカオ(Theobroma ca
cao)の種子から得られる抽出物であり、カカオ豆、カ
カオニブまたはカカオ豆の種皮であるカカオハスクを使
用することができ、それらは非加熱の生のものまたは加
熱処理を行ったもの等適宜使用することができる。
【0020】上記の抽出物を得る方法については、特に
限定しないが、例えば酢酸エチル、アセトン、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、グリセリン、プロピレ
ングリコール、水等の1種または2種以上を適宜混合し
た溶剤を用いて抽出することができる。しかしながら、
抽出効率、抽出物の安全性の面から抽出溶剤としては、
エタノールもしくは含水エタノールが好適である。これ
らの抽出溶剤を植物体に対して5〜20倍量程度添加
し、有効成分の抽出を行う。抽出条件は高温、室温、低
温のいずれでもよいが、50〜80℃、1〜5時間程度
が好ましい。抽出液を濾過し、更に濾液を濃縮すること
によりペ一ストとしたり、必要により粒状化または粉末
化して使用してもよい。
【0021】また、本発明において、上記抽出物をその
まま用いることもできるが、それらの抽出物を構成する
成分として、さらに吸着系、イオン交換系の樹脂等を用
いて、ポリフェノールを高濃度に濃縮して用いることも
できる。ポリフェノールとしては、カテキン、エピカテ
キン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン並びに
エピガロカテキンガレートを挙げることができる。エピ
カテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン並
びにエピガロカテキンガレート(異性体を含む)は以下
の一般式で示されるものである。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】上記構成成分(A)および(B)を併用す
ることにより、本発明の抗菌性組成物の抗菌活性を著し
く高めることができる。
【0025】本発明における抗菌性組成物、即ち(A)
メンタ属植物から得られる精油およびその精油を構成す
る成分から選択される1種または2種以上と、(B)茶
葉抽出物、カカオ豆抽出物およびそれらの抽出物を構成
する成分から選択される1種または2種以上とを有効成
分とする抗菌性組成物は、適当な液体担体に溶解するか
若しくは分散させ、あるいは、適当な粉末担体と混合す
るか若しくはこれに吸着させて使用に供することも可能
である。場合によっては、乳化剤、分散剤、懸濁剤、展
着剤、浸透剤、湿潤剤又は安定剤を添加し、乳剤、水和
剤、粉剤又は錠剤等に製剤化することも可能であるが、
好ましくは飲食物または抗菌製剤として使用する。
【0026】飲食物としては、チューインガム、キャン
ディ、錠菓、グミゼリー、飲料等が挙げられる。抗菌製
剤としては、スプレー剤、マウスウォッシュ、トローチ
剤等が挙げられる。
【0027】上記抗菌性組成物における有効成分の添加
量は、最終製品の形態によっても異なるが、(A)メン
タ属植物から得られる精油および精油成分から選択され
る1種または2種以上の添加量は、少なくとも0.00
25重量%以上、好ましくは0.01重量%以上であ
り、(B)茶抽出物、カカオ豆抽出物並びにこれらの抽
出物を構成する成分から選択される1種または2種以上
の添加量は、少なくとも0.005重量%以上、好まし
くは0.01重量%である。また、これらの溶解性並び
に嗜好性を考慮すると、構成成分(A)および(B)と
もに5重量%以下の添加が好ましい。
【0028】更に、上記抗菌性組成物におけるそれらの
成分の割合については、使用成分の相違及び対象とする
菌種によって至適な割合は異なるが、1:50〜50:
1の範囲で適宜選択して使用する。
【0029】本発明のメンタ属植物から得られる精油お
よびその精油成分から選択される1種または2種以上
と、茶抽出物およびカカオ豆抽出物並びにそれらの抽出
物を構成する成分から選択される1種または2種以上と
を併用することにより、各種細菌に対する抗菌活性が相
乗的に高まることは現在まで報告されておらず、本発明
において初めて見出されたものである。
【0030】また、本発明の抗菌性組成物は、大腸菌O
157のようなグラム陰性菌に対してだけでなく、化膿
性炎症を引き起こす黄色ブドウ球菌(Staphyrococcus a
ureus)、溶血性連鎖球菌(Streptococcus pyogene
s)、更には虫歯原因菌(Streptococcus mutans)等の
グラム陽性菌に対しても相乗的な抗菌作用を有するもの
であり、例えば、本発明の組成物をスプレー剤としてし
て使用すれば、食器や調理器具、便座等の除菌剤として
利用できる他、マウスウォッシュ、トローチ剤として用
いれば口腔殺菌剤および虫歯、歯槽膿漏予防剤として、
また、チューインガム、キャンディ、飲料等の飲食物と
して使用すれば、感染性疾患であることが知られている
虫歯、歯槽膿漏、喉炎症の緩和効果等を有する飲食物ま
たは抗菌製剤が得られる。
【0031】本発明を構成する成分は、いずれも香料、
食品素材並びに嗜好品として古くより用いられているも
のであり、その安全性については全く問題はない。
【0032】以下に実施例、試験例を挙げて本発明を具
体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0033】
【実施例】
【実施例1】ペパーミント精油の調製 50gの乾燥したペパーミント(Mentha piperita)の
地上部を細切し、日本薬局方精油定量法の操作に準じ3
時間精油成分の抽出を実施し、独特の芳香を有する微黄
色のペパーミント精油0.5gを得た。
【0034】
【実施例2】ハッカ精油の調製 実施例1と同じ方法により、ハッカ(Mentha arvensi
s)精油0.5gを得た。
【0035】
【実施例3】緑茶抽出物の調製 粉砕した緑茶1kgに10リットルの80%エタノール
を加え、室温で2時間抽出し、その抽出液を乾燥させて
緑褐色粉末の緑茶抽出物195gを得た。
【0036】
【実施例4】緑茶ポリフェノールの調製 実施例2に示した方法により作製した緑茶抽出物100
gを水2リットルに溶解し、トヨパール HW−40樹
脂((株)東ソー製)1リットルに付加することにより
ポリフェノールを吸着させた後、水、15%エタノール
の順で樹脂を十分に洗浄した。次に、2リットルの80
%エタノールで溶出し、この溶出液を濾過した後、減圧
濃縮、凍結乾燥して淡褐色粉末の緑茶ポリフェノール2
7gを得た。
【0037】
【実施例5】カカオ豆ポリフェノールの調製 粉砕した非加熱のカカオハスク1kgに10リットルの
60%エタノールを加え、室温で5時間抽出後、その抽
出液を乾燥させることにより茶褐色粉末のカカオハスク
抽出物215gを得た。そのカカオハスク抽出物100
gを水2リットルに溶解し、ダイヤイオン HP−20
樹脂(三菱化学(株))1リットルに吸着させた後、樹
脂を水で十分に洗浄した。次いで50%エタノールで溶
出し、この溶出部を濾過し、更に減圧濃縮した後、凍結
乾燥して茶褐色のカカオ豆ポリフェノール12gを得
た。
【0038】
【抗菌性試験】抗菌性を有する2種類の構成成分の相乗
効果を測定する方法としては、チェッカーボード法
(G.B.Elionら,J. Biol. Chem.,208,第477〜488頁
(1954年))を用いた。
【0039】即ち、表1に示すように2種類の構成成分
[(A)剤、(B)剤]をそれぞれ3200〜0μg/
mlの濃度になるように培地に添加し、100通りのラ
ンダムな混合系を調製した。尚、各系には精油成分を可
溶化させるためにメタノールを2%添加した。500μ
1のマイクロチューブ中に試験培地500μ1を入れ、
これに被験菌を10個/mlとなるように接種し、3
7℃で24時間培養して菌の生育の有無を調べた。
【0040】
【表1】
【0041】併用効果はA剤、B剤併用系で菌の増殖を
阻止する最も効果的な添加比率におけるA剤、B剤それ
ぞれの濃度をA剤、B剤単剤での最小発育阻止濃度(M
IC)で割ったものの和を併用発育阻止指数(Fraction
al inhibitory concentration index:FICindex)と
し、併用効果の評価を行った。 FICindexの計算式を
以下に示す。
【0042】
【数1】
【0043】評価基準としてはFICindex≦0.5を
相乗効果あり、0.5<FICindex≦1.0を相加効
果あり、1.0<FICindex≦2.0を弱い相加効果
乃至不関とした。
【0044】試験菌株および使用培地 ・Escherichia coli 9664(O157:H7型)(エシェリキ
ア・コリ:グラム陰性)培地:ミューラーヒントン液体
培地(DIFCO) ・Staphylococcus aureus IID671(スタヒロコツカス・
アウレウス:グラム陽性) 培地:ニュートリエント液体培地(DIFCO)に酵母エキ
ス0.5%、グルコース0.1%添加 ・Streptococcus pyogenes ATCC19615(ストレプトコッ
カス・ピオゲネス:グラム陽性) 培地:ブレイン・ハート・インフュージョン液体培地
(DIFCO) ・ Streptococcus mutans ATCC25175(ストレプトコッ
カス・ミュータンス:グラム陽性) 培地:ブレイン・ハート・インフユージョン液体培地
(DIFCO)
【0045】本発明の組成物の病原性大腸菌(Escheric
hia coli 9664)、化膿性炎症起因菌である黄色ブドウ
球菌(Staphylococcus aureus IID671)、溶血性連鎖球
菌(Streptococcus pyogenes ATCC19615)並びに虫歯原
因菌(Streptococcus mutansATCC25175)に対する試験
結果を表2〜5に示した。これらの結果をみると、本発
明により明らかにされた構成成分(A)および(B)を
組み合わせることにより、いずれの菌に対してもFIC
indexは1.0以下となり、また、そのほとんどについ
て0.5以下であることから、抗菌効果は相乗的に高ま
ることが示された。よって構成成分(A)および(B)
の併用により、それぞれより少ない添加量で十分な効果
を得ることができることが明らかとなった。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】以下には本発明の抗菌性組成物の例とし
て、除菌剤、マウスウォッシュ、トローチ、チューイン
ガム、キャンディの処方(数字は重量%)を示した。
【0051】
【実施例6】除菌剤 エタノール 20.0% 実施例1のペパーミント精油 1.0 実施例4の緑茶ポリフェノール 0.5 水 78.5 100.0%
【0052】
【実施例7】マウスウォッシュ エタノール 20.0% 実施例2のハッカ精油 0.25 実施例4の緑茶ポリフェノール 1.0 サッカリン 0.05 銅クロロフィリンNa 0.1 水 78.6 100.0%
【0053】
【実施例8】トローチ剤 マルチトール 74.3% 乳糖 17.5 アラビアガム 6.0 モノフルオロリン酸Na 0.7 メントール 0.5 実施例4の緑茶ポリフェノール 1.0 100.0%
【0054】
【実施例9】チューインガム ガムベース 20.0% 砂糖 53.75 グルコース 15.0 水飴 7.0 実施例1のペパーミント精油 0.25 実施例5のカカオ豆ポリフェノール 4.0 100.0%
【0055】
【実施例10】キャンディ 砂糖 50.0% 水飴 33.0 クエン酸 1.0 実施例1のペパーミント精油 0.5 実施例4の緑茶ポリフェノール 2.0 水 13.5 100.0%
【0056】
【発明の効果】本発明の抗菌性組成物は、(A)メンタ
属植物から得られる精油およびその精油を構成する成分
から選択される1種または2種以上と、(B)茶葉抽出
物、カカオ豆抽出物およびそれらの抽出物を構成する成
分から選択される1種または2種以上とを有効成分とす
るものであって、構成成分(A)および(B)が相乗的
に作用することによりグラム陽性細菌とグラム陰性細菌
の幅広い微生物に対して強い抗菌活性を示すため、食中
毒菌、化膿性炎症起因菌、虫歯原因菌等幅広い細菌に対
してより効果的な抗菌性組成物の提供が可能となる。
【0057】特に、本発明の抗菌性組成物は、近年食中
毒菌として猛威を振るっている病原性大腸菌O157に
対して非常に有効である。
【0058】更に、本発明の有効成分は、使用量が少な
くても多大な効果が得られるので、素材に起因する好ま
しくない香味(強い芳香並びに苦味等)を著しく減少さ
せることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23G 3/30 A23G 3/30 A61K 7/26 A61K 7/26 9/20 9/20 U Fターム(参考) 4B014 GB06 GB07 GB08 GB13 GG06 GG18 GK12 4B018 LB01 LE03 LE05 MD08 MD57 MD60 MD66 ME09 MF01 MF06 4C088 AB12 AB38 AB45 AC04 AC05 BA08 BA09 BA10 BA11 BA18 BA19 MA02 MA07 MA08 MA52 NA05 NA09 ZA59 ZA67 ZB11 ZB35 ZC75 4H011 AA02 BA06 BB03 BB05 BB08 BB22 DA13 DA14 DD07 DG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)メンタ属植物から得られる精油お
    よびその精油を構成する成分から選択される1種または
    2種以上と、(B)茶葉抽出物、カカオ豆抽出物および
    それらの抽出物を構成する成分から選択される1種また
    は2種以上とを有効成分として含有することを特徴とす
    る抗菌性組成物。
  2. 【請求項2】 前記組成物中において、メンタ属植物か
    ら得られる精油およびその精油を構成する成分から選択
    される1種または2種以上が0.0025〜5重量%の
    量で、並びに茶葉抽出物、カカオ豆抽出物およびそれら
    の抽出物を構成する成分から選択される1種または2種
    以上が0.005〜5重量%の量で存在し、かつその割
    合が重量比で50:1〜1:50である請求項1記載の
    抗菌性組成物。
  3. 【請求項3】メンタ属植物がペパーミントである請求項
    1または2記載の抗菌性組成物。
  4. 【請求項4】 精油を構成する成分が、メントール、メ
    ントン、ネオメントールである請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の抗菌性組成物。
  5. 【請求項5】 茶葉抽出物またはカカオ豆抽出物を構成
    する成分が、ポリフェノールである請求項1または2記
    載の抗菌性組成物。
  6. 【請求項6】 ポリフェノールが、カテキン、エピカテ
    キン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピ
    ガロカテキンガレートまたはそれらの縮合体である請求
    項5記載の抗菌性組成物。
  7. 【請求項7】 病原性大腸菌O157に対して抗菌性を
    有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗菌性組成
    物。
  8. 【請求項8】 抗菌性組成物が、飲食物または抗菌製剤
    である請求項1〜7のいずれか1項に記載の抗菌性組成
    物。
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