JP2003212771A

JP2003212771A - 抗ナイセリア菌組成物

Info

Publication number: JP2003212771A
Application number: JP2002014242A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Okubo; 勉大久保; Manabu Muto; 学武藤; Hiroyasu Esumi; 浩安江角; Raju Juneja Reka; レカ・ラジュ・ジュネジャ
Original assignee: National Cancer Center Japan; Taiyo Kagaku KK
Current assignee: National Cancer Center Japan; Taiyo Kagaku KK
Priority date: 2002-01-23
Filing date: 2002-01-23
Publication date: 2003-07-30

Abstract

(57)【要約】【課題】口腔内のナイセリア菌を除菌することが可能
であると共に、安全で簡易な抗ナイセリア菌組成物を提
供すること。【解決手段】茶粉末または茶抽出物は、（＋）−カテ
キン、（−）−エピカテキン、（＋）−ガロカテキン、
（−）−エピガロカテキン、（−）−カテキンガレー
ト、（−）−エピカテキンガレート、（−）−ガロカテ
キンガレート、（−）−エピガロカテキンガレート、遊
離型テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テア
フラビンモノガレートＢおよびテアフラビンジガレート
からなる群より選ばれる１種または２種以上の物質を含
有している。このような物質を含有する組成物は、口腔
内菌の一つであるナイセリア菌に対して強力な抗菌作用
を示す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、茶粉末及び／また
は茶抽出物を含有することを特徴とする抗ナイセリア菌
組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、ナイセリア菌は、ヒトでは口腔内
や鼻腔内に常在する菌として知られている。しかしなが
ら、従来には口腔内でのナイセリア菌の作用については
ほとんど知られていなかった。このような状況のもと最
近になって、本発明者らは、口腔内に棲息するナイセリ
ア菌が飲酒によってもたらされたアルコールを分解し、
アセトアルデヒドを生成することを解明してきた。ま
た、そのアセトアルデヒドが、咽頭がん、食道がん又は
胃がんなどの上部消化器におけるがんの発生原因の一つ
としての可能性があることについても明らかにしてき
た。更に、本発明者らは、アルコールを習慣的に飲む人
は、アルコールを飲まない人に比べると、口腔内のナイ
セリア菌の割合が多いこと、及び上部消化器系のがんが
発生する割合が多いことについても解明した。このよう
な知見に基けば、口腔内のナイセリア菌の増殖や菌の代
謝産物であるアルコール脱水素酵素の働きを阻止するこ
とにより、口腔内、消化管内でのアセトアルデヒドの産
生が抑制され、結果として咽頭がんや食道がんの予防に
つながる可能性がある。

【０００３】ところで、一般的に殺菌処理を行う場合に
は、殺菌スペクトルが広範囲に及ぶアルコールを使用す
ることが多い。例えば、口腔内に棲息する虫歯菌や歯周
病菌に対する口腔内衛生の手段として、洗口液（マウス
ウオッシュ）を用いることが知られているが、このよう
な洗口液やうがい薬であるリステリンには、抗菌剤とし
てアルコールが含有されている。従来から知られている
口腔内細菌である虫歯菌（ストレプトコッカスミュー
タンス）は、アルコールによって殺菌されるため、上述
の洗口液やリステリンで抗菌および殺菌され得る。しか
しながら、口腔内のナイセリア菌は、一般的な口腔内細
菌としては特殊なアルコール耐性能を持っているため、
リステリンによっては抗菌および殺菌されない。このこ
とから見ると、口腔内ナイセリア菌は、特異な細菌の一
つであると言える。このように、ナイセリア菌について
は、未だにその性質、特徴の解明が行われている段階で
あり、有効な殺菌手段が確立されていない。

【０００４】一方、緑茶、ウーロン茶および紅茶などに
含まれる茶ポリフェノールは広い抗菌スペクトルを有す
ること、特に緑茶ポリフェノールは口腔内の虫歯菌や歯
周病菌などに対して強い抗菌性を示すことが知られてい
る。また、茶ポリフェノールは、グルコシルトランスフ
ェラーゼのような酵素に対する活性阻害能を有すること
が知られている。加えて、これらの茶ポリフェノール
は、胃がんや十二指腸がんの原因であるヘリコバクター
・ピロリ菌、さらには腸内の有害菌のクロストリジウム
属菌に対する抗菌性を有することも公知である。しかし
ながら、前述のように口腔内のナイセリア菌に関して
は、研究が行われている段階であることから、茶ポリフ
ェノールのナイセリア菌に対する抗菌性の有無に関して
は、未だに知られていなかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
点に鑑みてなされたものであり、その課題は、口腔内の
ナイセリア菌を除菌することが可能であると共に、安全
で簡易な抗ナイセリア菌組成物を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記現状
を鑑み鋭意研究を行った結果、茶粉末または茶抽出物
が、ナイセリア菌、特に口腔内のナイセリア菌に対して
強い抗菌性を有することをはじめて見出し、本発明を完
成した。すなわち本発明は、(1)茶粉末または茶抽出物
を含有する抗ナイセリア菌組成物、(2) 前記茶抽出物
が、（＋）−カテキン、（−）−エピカテキン、（＋）
−ガロカテキン、（−）−エピガロカテキン、（−）−
カテキンガレート、（−）−エピカテキンガレート、
（−）−ガロカテキンガレート、（−）−エピガロカテ
キンガレート、遊離型テアフラビン、テアフラビンモノ
ガレートA、テアフラビンモノガレートＢおよびテアフ
ラビンジガレートからなる群より選ばれる１種または２
種以上である上記(1)に記載の抗ナイセリア菌組成物、
(3)前記ナイセリア菌が、口腔内菌である上記(1)または
(2)のいずれかに記載の抗ナイセリア菌組成物である。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、下記の実施
形態によって限定されるものではなく、その要旨を変更
することなく、様々に改変して実施することができる。
また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶも
のである。本発明で用いる「茶粉末」、または「茶抽出
物」の原料は、特に限定するものではなく、植物学的に
はツバキ科の植物であるＣａｍｅｌｌｉａｓｉｎｅｎ
ｓｉｓの葉より製造される不発酵茶である緑茶、半発酵
茶である烏龍茶、発酵茶である紅茶が挙げられる。それ
らの中で、好ましくは不発酵茶である緑茶を用いるのが
よい。

【０００８】「茶粉末」とは、茶葉を粉末にしたものを
意味する。また、「茶抽出物」とは、茶葉そのものまた
は茶葉を粉砕したものを液体により抽出した画分から得
られたものを意味し、例えば水・熱水を使用して抽出し
た画分から得られたもの、またはグリセリン・エタノー
ルなどのアルコール、酢酸エチル、アセトンなどの有機
溶媒を使用して抽出した画分より得られたものなどが挙
げられる。茶抽出物として、さらに好ましくは、（＋）
−カテキン、（−）−エピカテキン、（＋）−ガロカテ
キン、（−）−エピガロカテキン、（−）−カテキンガ
レート、（−）−エピカテキンガレート、（−）−ガロ
カテキンガレート、（−）−エピガロカテキンガレー
ト、遊離型テアフラビン、テアフラビンモノガレート
A、テアフラビンモノガレートＢおよびテアフラビンジ
ガレートからなる群より選ばれる１種または２種以上の
物質が挙げられる。最も好ましくは、（−）−エピカテ
キンガレート、（−）−ガロカテキンガレート、（−）
−エピガロカテキンガレートからなる群より選ばれる１
種または２種以上の物質である。

【０００９】上記カテキン類の含量は、特に限定するも
のではないが、使用する茶抽出物中に６０％以上含有さ
れていることが好ましく、さらに好ましくは８０％以上
含有されていることがよい。これらカテキン類の総含量
は、酒石酸鉄を用いた比色定量法により測定可能である
が、各カテキン類の組成を詳細に測定するためには、逆
相高速液体クロマトグラフィーで測定することが望まし
い。「ナイセリア菌」とは、ナイセリア属に属する好気
性グラム陰性球菌を意味しており、好ましくは、ナイセ
リア菌が口腔内菌である。

【００１０】本発明の組成物は、添加するものに応じて
種々の形態、例えば粉末、乾燥固形、エキス状、懸濁
液、水溶液などの任意の形態で用いることができる。本
発明の組成物の有効量は、茶粉末としては、0.01重量%
以上であり、好ましくは0.05重量%以上である。茶抽出
物としては、0.005重量%以上であり、好ましくは0.01重
量%以上である。また、精製した緑茶ポリフェノールの
有効量は、0.001重量%以上であり、好ましくは0.005重
量%以上である。また、精製した緑茶ポリフェノールの
添加量は、好ましくは5重量%以下である。本発明の組成
物は、そのまま口腔内に添加する場合の他に、口腔内の
ナイセリア菌との接触を良好に行えるもの、例えば、キ
ャンディ・のど飴・チューインガム・打錠菓子・チュア
ブルなどの各種菓子類、果汁飲料・乳飲料・炭酸飲料・
栄養飲料などの各種飲料、マウスウオッシュ・スプレー
剤・うがい剤・口中清涼剤・歯磨き剤・トローチ剤など
のオーラルケア類などに混入させる用途が挙げられる。
本発明の組成物に加えて、他の抗菌剤や口腔内衛生に有
効な各種成分、口腔内衛生に用いる他の成分、低発酵性
の糖類、植物抽出物、香料などを併用できる。例えば、
他の抗菌剤としては、塩化セチルピリジウム、塩化デカ
リニウム、塩酸クロルヘキシジン等の４級アンモニウム
塩、ポビドンヨード、ヨウ素・ヨウ化カリウム、ヒノキ
チオールなどが用いられる。

【００１１】口腔内衛生に有効な各種成分としては、フ
ッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウ
ム、モノフルオロリン酸ナトリウム、アラントイン、グ
リチルリチン酸、ニコチン酸トコフェロール、トコフェ
ロール、ビタミンＣ、トラネキサム酸、アズレン、デキ
ストラナーゼ、ムタナーゼ、塩化リゾチーム、アミラー
ゼ、銅クロロフィリンナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム等が例示される。また、口腔内衛生
に用いる他の成分として、α-シクロデキストリン、β-
シクロデキストリン、乳糖、粉糖、ガムベース、水飴等
も挙げられる。低発酵性の糖類としては、たとえばキシ
リトール、エリスリトール、ラクチトール、トレハロー
ス、パラチノース等が挙げられる。植物抽出物として
は、例えば、ビワ葉エキス、ワレモコウエキス、オトギ
リソウエキス、オウゴンエキス、シラカバエキス、ノバ
ラエキス、マルメロエキス、シソ種子抽出物、ハマメリ
ス抽出物、グアバ葉抽出物、ブドウ種子抽出物、クワ葉
抽出物、リンゴ抽出物、カキタンニン等が挙げられる。

【００１２】香料としては、例えば、ニーム油、ペパー
ミント油、スペアミント油、アニス油、クローブ油、ユ
ーカリ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ
油、ハッカ油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレ
ル油、カモミル油、キャラウエイ油、マジョラム油、レ
モングラス油等の天然香料、メントール、アネトール、
カルボン、シネオール、サリチル酸メチル、シナミック
アルデヒド、オイゲノール、チモール、リナロール、リ
モネン、ピネン、シトラール、バニリン、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール等が挙げられる。なお、これ
らの成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通
常量とすることができる。

【００１３】

【実施例】実施例１（茶粉末の製造）乾燥した緑茶を凍結粉砕して、平均粒径が約10マイクロ
メートルの茶粉末を製造した。実施例２（緑茶エキスの製造）乾燥した緑茶100Kgから熱水1000Kgにて抽出・濃縮して
得られる粗緑茶抽出物130Kgを噴霧乾燥して、ポリフェ
ノール含量30重量%の緑茶エキス60Kgを得た。

【００１４】実施例３（緑茶ポリフェノールの製造）実施例２記載の粗緑茶抽出物130Kgを酢酸エチル100リッ
トルにて３回抽出を行い、酢酸エチル層を分取し、その
酢酸エチル層を減圧留去して緑茶ポリフェノール含量70
重量%の精製緑茶抽出物10Kgを得た。実施例４（各種カテキン類の製造）実施例３の精製緑茶抽出物1Kgをシリカゲルカラムクマ
トグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール（２
０：１，Ｖ／Ｖ）及びクロロホルム：メタノール（１
０：１，Ｖ／Ｖ）の溶媒にて順次溶出することにより、
（＋）−カテキン、（−）−エピカテキン、（＋）−ガ
ロカテキン、（−）−エピガロカテキン、（−）−カテ
キンガレート、（−）−エピカテキンガレート、（−）
−ガロカテキンガレート、（−）−エピガロカテキンガ
レートを得た。

【００１５】実施例５（サンフェノン入りキャンディの
製造）実施例３にて製造した緑茶ポリフェノール（太陽化学
（株）製、商品名：サンフェノン100S）を用いて、一個
約４ｇのキャンディを常法により４種類、それぞれ1Kg
づつ製造した。すなわち、本実施例の４種類のキャンデ
ィは、全重量１Kg当たりに、サンフェノン100Sをそれぞ
れ0.3g、0.5g、1g、または2g含有しており（それぞれ、
0.03重量%、0.05重量%、0.1重量%、または0.2重量%）、
その他の成分として、ラクチトールと還元澱粉糖化物の
混合物（混合比は１：１）を含有している。

【００１６】実施例６（サンフェノンおよび紅茶エキス
入りのど飴の製造）実施例３にて製造した緑茶ポリフェノール（太陽化学
（株）製、商品名：サンフェノン100S）と、遊離型テア
フラビン、テアフラビンモノガレートA、テアフラビン
モノガレートＢおよびテアフラビンジガレートなどを含
む紅茶エキスを用いて一個約２ｇののど飴を常法により
1Kg製造した。すなわち、のど飴は、サンフェノン100S
を0.0３重量%、紅茶エキスを0.0３重量%含み、トレハロ
ースを27重量%、ラクチトールを50重量%、蜂蜜を5重量
%、粉末油脂を8重量%、ショ糖脂肪酸エステルを5重量
%、および粉末香料を5重量%含んでいる。

【００１７】実施例７（サンフェノン入りチュアブルの
製造）実施例３にて製造した緑茶ポリフェノール（太陽化学
（株）製、商品名：サンフェノン100S）を用いて一個約
２ｇのチュアブルを常法により1Kg製造した。すなわ
ち、チュアブルは、サンフェノン100Sを0.05重量%、キ
シリトールを50重量%、結晶セルロースを20重量%、トレ
ハロースを20.9重量%、ショ糖脂肪酸エステルを0.904重
量%、ユーカリ油を0.001重量%含んでいる。

【００１８】実施例８（サンフェノン入りマウスウオッ
シュの製造）実施例３にて製造した緑茶ポリフェノール（太陽化学
（株）製、商品名：サンフェノン100S）を用いて、次の
組成によるマウスウオッシュを1Kg製造した。すなわ
ち、マウスウオッシュは、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油を2.0重量%、エタノールを20.0重量%、グリセリン
を4.0重量%、70%ソルビットを4.0重量%、サッカリン酸
ナトリウムを0.03重量%、パラオキシ安息香酸ブチルを
0.03重量%、サンフェノン100Sを0.1重量%、香料を0.2重
量%、リン酸二水素ナトリウムを0.1重量%、水を69.54重
量%含んでいる。

【００１９】試験例１．（抗菌性試験）ヒト口腔内より分離した４菌株および３標準菌株、計７
菌株を用いて、実施例３にて製造した緑茶ポリフェノー
ル（太陽化学（株）製、商品名：サンフェノン100S）の
抗菌性試験を寒天希釈法により実施した。各菌株をブレ
インハートインフージョン培地（BBL社製）にて増菌し
菌液（約１×10⁵個／ml）とした。次に、サンフェノン1
00Sを０ppm〜1000ppm含むGC agar baseII（BBL社製）の
平板培地を作成し、各菌液を一白金耳接種した。7%CO₂
下、37℃、60時間培養後、菌の生育の有無により最小生
育阻止濃度（MIC、ppm）を算出した。結果を表１に示
す。

【００２０】

【表１】

【００２１】表１より明らかなように、サンフェノン10
0Sはナイセリア菌の標準菌株およびヒト臨床分離株に対
して強い抗菌性を示した。

【００２２】試験例2．（酵素活性阻害試験）ナイセリア菌の産生するアルコール脱水素酵素(ADH)に
ついて、実施例２にて製造した緑茶ポリフェノール（太
陽化学（株）製、商品名：サンフェノン100S）の活性阻
害試験を実施した。0.1Ｍリン酸緩衝液（pH7.5）に溶解
した酵素液（0.1units/ml）1.5mlに、2Ｍエタノール0.5
mlと0.025M ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(N
AD)1.0ml、各濃度のサンフェノン100Sを加えて25℃、２
分間反応させた後、生成する還元型NAD量を340nmの吸光
度にて測定し、酵素活性とした。結果は、サンフェノン
100S無添加時の吸光度を100とした相対値にて表示し
た。結果を表２に示す。

【００２３】

【表２】表２より明らかなように、サンフェノン100Sはアルコー
ル脱水素酵素に対して濃度依存的に強い活性阻害を示し
た。

【００２４】試験例３（ヒトでの効果試験）実施例３で製造したサンフェノン100Sを0.2重量%含むキ
ャンディ（一個当たり４ｇ）を用いて、ヒト口腔内のナ
イセリア菌の除菌効果を試験した。ヒトボランティア５
名が、それぞれ一個のキャンディを５分間舐め、舐める
前と舐め終わってから３０分後の舌上のナイセリア菌に
ついて測定した。舌上ナイセリア菌の採取は、綿棒でか
き取ることで行った。採取後の綿棒を滅菌済み生理食塩
水に入れて菌を分散させ、一定量を培地に接種し培養を
行った。表示は、全菌数に占めるナイセリア菌の占有率
（%）にて行った。結果を表３に示した。

【００２５】

【表３】

【００２６】以上の結果より、サンフェノン100Sを添加
したキャンディを舐めることにより、ヒト口腔内のナイ
セリア菌を除菌することが可能であると確認された。

【００２７】本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙
げれば以下の通りである。（１）茶粉末または茶抽出物を含有することを特徴とす
る抗ナイセリア菌組成物。（２）茶が緑茶、ウーロン茶、紅茶の１種または２種以
上から選ばれる前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成
物。（３）茶抽出物がカテキン、エピカテキン、ガロカテキ
ン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキ
ンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン
ガレート、遊離型テアフラビン、テアフラビンモノガレ
ートA、テアフラビンモノガレートＢおよびテアフラビ
ンジガレートからなる群より選ばれるカテキン類の１種
または２種以上を含有する前記（１）記載の抗ナイセリ
ア菌組成物。（４）茶抽出物中の３種類のカテキン類｛（−）−エピ
カテキンガレート、（−）−ガロカテキンガレートおよ
び（−）−エピガロカテキンガレート｝が６０重量％以
上含有される前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成物。（５）茶抽出物と低発酵性糖類を配合してなる前記
（１）記載の抗ナイセリア菌組成物。（６）茶抽出物とキシリトールを配合してなる前記
（１）記載の抗ナイセリア菌組成物。（７）茶抽出物とラクチトールを配合してなる前記
（１）記載の抗ナイセリア菌組成物。（８）茶抽出物とトレハロースを配合してなる前記
（１）記載の抗ナイセリア菌組成物。（９）茶抽出物とキシリトールとトレハロースを配合し
てなる前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成物。（１０）茶抽出物とラクチトールとトレハロースを配合
してなる前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成物。（１１）前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成物を０．
００５重量％以上含有する食品。（１２）前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成物を０．
００５重量％以上含有するキャンディ。（１３）前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成物を０．
００５重量％以上含有するチュアブル。（１４）前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成物を０．
００５重量％以上含有する洗口剤。（１５）前記（１）記載の抗ナイセリア菌組成物を０．
００５重量％以上含有する歯磨き。

【００２８】

【発明の効果】本発明の抗ナイセリア菌組成物は、口腔
内のナイセリア菌に対して強い抗菌性を示し、口腔内よ
りナイセリア菌を除菌する効果が強く、かつ安全性も極
めて高い。しかも本発明の組成物は、キャンディのよう
な食品に簡単に添加・製造できるので、その利用法も極
めて簡単である。従って、本発明の組成物は、口腔内の
ナイセリア菌を多く持っており咽頭がん・食道がんのリ
スクの高いヒトにとって、極めて有用である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者武藤学千葉県柏市柏の葉６−３−７柏の葉第一住宅212 (72)発明者江角浩安東京都練馬区光が丘７−６−17−406 (72)発明者レカ・ラジュ・ジュネジャ三重県四日市市赤堀新町９番５号太陽化学株式会社内Ｆターム(参考） 4C062 FF56 4C086 AA01 AA02 BA08 GA02 MA01 MA04 NA14 ZA67 ZB26 ZB35 4C088 AB45 AC05 BA09 BA10 BA14 NA14 ZA67 ZB26 ZB35

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】茶粉末及び／または茶抽出物を含有する
ことを特徴とする抗ナイセリア菌組成物。
【請求項２】前記茶抽出物が、（＋）−カテキン、
（−）−エピカテキン、（＋）−ガロカテキン、（−）
−エピガロカテキン、（−）−カテキンガレート、
（−）−エピカテキンガレート、（−）−ガロカテキン
ガレート、（−）−エピガロカテキンガレート、遊離型
テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テアフラ
ビンモノガレートＢおよびテアフラビンジガレートから
なる群より選ばれる１種または２種以上の物質を含有す
ることを特徴とする請求項１に記載の抗ナイセリア菌組
成物。
【請求項３】前記ナイセリア菌が、口腔内菌であるこ
とを特徴とする請求項１または請求項２のいずれかに記
載の抗ナイセリア菌組成物。