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JP2000103227A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

Info

Publication number
JP2000103227A
JP2000103227A JP10277474A JP27747498A JP2000103227A JP 2000103227 A JP2000103227 A JP 2000103227A JP 10277474 A JP10277474 A JP 10277474A JP 27747498 A JP27747498 A JP 27747498A JP 2000103227 A JP2000103227 A JP 2000103227A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
condenser
vehicle
air conditioner
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10277474A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Taniguchi
博昭 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP10277474A priority Critical patent/JP2000103227A/ja
Publication of JP2000103227A publication Critical patent/JP2000103227A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両衝突時などコンデンサに損傷が生じた場
合でも、比較的簡単な構成で、このコンデンサからの冷
媒漏出量を最少限度に止めることができる車両用空調装
置を提供する。 【解決手段】 内部を通過する冷媒を車外の雰囲気と熱
交換させるコンデンサ2と、冷媒を圧縮してコンデンサ
側に送給するコンプレッサ1と、コンデンサ2で熱交換
された冷媒を貯えるレシーバタンク3とを備え、上記冷
媒の蒸発潜熱を利用して車内の空気の冷却を行うように
した車両用空調装置において、上記コンプレッサ1はス
クロール式のものであり、上記コンデンサ2とレシーバ
タンク3との間の冷媒回路10には、レシーバタンク側
からコンデンサ側への冷媒の通過を阻止する逆止弁8が
設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車両
に装備される空調装置、特に、冷媒の蒸発潜熱を利用し
て空気の冷却を行う方式の車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両に装備される空調
装置として、例えば図10に示すように、圧縮機51
(コンプレッサ)で断熱圧縮されたガス状の冷媒を凝縮
器52(コンデンサ)での車外空気との熱交換によって
冷却・液化させ、この液化冷媒を貯留器53(レシーバ
タンク)に一旦貯えた後、膨張弁54で断熱膨張させて
低温低圧のガス又は霧状とし、これを蒸発器55(エバ
ポレータ)での車内空気との熱交換によって気化(蒸
発)させ、この気化冷媒を再びコンプレッサ51に送給
する、一連のサイクルを繰り返すことにより、冷媒の蒸
発潜熱を利用して空気の冷却を行うようにしたもの(以
下、これを従来技術1と称する。)は公知であり、一般
に幅広く採用されている。尚、図10において冷媒配管
59に沿った実線矢印は、空調装置の通常作動時におけ
る冷媒の流れ方向を示している。
【0003】かかる空調装置では、冷媒を冷却液化させ
るコンデンサ52は、通常、車外空気との熱交換効率を
できるだけ高めるために、走行風をまともに受ける車両
の最前端部に配置される。従って、車両が正面衝突した
際には、空調装置の冷媒回路60の構成要素では上記コ
ンデンサ52が最も損傷を受け易いことになる。このた
め、車両が正面衝突して車体に一定以上の被害が生じた
場合、空調系としてはコンデンサ52の損傷部分52f
からの冷媒の漏出が想定されるが、この冷媒の漏出量は
最少限度に抑えることが望ましい。
【0004】特に、近年、オゾン層問題等の地球環境問
題の高まりに伴なって、空調システムにおいても、その
冷媒として広く採用されてきたフロンガス(例えばCF
C12)の替わりに、塩素を含まないハイドロフロロカ
ーボン(例えばHFC134a)等のいわゆる代替フロ
ンが一般に用いられるようになってきた。しかしなが
ら、最近では、この代替フロンについても、地球温暖化
防止の観点から、その使用の是非が検討されている。こ
のため、オゾン層への悪影響がなく且つ地球温暖化にも
できるだけ影響が少ない、新たな代替冷媒の研究が鋭意
進められている。尚、かかる要件を満たす冷媒として
は、例えばイソブタン等が注目されつつある。
【0005】ところが、このような新たな代替冷媒とし
て有力なものの多くは、従来の冷媒に比して可燃性があ
り、外部に漏洩した場合には周囲の空気と混ざり合って
可燃性の混合気を形成するので、電気火花等でも容易に
引火して火災が発生しやすいという難点がある。従っ
て、特に、このような可燃性冷媒の使用を念頭に置いた
場合には、車両衝突時などコンデンサ損傷時における冷
媒の漏出量を最少限に止めることは、安全面からも非常
に重要である。
【0006】かかる問題に対して、例えば、特開平9−
76741号公報(以下、これを従来技術2と称す
る。)では、コンデンサの流入側および吐出側の冷媒回
路に電磁バルブをそれぞれ介設するとともに、車両に作
用する外力を検出するために加速度センサ等でなる外力
検出手段を設け、所定値以上の外力の作用が検知された
場合には上記2つの電磁バルブを閉じるように制御する
制御手段を備えた車両用空調装置が開示されている。こ
の構成によれば、車両衝突時、車体に一定以上の外力が
作用した場合には上記2つの電磁バルブが閉じられるの
で、流入側からのコンデンサ側への冷媒のそれ以上の流
入および吐出側からの冷媒の逆流は阻止される。従っ
て、たとえ衝突によりコンデンサが損傷して冷媒の漏出
が生じたとしても、漏出量はその時点でコンデンサ内お
よび該コンデンサと各電磁バルブとの間の冷媒回路内に
それぞれ滞留していた量に限られ、冷媒漏出量を最少限
度に抑えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来公報で開示された構成では、確かに、車両衝突時にお
けるコンデンサからの冷媒漏出量を最少限に止めること
ができるものの、このためには、2個の電磁バルブと外
力検出手段と制御手段とを新たに設ける必要があり、更
にこれらを電気的に接続しなければならないので、構成
が複雑でコスト高になるという難点があった。
【0008】ところで、車両用空調システムに組み込ま
れるコンプレッサとしては、ピストン式,ロータリ・ベ
ーン式あるいはスクロール式など種々のタイプのものが
知られている。これらのタイプのうち、ピストン式ある
いはロータリ・べーン式のコンプレッサの場合には、エ
ンジンの停止に伴なって、又はイグニッションスイッチ
のオフ(OFF)操作に伴なって、エンジン側からの駆
動力によるコンプレッサの駆動が停止した場合でも、そ
の吸入側の圧力が吐出側の圧力よりも高い場合には、冷
媒はその圧力差に応じて吸入側から吐出側へ(つまりコ
ンデンサ側へ)流れ出るようになっている。
【0009】すなわち、ピストン式のコンプレッサにあ
っては、例えば図11に示すように、吸入側As及び吐
出側Adそれぞれに板片状のリードバルブ74,75が
設けられているが、コンプレッサ駆動停止時でも、吸入
側Asの圧力が吐出側Adの圧力よりも高い場合には、
これら2つのリードバルブ74,75が圧力差で弾性的
に撓んで開弁し、図11において破線矢印で示されるよ
うに、冷媒が吸入側Asから吐出側Adに向かって素通
りすることになる。尚、図11において、符号71,7
2及び73は、シリンダ,ピストン及び弁座プレートを
それぞれ示している。
【0010】また、ロータリ・ベーン式のコンプレッサ
の場合にも、吸入側の圧力が吐出側の圧力よりも高い場
合には、その圧力差によって容易にロータが回転させら
れ、やはり冷媒がコンプレッサを通り抜けてコンデンサ
側に流れ出てしまうことが知られている。従って、これ
らのタイプのコンプレッサを用いた場合には、コンデン
サに損傷が生じて冷媒が漏出し、これに伴なって吐出側
の圧力が低下すると、たとえエンジンの停止あるいは電
磁クラッチのオフ(OFF)によりコンプレッサにエンジ
ン側からの駆動力が与えられなくても、冷媒はコンプレ
ッサを通り抜けてコンデンサ側に流れ出てしまうのであ
る。
【0011】一方、スクロール式のコンプレッサは、周
知のように、固定側および可動側の2つの渦巻き形状の
羽根(スクロール)を組み合わせ、可動側の羽根を固定
側に対して擂り粉木状に(つまり回転軸を移動させなが
ら)回転揺動させることにより、これら両渦巻き形状で
閉じ込められた部分の容積を減少させて内部の流体を昇
圧させるものである。本願発明者は、車両用の空調シス
テムに組み込むべきコンプレッサについて、種々のタイ
プのものを比較検討するなど鋭意研究を重ねた結果、こ
のスクロール式のコンプレッサの場合には、エンジンが
停止していれば、あるいは電磁クラッチのオフ(OFF)
によりエンジン側からの駆動力が与えられなければ、た
とえ吸入側の圧力が吐出側の圧力よりも多少高くても、
可動側の羽根の擂り粉木状の回転揺動は起こり難く、冷
媒のコンデンサ側への通り抜けが生じにくいことを見出
した。
【0012】そこで、この発明は、スクロール式コンプ
レッサの上記特性に着目することにより、車両衝突時な
どコンデンサに損傷が生じた場合でも、比較的簡単な構
成で、このコンデンサからの冷媒漏出量を最少限に止め
ることができる車両用空調装置を提供することを目的と
してなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、内部を通過
する冷媒を車外の雰囲気と熱交換させる凝縮器と、冷媒
を圧縮して上記凝縮器側に送給する圧縮機と、上記凝縮
器で熱交換された冷媒を貯える貯留器とを備え、上記冷
媒の蒸発潜熱を利用して車内の空気の冷却を行うように
した車両用空調装置において、上記圧縮機はスクロール
式のものであり、上記凝縮器と上記貯留器との間の冷媒
回路には、貯留器側から凝縮器側への冷媒の通過を阻止
する逆止弁が設けられていることを特徴としたものであ
る。
【0014】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
凝縮器は上記冷媒回路中において車両の最前部に配置さ
れる一方、上記逆止弁は凝縮器に対し車両直後方部に配
設されていることを特徴としたものである。
【0015】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、車両衝突時に損傷を受け易い車
室内から離間した位置に配設される空調機器と、冷媒を
圧縮して該空調機器側に送給する圧縮機とを備え、上記
冷媒の蒸発潜熱を利用して車内の空気の冷却を行うよう
にした車両用空調装置において、上記圧縮機はスクロー
ル式のものであり、上記空調機器の下流側の冷媒回路に
は、空調機器側への冷媒の逆流を阻止する逆止弁が設け
られていることを特徴としたものである。
【0016】また、更に、本願の請求項4に係る発明
(以下、第4の発明という)は、上記第3の発明におい
て、上記逆止弁は上記空調機器に対し車両直後方部に配
設されていることを特徴としたものである。
【0017】また、更に、本願の請求項5に係る発明
(以下、第5の発明という)は、上記第1〜第4の発明の
いずれか一において、上記冷媒は可燃性であることを特
徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施の形
態に係る車両用空調装置の冷媒回路を模式的に表した斜
視図である。この図に示すように、上記車両用空調装置
の冷媒回路10は、基本的な構成要素として、内部を通
過する冷媒を車外の雰囲気(空気)と熱交換させる凝縮
器2(コンデンサ)と、冷媒を圧縮して上記コンデンサ
2側に送給する圧縮機1(コンプレッサ)と、上記コン
デンサ2で熱交換された冷媒を貯える貯留器3(レシー
バタンク)と、該レシーバタンク3に貯えられた冷媒を
断熱膨張させる例えば絞り機構を有する膨張弁4と、該
膨張弁4で低温低圧のガス又は霧状となった冷媒を車内
空気と熱交換させる蒸発器5(エバポレ−タ)とを備
え、これら各構成要素を冷媒配管9で接続して構成され
ている。
【0019】かかる基本構成を備えた冷媒回路10で
は、コンプレッサ1で断熱圧縮されたガス状の冷媒がコ
ンデンサ2での車外空気との熱交換によって冷却・液化
され、この液化冷媒が、レシーバタンク3に一旦貯えら
れた後、上記膨張弁4で断熱膨張されて低温低圧のガス
又は霧状となる。そして、この低温低圧の冷媒がエバポ
レータ5において車内空気との熱交換によって気化(蒸
発)し、この気化冷媒が再びコンプレッサ1に送給され
る。このような一連のサイクルを繰り返すことにより、
冷媒の蒸発潜熱を利用して車内空気の冷却が行われるよ
うになっている。尚、図1において冷媒配管9に沿った
実線矢印は、空調装置の通常作動時における冷媒の流れ
方向を示している。
【0020】冷媒を冷却液化させる上記コンデンサ2
は、車外空気との熱交換効率をできるだけ高めるため
に、走行風をまともに受ける車両の最前端部に配置され
ている。従って、車両が正面衝突した際には、上記冷媒
回路10の基本構成要素の中では上記コンデンサ2が最
も損傷を受け易いことになる。このコンデンサ2が、本
願請求項に記載した「(車両衝突時に損傷を受け易い車
室内から離間した位置に配設される)空調機器」に相当
している。尚、冷媒回路10のかかる基本構成は、従来
から良く知られているものと同じものであるので、これ
以上の詳細な説明は省略する。
【0021】本実施の形態では、空調用の冷媒として、
可燃性のある例えばイソブタンが用いられている。そし
て、例えば車両衝突時など、コンデンサ2に損傷が生じ
た場合でも、このコンデンサ2からの冷媒漏出量を極力
少なくすることができるように、冷媒を圧縮して上記コ
ンデンサ2側に送給するコンプレッサ1としてスクロー
ル式のコンプレッサが採用されており、また、上記コン
デンサ2とレシーバタンク3との間の冷媒回路9には、
レシーバタンク3側からコンデンサ2側への冷媒の通過
(つまりコンデンサ2側への冷媒の逆流)を阻止する逆
止弁8が設けられている。この逆止弁8は、上記コンデ
ンサ2に対し車両直後方部に配設されている。従って、
車両が正面衝突した場合には、コンデンサ2が真っ先に
対象物にぶつかって大きな衝突エネルギを受けることに
なるので、逆止弁8は受ける衝突エネルギが小さく、そ
れだけ損傷も軽くて済むようになっている。
【0022】上記スクロール式コンプレッサ1は、従来
から良く知られているものと同様のもので、図2〜図9
にその基本的な構造および作動の一例を示すように、ハ
ウジング1c内に収納された固定側および可動側の2つ
の渦巻き形状の羽根1a及び1b(スクロール)を組み
合わせ、可動羽根1bを固定羽根1aに対して擂り粉木
状に(つまり回転軸を移動させながら)回転揺動させる
ことにより、これら両渦巻き形状の羽根1a,1bで閉
じ込められた部分(圧縮室S1,S2)の容積を徐々に
減少させることにより、吸入ポートPiから吸い込んだ
流体(冷媒)を昇圧させて吐出ポートPoから吐出する
ものである。
【0023】上記図2はスクロール式コンプレッサ1の
吸入工程を、図3は吸入工程の完了状態を、図4〜図6
は圧縮工程を、図7及び図8は圧縮工程から吐出工程へ
の移行状態を、また、図9は吐出工程を、それぞれ示し
ている。吸入工程(図2参照)では、吸入ポートPiか
ら吸い込まれた冷媒が、固定側および可動側の二つの渦
巻き形状の羽根1a,1bで形成される二つの空間S
1’,S2’内にそれぞれ流入する。可動羽根1bが回
転揺動して各空間S1’,S2’をそれぞれ閉じ、二つ
の閉じ込められた空間部分(圧縮室S1,S2)を形成
して吸入工程を完了する(図3参照)。
【0024】この吸入工程が完了すると圧縮工程(図4
〜図6参照)に移行し、可動羽根1bが更に回転揺動す
ることにより各圧縮室S1,S2はその容積が徐々に減
少し、内部にそれぞれ閉じ込められた冷媒の圧力が高め
られる。可動羽根1bが更に回転揺動して圧縮が更に進
行すると、図7及び図8に示されるように、二つの圧縮
室S1,S2どうしが連通・一体化して一つの圧縮室S
が形成されるようになるが、これと共に、この圧縮室S
が吐出ポートPoと徐々に連通し始める。つまり、圧縮
工程から吐出工程に移行し始め、圧縮が進行しながら吐
出が始まる。
【0025】そして、更に可動羽根1bが回転揺動する
と、完全に吐出工程に移行し、圧縮室Sに閉じ込められ
て昇圧された冷媒が吐出ポートPoから下流側に向かっ
て勢い良く吐出される。その後、再び吸入工程(図2参
照)に戻り、それ以降、上記の各工程が順に繰り返され
ることにより、継続的に冷媒を圧縮して上記コンデンサ
2側に吐出・送給するようになっている。
【0026】上記一連の工程を示す図(図2〜図9)か
ら良く分かるように、このスクロール式のコンプレッサ
1では、全ての工程を通じて、固定側および可動側の二
つの渦巻き形状の羽根1a,1bが部分的に接触してお
り、吸入ポートPiから吐出ポートPoに至る経路がフ
リーに連通することはない。そして、このタイプのコン
プレッサ1では、エンジンの停止あるいは電磁クラッチ
のオフ(OFF)によりコンプレッサ1にエンジン側から
の駆動力が与えられなければ、たとえ吸入側の圧力が吐
出側の圧力よりも多少高くても、可動羽根1bの擂り粉
木状の回転揺動は起こり難く、吸入ポートPiと吐出ポ
ートPoとがフリーに連通する状態は生じにくい。つま
り、冷媒のコンデンサ2側への通り抜けが生じにくいの
である。
【0027】従って、コンデンサ2に損傷(損傷個所2
f:図1参照)が生じて冷媒が漏出した場合でも、コン
プレッサ1の駆動が停止した時点で、コンプレッサ1側
から(つまり上流側から)コンデンサ2側への冷媒の流
入はほとんど無くなる。一方、上記コンデンサ2とその
下流側のレシーバタンク3との間の冷媒回路には、レシ
ーバタンク3側からコンデンサ2側への冷媒の通過(つ
まり逆流)を阻止する逆止弁8が設けられているので、
冷媒がレシーバタンク3側から(下流側から)コンデン
サ2側に逆流して流入することは確実に阻止される。
【0028】その結果、例えば車両衝突時など、コンデ
ンサ2が損傷して冷媒の漏出が生じた場合でも、その漏
出量は、コンプレッサ1の駆動が停止した時点でコンデ
ンサ2内ならびに該コンデンサ2とコンプレッサ1との
間およびコンデンサ2と逆止弁8との間の配管部9a,
9b内にそれぞれ滞留していた分量に限られ、冷媒漏出
量を最少限度に抑えることができる。従って、特に、空
調用の冷媒として可燃性のある冷媒が用いられている場
合、コンデンサ2の損傷に伴なって冷媒が外部に漏出し
た際には火災発生の惧れがあるが、冷媒漏出量が最少限
度に抑えられるので、仮に火災が発生したとしても小規
模で済み、かかる場合の安全性を高めることができる。
例えば、普通乗用車の場合を例にとって説明すれば、冷
媒回路10全体としての冷媒保有量は一般に約600
[g](グラム)程度であるが、本実施の形態よれば、
コンデンサ2が損傷した場合の冷媒漏出量は、約150
[g]程度(つまり、全体の1/4程度)に抑えること
ができる。
【0029】また、本実施の形態によれば、コンプレッ
サ1としてスクロール式のものを採用するようにしたこ
とにより、新たに必要とされるはコンデンサ2とその下
流側のレシーバタンク3との間に逆止弁8を介設するこ
とだけであるので、2個の電磁バルブと外力検出手段と
制御手段とを新たに設けて更にこれらを電気的に接続す
る必要がある従来技術2に比べて、はるかに簡単な構成
で、コンデンサ損傷時の冷媒漏出量を最少限度に抑える
ことができるのである。
【0030】また、上記コンデンサ2は上記冷媒回路1
0中において車両の最前部に配置されるので、車両が正
面衝突して冷媒回路10に損傷が生じる際には、その構
成要素ではコンデンサ2が最も大きな衝突エネルギを受
けることになる。一方、上記逆止弁8は、コンデンサ2
に対し車両直後方部に配設されているので、受ける衝突
エネルギが小さく、それだけ損傷も軽くて済む。すなわ
ち、車両正面衝突時における逆止弁8の損傷を極力小さ
く抑えて、冷媒がレシーバタンク3側からコンデンサ2
側に逆流することを防止する逆流防止機能の保護を図る
ことができるのである。特に、上記逆止弁8をコンデン
サ2に対し車両後方部で極力真近に配設することによ
り、コンデンサ2と逆止弁8との間の冷媒配管部9bに
滞留する冷媒滞留量をできるだけ少なくして、コンデン
サ損傷時の冷媒漏出量をより少なくすることができる。
【0031】尚、本発明は、以上の実施態様に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、
種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言
うまでもない。
【0032】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、冷媒を圧縮
して上記凝縮器側に送給する圧縮機としてスクロール式
の圧縮機を用いたので、エンジンの停止あるいは電磁ク
ラッチのオフ(OFF)によりコンプレッサにエンジン側
からの駆動力が与えられなければ、たとえ吸入側の圧力
が吐出側の圧力よりも多少高くても、冷媒の凝縮器側へ
の通り抜けが生じにくく、凝縮器に損傷が生じて冷媒が
漏出した場合でも、圧縮機の駆動が停止した時点で圧縮
機側から(つまり上流側から)凝縮器側への冷媒の流入
はほとんど無くなる。一方、上記凝縮器と貯留器との間
の冷媒回路には貯留器側から凝縮器側への冷媒の通過を
阻止する逆止弁が設けられているので、冷媒が貯留器側
から(下流側から)凝縮器側に逆流して流入することは
確実に阻止される。従って、例えば車両衝突時など、凝
縮器が損傷して冷媒の漏出が生じた場合でも、その漏出
量は、圧縮機の駆動が停止した時点で凝縮器内ならびに
該凝縮器と圧縮機との間および凝縮器と逆止弁との間の
冷媒回路内にそれぞれ滞留していた分量に限られ、冷媒
漏出量を最少限度に抑えることができる。この場合にお
いて、圧縮機としてスクロール式のものを採用するよう
にしたことにより、新たに必要とされるは凝縮器とその
下流側の貯留器との間に逆止弁を介設することだけであ
るので、従来技術2で開示されたものに比べて、はるか
に簡単な構成で、凝縮器損傷時の冷媒漏出量を最少限度
に抑えることができる。
【0033】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、上記凝縮器は上記冷媒回路中において車両の
最前部に配置されるので、車両が正面衝突して冷媒回路
に損傷が生じる際には、その構成要素では凝縮器が最も
大きな衝突エネルギを受けることになる。一方、上記逆
止弁は、凝縮器に対し車両直後方部に配設されているの
で、受ける衝突エネルギが小さく、それだけ損傷も軽く
て済む。すなわち、車両正面衝突時における逆止弁の損
傷を極力小さく抑えて、冷媒が貯留器側から凝縮器側に
逆流することを防止するという逆流防止機能の保護を図
ることができる。また、特に、上記逆止弁を凝縮器に対
し車両後方部で極力真近に配設することにより、凝縮器
と逆止弁の間の冷媒滞留量をできるだけ少なくして、凝
縮器損傷時の冷媒漏出量をより少なくすることができ
る。
【0034】更に、本願の第3の発明によれば、冷媒を
圧縮して上記空調機器側に送給する圧縮機としてスクロ
ール式の圧縮機を用いたので、エンジンの停止あるいは
電磁クラッチのオフ(OFF)によりコンプレッサにエン
ジン側からの駆動力が与えられなければ、たとえ吸入側
の圧力が吐出側の圧力よりも多少高くても、冷媒の空調
機器側への通り抜けが生じにくく、この空調機器に損傷
が生じて冷媒が漏出した場合でも、圧縮機の駆動が停止
した時点で圧縮機側から(つまり上流側から)空調機器
側への冷媒の流入はほとんど無くなる。一方、上記空調
機器の下流側の冷媒回路には空調機器側への冷媒の逆流
を阻止する逆止弁が設けられているので、冷媒が下流側
から上記空調機器側に逆流して流入することは確実に阻
止される。従って、特に、例えば車両衝突時など、上記
空調機器が損傷して冷媒の漏出が生じた場合でも、その
漏出量は、圧縮機の駆動が停止した時点で空調機器内な
らびに該空調機器と圧縮機との間および空調機器と逆止
弁との間の冷媒回路内にそれぞれ滞留していた分量に限
られ、冷媒漏出量を最少限度に抑えることができる。こ
の場合において、圧縮機としてスクロール式のものを採
用するようにしたことにより、新たに必要とされるは空
調機器の下流側の冷媒回路に逆止弁を介設することだけ
であるので、従来技術2で開示されたものに比べて、は
るかに簡単な構成で、空調機器損傷時の冷媒漏出量を最
少限度に抑えることができる。
【0035】また、更に、本願の第4の発明によれば、
基本的には、上記第3の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記逆止弁は上記空調機器に対し車両
直後方部に配設されているので、車両が正面衝突した際
には、上記空調機器がまず大きな衝突エネルギを受ける
ことになり、上記逆止弁は、この空調機器に対し車両直
後方部に配設されているので、受ける衝突エネルギが小
さく、それだけ損傷も軽くて済む。すなわち、車両正面
衝突時における逆止弁の損傷を極力小さく抑えて、空調
機器側への冷媒の逆流を防止するという逆流防止機能の
保護を図ることができる。また、特に、上記逆止弁を空
調機器に対し車両後方部で極力真近に配設することによ
り、この空調機器と逆止弁の間の冷媒滞留量をできるだ
け少なくして、空調機器損傷時の冷媒漏出量をより少な
くすることができる。
【0036】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第1〜第4の発明のいずれか一と同様
の効果を奏することができる。特に、上記冷媒は可燃性
であるので、コンデンサの損傷に伴なって冷媒が外部に
漏出した際には火災発生の惧れがあるが、冷媒漏出量が
最少限度に抑えられるので、仮に火災が発生したとして
も小規模で済み、かかる場合の安全性を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る車両用空調装置の
冷媒回路を模式的に表した斜視図である。
【図2】 上記冷媒回路に組み込まれたスクロール式コ
ンプレッサの吸入工程を示す縦断面説明図である。
【図3】 上記コンプレッサの吸入完了状態を示す縦断
面説明図である。
【図4】 上記コンプレッサの圧縮工程の一部を示す縦
断面説明図である。
【図5】 上記コンプレッサの圧縮工程の一部を示す縦
断面説明図である。
【図6】 上記コンプレッサの圧縮工程の一部を示す縦
断面説明図である。
【図7】 上記コンプレッサの圧縮工程から吐出工程へ
の移行状態の一部を示す縦断面説明図である。
【図8】 上記コンプレッサの圧縮工程から吐出工程へ
の移行状態の一部を示す縦断面説明図である。
【図9】 上記コンプレッサの吐出工程を示す縦断面説
明図である。
【図10】 従来技術1に係る車両用空調装置の冷媒回
路を模式的に表した斜視図である。
【図11】 ピストン式コンプレッサのリードバルブの
構造をを示す部分断面説明図である。
【符号の説明】
1…コンプレッサ 2…コンデンサ 3…レシーバタンク 8…逆止弁 10…冷媒回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を通過する冷媒を車外の雰囲気と熱
    交換させる凝縮器と、冷媒を圧縮して上記凝縮器側に送
    給する圧縮機と、上記凝縮器で熱交換された冷媒を貯え
    る貯留器とを備え、上記冷媒の蒸発潜熱を利用して車内
    の空気の冷却を行うようにした車両用空調装置におい
    て、 上記圧縮機はスクロール式のものであり、上記凝縮器と
    上記貯留器との間の冷媒回路には、貯留器側から凝縮器
    側への冷媒の通過を阻止する逆止弁が設けられているこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 上記凝縮器は上記冷媒回路中において車
    両の最前部に配置される一方、上記逆止弁は凝縮器に対
    し車両直後方部に配設されていることを特徴とする請求
    項1記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 車両衝突時に損傷を受け易い車室内から
    離間した位置に配設される空調機器と、冷媒を圧縮して
    該空調機器側に送給する圧縮機とを備え、上記冷媒の蒸
    発潜熱を利用して車内の空気の冷却を行うようにした車
    両用空調装置において、 上記圧縮機はスクロール式のものであり、上記空調機器
    の下流側の冷媒回路には、空調機器側への冷媒の逆流を
    阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とする車両
    用空調装置。
  4. 【請求項4】 上記逆止弁は上記空調機器に対し車両直
    後方部に配設されていることを特徴とする請求項3記載
    の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 上記冷媒は可燃性であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の車両用空調
    装置。
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