JP2000191349A - Alc製造用ポルトランドセメントおよびalcの製造方法 - Google Patents
Alc製造用ポルトランドセメントおよびalcの製造方法Info
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Abstract
ポルトランド系セメントクリンカーに特定な範囲に添加
したものであることから、ALCスラリーの初期におけ
る粘度が低いものとなり、同一型枠中での発泡高さの差
が小さくなり、さらに気泡が均一になり、補強鉄筋の周
辺,特に鉄筋の上方の空隙の発生を防止することが期待
でき、また鋳込温度を40〜50℃とすることが可能と
なることから、早期に十分な硬度に達するため生産性が
高いALC製造用セメントおよびALC製造用セメント
の製造方法を提供する。 【解決手段】 ALCの製造方法において、使用するポ
ルトランドセメント系セメント中の石膏が、SO3換算
で20〜80重量%が半水石膏であることを特徴とす
る。また得られたALC製造用セメントを用いたALC
の製造方法を特徴とする。
Description
ラリーを注入した後、アルミニウム粉末の反応による発
泡が終了するまでの間低粘度を保つことができる軽量気
泡コンクリート(以下「ALC」という)を製造するた
めのポルトランドセメントおよびALCの製造方法に関
するものである。
などの珪酸原料粉末と、生石灰などの石灰質原料粉末
と、ポルトランドセメントとからなる配合原料に水を加
えて混合し、つぎにこれにアルミニウム粉末のような発
泡剤を添加してALCスラリーを調製し、ついでこのス
ラリーを鉄筋を組み込んだ型枠に注入して発泡させ、さ
らに所定時間経過して半可塑性状態となった時に、ピア
ノ線で所望寸法に切断し、その後この半可塑性体をオー
トクレーブに入れて高温高圧で水蒸気養生して製品を得
るという方法により製造されている。
しい条件としては、ALC製造用の配合原料から得られ
るALCスラリーは型枠に注入した後発泡が終了するま
では低い粘度を保つことである。その理由は、ALCス
ラリーが高粘度になると発泡が乱れ、気泡の大きさが不
均−になるとともに、その分布も偏った状態となってし
まうからである。特に、高粘度の状態でALCスラリー
が発泡した場合、発泡方向の上部の補強鉄筋上に空洞が
発生し易くなり、この空洞が発生するとALCと捕強鉄
筋との付着力が低下し、建築物としての強度にも悪影響
を及ぼす恐れがある。
幅1.5m、高さ0.65mの型枠の一定位置から鋳込
まれ直ちに発泡を開始するが、発泡過程において該AL
Cスラリーの粘度が高い場合、発泡高さが均一になるよ
う流動することができず、スラリー鋳込口付近とそれよ
り離れた部位で高さに差を生じ、特に発泡高さが不足し
ている部位では補強鉄筋が露出したり、製品ALCの寸
法が不足したりする問題も発生する。
ALCスラリーの粘度を調べた結果、例えばレオゼット
粘度計HB(ブルックフィールド社(製):商品名)に
よりNO.21の回転子を用いて1rpmの回転速度で
測定した場合、発泡がほぼ終了する鋳込後30分間にお
いて該粘度が100Pa・sec以下になることが必要
であることが判明した。ALCスラリーの粘度に影響を
与える要因には種々考えられるが、原料として使用され
るポルトランドセメントの特性が最も大きいことが明ら
かとなり、ALCスラリー粘度を低くできるポルトラン
ドセメントが望まれるようになった。
には、含有鉱物である3CaO・Al2O3(通常C3
Aと略記する)は、水と接すると急激に水和反応を起こ
し、偽凝結(こわばり)を生ずる。通常のポルトランド
系セメントクリンカーにはこの偽凝結を防止して安定な
凝結時間を得るために二水石膏が添加されている。二水
石膏は、ポルトランド系セメントクリンカーと混ぜて仕
上げミルにて粉砕され、粉砕時の熱で結晶水を失い一部
が半水石膏となっている。
3Aと反応して水に難溶性の鉱物であるエトリンガイト
を生成する。通常セメントが使用される温度、例えば2
0℃ではC3Aの水和反応は比較的緩やかであるため、
普通セメントと中庸熱ポルトランドセメントについては
2.0重量%、早強ポルトランドセメントについては
3.0重量%、超早強ポルトランドセメントについては
4.0重量%程度の石膏を添加することによりC3A表
面をエトリンガイトで覆うことができ、これによりポル
トランド系セメントクリンカーの凝結を遅らせることが
できる。
性の向上のため、鋳込温度を40〜50℃の高温に保っ
てポルトランドセメントの水和反応を加速し、ALCス
ラリーが型枠に注入された後硬化するまでの時間を生産
ラインに合わせて短縮する必要がある。鋳込温度を40
〜50℃まで上昇させると、C3Aの水和反応がさらに
活発になるが、二水石膏の溶解度は温度が上昇しても殆
ど増加しないため、C 3Aの水和反応に対してエトリン
ガイトを生成させるためのSO4 2−イオンの供給が追
いつかなくなり、C3A表面をエトリンガイトで覆うこ
とができなくなる。したがってC3Aの反応はさらに急
激に進行し、ALCスラリーの粘度が高くなる。
で、混練水を増加させることなくALCスラリーの型枠
への注入後発泡が終了するまでの間低粘度を保つことが
できるALC製造用ポルトランドセメントおよびALC
の製造方法を提供することを目的とするものである。
ラリーの型枠への注入後発泡が終了するまでの間低粘度
を保つことができるALC製造用ポルトランドセメント
について種々研究した結果、原料であるポルトランドセ
メントにおけるクリンカーに添加する石膏に着目し、こ
の石膏の種類とその添加量を特定することにより上記の
課題を解決することを見出し本発明を完成するに至っ
た。
の第1の実施態様に係るALC製造用ポルトランドセメ
ントは、ALCの製造方法において、使用するポルトラ
ンドセメント系セメント中の石膏が、SO3換算で20
〜80重量%が半水石膏であることを特徴とするもので
ある。そして本発明のALC製造用ポルトランドセメン
トでは、使用するポルトランドセメントが、該セメント
中の3CaO・SiO2の含有率Y(重量%)とブレー
ン比表面積(cm2/g)との関係が、 X≦4000、 58≦Y≦70 および、94−0.012・X≦Y≦114−0.01
2・Xを満足するセメント(以下「低ブレーン早強ポル
トランドセメント」という)であるか、または普通ポル
トランドセメント、早強ポルトランドセメントあるいは
超早強ポルトランドセメントであることを特徴とする。
の製造方法は、前記第1の実施態様に係るALC製造用
ポルトランドセメントを使用することを特徴とするもの
である。
トが普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、超早強ポルトランドセメントの場合の全石膏添加
量はSO3換算で、JIS R 5210規定に準ずる
ものでよい。すなわちポルトランドセメント中のSO3
換算で、中庸熱ポルトランドセメントおよび普通ポルト
ランドセメントで3.0重量%以下、早強ポルトランド
セメントで3.5重量%以下、超早強ポルトランドセメ
ントで4.5重量%以下である。また使用するポルトラ
ンドセメントが前記低ブレーン早強ポルトランドセメン
トの場合は、比表面積3300cm2/g以上の場合
3.5重量%以下、比表面積3300cm2/g未満の
場合3.0重量%以下である。
メントは、該ポルトランド系セメントクリンカーに添加
される石膏添加量のうち、SO3換算で20〜80重量
%が半水石膏であることが必要である。
ドセメントを使用することにより、ALCスラリーの型
枠への注入後発泡が終了するまでの間低粘度を保つこと
ができるALCを容易に製造することが可能となった。
セメント系セメント中の石膏が、SO3換算で20〜8
0重量%が半水石膏であることを特徴とするものであ
る。ALCスラリーの40〜50℃における半水石膏の
溶解度は二水石膏のそれの約3〜4倍である。そのため
特定量の半水石膏を使用すれば、半水石膏からSO 4
2−イオンが速やかに供給され、C3A表面がエトリン
ガイトで覆われ、ポルトランドセメントの偽凝結が防止
され、ALCスラリーの粘度を低く抑えることができ
る。
算で20〜80重量%と規定したのは、20重量%未満
ではSO4 2−イオンの供給量が少なく、ポルトランド
セメントの偽凝結を遅らせることが困難であり、一方8
0重量%を超えると溶解した半水石膏のうちエトリンガ
イト生成に使用されない過剰分が二水石膏として再析出
する時に、針状結晶として再析出して逆にALCスラリ
ー粘度を高くしてしまうためである。
ントとしては、前記低ブレーン早強ポルトランドセメン
ト、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ントあるいは超早強ポルトランドセメントを挙げること
ができる。
に説明する。
原料としての珪石粉末55重量%と、石灰質原料として
の生石灰10重量%と、ポルトランドセメント35重量
%とに水70重量部を加えて混合し、発泡剤としてアル
ミニウム粉末0.07重量部を加えて混合してALCス
ラリーを調製した。ついで該ALCスラリーを長さ6
m、幅1.5m、高さO.65mの型枠の長手方向の一
端部から鋳込んだ。
添加する半水石膏の比率を変えて配合原料を作製した
が、これをまとめて実施例および比較例として表1に示
す。ここで低ブレーン早強ポルトランドセメントについ
ては、粉末度3300cm 2/g未満については早強ポ
ルトランドセメントのJISより外れるが、ここでは粉
末度が規格値内であれば早強ポルトランドセメントの規
格を満足するセメントクリンカーを用いた試製セメント
として低ブレーン早強ポルトランドセメントという呼び
方を用いている。
フィールド社(製):商品名)によりNO.21の回転
子を用いて1rpmの回転速度で、発泡がほぼ終了する
鋳込後30分間の粘度を測定した。また図1に示される
ように、型枠の長さ6m方向においてALCスラリー鋳
込側とその反対側との最終発泡高さを測定した。さらに
得られたALCパネルを図2に示す通り、長手方向の任
意位置にて5箇所、60cm幅方向に切断し、切断面に
露出したそれぞれの補強鉄筋上の空洞をトレーシングペ
ーパーに写し取り、画像処理装置にて面積を測定し、平
均値を求めた。そしてこれらの測定結果も表1に併せて
示した。
それぞれの同種類ポルトランドセメントを用いた場合の
比較例に比べていずれの場合も粘度が低下し、100P
a・sec以下となっており、ALCの製造に適した特
性を有していた。また発泡高さについても、同種類のポ
ルトランドセメントを用いた場合の比較例に比べて、本
発明の実施例では鋳込側と反対側との差が小さくなって
いた。なおNO.39、40の比較例では、鋳込口と反
対側の発泡が製品幅の60cmを下回り不良品となっ
た。さらに補強鉄筋上部の空洞面積についても、同種類
のポルトランドセメントを用いた場合の比較例に比べ
て、本発明の実施例ではその面積が極めて小さくなって
いた。すなわち本発明によるポルトランドセメントを使
用した場合、ALCスラリーの発泡過程における粘度上
昇を低く抑えることが可能となることが分かった。
50℃での溶解度が大きい半水石膏をポルトランド系セ
メントクリンカーに特定な範囲に添加したものであるこ
とから、ALCスラリーの初期における粘度が低いもの
となり、同一型枠中での発泡高さの差が小さくなる。ま
た気泡が均一になり、補強鉄筋の周辺,特に鉄筋の上方
の空隙の発生を防止することが期待でき、また鋳込温度
を40〜50℃とすることが可能となることから、早期
に十分な硬度に達するため生産性が高く、ALC製造用
のポルトランドセメントとしてきわめて好適となる。
とその反対側との最終発泡高さの状態を示す説明図であ
る。
所、60cm幅方向に切断し、切断面に露出したそれぞ
れの補強鉄筋上の空洞を模式的に示す概略図である。
には、含有鉱物である3CaO・Al2O3(通常C3
Aと略記する)は、水と接すると急激に水和反応を起こ
し、こわばりを生ずる。通常のポルトランド系セメント
クリンカーにはこのこわばりを防止して安定な凝結時間
を得るために二水石膏が添加されている。二水石膏は、
ポルトランド系セメントクリンカーと混ぜて仕上げミル
にて粉砕され、粉砕時の熱で結晶水を失い一部が半水石
膏となっている。
セメント系セメント中の石膏が、SO3換算で20〜8
0重量%が半水石膏であることを特徴とするものであ
る。ALCスラリーの40〜50℃における半水石膏の
溶解度は二水石膏のそれの約3〜4倍である。そのため
特定量の半水石膏を使用すれば、半水石膏からSO 4
2−イオンが速やかに供給され、C3A表面がエトリン
ガイトで覆われ、ポルトランドセメントのこわばりが防
止され、ALCスラリーの粘度を低く抑えることができ
る。
4)
よびALCの製造方法
ラリーを注入した後、アルミニウム粉末の反応による発
泡が終了するまでの間低粘度を保つことができる軽量気
泡コンクリート(以下「ALC」という)を製造するた
めのポルトランドセメントおよびALCの製造方法に関
するものである。
などの珪酸原料粉末と、生石灰などの石灰質原料粉末
と、ポルトランドセメントとからなる配合原料に水を加
えて混合し、つぎにこれにアルミニウム粉末のような発
泡剤を添加してALCスラリーを調製し、ついでこのス
ラリーを鉄筋を組み込んだ型枠に注入して発泡させ、さ
らに所定時間経過して半可塑性状態となった時に、ピア
ノ線で所望寸法に切断し、その後この半可塑性体をオー
トクレーブに入れて高温高圧で水蒸気養生して製品を得
るという方法により製造されている。
しい条件としては、ALC製造用の配合原料から得られ
るALCスラリーは型枠に注入した後発泡が終了するま
では低い粘度を保つことである。その理由は、ALCス
ラリーが高粘度になると発泡が乱れ、気泡の大きさが不
均−になるとともに、その分布も偏った状態となってし
まうからである。特に、高粘度の状態でALCスラリー
が発泡した場合、発泡方向の上部の補強鉄筋上に空洞が
発生し易くなり、この空洞が発生するとALCと補強鉄
筋との付着力が低下し、建築物としての強度にも悪影響
を及ぼす恐れがある。
幅1.5m、高さ0.65mの型枠の一定位置から鋳込
まれ直ちに発泡を開始するが、発泡過程において該AL
Cスラリーの粘度が高い場合、発泡高さが均一になるよ
う流動することができず、スラリー鋳込口付近とそれよ
り離れた部位で高さに差を生じ、特に発泡高さが不足し
ている部位では補強鉄筋が露出したり、製品ALCの寸
法が不足したりする問題も発生する。
ALCスラリーの粘度を調べた結果、例えばレオゼット
粘度計HB(ブルックフィールド社(製):商品名)に
よりNO.21の回転子を用いて1rpmの回転速度で
測定した場合、発泡がほぼ終了する鋳込後30分間にお
いて該粘度が100Pa・sec以下になることが必要
であることが判明した。ALCスラリーの粘度に影響を
与える要因には種々考えられるが、原料として使用され
るポルトランドセメントの特性が最も大きいことが明ら
かとなり、ALCスラリー粘度を低くできるポルトラン
ドセメントが望まれるようになった。
には、含有鉱物である3CaO・Al2O3(通常C3
Aと略記する)は、水と接すると急激に水和反応を起こ
し、こわばりを生ずる。通常のポルトランドセメントク
リンカーにはこのこわばりを防止して安定な凝結時間を
得るために二水石膏が添加されている。二水石膏は、ポ
ルトランドセメントクリンカーと混ぜて仕上げミルにて
粉砕され、粉砕時の熱で結晶水を失い一部が半水石膏と
なっている。
3Aと反応して水に難溶性の鉱物であるエトリンガイト
を生成する。通常セメントが使用される温度、例えば2
0℃ではC3Aの水和反応は比較的緩やかであるため、
普通セメントと中庸熱ポルトランドセメントについては
2.0重量%、早強ポルトランドセメントについては
3.0重量%、超早強ポルトランドセメントについては
4.0重量%程度の石膏を添加することによりC3A表
面をエトリンガイトで覆うことができ、これによりポル
トランドセメントクリンカーの凝結を遅らせることがで
きる。
性の向上のため、鋳込温度を40〜50℃の高温に保っ
てポルトランドセメントの水和反応を加速し、ALCス
ラリーが型枠に注入された後硬化するまでの時間を生産
ラインに合わせて短縮している。鋳込温度を40〜50
℃まで上昇させると、C3Aの水和反応がさらに活発に
なるが、二水石膏の溶解度は温度が上昇しても殆ど増加
しないため、C3Aの水和反応に対してエトリンガイト
を生成させるためのSO4 2−イオンの供給が追いつか
なくなり、C3A表面をエトリンガイトで覆うことがで
きなくなる。したがってC3Aの反応はさらに急激に進
行し、ALCスラリーの粘度が高くなる。
で、混練水を増加させることなくALCスラリーの型枠
への注入後発泡が終了するまでの間低粘度を保つことが
できるALC製造用ポルトランドセメントおよびALC
の製造方法を提供することを目的とするものである。
ラリーの型枠への注入後発泡が終了するまでの間低粘度
を保つことができるALC製造用ポルトランドセメント
について種々研究した結果、原料として下記するポルト
ランドセメントを使用するとともに、該ポルトランドセ
メントにおけるクリンカーに添加する石膏に着目し、こ
の石膏の種類とその添加量を特定することにより上記の
課題を解決することを見出し本発明を完成するに至っ
た。
の第1の実施態様に係るALC製造用ポルトランドセメ
ントは、使用するポルトランドセメントが、該セメント
中の3CaO・SiO2の含有率Y(重量%)とブレー
ン比表面積X(cm2/g)との関係が、 X≦4000、 58≦Y≦70 および、94−0.012・X≦Y≦114−0.01
2・Xを満足するセメント(以下「低ブレーン早強ポル
トランドセメント」という)であるALC製造用ポルト
ランドセメントにおいて、前記使用するポルトランドセ
メント中に添加する全石膏のうち、SO3換算で20〜
80重量%が半水石膏であることを特徴とするものであ
る。
の製造方法は、前記第1の実施態様に係るALC製造用
ポルトランドセメントを使用することを特徴とするもの
である。
トを前記低ブレーン早強ポルトランドセメントとした場
合の全石膏添加量は、比表面積3300cm2/g以上
の場合3.5重量%以下、比表面積3300cm2/g
未満の場合3.0重量%以下である。
強ポルトランドセメントは、該ポルトランドセメントク
リンカーに添加される石膏添加量のうち、SO3換算で
20〜80重量%が半水石膏であることが必要である。
ドセメントを使用することにより、ALCスラリーの型
枠への注入後発泡が終了するまでの間低粘度を保つこと
ができるALCを容易に製造することが可能となった。
強ポルトランドセメント中の全石膏のうち、SO3換算
で20〜80重量%が半水石膏であることを特徴とする
ものである。ALCスラリーの40〜50℃における半
水石膏の溶解度は二水石膏のそれの約3〜4倍である。
そのため特定量の半水石膏を使用すれば、半水石膏から
SO 4 2−イオンが速やかに供給され、C3A表面がエ
トリンガイトで覆われ、ポルトランドセメントのこわば
りが防止され、ALCスラリーの粘度を低く抑えること
ができる。
算で20〜80重量%と規定したのは、20重量%未満
ではSO4 2−イオンの供給量が少なく、ポルトランド
セメントのこわばりを遅らせることが困難であり、一方
80重量%を超えると溶解した半水石膏のうちエトリン
ガイト生成に使用されない過剰分が二水石膏として再析
出する時に、針状結晶として再析出して逆にALCスラ
リー粘度を高くしてしまうためである。
説明する。全ての実施例および比較例において、珪酸質
原料としての珪石粉末55重量%と、石灰質原料として
の生石灰10重量%と、低ブレーン早強ポルトランドセ
メント35重量%とに水70重量部を加えて混合し、発
泡剤としてアルミニウム粉末0.07重量部を加えて混
合してALCスラリーを調製した。ついで該ALCスラ
リーを長さ6m、幅1.5m、高さ0.65mの型枠の
長手方向の一端部から鋳込んだ。
クリンカーに添加する半水石膏の比率を変えて配合原料
を作製したが、これをまとめて実施例および比較例とし
て表1に示す。ここで低ブレーン早強ポルトランドセメ
ントについては、粉末度3300cm 2/g未満につい
ては早強ポルトランドセメントのJISより外れるが、
ここでは粉末度が規格値内であれば早強ポルトランドセ
メントの規格を満足するセメントクリンカーを用いた試
製セメントとして低ブレーン早強ポルトランドセメント
という呼び方を用いている。
フィールド社(製):商品名)によりNO.21の回転
子を用いて1rpmの回転速度で、発泡がほぼ終了する
鋳込後30分間の粘度を測定した。また図1に示される
ように、型枠の長さ6m方向においてALCスラリー鋳
込側とその反対側との最終発泡高さを測定した。さらに
得られたALCパネルを図2に示す通り、長手方向の任
意位置にて5箇所、60cm幅方向に切断し、切断面に
露出したそれぞれの補強鉄筋上の空洞をトレーシングペ
ーパーに写し取り、画像処理装置にて面積を測定し、平
均値を求めた。そしてこれらの測定結果も表1に併せて
示した。
それぞれの同種類の低ブレーン早強ポルトランドセメン
トを用いた場合の比較例に比べていずれの場合も粘度が
低下し、100Pa・sec以下となっており、ALC
の製造に適した特性を有していた。また発泡高さについ
ても、同種類のポルトランドセメントを用いた場合の比
較例に比べて、本発明の実施例では鋳込側と反対側との
差が小さくなっていた。さらに補強鉄筋上部の空洞面積
についても、同種類のポルトランドセメントを用いた場
合の比較例に比べて、本発明の実施例ではその面積が極
めて小さくなっていた。すなわち本発明による低ブレー
ン早強ポルトランドセメントを使用した場合、ALCス
ラリーの発泡過程における粘度上昇を低く抑えることが
可能となることが分かった。
50℃での溶解度が大きい半水石膏を低ブレーン早強ポ
ルトランドセメントクリンカーに特定な範囲に添加した
ものであることから、ALCスラリーの初期における粘
度が低いものとなり、同一型枠中での発泡高さの差が小
さくなる。また気泡が均一になり、補強鉄筋の周辺、特
に鉄筋の上方の空隙の発生を防止することが期待でき、
また鋳込温度を40〜50℃とすることが可能となるこ
とから、早期に十分な硬度に達するため生産性が高く、
ALC製造用のポルトランドセメントとしてきわめて好
適となる。
とその反対側との最終発泡高さの状態を示す説明図であ
る。
所、60cm幅方向に切断し、切断面に露出したそれぞ
れの補強鉄筋上の空洞を模式的に示す概略図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ALCの製造方法において、使用するポ
ルトランドセメント系セメント中の石膏が、SO3換算
で20〜80重量%が半水石膏であることを特徴とする
ALC製造用ポルトランドセメント。 - 【請求項2】 使用するポルトランドセメントが、該セ
メント中の3CaO・SiO2の含有率Y(重量%)と
ブレーン比表面積(cm2/g)との関係が、 X≦4000、 58≦Y≦70 および、94−0.012・X≦Y≦114−0.01
2・Xを満足するセメントであることを特徴とする請求
項1記載のALC製造用ポルトランドセメント。 - 【請求項3】 使用するポルトランドセメントが、普通
ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントまた
は超早強ポルトランドセメントであることを特徴とする
請求項1記載のALC製造用ポルトランドセメント。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のAL
C製造用ポルトランドセメントを使用することを特徴と
するALCの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36996198A JP3058627B1 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | Alc製造用ポルトランドセメントおよびalcの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36996198A JP3058627B1 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | Alc製造用ポルトランドセメントおよびalcの製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000035118A Division JP3318305B2 (ja) | 1998-12-25 | 2000-02-14 | Alc製造用ポルトランドセメントおよびalcの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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