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JP2000167480A - 未硬化の無機質基体をコ―ティングする方法 - Google Patents

未硬化の無機質基体をコ―ティングする方法

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Publication number
JP2000167480A
JP2000167480A JP11346196A JP34619699A JP2000167480A JP 2000167480 A JP2000167480 A JP 2000167480A JP 11346196 A JP11346196 A JP 11346196A JP 34619699 A JP34619699 A JP 34619699A JP 2000167480 A JP2000167480 A JP 2000167480A
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JP
Japan
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coating
acrylate
meth
film
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11346196A
Other languages
English (en)
Inventor
Michael Damian Bowe
マイケル・ダミアン・ボーエ
John Maxfield
ジョン・マックスフィールド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Monier Braas Research and Development Ltd
Rohm and Haas Co
Original Assignee
Lafarge Braas Research and Development Ltd
Rohm and Haas Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lafarge Braas Research and Development Ltd, Rohm and Haas Co filed Critical Lafarge Braas Research and Development Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機質基体、例えば屋根タイルまたは床タイ
ル上に高光沢コーティングを達成する方法を提供する。 【解決手段】 i) 未硬化の無機質の表面に、フィル
ム形成性ポリマーバインダーを含む水性組成物からなる
第1のコーティングを施用すること; ii) 該第1のコーティングを熱風または赤外線、紫
外線もしくはマイクロ波放射に、基体本体から離れた該
コーティングの少なくとも表面について十分な時間さら
して、ポリマーバインダーのフィルムを形成すること、
および iii) 第1のコーティングの上に、フィルム形成性
ポリマーバインダーを含む水性組成物からなる第2のコ
ーティングを施用することを含む方法。第2のコーティ
ングの施用後、基体およびコーティングは、例えばオー
ブンまたはオートクレーブ中で乾燥され、硬化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、未硬化の無機質基体をコーティ
ングする方法に関する。より特には、他を排するもので
はないが、本発明は、未硬化のセメント質基体、例えば
コンクリート屋根、床もしくは壁タイルまたはコンクリ
ートの家のサイディングをコーティングして、基体に高
光沢仕上げを与える方法に関する。
【0002】プレキャストコンクリート屋根タイルは典
型的には、そのコンシステンシーが、グリーン状態にあ
る間に、硬化されたときにそれが保持するであろう形、
配置、模様もしくは装飾の特徴を有するデザインへと成
形されることができるようなコンシステンシーである、
コンクリートモルタルから作られる。このタイルは普
通、タイルの所望の表面外観に対応するように成形され
たグリーン状態の層(単数または複数)から形成され
る。タイルは、単一層コンクリートから形成されること
ができ、または、例えば米国特許明細書第4,789,
319号、米国特許明細書第4,986,744号およ
び米国特許明細書第5,017,320号に開示された
ような、多重層コンクリートから形成されることができ
る。
【0003】タイルの上表面における滑らかな仕上りが
望まれる場合には、タイルは普通、少なくとも2層を含
み、最上層は、グリーンコンクリート(green c
oncrete)またはセメント質スラリーから形成さ
れ、水硬セメント、細砕された骨材、顔料および分散剤
を含む。この最上層は、典型的には0.05 mm〜3
mmの厚さを有し、より粗い基層に、例えば上記の米国
特許のいずれかに記載されたような方法によって、また
は形成されたタイルをカーテンコーティングすることに
よって施用され得る。
【0004】コンクリート屋根タイルは、大気の水分ま
たは降水にさらされると白華しやすい傾向がある。コン
クリート屋根タイルにおける白華を抑制するために、硬
化または未硬化のコンクリート屋根タイルの上側を、乾
燥時に防水性コーティングを与える水性ペイントまたは
クリアコート組成物で覆うことが普通実施されていた。
そのうような水性ペイント組成物は典型的には、30〜
50重量%のポリマー分散物、例えば水性のアクリレー
トベースのポリマー分散物、20〜60重量%の細かい
無機充填剤、例えばチョーク、バライトおよび/または
シリカ、ならびに、任意的に2〜10重量%の酸化鉄顔
料を含む。そのような水性のクリアコート組成物は典型
的には、100%アクリル系分散物(例えば30〜50
%固形分)から本質的になる。そのようなペイントおよ
びクリアコート組成物から形成されたコーティングは、
0.15mm以下のタイル上の厚さを有する傾向があ
る。比較的より複雑なコポリマー分散物、例えばドイツ
国特許出願第4,341,260号および米国特許明細
書第5,215,827号に記載されたものを、より便
利な簡単なアクリレートベースのポリマー分散物の全部
または一部の代わりとして使用することにより、改善さ
れた白華抑制が提案されてきた。
【0005】米国特許明細書第4,177,232号に
は、白華抵抗性が改善されたコンクリート屋根タイルを
作る方法が開示されている。この方法においては、形成
されたタイル本体(tile body)をセメント質
スラリーで覆い、そのスラリー層が硬化する前に、フィ
ルム形成性ポリマー材料の水性エマルジョンをそれに施
用する。この方法で形成された、完全に硬化したタイル
は、低光沢仕上げを示す。
【0006】コンクリート屋根タイルが高光沢仕上げを
示すのがしばしば望ましい。高光沢仕げは典型的には、
タイルがオーブンまたはオートクレーブ中で乾燥され、
硬化された後、水性クリアコート組成物のコーティング
をタイルの最上表面に施用し、次いでコーティングを乾
燥する方法によって得られる。あるいは高光沢仕上げ
は、タイルが乾燥され、硬化される前または後に、非水
性クリアコート組成物のコーティングをタイルの最上表
面に施用する方法によっても得られる。
【0007】本発明の目的は、高光沢仕上げを示すが、
水性コーティングを使用する先に知られている方法より
速くかつ潜在的にエネルギー効率が良い方法または、同
じものを作るために非水性コーティングで使用される溶
媒の使用を当てにしない方法によって製造された、仕上
げられた無機質基体、例えば屋根タイルを提供すること
にある。
【0008】本発明によれば、フィルム形成性ポリマー
バインダーを含む少なくとも1の水性組成物で無機質基
体をコーティングする方法が提供され、この方法は、以
下の一連のプロセス工程: i) 未硬化の無機質組成物、好ましくはグリーンコン
クリートまたは繊維セメントから該基体の本体(bod
y)を形成すること; ii) 該本体を乾燥し、硬化させる前に、 a) フィルム形成性ポリマーバインダーを含む水性組
成物からなる第1のコーティングを該表面に施用するこ
と、 b) 該第1のコーティングを熱風または赤外線、紫外
線もしくはマイクロ波放射に、基体本体から離れた該コ
ーティングの少なくとも表面について十分な時間さらし
て、ポリマーバインダーのフィルムを形成すること、お
よび c) 第1のコーティングの上に、フィルム形成性ポリ
マーバインダーを含む水性組成物からなる第2のコーテ
ィングを施用することによって、該本体の表面を該少な
くとも1の水性組成物でコーティングすること;ならび
に iii) 該本体および該コーティングを、例えばオー
ブンまたはオートクレーブ中で乾燥し、硬化することを
含む。
【0009】本発明の第2の態様によれば、以下の一連
のプロセス工程: i) 未硬化の無機質組成物、好ましくはグリーンコン
クリートまたは繊維セメントから該基体の本体を形成す
ること; ii) 該本体を乾燥し、硬化させる前に、 a) フィルム形成性ポリマーバインダーを含む水性組
成物からなる第1のコーティングを該表面に施用するこ
と、および b) 該第1のコーティングを熱風または赤外線、紫外
線もしくはマイクロ波放射に、基体本体から離れた該コ
ーティングの少なくとも表面について十分な時間さらし
て、ポリマーバインダーのフィルムを形成することによ
って、該本体の表面を該少なくとも1の水性組成物でコ
ーティングすること;ならびに iii) 該本体および該コーティングを、例えばオー
ブンまたはオートクレーブ中で乾燥し、硬化することを
含む方法であって、プロセス工程ii) b)の後でか
つプロセス工程iii)の前に、フィルム形成性ポリマ
ーバインダーを含む水性組成物からなる第2のコーティ
ングを、第1のコーティングの上に施用する方法によっ
て形成される無機質基体の光沢仕上げを改善する方法が
提供される。
【0010】該第2のコーティングは、該基体本体およ
びコーティングの乾燥および硬化前に、熱風または赤外
線、紫外線もしくはマイクロ波放射にさらされることが
できるが、第2のコーティングを、いかなるそのような
特別の前硬化処理もなしに、乾燥し、硬化することが好
ましい。
【0011】驚くべきことに、本発明の方法によりコー
ティングされた仕上りの無機質基体は、慣用の方法によ
り形成された仕上りの基体と同等の高光沢の仕上りを示
す。本発明の方法は、基体本体が乾燥され、硬化された
後に第2のコーティングが施用される、水性コーティン
グを用いた慣用の方法によって製造された同様の仕上り
の基体よりも速くかつ、潜在的によりエネルギー効率の
よいやり方で、高光沢仕上り基体が作られることを可能
にする。
【0012】好ましくは、無機質基体およびコーティン
グの乾燥および硬化は、少なくとも40℃の温度にてな
される。
【0013】本発明の方法は好ましくは、コンクリート
基体上に、より好ましくはコンクリートパイプ、屋根タ
イル、床タイル、壁タイルおよび家のサイディングのよ
うな基体上に、高光沢仕上げを作るのに使用される。
【0014】未硬化の基体本体は、異なる組成および特
性のモルタルの少なくとも2つの重ね合わされた層から
なり得る。例えば、このプロセスを行うための方法およ
び装置はそれぞれ米国特許明細書第5,017,320
号および米国特許明細書第4,789,319号に記載
されている。米国特許明細書第4,986,744号に
開示された装置もまた、そのような多重層本体の製造に
使用され得る。本体の底表面を構成するコンクリートの
層は、モルタル組成物を混合して、グリーンコンクリー
トを形成し、そのあと動いている底金型(bottom
molds)の連続ストランドへと押し出されること
によって、製造することができる。次に、必要なら、グ
リーンコンクリートもしくはセメント質スラリーの1以
上の他の層、例えばカラーコートが第1の層上に押し出
されまたはコーティングされて、未硬化の無機質組成物
の多重層本体を形成することができる。
【0015】未硬化の無機質基体の表面は、フィルム形
成性ポリマーを含む少なくとも1つの水性組成物を用い
て、上記の工程ii) に記載されたようにコーティン
グされる。第1のコーティングのために使用される水性
組成物は、第2のコーティングのために使用される水性
組成物と同じかまたは異なることができる。第1のコー
ティングのための水性組成物に使用されるフィルム形成
性ポリマーは、第2のコーティングのための水性組成物
に使用されるフィルム形成性ポリマーと同じかまたは異
なることができる。
【0016】第1のコーティングは、水性組成物、例え
ばセメント質スラリー、ペイントまたはクリアコートで
あることができる。第2のコーティングは、水性組成
物、例えばセメント質スラリー、ペイントまたはクリア
コートであることができるが、ペイントまたはクリアコ
ートが好ましい。そのようなコーティングの処方は、当
分野でよく知られている。
【0017】フィルム形成性ポリマーバインダーは好ま
しくは、少なくとも−20℃、より好ましくは少なくと
も0℃の最低造膜温度(MFT)を有する。
【0018】フィルム形成性ポリマーバインダーは好ま
しくは、少なくとも−40℃、より好ましくは少なくと
も−20℃、最も好ましくは少なくとも0℃の、フォッ
クスの式(Fox Equation)により測定した
ガラス転移温度(Tg)を有する有機ポリマーである。
好ましくは、ポリマーバインダーのTgは、70℃以
下、より好ましくは45℃以下である。
【0019】ポリマーバインダーは好ましくは、水性組
成物中に、該組成物の総重量に基づいて0.5〜50重
量%のポリマー固形分の量で存在する。より好ましく
は、第1のコーティングがセメント質スラリーの場合に
は、ポリマーバインダーは、該組成物の総重量に基づい
て0.5〜10重量%のポリマー固形分の量で存在し;
または第1のコーティングがペイントもしくはクリアコ
ートの場合には、ポリマーバインダーは、該組成物の総
重量に基づいて20〜50重量%のポリマー固形分の量
で存在する。より好ましくは、第2のコーティングがセ
メント質スラリーの場合には、ポリマーバインダーは、
該組成物の総重量に基づいて2〜20重量%のポリマー
固形分の量で存在し;または第2のコーティングがペイ
ントもしくはクリアコートの場合には、ポリマーバイン
ダーは、該組成物の総重量に基づいて20〜50重量%
のポリマー固形分の量で存在する。
【0020】本発明の方法において使用するのに適当な
多くの市販の入手可能な有機ポリマーバインダーがあ
る。そのようなバインダーは普通、ペイントもしくはク
リアコートに使用するために販売されており、またはセ
メント改質剤として使用するために販売されている。そ
のようなポリマーが−40℃より上のTgを有する場合
には、それらは適当であると思われる。
【0021】好ましくは、フィルム形成性ポリマーバイ
ンダーは、ポリマーラテックスからのものである。ラテ
ックスは、水性蒸発性担体中に分散されたその粒子を有
する分散されたポリマー、水希釈可能なポリマーまたは
水性蒸発性担体中のそれらの混合物であり得る。水性蒸
発性担体は好ましくは水であるが、水またはポリマー混
和性有機溶媒例えばメタノール、エタノールもしくはグ
リコールエーテルを溶解させた水であり得る。
【0022】ポリマーバインダーは、以下のモノマーの
少なくとも1以上から重合されたポリマーを含む、ラテ
ックスエマルジョンまたは粉末からのものであり得る:
アクリルおよびメタクリル酸エステル、例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アク
リレート、イソデシル(メタ)アクリレート、オレイル
(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレー
ト、ステリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート;酸官能性モノマー、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸およびマレイ
ン酸;モノメチルイタコネート;モノメチルフマレー
ト;モノブチルフマレート;無水マレイン酸;アクリル
アミドもしくは置換されたアクリルアミド;ジアセトン
アクリルアミド;グリシジルメタクリレート;アセトア
セトキシエチルメタクリレート;アクロレインおよびメ
タアクロレイン;ジシクロペンタジエニルメタクリレー
ト;ジメチルメタ‐イソプロペニルベンジルイソシアネ
ート;イソシアナトエチルメタクリレート;メチルセル
ロース;ヒドロキシエチルセルロース;スチレンもしく
は置換されたスチレン;ブタジエン;エチレン;酢酸ビ
ニルもしくは他のビニルエステル;ビニルモノマー、例
えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルピロリド
ン;アミノモノマー、例えばN,N’−ジメチルアミノ
(メタ)アクリレートおよびアクリロニトリルもしくは
メタクリロニトリル。最も好ましくは、ラテックスは、
アクリルポリマー、スチレン/アクリルポリマー、スチ
レン/ブタジエンポリマー、酢酸ビニル/エチレンポリ
マー、もしくはポリ酢酸ビニル、またはそれらの混合物
を含む。他の適当なポリマーおよび市販の入手可能なポ
リマーの具体例は、米国特許明細書第4,229,22
4号に記載されている。本発明において使用するのに適
した、市販の入手可能なセメント改質剤の例は、BAS
F AGから入手可能なACRONAL S400、ダ
ウ ケミカル社(Dow Chemical Comp
any)から入手可能なDOW 460、ローム アン
ドハース社(Rohm and Haas Compa
ny)から入手可能なRHOPLEX E−330、R
HOPLEX MC−76およびRHOPLEXE−3
083、ユニオン カーバイド社(Union Car
bide Corp.)から入手可能なUCAR La
tex 417およびLatex 429を包含する。
第1および第2のコーティングがセメント質スラリーで
あるときには、ラテックスは一般に、慣用のやり方で、
陰イオン性、陽イオン性または非イオン性の界面活性剤
により安定化されているが、界面活性剤の使用はまた、
コンクリート中での混合のために消泡剤の使用を必要と
する場合がある。
【0023】ポリマーバインダーは、モノマーが組成物
に組込まれた後に重合されるモノマー混合物から誘導さ
れ得る。そのようなモノマーの例としては、有機モノマ
ー、例えばエポキシモノマーおよびイソシアネートモノ
マーがあげられる。
【0024】第1のコーティングは熱風または赤外線、
紫外線もしくはマイクロ波放射に、コーティングの少な
くとも表面がポリマーバインダーのフィルムまたは「ス
キン」を形成するのに十分な時間さらされる。該フィル
ムは、コーティングの表面全体にわたって連続している
か、または基体表面の無機質粒子と共連続している(c
o−continuous)ことができる。好ましく
は、コーティングは赤外線、紫外線もしくはマイクロ波
放射にさらされる。第2のコーティングは、フィルムの
形成後すぐに施用され得る。
【0025】好ましくは、無機質基体は、第1のコーテ
ィングの上に第2のコーティングが施用された後すぐに
乾燥され、硬化される。
【0026】説明するだけの目的のために与えられ、以
下にまた与えられた比較試験と対比することができるい
くらかの好ましい実施態様からなる以下の実施例によっ
て、ここで、本発明をより詳細に記載する。
【0027】本発明の理解をさらに助けるために、発明
者らは、本発明の利点が得られる理由を簡単に説明する
ために以下に記載する。しかし、本発明は以下の説明に
より何ら限定されるものではない。
【0028】顔料を含み得るセメントスラリーコーティ
ングが、滑らかな魅力的な外観をいくつかの建材、例え
ばコンクリート屋根タイルに与えるために現在使用され
ている。これらのスラリーコーティングの外表面は普
通、例えばポリマークリアコートで目止めされて、白華
の形成を最小にされている。湿ったスラリー上にラテッ
クスとしてポリマークリアコートが施用される(プレキ
ュア(pre−cure))場合には、ポストキュア
(post−cure)での施用より白華防止に優れて
いる。しかし、プレキュアでの施用は、低光沢仕上げを
与える。多くの屋根で望ましい特性である高光沢を達成
するために、ポリマークリアコートの第2のコーティン
グがポストキュアで施用される。本発明は、ポリマーの
プレキュア施用のみを用いているが、プレキュアとポス
トキュアを合わせたプロセスに匹敵する光沢を与える。
これは、次の2つのやり方のうちの1つによってなすこ
とができる: A. 未硬化のスラリーがポリマー変性されているな
ら、スラリー表面の目止めは、IRランプからのeg熱
(eg heat)の短いバーストによって達成するこ
とができる。ポリマークリアコートの次の施用において
は、クリアコートとスラリーは混合せず、クリアコート
を実質的にスラリー表面の上に保ち、光沢のあるフィル
ムに乾燥する。 B. 未硬化のスラリーがポリマー変性されていないな
ら、何らかのポリマークリアコートを変性されていない
スラリーに施用し、次いでIRランプからのeg熱の短
いバーストによって、スラリー表面をまず目止めするこ
とができる。ポリマークリアコートの残余の次の施用に
おいては、IR処理後に施用されたクリアコートを実質
的にスラリー表面の上に保ち、光沢のあるフィルムに乾
燥する。
【0029】AとBの両方において、スラリー表面上ま
たはちょうどその下でのポリマーのフィルム形成は、最
後のクリアコートがスラリーの本体に浸透するのを妨げ
ると考えられている。
【0030】これが実質的に表面効果であり、従って、
コーティングがポリマー変性されたスラリーか、ペイン
トか、クリアコートかいずれにせよ、第1のコーティン
グの厚さ全体にわたり完全にポリマーのフィルム形成を
引き起こすことが必須ではないことに留意すべきであ
る。
【0031】実施例 本発明をさらに支持するために、以下の実施例を提供す
る。 光学測定 カラーガード システム(Colorgard Sys
tem) 2000比色計(BYK−ガードナー社(B
YK−Gardner Inc)から入手可能)を使用
し、0=黒色から100=白色のスケールに基づいて、
L*値を測定した。すなわち、より暗い色のタイルは、
より低いL*値(減少された白華の指標)を有する。鏡
面光沢値は、ASTM D 523−89に従い、BY
K Labotronにて、60°で測定した。60°
光沢値が高いほど、表面の光沢が大きくなる。
【0032】実施例I 対照基板の製造 以下の成分を慣用のやり方で混合することによって、グ
リーンコンクリートを作った:
【表1】 90mmのペトリ皿に170gのグリーンコンクリート
を手で詰めこんで、丸い試験用基板を作成した。得られ
たパテは13mmの厚さであった。
【0033】実施例II 水性セメント質スラリーの製
造 慣用のやり方で以下の成分を混合することにより、水性
のセメント質スラリーを作った。
【表2】 Bayferrox 318−Mは、Bayer AG
から入手可能な、黒色酸化鉄顔料である。Rhople
x MC−76は、MFT 12℃、Tg 15℃およ
び平均粒径180nmを有する市販の入手可能なアクリ
ル系ラテックスポリマー(47%固形分)である。乾燥
成分を1分間混合した後、合わせたラテックスと水を加
え、その後、さらに2分間混合した。
【0034】実施例III 未硬化の試験タイル(対
照)の製造 スラリーAを対照基板上に注ぎ、サンプルを軽くたた
き、スラリーが端まで進むようにしてスラリーを広げる
ことによって、未硬化の試験タイルを製造した。穏やか
に振り動かして、滑らかな表面を得た。対照基板の表面
上に0.5mmの平均厚さを与えるのに十分なスラリー
を使用した。
【0035】実施例IV 未硬化の試験タイルのコーテ
ィング 実施例IIIで作った対照試験タイルを、以下の表1に
記載したように、100%ブチルアクリレート/メチル
メタクリレートコポリマー分散物(42%固形分、MF
T 22℃、Tg 26℃)からなる市販の入手可能な
水性クリアコート組成物を用いてコーティングした。組
成物をスラリーの表面に、それぞれが約15ミクロンに
て全部で4パスで噴霧した。表1に記載したような、コ
ーティングのIR放射表面加熱を、基体上15cmに位
置した石英ランプによって、60kWm−2の電力束
(power flux)にて与えた。表1に報告した
温度が、加熱時間の最後に達した温度である。コーティ
ングした後、未硬化のタイルをオーブンに移して、50
℃(100%相対湿度)にて4時間硬化し、次いで50
℃(環境相対湿度)にて乾燥した。硬化させ、乾燥させ
た試験タイルを室温に冷却した後、L*および60°光
沢値を測定した。結果を表1に詳述する。
【0036】
【表3】 コーティングは、全ての場合において、白華を減らす。
すべてのコーティングの施用の前もしくは後のスラリー
表面のIR処理は、いくらかの光沢改善を与える。本発
明にかかるコーティングの施用(工程6)は、光沢に有
意の改善を与える。
【0037】実施例V ポリマー変性したスラリーおよ
びクリアコートでコーティングしたタイルの製造 実施例Iで作った未硬化の基板を、実施例IIで作った
水性のセメント質スラリーBを用いて、スラリーを基板
上に注ぎ、サンプルを軽くたたき、スラリーが端まで進
むようにしてスラリーを広げることによって、コーティ
ングした。基板の表面上に0.5mmの平均厚さを与え
るのに十分なスラリーを使用した。次にスラリーを、以
下の表2に記載されているように、100%ブチルアク
リレート/メチルメタクリレートコポリマー分散物(4
2%固形分、MFT 22℃、Tg 26℃)からなる
市販の入手可能な水性クリアコート組成物を用いてコー
ティングした。組成物をスラリーの表面上に、それぞれ
が約15ミクロンにて全部で5パスで噴霧して、目標と
する最終フィルム厚さ30〜40ミクロンとした。表2
に記載されたようなIR放射表面加熱を、基体上15c
mに位置した石英ランプによって、60 kWm−2
電力束にて与えた。表2に報告した温度が、加熱時間の
最後に達した温度である。コーティングした後、未硬化
のタイルをオーブンに移して、50℃(100%相対湿
度)にて4時間硬化し、次いで50℃(環境相対湿度)
にて乾燥した。硬化させ、乾燥させた試験タイルを室温
に冷却した後、L*および60°光沢値を測定した。結
果を表2に詳述する。
【0038】
【表4】 全ての場合において、より低いL*により示されている
ように、クリアコートは白華を非常に減少させた。しか
しながら、工程3および4では、第1のコーティング
(スラリー)の表面がIR放射に熱的にさらされ、次い
で第2のコーティング(クリアコート)が施用されたと
き、光沢における有意の改善が達成されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 599171109 ラファージ・ブラース・リサーチ・アン ド・デベロップメント・リミテッド イギリス,ウエスト・サセックス州,アー ルエイチ12・4キュージー,ラングハース トウッド・ロード,グレイランズ(番地な し) (72)発明者 マイケル・ダミアン・ボーエ アメリカ合衆国ペンシルバニア州18940, ニュータウン,レミー・プレース・4 (72)発明者 ジョン・マックスフィールド イギリス,ウエスト・サセックス州,ビー エヌ12・4イージェイ,ワージング,ゴー リング−バイ−シー,トレント・ロード・ 29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム形成性ポリマーバインダーを含
    む少なくとも1つの水性組成物で無機質基体をコーティ
    ングする方法であって、以下の一連のプロセス工程: i) 未硬化の無機質組成物から該基体の本体を形成す
    ること; ii) 該本体の乾燥および硬化前に、 a) フィルム形成性ポリマーバインダーを含む水性組
    成物からなる第1のコーティングを該表面に施用するこ
    と、 b) 該第1のコーティングを熱風または赤外線、紫外
    線もしくはマイクロ波放射に、基体本体から離れた該コ
    ーティングの少なくとも表面について十分な時間さらし
    て、ポリマーバインダーのフィルムを形成すること、お
    よび c) 第1のコーティングの上に、フィルム形成性ポリ
    マーバインダーを含む水性組成物からなる第2のコーテ
    ィングを施用することによって、該本体の表面を該少な
    くとも1つの水性組成物でコーティングすること;なら
    びに iii) 該本体およびコーティングを乾燥し、硬化す
    ることを含む方法。
  2. 【請求項2】 該第1のコーティングがペイント、クリ
    アコートまたはセメント質スラリーである請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 該第2のコーティングがペイント、クリ
    アコートまたはセメント質スラリーである請求項1また
    は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 該少なくとも1つの水性組成物に使用さ
    れるフィルム形成性ポリマーが、少なくとも−20℃の
    最低造膜温度を有する請求項1〜3のいずれか1項記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 該フィルム形成性ポリマーが、−40〜
    70℃の範囲のTgを有する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 該ポリマーが、以下のモノマー:メチル
    (メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
    ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
    タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウ
    リル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アク
    リレート、イソデシル(メタ)アクリレート、オレイル
    (メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレー
    ト、ステリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
    (メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メ
    タ)アクリレートのようなアクリルおよびメタクリル酸
    エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フ
    マル酸およびマレイン酸のような酸官能性モノマー;モ
    ノメチルイタコネート;モノメチルフマレート;モノブ
    チルフマレート;無水マレイン酸;アクリルアミドもし
    くは置換されたアクリルアミド;ジアセトンアクリルア
    ミド;グリシジルメタクリレート;アセトアセトキシエ
    チルメタクリレート;アクロレインおよびメタアクロレ
    イン;ジシクロペンタジエニルメタクリレート;ジメチ
    ルメタ‐イソプロペニルベンジルイソシアネート;イソ
    シアナトエチルメタクリレート;メチルセルロース;ヒ
    ドロキシエチルセルロース;スチレンもしくは置換され
    たスチレン;ブタジエン;エチレン;酢酸ビニルもしく
    は他のビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、
    N−ビニルピロリドンのようなビニルモノマー; N,
    N’−ジメチルアミノ(メタ)アクリレートのようなア
    ミノモノマーおよびアクリロニトリルもしくはメタクリ
    ロニトリルの少なくとも1つまたはそれ以上から重合さ
    れる請求項4または5記載の方法。
  7. 【請求項7】 フィルム形成性ポリマーが、アクリルポ
    リマー、スチレン/アクリルポリマー、スチレン/ブタ
    ジエンポリマー、酢酸ビニル/エチレンポリマー、もし
    くはポリ酢酸ビニル、およびそれらの混合物からなる群
    より選択される請求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】 工程i)で形成される該基体の該本体
    が、グリーンコンクリートまたは繊維セメントである未
    硬化材料の少なくとも1層を含む請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 工程i)で形成される該基体の該本体
    が、グリーンコンクリートまたは繊維セメントである未
    硬化材料の少なくとも1層ならびに、セメント質スラリ
    ーの少なくとも1層を含む請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 以下の一連のプロセス工程: i) 未硬化の無機質組成物から該基体の本体を形成す
    ること; ii) 該本体の乾燥および硬化前に、 a) フィルム形成性ポリマーバインダーを含む水性組
    成物からなる第1のコーティングを該表面に施用するこ
    と、および b) 該第1のコーティングを熱風または赤外線もしく
    はマイクロ波放射に、基体本体から離れた該コーティン
    グの少なくとも表面について十分な時間さらして、ポリ
    マーバインダーのフィルムを形成することによって、該
    本体の表面を該少なくとも1つの水性組成物でコーティ
    ングすること;ならびに iii) 該本体を乾燥し、硬化することを含む方法で
    あって、プロセス工程ii) b)の後でかつプロセス
    工程iii)の前に、フィルム形成性ポリマーバインダ
    ーを含む水性組成物からなる第2のコーティングを、第
    1のコーティングの上に施用する方法によって形成され
    る無機質基体の仕上げ光沢を改善する方法。
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