JP2000155244A - 光ファイバ心線 - Google Patents
光ファイバ心線Info
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Landscapes
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光ファイバ上に滑り性の良好な非剥離性の薄
層を設けることにより、コネクタへの挿入を容易にする
とともに、過大な応力の付加による光ファイバの破損を
防止した光ファイバ心線を提供する。 【解決手段】 光ファイバ11のクラッド層11b上
に、そのクラッド層11bに対し密着性の良好なヤング
率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 のフッ素系樹脂から
なり、かつ、摩擦力が 1.0 g/mm 以下の非剥離性の薄層
12を設ける。
層を設けることにより、コネクタへの挿入を容易にする
とともに、過大な応力の付加による光ファイバの破損を
防止した光ファイバ心線を提供する。 【解決手段】 光ファイバ11のクラッド層11b上
に、そのクラッド層11bに対し密着性の良好なヤング
率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 のフッ素系樹脂から
なり、かつ、摩擦力が 1.0 g/mm 以下の非剥離性の薄層
12を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの表面
滑り性を改善し、接続時の光ファイバの破損等を防止し
た光ファイバ心線に関する。
滑り性を改善し、接続時の光ファイバの破損等を防止し
た光ファイバ心線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバ心線は、図2に示すよ
うに、光ファイバ1上に、常温でのヤング率が 1kgf/mm
2 程度以下の合成樹脂からなる一次被覆2、同ヤング率
が数十kgf/mm2 程度の合成樹脂からなる二次被覆3を順
に施し二層構造の保護被覆4を設けた構造とされてい
る。
うに、光ファイバ1上に、常温でのヤング率が 1kgf/mm
2 程度以下の合成樹脂からなる一次被覆2、同ヤング率
が数十kgf/mm2 程度の合成樹脂からなる二次被覆3を順
に施し二層構造の保護被覆4を設けた構造とされてい
る。
【0003】そして、その接続にあたっては、光ファイ
バ上の被覆の除去が比較的容易なことから、光ファイバ
上の被覆を除去し、露出させた光ファイバの端面を突き
合わせ、接着や融着あるいはコネクタにより接続する方
法が一般に用いられている。しかしながら、このような
光ファイバ心線では、接続に際し、光ファイバ上の被覆
を除去して接続されるため、被覆除去時に光ファイバが
破損するおそれがあった。また、被覆を除去した部分は
光ファイバ表面が露出するため光ファイバの強度が大き
く低下するという問題があった。さらに、光ファイバ表
面の滑り性に乏しいため、コネクタ接続の場合、V溝や
フェルール、キャピラリといったコネクタ部材への挿入
を円滑に行うことができず、作業性が悪いばかりか、無
理な応力をかけることによって光ファイバが破損するこ
とがあった。しかも、近年、多用されつつあるかしめ型
コネクタや弾性保持型コネクタのような機械的力で接続
する圧着型簡易コネクタ、光ファイバを座屈させて接続
するFPC(FiberPhysical Contact)コネクタ等によ
る接続では、断線のおそれが非常に高いという問題もあ
った。
バ上の被覆の除去が比較的容易なことから、光ファイバ
上の被覆を除去し、露出させた光ファイバの端面を突き
合わせ、接着や融着あるいはコネクタにより接続する方
法が一般に用いられている。しかしながら、このような
光ファイバ心線では、接続に際し、光ファイバ上の被覆
を除去して接続されるため、被覆除去時に光ファイバが
破損するおそれがあった。また、被覆を除去した部分は
光ファイバ表面が露出するため光ファイバの強度が大き
く低下するという問題があった。さらに、光ファイバ表
面の滑り性に乏しいため、コネクタ接続の場合、V溝や
フェルール、キャピラリといったコネクタ部材への挿入
を円滑に行うことができず、作業性が悪いばかりか、無
理な応力をかけることによって光ファイバが破損するこ
とがあった。しかも、近年、多用されつつあるかしめ型
コネクタや弾性保持型コネクタのような機械的力で接続
する圧着型簡易コネクタ、光ファイバを座屈させて接続
するFPC(FiberPhysical Contact)コネクタ等によ
る接続では、断線のおそれが非常に高いという問題もあ
った。
【0004】そこで、これらの問題に対処して、近時、
光ファイバのクラッド層上に、このクラッド層に対し密
着性の良好な高ヤング率(常温で 50kg/mm2 〜300kg/mm
2 程度)のウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂等
からなる非剥離性の薄層を設け、その上に、上記のよう
な保護被覆を設けた構造の光ファイバ心線が考案されて
いる。
光ファイバのクラッド層上に、このクラッド層に対し密
着性の良好な高ヤング率(常温で 50kg/mm2 〜300kg/mm
2 程度)のウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂等
からなる非剥離性の薄層を設け、その上に、上記のよう
な保護被覆を設けた構造の光ファイバ心線が考案されて
いる。
【0005】しかしながら、この種の光ファイバ心線に
おいては、外側の保護被覆のみを剥ぎ取って接続するた
め、光ファイバ表面が露出することによる強度低下や、
圧着型簡易コネクタ等を使用した場合の断線の問題など
は改善されるものの、光ファイバ上の薄層表面の滑り性
が、従来の裸光ファイバに比べさらに乏しいため、コネ
クタ挿入時の作業性不良や光ファイバの破損の問題は依
然として残る。
おいては、外側の保護被覆のみを剥ぎ取って接続するた
め、光ファイバ表面が露出することによる強度低下や、
圧着型簡易コネクタ等を使用した場合の断線の問題など
は改善されるものの、光ファイバ上の薄層表面の滑り性
が、従来の裸光ファイバに比べさらに乏しいため、コネ
クタ挿入時の作業性不良や光ファイバの破損の問題は依
然として残る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、近時、考
案された光ファイバ心線では、光ファイバ上に非剥離性
の薄層を設けたことにより、従来の光ファイバ心線の接
続上の問題の多くは改善されたものの、剥離性薄層表面
の滑り性が不良なため、コネクタへの挿入が困難で、過
大な応力を加えることによって光ファイバが破損するお
それがあるという問題は依然残されたままであった。
案された光ファイバ心線では、光ファイバ上に非剥離性
の薄層を設けたことにより、従来の光ファイバ心線の接
続上の問題の多くは改善されたものの、剥離性薄層表面
の滑り性が不良なため、コネクタへの挿入が困難で、過
大な応力を加えることによって光ファイバが破損するお
それがあるという問題は依然残されたままであった。
【0007】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、光ファイバ上に滑り性の良好な非剥離
性の薄層を設けることにより、コネクタへの挿入を容易
にするとともに、過大な応力の付加による光ファイバの
破損を防止した光ファイバ心線を提供することを目的と
する。
なされたもので、光ファイバ上に滑り性の良好な非剥離
性の薄層を設けることにより、コネクタへの挿入を容易
にするとともに、過大な応力の付加による光ファイバの
破損を防止した光ファイバ心線を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ心線
は、請求項1に記載したように、光ファイバのクラッド
層上に、ヤング率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 の合
成樹脂からなり、かつ、摩擦力が 1.0 g/mm 以下の前記
クラッド層に対し非剥離性の薄層を備えてなることを特
徴としている。
は、請求項1に記載したように、光ファイバのクラッド
層上に、ヤング率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 の合
成樹脂からなり、かつ、摩擦力が 1.0 g/mm 以下の前記
クラッド層に対し非剥離性の薄層を備えてなることを特
徴としている。
【0009】ここで、摩擦力とは、非剥離性の薄層の仕
上り径+0.1 μm〜0.3 μmの内径を有するジルコニア
製フェルールの光ファイバ挿入孔に挿入した非剥離性の
薄層が設けられた光ファイバを引抜いた時の最大荷重
を、単位引抜き長あたりの応力に換算した値である。
上り径+0.1 μm〜0.3 μmの内径を有するジルコニア
製フェルールの光ファイバ挿入孔に挿入した非剥離性の
薄層が設けられた光ファイバを引抜いた時の最大荷重
を、単位引抜き長あたりの応力に換算した値である。
【0010】このような光ファイバ心線においては、ヤ
ング率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 の合成樹脂から
なり、かつ、摩擦力が 1.0 g/mm 以下の非剥離性の薄層
を備えていることから、コネクタの光ファイバ挿入部へ
過大な応力を付加することなく円滑に挿入することが可
能となる。したがって、作業性が向上するとともに、光
ファイバの破損も防止される。
ング率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 の合成樹脂から
なり、かつ、摩擦力が 1.0 g/mm 以下の非剥離性の薄層
を備えていることから、コネクタの光ファイバ挿入部へ
過大な応力を付加することなく円滑に挿入することが可
能となる。したがって、作業性が向上するとともに、光
ファイバの破損も防止される。
【0011】なお、上記条件を満足する非剥離性の薄層
は、分子中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂のなかか
らヤング率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 のものを選
択して使用することにより形成することができる。
は、分子中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂のなかか
らヤング率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 のものを選
択して使用することにより形成することができる。
【0012】したがって、本発明の光ファイバ心線は、
請求項2に記載したように、光ファイバのクラッド層上
に、ヤング率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 のフッ素
系樹脂からなる前記クラッド層に対し非剥離性の薄層を
備えてなることを特徴とするものを含む。
請求項2に記載したように、光ファイバのクラッド層上
に、ヤング率が常温で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 のフッ素
系樹脂からなる前記クラッド層に対し非剥離性の薄層を
備えてなることを特徴とするものを含む。
【0013】また、本発明は、請求項3および4に記載
したように、前記非剥離性の薄層の外周に、ヤング率が
常温で 10kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂からなる保護
被覆、あるいはヤング率が常温で 0.01kg/mm2 〜1kg/mm
2 の合成樹脂からなる一次被覆、およびヤング率が常温
で 10kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂からなる二次被覆
の二層構造の保護被覆を有することを特徴とするものを
含む。
したように、前記非剥離性の薄層の外周に、ヤング率が
常温で 10kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂からなる保護
被覆、あるいはヤング率が常温で 0.01kg/mm2 〜1kg/mm
2 の合成樹脂からなる一次被覆、およびヤング率が常温
で 10kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂からなる二次被覆
の二層構造の保護被覆を有することを特徴とするものを
含む。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
を用いて説明する。
【0015】図1は、本発明の光ファイバ心線の一例を
示す横断面図である。
示す横断面図である。
【0016】図1において、11は、コア11a上にク
ラッド層11bが設けられてなるSM型もしくはGI型
の光ファイバを示し、この光ファイバ11上には、その
クラッド層11bに対し密着性の良好なヤング率が常温
で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 のフッ素系樹脂からなる摩擦
力が 1.0 g/mm 以下で、厚さが 2〜15μm、仕上り径12
5μmの非剥離性の薄層12が設けられている。そし
て、この非剥離性の薄層12上には、さらに、保護被覆
13として、非剥離性の薄層12に対し剥離性の良好な
ヤング率が常温で 0.01kg/mm2 〜1.0kg/mm2 の合成樹脂
からなる仕上り径140μm〜220 μmの一次被覆14、
ヤング率が常温で10 kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂か
らなる仕上り径 230μm〜500 μmの二次被覆15が順
に設けられている。
ラッド層11bが設けられてなるSM型もしくはGI型
の光ファイバを示し、この光ファイバ11上には、その
クラッド層11bに対し密着性の良好なヤング率が常温
で 50kg/mm2 〜500kg/mm2 のフッ素系樹脂からなる摩擦
力が 1.0 g/mm 以下で、厚さが 2〜15μm、仕上り径12
5μmの非剥離性の薄層12が設けられている。そし
て、この非剥離性の薄層12上には、さらに、保護被覆
13として、非剥離性の薄層12に対し剥離性の良好な
ヤング率が常温で 0.01kg/mm2 〜1.0kg/mm2 の合成樹脂
からなる仕上り径140μm〜220 μmの一次被覆14、
ヤング率が常温で10 kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂か
らなる仕上り径 230μm〜500 μmの二次被覆15が順
に設けられている。
【0017】非剥離性の薄層12を構成するフッ素系樹
脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合(PFA)、テトラフルオロエチ
レン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン・テトラ
フルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビ
ニル(PVDF)、フッ素系アクリル樹脂等があげられ
る。本発明においては、なかでも、硬化前は液状で塗布
が容易であり、かつ、低摩擦力の得られるフッ素系アク
リル樹脂の使用が望ましい。
脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合(PFA)、テトラフルオロエチ
レン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン・テトラ
フルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビ
ニル(PVDF)、フッ素系アクリル樹脂等があげられ
る。本発明においては、なかでも、硬化前は液状で塗布
が容易であり、かつ、低摩擦力の得られるフッ素系アク
リル樹脂の使用が望ましい。
【0018】また、一次被覆14および二次被覆15を
構成する樹脂は、ウレタンアクリレート系、エポキシア
クリレート系、ラダー型シリコーン系等の紫外線硬化型
樹脂や、シリコーン樹脂等のなかから上記条件を満足す
るものを任意に選択して使用することができる。
構成する樹脂は、ウレタンアクリレート系、エポキシア
クリレート系、ラダー型シリコーン系等の紫外線硬化型
樹脂や、シリコーン樹脂等のなかから上記条件を満足す
るものを任意に選択して使用することができる。
【0019】このように構成される光ファイバ心線にお
いては、接続の際、保護被覆13のみが剥ぎ取られて接
続され、非剥離性の薄層12が光ファイバ11を保護す
るため、被覆剥ぎ取り時に光ファイバ11が破損するこ
とはなく、また、光ファイバ11表面が露出することに
よる強度低下のおそれもない。さらに、圧着型簡易コネ
クタを用いた機械的力による接続の際にも光ファイバ1
1が断線するおそれがない。そのうえ、非剥離性の薄層
12の表面の滑り性が良好であるため、コネクタのV溝
やフェルール、キャピラリ等への挿入も容易で、コネク
タ挿入時の作業性に優れるとともに、挿入にともなう光
ファイバ11の破損も防止される。また、非剥離性の薄
層12を構成するフッ素系樹脂は、溌水性に優れるた
め、光ファイバ11の水との接触による伝送損失の増大
や傷の成長による劣化を抑制することができる。
いては、接続の際、保護被覆13のみが剥ぎ取られて接
続され、非剥離性の薄層12が光ファイバ11を保護す
るため、被覆剥ぎ取り時に光ファイバ11が破損するこ
とはなく、また、光ファイバ11表面が露出することに
よる強度低下のおそれもない。さらに、圧着型簡易コネ
クタを用いた機械的力による接続の際にも光ファイバ1
1が断線するおそれがない。そのうえ、非剥離性の薄層
12の表面の滑り性が良好であるため、コネクタのV溝
やフェルール、キャピラリ等への挿入も容易で、コネク
タ挿入時の作業性に優れるとともに、挿入にともなう光
ファイバ11の破損も防止される。また、非剥離性の薄
層12を構成するフッ素系樹脂は、溌水性に優れるた
め、光ファイバ11の水との接触による伝送損失の増大
や傷の成長による劣化を抑制することができる。
【0020】なお、本発明において、非剥離性の薄層1
2を構成する樹脂のヤング率を常温で 50kg/mm2 〜500k
g/mm2 の範囲に限定したのは、ヤング率が常温で 50kg/
mm2未満では、外側の被覆を剥ぎ取る際に破損するおそ
れが生じ、また、逆に500kg/mm2 を超えると、破断伸び
が減少して、温度変化による損失変動が大きくなり伝送
特性が不十分になったり、被覆剥離を生じたりするおそ
れがあるからである。より好ましいヤング率は、常温で
120 kg/mm2 〜 400 kg/mm2 の範囲である。
2を構成する樹脂のヤング率を常温で 50kg/mm2 〜500k
g/mm2 の範囲に限定したのは、ヤング率が常温で 50kg/
mm2未満では、外側の被覆を剥ぎ取る際に破損するおそ
れが生じ、また、逆に500kg/mm2 を超えると、破断伸び
が減少して、温度変化による損失変動が大きくなり伝送
特性が不十分になったり、被覆剥離を生じたりするおそ
れがあるからである。より好ましいヤング率は、常温で
120 kg/mm2 〜 400 kg/mm2 の範囲である。
【0021】また、この非剥離性の薄層12の摩擦力を
1.0 g/mm 以下に限定したのは、表面の滑り性が不十分
となって、コネクタへの挿入が困難になり、作業性が低
下するばかりか、光ファイバが破損するおそれがあるか
らである。より好ましい摩擦力は、 0.9 g/mm 以下であ
る。
1.0 g/mm 以下に限定したのは、表面の滑り性が不十分
となって、コネクタへの挿入が困難になり、作業性が低
下するばかりか、光ファイバが破損するおそれがあるか
らである。より好ましい摩擦力は、 0.9 g/mm 以下であ
る。
【0022】さらに、この例では、非剥離性の薄層12
の厚さが 2〜15μmとされているが、これは、厚さが 2
μm未満では、ダイスによる被覆が困難になるうえ、十
分な強度が得られないおそれがあり、また、逆に15μm
を越えると、温度変化による損失変動が大きくなって伝
送特性が不十分になるおそれがあるばかりか、外径変動
率が、簡易コネクターによる接続の許容範囲である±1.
5 %を越えるようになり、簡易コネクターによる接続が
困難になるからである。より好ましい厚さは、5〜10μ
mの範囲である。
の厚さが 2〜15μmとされているが、これは、厚さが 2
μm未満では、ダイスによる被覆が困難になるうえ、十
分な強度が得られないおそれがあり、また、逆に15μm
を越えると、温度変化による損失変動が大きくなって伝
送特性が不十分になるおそれがあるばかりか、外径変動
率が、簡易コネクターによる接続の許容範囲である±1.
5 %を越えるようになり、簡易コネクターによる接続が
困難になるからである。より好ましい厚さは、5〜10μ
mの範囲である。
【0023】また、この例では、一次被覆14をヤング
率が常温で 0.01kg/mm2 〜1.0kg/mm2 の合成樹脂で形成
しているが、これは、この被覆が、低温での伝送損失の
増加を抑制するとともに、側圧に対する緩衝層として機
能し、伝送損失の増加を抑制する効果を有するものであ
り、常温でのヤング率が 0.01kg/mm2 未満でも、あるい
は1.0kg/mm2 を越えてもかかる効果は十分に得られない
からである。同様の理由から、この一次被覆14の仕上
り径は、上記の通り、 160μm〜210 μmの範囲とする
ことが望ましい。
率が常温で 0.01kg/mm2 〜1.0kg/mm2 の合成樹脂で形成
しているが、これは、この被覆が、低温での伝送損失の
増加を抑制するとともに、側圧に対する緩衝層として機
能し、伝送損失の増加を抑制する効果を有するものであ
り、常温でのヤング率が 0.01kg/mm2 未満でも、あるい
は1.0kg/mm2 を越えてもかかる効果は十分に得られない
からである。同様の理由から、この一次被覆14の仕上
り径は、上記の通り、 160μm〜210 μmの範囲とする
ことが望ましい。
【0024】さらに、この例において、二次被覆15を
ヤング率が常温で 10kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂で
形成しているのは、この被覆が、心線としての取り扱い
を容易にするとともに、一次被覆14との併用によって
側圧による伝送損失の増加を防止する作用効果を有する
ものであり、常温でのヤング率が10kg/mm 2 未満でも、
あるいは200kg/mm2 を越えてもかかる効果は十分に得ら
れなくなるからである。同様の理由から、この二次被覆
15の仕上り径は、上記の通り、 230μm〜300 μmの
範囲とすることが望ましい。
ヤング率が常温で 10kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂で
形成しているのは、この被覆が、心線としての取り扱い
を容易にするとともに、一次被覆14との併用によって
側圧による伝送損失の増加を防止する作用効果を有する
ものであり、常温でのヤング率が10kg/mm 2 未満でも、
あるいは200kg/mm2 を越えてもかかる効果は十分に得ら
れなくなるからである。同様の理由から、この二次被覆
15の仕上り径は、上記の通り、 230μm〜300 μmの
範囲とすることが望ましい。
【0025】なお、本発明は、このような例に限定され
るものではなく、例えば、非剥離性の薄層12上に上記
の二次被覆15のみからなる保護被覆3としてもよく、
あるいは、上記の二次被覆15上にさらに他の被覆を設
けるようにしてもよい。また、光ファイバ11上に非剥
離性の薄層12のみを形成したものは、機器内の光伝送
路用心線として有用であり、上記の例と同様の効果が得
られる。
るものではなく、例えば、非剥離性の薄層12上に上記
の二次被覆15のみからなる保護被覆3としてもよく、
あるいは、上記の二次被覆15上にさらに他の被覆を設
けるようにしてもよい。また、光ファイバ11上に非剥
離性の薄層12のみを形成したものは、機器内の光伝送
路用心線として有用であり、上記の例と同様の効果が得
られる。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例を記載する。なお、ヤ
ング率は、JIS K 7113-1980 に準拠して測定した、標点
間距離 25mm 、引張速度1mm/分、2.5 %伸歪みでの値で
ある。
ング率は、JIS K 7113-1980 に準拠して測定した、標点
間距離 25mm 、引張速度1mm/分、2.5 %伸歪みでの値で
ある。
【0027】実施例 コア径 9μmのSM型光ファイバ上に、ヤング率が23℃
で180kg/mm2 のフッ素系アクリル樹脂を外径が 125μm
となるように被覆して非剥離性の薄層を形成した。次い
で、この上に、ヤング率が23℃で 0.09kg/mm2 のウレタ
ンアクリレート系紫外線硬化型樹脂、およびヤング率が
23℃で 50kg/mm2 のウレタンアクリレート系紫外線硬化
型樹脂を、それぞれ外径が 200μmおよび 250μmとな
るように順に被覆した後、紫外線を照射して各被覆を共
硬化させ、一次被覆および二次被覆を形成して光ファイ
バ心線を得た。
で180kg/mm2 のフッ素系アクリル樹脂を外径が 125μm
となるように被覆して非剥離性の薄層を形成した。次い
で、この上に、ヤング率が23℃で 0.09kg/mm2 のウレタ
ンアクリレート系紫外線硬化型樹脂、およびヤング率が
23℃で 50kg/mm2 のウレタンアクリレート系紫外線硬化
型樹脂を、それぞれ外径が 200μmおよび 250μmとな
るように順に被覆した後、紫外線を照射して各被覆を共
硬化させ、一次被覆および二次被覆を形成して光ファイ
バ心線を得た。
【0028】得られた光ファイバ心線の一次被覆および
二次被覆を剥ぎ取った後、コネクタのジルコニア製フェ
ルール(内径 125.1μm)に挿入し、摩擦力を測定する
とともに、断線の発生率を調べた。結果を、コア径 9μ
mのSM型光ファイバ(比較例1)、および非剥離性の
薄層をヤング率が23℃で 130kg/mm 2 のウレタンアクリ
レート系紫外線硬化型樹脂により形成した例(比較例
2)について実施例と同様にして測定した摩擦力および
断線の発生率とともに表1に示す。
二次被覆を剥ぎ取った後、コネクタのジルコニア製フェ
ルール(内径 125.1μm)に挿入し、摩擦力を測定する
とともに、断線の発生率を調べた。結果を、コア径 9μ
mのSM型光ファイバ(比較例1)、および非剥離性の
薄層をヤング率が23℃で 130kg/mm 2 のウレタンアクリ
レート系紫外線硬化型樹脂により形成した例(比較例
2)について実施例と同様にして測定した摩擦力および
断線の発生率とともに表1に示す。
【0029】
【表1】 表1からも明らかなように、本発明にかかる光ファイバ
心線では挿入によって断線することなかったのに対し、
比較例のものでは、高頻度で断線が発生した。
心線では挿入によって断線することなかったのに対し、
比較例のものでは、高頻度で断線が発生した。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バ心線は、光ファイバ上に滑り性の良好な非剥離性の薄
層を有するので、コネクタへの挿入作業性が向上すると
ともに、コネクタ挿入時の光ファイバの破損が防止され
る。
バ心線は、光ファイバ上に滑り性の良好な非剥離性の薄
層を有するので、コネクタへの挿入作業性が向上すると
ともに、コネクタ挿入時の光ファイバの破損が防止され
る。
【図1】本発明の光ファイバ心線の一例を示す横断面
図。
図。
【図2】従来の光ファイバ心線の一例を示す横断面図。
11………光ファイバ 11a………コア 11b………クラッド層 12………非剥離性の薄層 13………保護被覆 14………一次被覆 15………二次被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H050 BB04R BB04S BB05R BB05S BB07R BB07S BB08Q BB14R BB14S BB17R BB17S BB31Q BD00
Claims (6)
- 【請求項1】 光ファイバのクラッド層上に、ヤング率
が常温で 50kg/mm2〜500kg/mm2 の合成樹脂からなり、
かつ、摩擦力が 1.0 g/mm 以下の前記クラッド層に対し
非剥離性の薄層を備えてなることを特徴とする光ファイ
バ心線。 - 【請求項2】 光ファイバのクラッド層上に、ヤング率
が常温で 50kg/mm2〜500kg/mm2 のフッ素系樹脂からな
る前記クラッド層に対し非剥離性の薄層を備えてなるこ
とを特徴とする光ファイバ心線。 - 【請求項3】 非剥離性の薄層の外周に、ヤング率が常
温で 10kg/mm2 〜200kg/mm2 の合成樹脂からなる保護被
覆を有することを特徴とする請求項1または2記載の光
ファイバ心線。 - 【請求項4】 非剥離性の薄層の外周に、ヤング率が常
温で 0.01kg/mm2 〜1kg/mm2 の合成樹脂からなる一次被
覆、およびヤング率が常温で 10kg/mm2 〜200kg/mm2 の
合成樹脂からなる二次被覆の二層構造の保護被覆を有す
ることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ
心線。 - 【請求項5】 非剥離性の薄層の仕上り径が 125μmで
あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか 1項記
載の光ファイバ心線。 - 【請求項6】 非剥離性の薄層の厚さが 2〜15μmであ
ることを特徴とする請求項5記載の光ファイバ心線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10329937A JP2000155244A (ja) | 1998-11-19 | 1998-11-19 | 光ファイバ心線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10329937A JP2000155244A (ja) | 1998-11-19 | 1998-11-19 | 光ファイバ心線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000155244A true JP2000155244A (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=18226947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10329937A Pending JP2000155244A (ja) | 1998-11-19 | 1998-11-19 | 光ファイバ心線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000155244A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004184880A (ja) * | 2002-12-05 | 2004-07-02 | Fujikura Ltd | 薄膜光ファイバの被覆構造 |
JP2009175223A (ja) * | 2008-01-22 | 2009-08-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 機器配線用光ファイバテープ心線及びコネクタ付き機器配線用光ファイバテープ心線 |
-
1998
- 1998-11-19 JP JP10329937A patent/JP2000155244A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004184880A (ja) * | 2002-12-05 | 2004-07-02 | Fujikura Ltd | 薄膜光ファイバの被覆構造 |
JP2009175223A (ja) * | 2008-01-22 | 2009-08-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 機器配線用光ファイバテープ心線及びコネクタ付き機器配線用光ファイバテープ心線 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040817 |