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JP2000007986A - ポリウレタンウレア塗床材用組成物およびその工法 - Google Patents

ポリウレタンウレア塗床材用組成物およびその工法

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Publication number
JP2000007986A
JP2000007986A JP10171753A JP17175398A JP2000007986A JP 2000007986 A JP2000007986 A JP 2000007986A JP 10171753 A JP10171753 A JP 10171753A JP 17175398 A JP17175398 A JP 17175398A JP 2000007986 A JP2000007986 A JP 2000007986A
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JP
Japan
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isocyanate
general formula
polyol
curing agent
coating
Prior art date
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Application number
JP10171753A
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Akira Ishii
明 石井
Tetsuo Sasaki
哲夫 佐々木
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Hodogaya Chemical Co Ltd
Original Assignee
Hodogaya Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車走行にも耐えうる耐久性と防水性能を有する
ポリウレタンウレア塗床材用組成物を提供する。また、
防水材の上に上記塗床材用組成物を塗布する工法を提供
する。 【解決手段】 トリレンジイソシアートとポリオールと
の反応によって得られるイソシアネート末端プレポリマ
ーを主成分とする主剤を構成するポリオール成分とし
て、ビスフェノール基含有ジオールを、ビスフェノール基
の含有量が限定された範囲になるように配合したものを
使用し、硬化剤のイソシアネート反応成分の主成分とし
て4,4’−メチレンビス−(2−クロロアニリン)ま
たはその変性物を使用し、主剤と硬化剤とを主剤のNC
Oと硬化剤のイソシアネート反応成分の当量比が一定の
範囲になるように混合し硬化させるポリウレタンウレア
塗床材用組成物。また、下層にウレタン塗膜防水材層を
塗布した上に、塗床材用組成物を塗工する塗床工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車走行にも耐えう
る耐久性と防水性能を有するポリウレタンウレア塗床材
組成物及びその工法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンウレア塗床材は、弾力性が
あり、防水性能にすぐれていることから従来ビルディン
グの廊下および室内床、体育館のスポーツ床などの用途
に広く使用されて来た。このようなポリウレタンウレア
塗床材は、通常トリレンジイソシアネート(以下TDI
と略称する)とポリオキシプロピレンポリオールとの反
応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーを
主剤とし、4,4’―メチレンビスー(2―クロロアニ
リン)(以下MOCAと略称する)をイソシアネート反
応成分の主成分とし、これに有機酸鉛塩などの触媒や、
必要に応じてポリオール、可塑剤、充填剤、顔料,添加
剤等を配合した後、塗工し室温において硬化せしめるも
のである。
【0003】近年、スーパーマーケット等の大型店舗、
パチンコ点等で、屋上を駐車場として利用する場面が多
くなって来ている。その際トータル建築コスト削減の為
に、軽量舗装が可能でしかも防水性能の高いポリウレタ
ンウレア塗膜系の防水兼舗装床材の要望が多くなってき
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ウレタン塗床材は主に人間の歩行に対応したものであ
り、従来のウレタン塗床材を駐車場等に用いると短期間
で擦り減って、下層の防水材層、プライマー層、または
下地が露出してしまい、また下層である前記防水材層等
との間で剥離が起き、車が走行する駐車場等、あるい
は、台車等が頻繁に行き来するフロア等に適したポリウ
レタンウレア塗床材が要望されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討の
結果、イソシアネート成分とポリオール成分を含有する
イソシアネート末端プレポリマーを主成分とする主剤を
製造するにあたり、主剤のポリオール成分として一般式
(I)で示されるビスフェノール基含有ジオールを配合
し、一般式(II)で示されるビスフェノール基の含有
量を、使用するポリオール全量に対し3〜35重量%と
することにより、ポリウレタンウレア塗床材の特長であ
る防水性能(塗膜の伸び率)を確保した上で大幅な機械
的強度の増大が達成でき、車走行に対する耐久性を向上
させ得ることを見出した。
【化7】 (一般式(I)中、R1およびR2は各々水素原子また
は低級アルキル基を示し、Aは炭素原子数2〜4のアル
キレン基を示し、m及びnは各々1〜10を示す。)
【化8】 (一般式(II)中、R1およびR2は各々水素原子ま
たは低級アルキル基を示す。)
【0006】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、第1の発明は、トリレンジイソシアネートと、ポ
リオールとの反応によって得られるイソシアネート末端
プレポリマーを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミン
をイソシアネート反応成分の主成分とする硬化剤とから
なる2液型常温硬化性ポリウレタンウレア塗床材であっ
て、主剤を製造するためのポリオール成分として、上記
一般式(I)で示されるビスフェノール基含有ジオールを
上記一般式(II)で示されるビスフェノール基の含有量
が使用するポリオール全量の3〜35重量%の範囲とな
るように配合して使用し、硬化剤中の芳香族オリアミン
の主成分としてMOCAおよび/またはその変性物を使
用し、主剤と硬化剤とを施工現場で、主剤のイソシアネ
ート基と硬化剤のイソシアネート反応成分との当量比が
0.9〜1.6となるように混合し、塗工し硬化せしめ
ることを特徴とするポリウレタンウレア塗床材用組成物
である。
【0007】第2の発明は、上記主剤中のイソシアネー
ト末端プレポリマーにおいてイソシアネート基含有量が
5〜10重量%であることを特徴とする第1の発明に記
載したポリウレタンウレア塗床材用組成物であり、
【0008】第3の発明は、トリレンジイソシアネート
とポリオールとの反応によって得られるイソシアネート
末端プレポリマーを主成分とする主剤と、芳香族ポリア
ミンを主成分とする硬化剤とからなる2液性常温硬化性
ポリウレタンウレア塗床材の塗床工法であって、主剤を
製造するためのポリオール成分として、上記、一般式
(I)で示されるビスフェノール基含有ジオールを必須
成分とし、上記一般式(I)中の部分構造である上記一
般式(II)で示されるビスフェノール基の含有量が使
用するポリオール全量の3〜35重量%の範囲となるよ
うに配合して使用し、硬化剤中の芳香族ポリアミンの主
成分として4,4’―メチレンビス(2―クロロアニリ
ン)および/またはその変性物を使用し、主剤と硬化剤
とを施工現場で主剤のイソシアネート基と硬化剤のイソ
シアネート反応成分との当量比が0.9〜1.6となる
ように混合し,塗工することを特徴とする塗床工法であ
り、
【0009】第4の発明は、(1)基盤の上にウレタン
塗膜防水材層を塗工した後に、(2)トリレンジイソシ
アネートとポリオールとの反応によって得られるイソシ
アネート末端プレポリマーを主成分とする主剤と、芳香
族ポリアミンを主成分とする硬化剤とからなる2液性常
温硬化性ポリウレタンウレア塗床材であって、主剤を製
造するためのポリオール成分として、上記一般式(I)
で示されるビスフェノール基含有ジオールを必須成分と
し、上記一般式(I)中の部分構造である上記一般式
(II)で示されるビスフェノール基の含有量が使用す
るポリオール全量の3〜35重量%の範囲となるように
配合して使用し、硬化剤中の芳香族ポリアミンの主成分
として4,4’―メチレンビス(2―クロロアニリン)
および/またはその変性物を使用し、主剤と硬化剤とを
施工現場で主剤のイソシアネート基と硬化剤のイソシア
ネート反応成分との当量比が0.9〜1.6となるよう
に混合し,塗工することを特徴とする塗床工法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の主剤を製造するためのポ
リオール成分として使用するビスフェノール基含有ジオ
ールは上記一般式(I)で示され、メチレンビスフェノ
ール、エチリデンビスフェノール、ブチリデンビスフェ
ノール、イソプロピリデンビスフェノール等のR1およ
びR2が各々水素原子または低級アルキルであるビスフ
ェノールに、炭素原子数2〜4のアルキレンオキサイド
(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイド)を付加する周知の方法により製造される
ものであり、mおよびnで表わされるアルキレンオキサ
イドの付加モル数1〜10好ましくは1〜6のものを用
いる必要がある。ここでm及びnが10を超えると塗床
材の強度の向上効果が低下し、かつ接着性の改善効果も
期待できなくなる。
【0011】上記ビスフェノール基含有ジオールは1種
類以上のものを混合して使用することができ、また他の
通常のポリエーテルポリオールと併用することも可能で
あるが、本発明の塗床材としての性能を発現させるため
には、主剤を製造するためのポリオール中に、上記一般
式(II)で示されるビスフェノール基を3〜35重量
%含有させる必要がある。3重量%より少ないと塗膜の
強度および下塗り材との接着性の改善効果が不十分であ
り、35重量%を超えると塗床材塗膜の伸び率が低下
し、防水性、屈曲性に劣るものとなってしまう。屋上駐
車場防水兼舗装用床材では高強度と耐クラック性の両面
の性能が要求され引張り強度150kgf/cm2以上、
伸び率は150%以上、好ましくは200%以上が最適
である。
【0012】ビスフェノール基含有ジオールと併用する
ことのできるポリオールとしては、ポリテトラメチレン
エーテルグリコール等のポリアルキレンエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポ
リオールが塗膜の強度と伸び率のバランスが良いので好
ましい。
【0013】主剤を製造するためのもう一方の原料であ
るイソシアネートは、TDIが主成分であることか必要
であり、イソシアネート成分と本発明に係るポリオール
成分を反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得
る。得られたイソシアネート末端プレポリマーのイソシ
アネート基含有量は 5〜10重量%の範囲に入るよう
に調製するのが好ましく、更に好ましくは、7〜9重量
%の範囲である。5重量%より低いと塗床材塗膜の強度
が弱く、10重量%を超えると塗膜の伸び率が低下し防
水性能に劣るものとなる。
【0014】TDIの種類としては、2,4−トリレン
ジイソシアネートと2,6―トリレンジイソシアネート
の数種類の混合物が市販されているが、2,4−異性体
含有率が65重量%以上のものが本発明では使用でき
る。2,4―異性体含有率の高いものほど塗工に際して
の可使時間(塗工可能時間)が長くとれる傾向があり、
必要に応じて異性体含有率の異なるものを使用すること
が出来る。
【0015】本発明の硬化剤に配合されるイソシアネー
ト基との反応成分は4,4’―メチレンビスー(2―ク
ロロアニリン)(MOCA)が主成分である必要があ
る。MOCAは、オルソクロルアニリンとフォルマリン
との縮合によってえられるが、このさい若干のアニリン
などで変性したMOCAの変性物も使用することができ
る。MOCAまたはその変性物は常温では固体であるた
め、可塑剤あるいはポリオール類に溶解した形で使用さ
れる。本発明ではイソシアネート基との反応成分は,M
OCAまたはその変性物のほかに、他の芳香族アミンあ
るいは、ポリオール類を一部併用することができる。併
用できる芳香族アミンとしては、1―メチルー3,5―
ジメチルチオー2,4または2,6―ジアミノベンゼ
ン、1―メチルー3,5ジエチルー2,4または2,6
―ジアミノベンゼン、3,3’―ジメチルー5,5’―
ジエチルー4,4’―ジアミノジフェニルメタンなどが
あげられるが、これらは塗工に際しての可使時間を確保
するためにイソシアネート基の反応成分全量の30モル
%以下で使用することが好ましい。
【0016】MOCAと併用することの出来るポリオー
ル類としては、ポリアルキレンエーテルポリオール、ビ
スフェノール基含有ジオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタジエンポ
リオール、ポリオレフィンポリオールなどが使用できる
が、塗床材としての強度などの物性を保持させるために
その使用量はイソシアネート基との反応成分全量の20
モル%以下であることが好ましい。
【0017】本発明で硬化剤中に使用できる可塑剤とし
ては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル
酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジ
オクチル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、塩
素化パラフィンなどの通常の可塑剤、汎用品として販売
されているユーレックス(商品名)、キシレン樹脂など
のウレタン樹脂用に一般に使用されている可塑剤的なレ
ジン、ポリプロピレンエーテルポリーオルの末端水酸基
をアシル化、アルコキシド化などの処理した可塑剤また
は、イソシアネート末端プレポリマーの末端イソシアネ
ートをメタノール、エタノール、ブタノールなどの一官
能性アルコールで封止した可塑剤などを使用することが
出来る。
【0018】可塑剤の使用量は、主剤中のプレポリマー
100部に対して15〜60部の範囲内にあることが好
ましい。15部より低いと塗床材塗工時に可使時間を確
保し難くなり、60部を超えると塗床材としの強度が保
持し難くなり、床材硬化後にその表面に可塑剤がブリー
ドしてきやすくなる。本発明では硬化剤には、充填剤、
揺変剤、顔料、消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、
耐候性付与剤、溶剤などを添加することが出来る。
【0019】本発明の組成物を塗工するには、施工現場
で主剤のイソシアネート基と硬化剤のイソシアネート反
応成分との当量比が0.9〜1.6となるように混合
し、下地処理された基盤の上に塗布し硬化せしめる。当
量比が0.9より低いと、硬化後の塗膜の強度が弱く塗
床材用途に不適となり、1.6を超えると、硬化時に発
泡現象が起き易く、ひいては硬化後の物性低下をもたら
す。
【0020】本発明の組成物の特徴が最もよく発揮され
るのはプライマー処理した基盤の上にまずポリウレタン
(ウレア)塗膜防水層を一層塗工し、その上に本発明の
組成物を床材として塗り重ねた場合である。本発明の組
成物の硬化塗膜は、下層の塗膜防水材層との接着性が従
来のウレタン塗床材に比べ極めて良好で、車走行などに
よる剥がれなどのトラブルの発生が少なくなる。比較的
柔らかいポリウレタン(ウレア)塗膜防水材層と、本発
明の組成物のような比較的硬く高強度の床材層とを、こ
のように組み合わせる工法をとることにより、クラック
に追従し易く、車走行にも耐え、かくして屋上駐車場の
防水兼舗装用に好適な塗床材となるのである。
【0021】塗床材はそのままでも使用できるが、雨、
水の介在によりスリップ性が激しくなるため床材の上に
必要に応じた防滑仕上げをすることが望ましい。防滑仕
上け方法は一般に使用されるアクリル塗料に、ゴム粉或
いは無機系骨材を配合して塗布する方法、床材の上に骨
材固着のタックコートを塗布し、硅砂等の細粒骨材を散
布し、固着する方法等の一般的方法が使用できる。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。
【0023】実施例1 [主剤の調整例]反応器に44部のビスフェノール基含有
ジオール(ビスフェノールAにプロピレンオキサイドを
付加させたもの。商品名アデカポリオールBPX―1
1、平均分子量360、旭電化社製)、506部のポリ
プロピレンエーテルジオール(商品名エクセノール72
0、平均分子量700、旭硝子社製)、300部のトリ
レンジイソシアネート(仕込NCO/OH=当量比は
2.0)および150部のキシレンを仕込み、80〜9
0℃で1.5〜2時間反応を行い,イソシアネート基含
有率7.14重量%の主剤を得た。このもののイソシア
ネート末端プレポリマー(溶剤を除いた)のイソシアネー
ト含有率は8.4重量%である。
【0024】[硬化剤の調整例]混合容器中に予め加熱溶
融した294部の4,4’−メチレンービス(2―クロ
ロアニリン)の変性物(商品名:ビスアミンA、和歌山
精化製)と、153部のフタル酸ブチルベンジル、15
3部のフタル酸ジオクチルおよび400部の炭酸カルシ
ウムを加え、ディゾルバーで均一に混合し、硬化剤を得
た。
【0025】[主剤と硬化剤の混合]混合比はすべて重量
比で主剤100部に対して硬化剤80部とした。主剤の
イソシアネート基と硬化剤中のイソシアネート反応成分
との当量比すなわちNCO/NH2(+OH)比を1.
2となるようにして混合した。
【0026】実施例2〜6及び比較例1〜3の主剤と硬
化剤も実施例1の方法に準じて調整した。それぞれの組
成を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1中に使用されているそれぞれの成分を
以下に示した。 [主剤] NCO成分 TDI:2,4―異性体含有率80重量%トリレンジイ
ソシアネート(商品名T―80、日本ポリウレタン社製 ポリオール成分 BPX―11:ビスフェノール基含有ジオール(ビスフ
ェノールAにプロピレンオキサイドを付加させたもの。
商品名アデカポリオールBPX―11、平均分子量36
0、旭電化製) BPX―33:同上(平均分子量580) BPX−55:同上(平均分子量790) D―700:ポリプロピレンエーテルジオール(商品名
エクセノール720、平均分子量700旭硝子製) T―3000:ポリプロピレンエーテルトリオール(商
品名アクトコール31―56、平均分子量3000、武
田薬品工業製) T―5000:同上(商品名アクトコール35―34、
平均分子量5000、武田薬品工業製) [硬化剤] MOCA:4,4’−メチレンービス(2―クロロアニ
リン)の変性物(商品名:ビスアミンA 和歌山精化製) T−3000:主剤で使用したものと同一のもの BPX―33:主剤で使用したものと同一のもの BBP:フタル酸ブチルベンジル(可塑剤) DOP:フタル酸ジオクチル(可塑剤) 炭酸カルシウム:丸尾カルシウム社製 オクチックス鉛:鉛オクトエート (日本化学産業社
製、鉛含有量20重量%)
【0029】[塗膜の物性試験]上記の混合比に従って混
合した後、所定の厚さに流延し、20℃で7日間放置し
た後、JIS−K−6301に準じて引張り試験を行な
った。結果を表1に示した。
【0030】[物性試験の評価]実施例1〜6、比較例1
〜3で得られた塗膜について、伸び率、引張り試験およ
び引き裂き試験を行った。伸び率は150%以上、引張
り強度150kgf/cm2以上、引き裂き強度35k
gf/cm以上を判定の基準にして、3項目とも基準を
超えたものについては、表1中の物性試験の評価の項目
を○とした。1項目でも基準値に満たない項目がある場
合は×とした。結果を表1に示した。
【0031】[接着性]下層にウレタン塗膜防水材を塗
工した後、その上に塗床材を塗り重ねる工法において、
層間の接着性をテストするために下記のように実施し
た。すなわち一液湿気硬化型ウレタンプライマー(商品
名:CB―30、保土谷建材工業社製)を塗布したスレ
ート板の上に,商品名:CS−F(主剤がTDIのウレ
タンプレポリマー、硬化剤がポリオールとアミンのウレ
タンウレア防水剤、保土谷建材工業社製)または商品
名:HCエコプルーフ(主剤がTDIのウレタンプレポ
リマー、硬化剤が主にアミンのウレタンウレア防水剤、
保土谷建材工業社製、)を1〜2mmの厚さになるよう
に塗工し、これを屋外に3日間放置した。その上に実施
例および比較例の各組成物を(主剤/硬化剤の重量比1
00/80)1〜2mmになるように塗布した。20℃
に7日間放置後JIS−A―5755の剥離接着強さ試
験方法に準じて180°ピール試験を行なった。その結
果;材料が凝集破壊したものは接着性○(良好)、上層
と下層の層間で界面剥離したものは接着性×(不良)と
した。結果を表1に示した。
【0032】[総合評価]上記の塗膜の物性試験および
接着性試験の結果を総合して、本発明の目的に適う性能
を示したもの、すなわち両試験とも良好な結果を示した
ものを○、いずれかまたは両方に欠陥の認められるもの
を×とした。結果を表1に示した。
【0033】実施例1〜5は、主剤を構成するポリオー
ルに、ビスフェノール基含有ジオールBPX―11、B
PX―33またはBPX―55(それぞれポリオール中
のビスフェノール基含有量は5.0、7.4または1
8.8重量%)を使用し、ポリプロピレンエーテルジオ
ールD―700を併用した場合である。但しこのうち実
施例3では硬化剤中に可塑剤以外にポリプロピレンエー
テルトリオールT―3000を、実施例4ではビスフェ
ノール基含有ジオールBPX―33を配合している。結
果は表1に示す通り塗床材としての塗膜物性はいずれも
引張り強度150kgf/cm2以上、引裂強度45k
gf/ cm以上の高強度を示し、伸び率も250%以
上と良好であった。実施例6は、主剤を構成するポリオ
ールとしてビスフェノール基含有ジオールBPX―55
(ポリオール中ビスフェノール基含有量28.6重量
%)のみを使用した場合である。結果は引張り強度17
0kg/cm2、伸び率270%、引裂強度39kgf
/cmと高強度、高弾性を示した。また実施例1〜6の
組成物はいずれも下塗り塗膜防水材層との接着性は良好
であった。
【0034】比較例1は、主剤を構成するポリオール中
にビスフェノール基含有ジオールを使用しないでポリプ
ロピレンポリオールのみを用いた場合の例であり、塗膜
物性は引張り強度120kgf/cm2、引き裂き強度
33kgf/cmと実施例の諸例と比較して低く、かつ
下面の塗膜防水材層との接着性は不良であった。比較例
2は主剤を構成するポリオール中のビスフェノール基含
有量が39重量%と、35重量%を超えて使用した場合
の例であり、結果は高強度ではあるが伸び率が90%と
低く弾性、可とう性にかけ、固く脆い塗膜となり、本発
明の目的の塗床材としては不適な性能であることが示さ
れた。比較例1および2、実施例1〜6の結果を勘案す
ると、本発明の目的とする高強度でかつ塗膜防水材との
接着性の良好な塗床材用組成物を得るには、主剤を構成
するポリオール中に、ビスフェノール基含有ジオールが
限定された範囲で配合されている必要があることが理解
される。
【0035】比較例3 主剤のイソシアネート基含有率が3.6重量%と低いも
のを使用した場合の例である。得られた塗膜は引張り強
度52kgf/cm2、引き裂き強度14kgf/cm
と強度が弱く、本発明の目的の塗床材としては不適当な
性能を示した。すなわち主剤のイソシアネート基含有率
が一定の限界値より低すぎると本発明の目的には不適当
であることが理解される。
【0036】[耐クラック性の評価] [セロスパンテンションの試験体の作製]180mm×
120mmのモルタル板の裏面の長手方向の中央に幅1
mmのスリットを厚さの約2/3まで入れる。次にモル
タル板の表面にプライマーを塗布する。プライマーが乾
燥後、ウレタンウレア防水材(商品名:HCエコプルー
フ、保土谷建材社製)を塗布して養生させ、所定量の床
材を塗布して養生させた後、試験体とした。
【0037】[セロスパンテンションの試験方法]試験
体のスリット部を折ってモルタル板にクラックを入れ
る。引張試験機にセットして、1分間5mmの速度でス
レート板の両端を長手方向に引っ張り、荷重と引張距離
をチャートに記録した。
【0038】実施例7及び比較例4 実施例7として、実施例2の組成物を1.5mmの厚さ
で塗工し床剤層とし、、上記防水材層の厚みを0.5m
mとして、セロスパンテンションの試験を行なった。ま
た、比較のために、比較例4として従来の床材(商品
名:ミリオネートRF―2000、保土谷建材社製)で
同様にセロスパンテンションの試験を行なった。試験結
果を表2に示した。なお、ミリオネートRF―2000
は、主剤がポリオキシアルキレンレン系のポリオールと
TDIから得られたイソシアンート末端プレポリマーで
あり、硬化剤は、MOCAが主成分である。
【0039】
【表2】
【0040】この結果から、下層に伸び率の高い防水材
層を用い、上層に本発明の強硬度、高弾性の床材層を塗
布した試験体は、従来の床材層を塗布した場合と比較し
良好な耐クラック性を示した。
【0041】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明のポリ
ウレタンウレア塗床用組成物は引張り試験、引裂試験、
伸び率とも良好でかつ、下層にウレタン塗膜防水材層を
施工した後、上層に接着性の改善された本発明の塗床材
組成物を塗工する工法をとることにより、車走行時にお
けるはがれなどのトラブルの発生を防ぎ、クラックに対
する追従性を高めることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA08 CA04 CA15 CB03 CB07 CC12 CC61 CC62 CC65 CC67 CD04 CD08 CD13 DA01 DB04 DB07 DF01 DF12 DG03 DG04 DG05 DG06 DG14 DG16 GA06 GA23 GA33 HA01 HA07 HC12 HC61 HC71 JA42 QB13 RA08 RA10 4J038 DG051 DG091 DG111 DG131 DG191 DG221 DG281 DG291 GA11 KA03 NA04 NA11 PA18 PB05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリレンジイソシアネートとポリオール
    との反応によって得られるイソシアネート末端プレポリ
    マーを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミンを主成分
    とする硬化剤とからなる2液性常温硬化性ポリウレタン
    ウレア塗床材用組成物であって、主剤を製造するための
    ポリオール成分として、下記一般式(I)で示されるビ
    スフェノール基含有ジオールを必須成分とし、下記一般
    式(I)中の部分構造である下記一般式(II)で示さ
    れるビスフェノール基の含有量が使用するポリオール全
    量の3〜35重量%の範囲となるように配合して使用
    し、硬化剤中の芳香族ポリアミンの主成分として4,
    4’―メチレンビス(2―クロロアニリン)および/ま
    たはその変性物を使用し、主剤と硬化剤とを施工現場で
    主剤のイソシアネート基と硬化剤のイソシアネート反応
    成分との当量比が0.9〜1.6となるように混合し、
    塗工し硬化せしめることを特徴とするポリウレタンウレ
    ア塗床材用組成物。 【化1】 (一般式(I)中、R1およびR2は各々水素原子また
    は低級アルキル基を示し、Aは炭素原子数2〜4のアル
    キレン基を示し、m及びnは各々1〜10を示す。) 【化2】 (一般式(II)中、R1およびR2は各々水素原子ま
    たは低級アルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】上記主剤中のイソシアネート末端プレポリ
    マーにおいて、イソシアネート基含有量が5〜10重量
    %である請求項1記載のポリウレタンウレア塗床材用組
    成物。
  3. 【請求項3】 トリレンジイソシアネートとポリオール
    との反応によって得られるイソシアネート末端プレポリ
    マーを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミンを主成分
    とする硬化剤とからなる2液性常温硬化性ポリウレタン
    ウレア塗床材の塗床工法であって、主剤を製造するため
    のポリオール成分として、下記一般式(I)で示される
    ビスフェノール基含有ジオールを必須成分とし、下記一
    般式(I)中の部分構造である下記一般式(II)で示
    されるビスフェノール基の含有量が使用するポリオール
    全量の3〜35重量%の範囲となるように配合して使用
    し、硬化剤中の芳香族ポリアミンの主成分として4,
    4’―メチレンビス(2―クロロアニリン)および/ま
    たはその変性物を使用し、主剤と硬化剤とを施工現場で
    主剤のイソシアネート基と硬化剤のイソシアネート反応
    成分との当量比が0.9〜1.6となるように混合し、
    塗工することを特徴とするポリウレタンウレア塗床工
    法。 【化3】 (一般式(I)中、R1およびR2は各々水素原子また
    は低級アルキル基を示し、Aは炭素原子数2〜4のアル
    キレン基を示し、m及びnは各々1〜10を示す。) 【化4】 (一般式(II)中、R1およびR2は各々水素原子ま
    たは低級アルキル基を示す。)
  4. 【請求項4】(1)基盤の上にウレタン塗膜防水材層を
    塗工した後に、(2)トリレンジイソシアネートとポリ
    オールとの反応によって得られるイソシアネート末端プ
    レポリマーを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミンを
    主成分とする硬化剤とからなる2液性常温硬化性ポリウ
    レタンウレア塗床材にであって、主剤を製造するための
    ポリオール成分として、下記一般式(I)で示されるビ
    スフェノール基含有ジオールを必須成分とし、下記一般
    式(I)中の部分構造である下記一般式(II)で示さ
    れるビスフェノール基の含有量が使用するポリオール全
    量の3〜35重量%の範囲となるように配合して使用
    し、硬化剤中の芳香族ポリアミンの主成分として4,
    4’―メチレンビス(2―クロロアニリン)および/ま
    たはその変性物を使用し、主剤と硬化剤とを施工現場で
    主剤のイソシアネート基と硬化剤のイソシアネート反応
    成分との当量比が0.9〜1.6となるように混合し,
    塗工することを特徴とする塗床工法。 【化5】 (一般式(I)中、R1およびR2は各々水素原子また
    は低級アルキル基を示し、Aは炭素原子数2〜4のアル
    キレン基を示し、m及びnは各々1〜10を示す。) 【化6】 (一般式(II)中、R1およびR2は各々水素原子ま
    たは低級アルキル基を示す。)
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