吉原遊女への折檻はどんなものがあった?足抜の現実…ほか【大河べらぼう】3月2日放送の解説&振り返り
鳥山検校(市原隼人)が瀬川(小芝風花)に身請けを申し出たことにより、20年越しで自分の気持ちに気づいた蔦屋重三郎(横浜流星)。
年季明けには必ず請け出すと約束したはいいものの、それまでの道のりはあまりに遠いものでした。どんなに美しく装おうとも、それが吉原遊郭の現実です。
かつて色恋を優先したために、自身の生命だけでなく、遊女たちの生きる希望すら絶ってしまった四代目瀬川……老獪な”いね”(水野美紀)の術中にハマった瀬川は、蔦重への想いを断ち切り、鳥山検校の身請け話を決断します。
五代目「瀬川」の名跡には、そういう重さがありました。
第9回放送「玉菊燈籠(たまぎくどうろう)恋の地獄」では、二人の苦いやりとりを堪能させられます。
それではNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」今週も気になるトピックを振り返って参りましょう!
吉原三景容「玉菊燈籠・俄・夜桜」
前回のおさらいで、江戸市中の地本問屋らと決別した吉原者たち。これからは吉原遊廓だけで本を売らなければなりません。
吉原遊廓に人を呼び込むにはどうすれば……という訳で、次郎兵衛(中村蒼)兄さんが言及した玉菊燈籠(たまぎくどうろう)。
盂蘭盆会のイベントとして人気があり、春の夜桜・吉原俄(にわか。俄狂言)と並んで吉原三景容(三大名物)に数えられました。
春の夜桜は花の季節だけに植えられ、夜になるとライトアップしたそうです。
さぞ幻想的な眺めを楽しめたでしょうが、花が終わるとすべて引っこ抜かれました。
吉原俄は男装した遊女たちや、お客の中でも芸達者な人々が狂言を披露したと言います。
そしてサブタイトルの玉菊燈籠。これは伝説の名妓・玉菊太夫を悼んで燈籠を掲げたのが始まりです。
こちらも夜闇に浮かぶ灯りが吉原の街並みを彩ったことでしょう。
非業の死を遂げた吉原遊女の霊を慰める「玉菊燈籠」とは?その始まりを紹介!【大河べらぼう】
果たして蔦重は、これらに勝る客寄せイベントを立ち上げることが出来るのか?今後の思案に注目です。
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