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南井正弘の「毎日走って、わかった!」

《2024年》専門家おすすめ「ランニングシューズ」14選と選び方! ナイキからアシックスまで

ランニングは、基本的にはシューズさえあれば場所や時間を選ばずに1人でもできることから、コロナ禍においても着実に競技人口を増やしてきました。2024年はスポーツやアクティビティーにほぼ制限なしに参加できる状況に戻ったことに加え、ランニングはウォーキングとともに最も気軽に始められるスポーツであることから、現在も安定した人気を誇っています。

ここでは、2024年春のランニング業界の大きなトレンドである“ハイレベルなクッション性”に着目し、ビギナーランナーだけでなく、あらゆるレベルに対応する14足を専門家・南井正弘氏がセレクト。意外と知られていないランニングシューズの正しい選び方についても同氏が改めて紹介します。

2024年春夏のランニングシューズ選びは、「ハイレベルなクッション性」がキーワード! 初心者から中級ランナーまでが履ける14足はコレ!!

2024年春夏のランニングシューズ選びは、「ハイレベルなクッション性」がキーワード! 初心者から中級ランナーまでが履ける14足はコレ!!

専門家・南井正弘流! 初心者のためのランニングシューズの選び方

選び方【1】 大きすぎても小さすぎてもダメ! ジャストサイズを選ぼう

初心者がランニングシューズを選ぶ際にやってしまいがちなのが、大きめのサイズを買ってしまうこと。アディダス「スタンスミス」やナイキ「ナイキ ダンク」、コンバース「オールスター」といった普段履きのスニーカーは、脱いだり履いたりすることを考えて、少し大きいサイズを選んでいる人は珍しくありません。しかしながら、ランニングシューズを選ぶとき、それはNGです。

かかとをピッタリとフィットさせたときに、つま先に少しゆとりがあるくらいのサイズを選びましょう。また、足長だけでなく足幅のフィットも重要。今回ピックアップしたシューズでは、アシックス「ゲルニンバス26」、ミズノ「ウエーブライダー27」、ナイキ「インフィニティラン4」、ホカ「アラヒ7」で「ワイド」のタイプを選べますので、足が幅広の人はそれらをトライしてみるとよいでしょう。
ちなみに、今回紹介するアルトラというブランドは、親指がいちばん長く、小指に向かって足長が短く、足囲にある程度ゆとりがある「オブリーク型」というラスト(木型)を使用しています。この形状は、日本人の足形に最も多いと言われる「エジプト型」の足にも無理なくフィットします。これまで、「どのシューズを履いてもフィットしなかった……」というランナーは、1度試してみてください。

選び方【2】 初心者にとって「軽いシューズ=いいシューズ」ではない!

手に持ったときに軽く感じるシューズは、「速く走れそう!」と思うかもしれませんが、脚力のないビギナーにはおすすめできません。

走行中には、体重の3倍程度の衝撃が足にかかると言われていますが、軽量なランニングシューズは衝撃を吸収するための機能を省略することで軽量化を図り、脚力を効率よく路面に伝達することを重視しているので、衝撃がダイレクトに足に伝わってしまいます。こういったシューズを初心者が履くと、走り始めはいいかもしれませんが、しばらくしたら足が痛くなって走れなくなってしまいます。ビギナーは、足の保護性の高いシューズを選ぶべきなのです。

選び方【3】 自分自身の走りのタイプに合ったモデルをセレクトしよう!

着地から蹴り出しまでの一連の動作において、足が内側に倒れ込むことを「プロネーション(回内)」と言います。この動きが軽度の場合はさほど問題ありませんが、この動きが過度になると「オーバープロネーション(過回内)」と言い、ケガの原因につながります。

こうした傾向のあるランナーは、ミッドソール内側に過度な倒れ込みを制御する機能を有したシューズを選ぶことをおすすめします。今回はピックアップしていませんが、アシックス「ゲル カヤノ」やブルックス「グリセリン GTS」といったシリーズが有名です。これらのシューズは、着地から蹴り出しまでの動きを補助することから「サポートタイプ」と呼ばれており、正しい足の動きで走れていないランナーから支持されています。今回セレクトしたシューズの中では、ホカ「アラヒ7」がミッドソールの意匠や素材の組み合わせを工夫することで、着地時の極端な倒れ込みを防止することに成功しています。

選び方【4】 今春のおすすめはクッション性を高レベルで確保したシューズ

2024年春夏に最も注目されているランニングシューズのタイプは、ハイレベルなクッション性を提供してくれるプロダクト。従来モデル以上のミッドソールの厚さを誇り、WA(世界陸連)の厚さ制限である40mmを超えた製品もリリースされています。こうしたプロダクトは、脚力が十分ではないビギナーを着地時の衝撃から守ってくれるだけでなく、30kmを超えるようなロングランも行う中級以上のランナーにとっても、脚部の負荷や疲労を軽減してくれる存在。実際に、中級以上のランナーの多くがひと昔前よりも厚手のシューズを選ぶようになりました。今回選んだ14足は、初心者だけでなく、あらゆるレベルのランナーに対応する、走行性能にすぐれたランニングシューズです。

南井正弘氏がおすすめするランニングシューズ14足!

01 アシックス「ゲルニンバス 26」

アシックス「ゲルニンバス 26(GEL-NIMBUS 26)」。公式サイト価格は19,800円(税込)。写真のカラーは「Feather Grey/Black」

アシックス「ゲルニンバス 26(GEL-NIMBUS 26)」。公式サイト価格は19,800円(税込)。写真のカラーは「Feather Grey/Black」

ソフトな履き心地と快適性を追求し、スムーズなランニング体験を生み出すためにアップデートされたニュートラルクッションモデル。エンジニアードニットアッパーがやわらかさとフィット感を提供してくれるほか、やわらかく足当たりのよいニットの履き口と伸縮性のあるニットシュータンにより、足に吸いつくようなフィット感を実現しています。

南井正弘氏
南井正弘氏

「ゲルニンバス 26」を実際に履いて走ってわかったこと!

「アシックス『ニンバス』シリーズは、前作「ゲルニンバス 25」で劇的なモデルチェンジを果たしました。“足の過度な倒れ込みがないランナー”に最適なニュートラルタイプのランニングシューズの代表作です。

今作は前作から最小限のスペック変更に留めていますが、抜群のクッション性と独自の浮遊感は健在。個人的には、エンジニアードニットアッパーが前作よりもフィット感が向上していると感じました。足を入れてみると、パッドが多めに入れられた履き口部分が足首にピッタリとフィットして心地よく、シューズの足長と足囲のバランスも自分の足にマッチしていて、効率的に脚力を路面に伝えてくれている気がしました」

02 アディダス「スーパーノヴァ ライズ」

アディダス「スーパーノヴァ ライズ(SUPERNOVA RISE)」。公式サイト価格は15,400円(税込)。写真のカラーは「グリーンスパーク/ワンダーブルー/ルシッドブルー」

アディダス「スーパーノヴァ ライズ(SUPERNOVA RISE)」。公式サイト価格は15,400円(税込)。写真のカラーは「グリーンスパーク/ワンダーブルー/ルシッドブルー」

「スーパーノヴァ ライズ」は、ミッドソールに「Dreamstrike+」テクノロジーを採用して再設計したス―パーフォームを搭載することで、従来の「スーパーノヴァ」シリーズ以上に高いクッション性を実現。これにより、履き心地とサポート性のバランスがよくなり、どこまで走っても心地よさが続くシューズに仕上がっています。さらに、従来よりも高密度の「フォームサポートロッドシステム」により、かかとからつま先へのスムーズな重心移動を実現しています。

南井正弘氏
南井正弘氏

「スーパーノヴァ ライズ」を実際に履いて走ってわかったこと!

「日本のランニングマーケットにおいて、アディダスのランニングシューズと言えば、『アディゼロ』シリーズが真っ先にあげられますが、海外では『スーパーノヴァ』や『アディスター』のシリーズもポピュラーな存在です。今回リリースされた本作は、多くの日本人ランナーに愛されるスペックに仕上がっていると感じました。

まずミッドソールを触ると素材のやわらかさを強く感じられ、同社で最も幅広いランナーに対応するシューズだと思っていた『アディゼロ SL』よりも万人受けしそうな印象。足を入れてみると、サンドイッチ構造のアッパーは足にやさしくフィットするうえ、ファンラン向けシューズとしては軽い部類に入ることがわかります。ミッドソールのやわらかさの割にフワフワした感覚はあまりなく、安定性が高く、快適な走行感を楽しめました。毎日走りたくなるような快適さとクッション性を提供してくれる一足だと思います」

03 アルトラ「アルトラフォワード エクスペリエンス」

アルトラ「アルトラフォワード エクスペリエンス(ALTRAFWD EXPERIENCE)」。公式サイト価格は20,350円(税込)。写真のカラーは「BLACK」

アルトラ「アルトラフォワード エクスペリエンス(ALTRAFWD EXPERIENCE)」。公式サイト価格は20,350円(税込)。写真のカラーは「BLACK」

アルトラは、「ランニング障害のリスクを減らすために、かかと部分とつま先部分の高低差がないシューズが最良の選択である」と提唱し、数多くのランナーから支持を受けてきたブランド。この構造により、自然なミッドフット(中足部)着地が促進され、脚部全体でショックを吸収するため、ランナーはケガをしにくいフォームで走れるわけです。

しかし、同ブランドのそういったシューズを履いたことがないランナーから「走りにくそう」という声も聞かれ、それに応えたのが本モデル。それでも前後の高低差は4mmと、一般的なランニングシューズよりも少なく、着地から蹴り出しまでのスムーズな動きと、ランニング障害の発生低減を両立することに成功しています。

南井正弘氏
南井正弘氏

「アルトラフォワード エクスペリエンス」を実際に履いて走ってわかったこと!

「これまでに30足を超えるアルトラのシューズを履き、かかととつま先部分の高低差のないシューズの利点を体感してきたので、『急に高低差のあるシューズを開発したのはなぜだろう?』と思っていましたが、実際に履いて走ってみて、その理由がわかりました。

足を入れてみると、『フットシェイプ』と呼ばれる足の形を模したアッパーは、同ブランドの従来モデルと同様にフィット感は快適。ミッドソールの高低差に関しても立っている状態ではあまり感じられませでした。

走り始めてみると、ミッドフット着地にうながされるので、無理なく中足部からの接地になりますが、蹴り出しは確かに従来モデルよりもスムーズな気がしました。4mmの高低差は、怪我の原因となる極端なかかと着地になることもないうえ、適度な前進力を与えてくれました!」

04 ブルックス「グリセリン21」

ブルックス「グリセリン21(Glycerin21)」。公式サイト価格は22,000円(税込)。写真のカラーは「ホワイト」

ブルックス「グリセリン21(Glycerin21)」。公式サイト価格は22,000円(税込)。写真のカラーは「ホワイト」

ブルックスの「グリセリン」シリーズは、「重力を感じさせないやわらかさ」をコンセプトに開発された高機能シューズ。液化窒素ガスを混ぜ、臨界発泡させて成型したミッドソールフォーム「DNALOFT v3」を前作「グリセリン20」より採用しているほか、さらに本作では2mm厚くしたことで、クッション性、反発性、耐久性のバランスにすぐれた一足に仕上がっています。

南井正弘氏
南井正弘氏

「グリセリン21」を実際に履いて走ってわかったこと!

「その履き心地のよさから、前作『グリセリン20』をヘビーローテーションで履いていました。今回のモデルチェンジでミッドソールを前作より2mm厚くしたことでクッション性の向上を図っているとのことですが、立っている状態では逆に前作よりもミッドソールの沈み込みが少なく、硬く感じました。

走ってみると、前作より着地安定性の向上が感じられ、走行中にこれらの変化はミッドソールの上部の一部が大きく巻き上げられていることにも起因していることが理解できました。アウトソールパターンの接地面積が増えたことも安定性の向上に貢献しており、6分10秒/kmほどで走っていると、『このシューズならずっと走っていられるなぁ……』と思うほど心地よく、日々のランニングをより快適なものにしたいと考えるランナーに最適な一足だと思いました」

05 オン「クラウドモンスター 2」

オン「Cloudmonster 2(クラウドモンスター 2)」。公式サイト価格は21,780円(税込)。写真のカラーは「Undyed/Flame」

オン「Cloudmonster 2(クラウドモンスター 2)」。公式サイト価格は21,780円(税込)。写真のカラーは「Undyed/Flame」

2022年のデビュー以来、ランニングシーンのみならず、ストリートシーンでも絶大な人気を誇ってきた厚底モデル、オン「クラウドモンスター」がさらにパワフルにモデルチェンジしました。ミッドソールは、2重密度の「Helion スーパーフォーム」を再設計してバウンス感のアップに成功。そして、さらに大きくなった「CloudTec」とナイロン配合の「Speedboard」がもたらす怒涛の推進力は、まさにモンスター級です。

南井正弘氏
南井正弘氏

「クラウドモンスター 2」を実際に履いて走ってわかったこと!

「『クラウドモンスター』は、2022年の登場以来、ヘビーローテーションで履いてきたシューズなので、今回のモデルチェンジは特に注目していました。足を入れてみると、同ブランドのラインアップでは大きめのサイズ感でしたが、履き口からかかと部分のフィット感にすぐれているので、快適な履き心地。

走り始めてみると、このブランド独自の自然な着地と爆発的な蹴り出しの組み合わせを感じられましたが、そのレベルは明らかに前作以上でした。これには前足部のミッドソールマテリアルの硬度を高めたことが大きく影響しており、蹴り出し時の足離れがスムーズです。

そのほか、アウトソールのグリップ性も確実にアップしており、デザインは似ているものの、その走行性能は大きく向上していることが体感。さらに、シュータンのメッシュ部分の通気性が大幅に向上しており、このスペック変更は高温多湿の日本の夏において、必ずやその効果を発揮してくれるだろうと思いました」

06 ホカ「アラヒ 7」

ホカ「ARAHI 7(アラヒ 7)」。公式サイト価格は22,000円(税込)。写真のカラーは「バーチャル ブルー/セリーズ」

ホカ「ARAHI 7(アラヒ 7)」。公式サイト価格は22,000円(税込)。写真のカラーは「バーチャル ブルー/セリーズ」

ホカの「アラヒ」シリーズは、「高い安定性で、安定したサポートを」をコンセプトに開発されたランニングシューズ。高い安定性を実現する同社独自の「J-Frameテクノロジー」を搭載したスタビリティーシューズです。通気性とフィット感が両立するように設計されたフラットニットアッパーと、中足部のフィット感を強化するシューホール構造とアイレットオーバーレイの形状を採用しています。足幅の広いランナーのために足囲を約2サイズ分(周囲約12mm)アップさせた「ワイドタイプ」をラインアップしているのもうれしいポイントです。

南井正弘氏
南井正弘氏

「アラヒ 7」を実際に履いて走ってわかったこと!

「ホカのランニングシューズの特徴と言えば、真っ先にあげられるのが、その柔軟な厚底ミッドソールから生まれるフワフワしたクッション性ですが、その点、『アラヒ 7』は若干異なります。もちろん十分なクッション性を有していますが、それに加えて高い安定性をプラスしているのです。

正直に言うと、クッショニングは同社の『クリフトン』や『ボンダイ』よりも感じにくいですが、着地時の過度な脚の倒れ込み、オーバープロネーションに対応している点は、その傾向にあるランナーにはうれしいポイントです。『普段はそうでもないけど、フルマラソンの後半にオーバープロネーションの傾向が出る』というランナーにはぜひトライしてほしい一足で、これまで30〜35kmの壁に泣かされてきたランナーの強い味方になってくれることでしょう」

07 サロモン「エアロ グライド 2」

サロモン「AERO GLIDE 2(エアロ グライド 2)」。公式サイト価格は18,700円(税込)。写真のカラーは「Sulphur Spring/Sunny Lime/White Jade」

サロモン「AERO GLIDE 2(エアロ グライド 2)」。公式サイト価格は18,700円(税込)。写真のカラーは「Sulphur Spring/Sunny Lime/White Jade」

サロモンのオンロードランニングシューズ「エアロ グライド 2」は、弾むようなクッション性を確保しながら、ダイナミックでエネルギーに満ちた走りを実現する一足。非常にソフトな高品質フォームを採用したアッパーは軽量で通気性が高いほか、足を包み込むような足首周りとパッド入りのタンが履いた瞬間からすぐれたフィット感をもたらし、長時間の走行でも快適な履き心地をキープしてくれます。

南井正弘氏
南井正弘氏

「エアロ グライド 2」を実際に履いて走ってわかったこと!

「サロモンはトレイルランニングのトップブランドとして知られていますが、最近ではロードランニングの世界でも高い評価を得ることに成功しています。『エアロ グライド 2』は、厚めのミッドソールを有したクッション性にすぐれたシューズで、本作でのモデルチェンジにより走行性能が向上しています。

足を入れてみると、足とシューズの一体感が感じられ、適度なクッショニングが心地よかったです。サロモンのオンロード向けランニングシューズには着地安定性と反発性を重視した『DRX BLISS』もありますが、本作のほうが着地時の衝撃吸収性と快適性を重視しており、長い距離をゆっくりと走りたいランナーには本作のほうがおすすめ。自分のペースで楽しく走れるはずです」

08 ヨネックス「カーボンクルーズ エアラス」

ヨネックス「カーボンクルーズ エアラス」。公式サイト価格は18,700円(税込)。写真のカラーは「マンゴー」

ヨネックス「カーボンクルーズ エアラス」。公式サイト価格は18,700円(税込)。写真のカラーは「マンゴー」

「カーボンクルーズ エアラス」は、ヨネックスがラケットスポーツで長年培ってきたカーボン設計の技術や知見を生かしたランニングシューズ。ソール内部に独自素材「パワークッション プラス」を搭載することで、一般的な衝撃吸収材「EVA」に対し、衝撃吸収性を28%、反発性を62%向上させており、走行時の衝撃をやわらげ、ひざを守ってくれます。ソール全体には、スピード走行に最適化した新しいカーブ形状「3Dパワーカーボン」を搭載。長距離走行時もペース維持に適した高剛性と転がりやすさを実現しています。

南井正弘氏
南井正弘氏

「カーボンクルーズ エアラス」を実際に履いて走ってわかったこと!

「ヨネックスのランニングシューズは、着実にランナーの支持を集めはじめています。これまではゆっくりペースのファンランナーに向けたプロダクトが多かったのですが、「カーボンクルーズ エアラス」は、それよりも上のレベルのランナーに対応。高い衝撃吸収性と軽量性を兼ね備え、軽やかな走りをサポートするため、スピードトレーニングやペース走に加え、フルマラソンやハーフマラソンで記録を狙うランナーを対象としたランニングシューズです。

フィット感の高いアッパーはランナーの脚力を効率よく路面へと伝えてくれるいっぽう、『3Dパワーカーボン』内蔵のソールユニットは着地から蹴り出しまでの一連の動きがスムーズで、自然とペースアップできます。ちなみに、私の知り合いのランナーはこのシューズを履いて4分/kmを切るペースでロードレースを走れていました」

09 ナイキ「ナイキ インフィニティラン4」

ナイキ「ナイキ インフィニティラン4」。公式サイト価格は18,700円。写真のカラーは「ブラック/アンスラサイト/ブラック」

ナイキ「ナイキ インフィニティラン4」。公式サイト価格は18,700円。写真のカラーは「ブラック/アンスラサイト/ブラック」

「ナイキ インフィニティラン4」は、新素材「ReactX」、伸縮性のあるフライニット、幅広のミッドソールを組み合わせることで、足元を包み込むような快適な走り心地を提供するモデル。耐水加工を施したメンブレンをプラスしており、小雨程度ならさらりとした状態をキープしてくれます。

南井正弘氏
南井正弘氏

「ナイキ インフィニティラン4」を実際に履いて走ってわかったこと!

「初代の『ナイキ インフィニティラン』から同シリーズをすべて履いてきましたが、第4弾の今作でフルモデルチェンジを果たしました。前作まではかかとから土踏まずまで大きく伸びた合成樹脂パーツが大きな特徴で、このパーツが着地安定性を向上させることに成功していました。いっぽうで同パーツが走行中に土踏まずに干渉するという声が一部あったのも事実でしたが、今回は同様のパーツを使用せずに、ミッドソールを上部に巻き上げるなど、形状を工夫することで高いレベルの着地安定性を確保しています。

足を入れてみると、伸縮性にすぐれた『ナイキ フライニット』アッパーのフィット感が高く、同社が足型によってはハーフサイズアップをすすめているのを理解。走り始めてみると、衝撃吸収性と反発性の絶妙なハーモニーが感じられ、抜群のクッショニングが普段のランニングにワンランク上の快適さを提供してくれました。ランニングをライフスタイルの一部にしたいランナーにピッタリなシューズです」

10 プーマ「ヴェロシティ ニトロ3」

プーマ「ヴェロシティ ニトロ3」。公式サイト価格は14,300円。写真のカラーは「PUMA White/PUMA Silver/PUMA Black」

プーマ「ヴェロシティ ニトロ3」。公式サイト価格は14,300円。写真のカラーは「PUMA White/PUMA Silver/PUMA Black」

「ヴェロシティ ニトロ 3」は、「誰もが弾む、ブレない厚底」をテーマにしたモデル。爆発的なスピードを提供する「NITRO FOAM」と、安定性と耐久性を与える「PRO FOAM LITE」を組みわせることで、弾むようなライド感を感じながらもブレずに安定した走りを実現しています。税込14,300円という設定は、現在のランニングシューズマーケットではお買い得な価格と言えるでしょう。

南井正弘氏
南井正弘氏

「ヴェロシティ ニトロ3」を実際に履いて走ってわかったこと!

「足を入れてみると、使用している木型は足長が若干長めで、足囲はピッタリとした形状であることがわかりました。立っている状態では、ある程度硬度のある『PRO FOAM LITE』の採用もあって、安定性が高いことも理解できました。この安定性の高さは走り始めた後も同様で、柔軟な『NITRO FOAM』の下にこの素材を配したことから、着地時のグラつきがなく、『タン、タン、タン』といった感じの小気味よいリズムで走れました。

ペースを徐々に上げていくと、『NITRO FOAM』の存在感が増し、高い反発性が感じられるほか、アッパーの土踏まず部分の『PWRTAPE』のサポート性も顔を出してきます。

『プーマグリップ』のアウトソールは粘度が高く、舗装路で他ブランドよりも明らかに高いグリップ性を発揮しましたが、ある程度刻みの深さがあるので、公園の土の路面でもしっかりとグリップしてくれたのはありがたかったです」

11 ニューバランス「フレッシュ フォーム X 1080 v13」

ニューバランス「Fresh Foam X 1080 v13(フレッシュ フォーム X 1080 v13)」。公式サイト価格は18,700円(税込)。写真のカラーは「GRAY」

ニューバランス「Fresh Foam X 1080 v13(フレッシュ フォーム X 1080 v13)」。公式サイト価格は18,700円(税込)。写真のカラーは「GRAY」

ニューバランスの「1080」シリーズは、アメリカを始めとした海外マーケットにおいてベストセラーの一角を占めるロングセラー。そのなかの一足「フレッシュ フォーム X 1080」が2023年秋にアップデートし、よりソフトなライド感と軽量化を実現しました。クッション性はそのままに、さらなる軽さと反発性を加えた新しいミッドソールと、タイトすぎないフィット感に改良したアッパーにより、長時間のランニングも快適にサポートしてくれます。ちなみに、本モデルは日本のランナーからも高い評価を得ており、リリースされた昨秋以降、良好なセールスを記録しています。

南井正弘氏
南井正弘氏

「フレッシュ フォーム X 1080 v13」を実際に履いて走ってわかったこと!

「本モデルを最初に手にしたときに驚いたのはその軽さ。ボリューミーなシルエットからは想像できない軽量性を実現しており、足を入れてみると、アッパーのフィット感のよさもあいまって、本当に軽く感じました。

ミッドソール素材は明らかに従来モデルよりもやわらかくなりましたが、実際走り始めてみると、その認識はさらに強いものに。フワフワとした着地感で、走っていて本当に楽しくなります。それでいて着地安定性に不安がないのは、幅広のソールユニットを有しているからでしょう。

本モデルのもうひとつの魅力は、そのデザイン&カラーリング。自分が履いたのは『ブラック』でしたが、ランからライフスタイルシーンまでシームレスに活躍してくれます」

12 ミズノ「ウエーブライダー27」

ミズノ「ウエーブライダー27」。公式サイト価格は14,800円(税込)。写真のカラーは「イエロー×ホワイト×ピンク」

ミズノ「ウエーブライダー27」。公式サイト価格は14,800円(税込)。写真のカラーは「イエロー×ホワイト×ピンク」

「すべてのRUNがFUNになる走りやすさを。」をコンセプトに開発された「ウエーブライダー27」は、ミズノのランニングカテゴリーを代表するスタンダードモデル。ミッドソール素材「ミズノエナジー」を使用してボリュームアップさせたソールユニットを前作から継承しつつ、ソールの波形構造によりクッション性と安定性を両立させる「ミズノウエーブ」を組み合わせた構造は、高いレベルで衝撃吸収性、反発性、安定性を兼ね備えています。

南井正弘氏
南井正弘氏

「ウエーブライダー27」を実際に履いて走ってわかったこと!

「『ウエーブライダー』と言えば、日本のランナーのみならず、世界中のランナーにとっても定番と言っても過言ではない人気モデル。衝撃吸収性、反発性、安定性を高次元で追求してきましたが、前作 『ウエーブライダー26』ではソールユニットのボリュームアップを図ったいっぽう、今作では細部のスペックを改良することで、より快適な走り心地を追求しています。

ひと昔前の『ウエーブライダー』のミッドソールはそれほど厚くなく、足裏感覚を感じられる設計でしたが、今作では厚手のミッドソールを採用したことによるフワフワとしたクッショニングが真っ先に感じられました。

もちろん、反発性と安定性を両立した「ミズノウエーブ」をかかとから中足部にかけて内蔵しているため、着地時のグラつきとは無縁。以上のように、ソフトなクッショニングというトレンドをしっかりと取り入れつつ、『ウエーブライダー』伝統の走り心地をしっかりとキープしている点はさすがのひと言です」

13 サッカニー「エンドルフィン スピード4」

サッカニー「エンドルフィン スピード4」。公式サイト価格は19,800円(税込)。写真のカラーは「WHITE/VIZIORG」

サッカニー「エンドルフィン スピード4」。公式サイト価格は19,800円(税込)。写真のカラーは「WHITE/VIZIORG」

サッカニーの「エンドルフィン」シリーズは、2020年のデビュー以来、その走行性能の高さにより、ワールドワイドで中級レベル以上のランナーから高い評価を得ています。そのなかでも「エンドルフィン スピード」は、上級ランナーの練習用、中級ランナーのレース&練習兼用シューズとして人気のプロダクト。第4弾の本作は、ミッドソールの中足部の幅を広くして安定感を維持しているほか、「PWRRUN PB」の使用によりすぐれたクッション性と反発性を確保しています。

南井正弘氏
南井正弘氏

「エンドルフィン スピード4」を実際に履いて走ってわかったこと!

「一部のプレート内蔵シューズの場合、『速く走らされている』という感覚に陥ることが珍しくなかったのに対し、『エンドルフィン』シリーズは『あくまで自分の意志でスピードがコントロールできる』という利点があり、幅広い層のランナーに愛されていました。

前作『エンドルフィン スピード3』ではミッドソールのボリュームアップを行ったことで反発力が増したものの、若干コントロールしにくくなったのを感じたランナーは少なくなかったのですが、今作ではさらなる推進力と扱いやすさを絶妙なバランスで両立。特に感じるのは独自の浮遊感で、1歩1歩のストライドを今までにない感覚で重ねられました」

14 アンダーアーマー「UAインフィニット エリート」

アンダーアーマー「UAインフィニット エリート」。公式サイト価格は18,700円(税込)。写真のカラーは「Black/Sonic Yellow」

アンダーアーマー「UAインフィニット エリート」。公式サイト価格は18,700円(税込)。写真のカラーは「Black/Sonic Yellow」

進化したクッショニング素材「UAホバープラス」を搭載した「UAインフィニット エリート」は、従来の「UAホバー」から約20%の軽量化を果たし、より大きなエネルギーリターンを生み出せるモデル。足を入れて1歩目から感じられる弾力性が大きな特徴で、軽くてやわらかい「UAホバープラス」が長時間の走行において足への負担を軽減し、スムーズかつ快適な走りを実現します。

南井正弘氏
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「UAインフィニット エリート」を実際に履いて走ってわかったこと!

「アンダーアーマーというと、今でもスポーツアパレルのイメージが強いかもしれませんが、最近ではスポーツシューズの分野でも高い評価を得ており、2022年の『ニューヨークシティマラソン』女子の部を制したシャロン ロケディ選手は同社のレーシングシューズを履いていました。私もアンダーアーマーの歴代ランニングシューズをいくつも履いてきましたが、着実に機能性を向上させていることを体感しています。

本作は、これまでトライしたアンダーアーマーのシューズの中で最も厚いミッドソールを有しており、スーパーボールが足裏にあるかのような弾む感覚を体験できるいっぽうで、十分な安定性を確保してくれているのがありがたいです。同社いわく『ロング走に向いている』そうですが、確かに長距離を走っても脚部への負荷が少なめ。筆者は6kmランを日課としていますが、このシューズを最初に履いたときは11km走れてしまいました」

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牧野裕幸(編集部)
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牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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