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レビュー

さらに厚底に! 8→9へと進化したHOKAの名作「ボンダイ」は買いか?

運動不足の解消やダイエットのため、今年こそはウォーキングやランニングを継続したいと思っている人は多いのではないだろうか。そうした際には、ケガの予防のためにも専用シューズを選ぶことを強く推奨したい。健康のために始めた運動で膝や腰を痛めてしまっては、あまりにももったいない。

2025年1月に発売されたホカ(HOKA)の「ボンダイ 9(BONDI 9)」は、これからウォーキングやランニングを始めようとしている人にうってつけのシューズと言えるだろう。

街履き用シューズとしても人気! 改めて、ホカの「ボンダイ」シリーズとは

近年、分厚いミッドソールを備えた、いわゆる“厚底”のランニングシューズが一般的になっているが、ホカはブランドがスタートした2009年から一貫して厚底シューズを作り続けている。すぐれたクッション性とユニークなスタイルが支持され、ランニングシーンだけでなく、ファッションシーンでも注目されているホカだが、なかでも特に「ボンダイ」シリーズは人気が高い。

最大級のクッション性というコンセプトのもと、初代「ボンダイ」が登場したのは2011年のこと。トレイルランニングシーンで高い評価を得たホカの魅力を詰め込んだロードランニング用のシューズとして誕生した。極厚のミッドソールが生む抜群のクッション性と個性的なフォルムにより、ランナーに支持されるだけでなく、タウンユースモデルとしても注目の存在となった。ファッションブランドとのコラボレーションでも脚光を浴び、厚底スニーカーがファッショントレンドになると、瞬く間に人気スニーカーの座に。特にオールブラックカラーの「ボンダイ 5」や「ボンダイ 6」は、男女を問わず多くの人に履かれることになった。

「ボンダイ 9」でさらに厚底になり、ミッドソール素材も一新!

ホカ「ボンダイ 9」。公式サイトは24,200円(税込)。写真のカラーはギャラティック グレー/ステラーグレー

ホカ「ボンダイ 9」。公式サイトは24,200円(税込)。写真のカラーはギャラティック グレー/ステラー グレー

前作「ボンダイ 8」が発売されたのは2022年の7月。つまり、今回は2年半ぶりのアップデートということになる。「ボンダイ 9」はどのような進化を遂げたのだろうか。最も大きなアップデートポイントは、ミッドソール素材の変更とソール厚が増したことだろう。

ミッドソールには、新しく「SCF EVA(スーパークリティカルフォーム イーブイエー)」という素材が採用された。これは、超臨界発泡をしたEVAベースの素材。樹脂に高圧力・高温をかけ、超臨界流体と呼ばれる気体と液体の中間的な状態にしてから、成型用の金型に流し込んで作られる。その結果、高密度な発泡パーツとなり、より反発性や強度が高まるという。

従来よりも軽量性・弾力性・ダイナミック性にすぐれた「SCF EVA」を採用することで、「ボンダイ 9」は今まで以上に快適なライド感のシューズに仕上がった。加えて、スタックハイト(ソールの厚さ)が前作よりも2mmアップ。メンズモデルはかかと部が43mm、前足部が38mm(ウィメンズモデルはかかと部42mm、前足部37mm)に。元々厚底な「ボンダイ」シリーズだが、さらに厚みが増したことで、より贅沢感のあるクッション性が得られるようになった。

アッパーは、通気性とサポート性を両立するためにゾーンごとにパターンを変えた、形状保持ニットを採用。フィット感を向上させている。

ミッドソールにはSCF EVAを新採用。スタックハイトは前作から2mmアップした

ミッドソールにはSCF EVAを新採用。スタックハイトは前作から2mmアップした

通気性とサポート性を両立したニットアッパー。足あたりはソフト

通気性とサポート性を両立したニットアッパー。足あたりはソフト

アウトソールには耐摩耗性にすぐれたデュラブレーションラバーを採用

アウトソールには耐摩耗性にすぐれたデュラブレーションラバーを採用

クッション性と安定性をハイレベルで両立

実際に足を入れてみる。前作から履き口の形状がアップデートされており、足入れがしやすく、足首周辺のフィット感も上々だ。前作からのスタックハイトの2mmアップをすぐに気がつけるほど、筆者の足は敏感ではないが、これぞ「ボンダイ」といった感じの厚みは感じられる。わかりやすいのは、ミッドソール素材の変更部分。弾力性が増したからか、やわらかさこそ感じるものの、フカフカと沈み込むような感じではなく、安定感がある。

クッション性が高く、路面の硬さが気にならない

クッション性が高く、路面の硬さが気にならない

歩き出すと、クッション性の高さを強く感じるようになる。このあたりは、さすが「ボンダイ」といったところ。ホカ独自の「メタロッカー」(靴底のカーブ構造)のおかげで、着地から蹴り出しまでの重心移動がスムーズに行える。かなり日常使いしやすいシューズなのではないだろうか。

ウォーキングからランニングへ。スピードを上げていっても快適性、心地よいライド感はキープされる。ミッドソールに「アクティブ フット フレーム」(足全体を包み、踏み込んだ際の縦横の揺れやズレを防ぐ構造)が採用されており、安定感がある。

過去の「ボンダイ」よりも走りやすい!

「ボンダイ 5」や「ボンダイ 6」あたりは、かなりクッション性が重視され、ウォーキングやスローペースのジョギングに適している感覚があった。快適なクッション性はあるけれど、ソールの沈み込みがある分、スピードは出しにくく、ソフトなソール特有の不安定さも感じられた。

そのころの「ボンダイ」と比べると、「ボンダイ 9」はかなり走りやすい。ペースを上げても安定感があり、ミッドソール素材の弾力性が向上したからか、もっさり感もない。メーカー公式サイトで公開されているシューズの重量は、「ボンダイ 8」がメンズ27cmで307g、「ボンダイ 9」が28cmで297gとなっている。ソールが厚くなったにもかかわらず、前作よりも軽くなっているわけだが、実際にライド感は軽やか。幅広いレベルのランナーにフィットするだろう。

歩いてよし、走ってよし。「ボンダイ 9」は汎用性の高いシューズだ

歩いてよし、走ってよし。「ボンダイ 9」は汎用性の高いシューズだ

【まとめ】「9」になって歩きやすさも走りやすさもレベルアップ!

ミッドソールの素材が変更され、ソールの厚みが増した「ボンダイ 9」。従来よりも軽量性・弾力性・ダイナミック性にすぐれたミッドソール素材になったことで、前作以上に快適なライド感が得られるシューズとなった。アッパーのフィット感も向上しており、長時間のウォーキングやランニングがより心地よく行えるシューズに進化している。過去に「ボンダイ」シリーズのシューズを履いたことがあり、しばらく履いていない人ならば、間違いなくその進化に驚くはずだ。

タウンユースしやすいデザインも「ボンダイ 9」の魅力。多くの人が高い満足度を得られるシューズと言えるだろう。

神津文人
Writer
神津文人
雑誌編集者(3媒体でトータル15年。モノ雑誌では副編集長を務める)を経て、フリーランスのライター&エディターに。ヘルス&フィットネス、スポーツ領域を中心に活動中。書籍の構成も手掛ける。趣味は柔術。ときどきランニング。
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