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新傑作ウォッチで令和を刻む

ファン心をくすぐる! トリコロールに染まったカシオ「エディフィス」×「HRC」の最新作を解説

カシオが2000年から展開している「エディフィス」は、モータースポーツなどからイメージするアクティブなデザインに先進テクノロジーを結合させたスポーツウォッチのブランドです。今回は、その「エディフィス」の人気シリーズ「ソスペンシオーネ」から新しく発売された「ホンダ・レーシング コラボレーションモデル」の一作である「ECB-2000HR-1AJR」を取り上げて、その魅力に迫ります。

2024年11月15日に発売されたカシオ「エディフィス ソスペンシオーネ ホンダ・レーシング コラボレーションモデル ECB-2000HR-1AJR」。公式サイト価格は55,000円(税込)

2024年11月15日に発売されたカシオ「エディフィス ソスペンシオーネ ホンダ・レーシング コラボレーションモデル ECB-2000HR-1AJR」。公式サイト価格は55,000円(税込)

「HRC」のレーシングスピリットを表明する赤×青×白トリコ

「ソスペンシオーネ」とは、イタリア語でサスペンション(※1)のこと。「腕に着けるモータースポーツマシン」をテーマに、2022年8月にデビューした「ソスペンシオーネ」は、フォーミュラカーのサスペンションからインスパイアされたディテールを取り入れるなど、レーシングカーモチーフのデザインが特徴のシリーズです。

今回取り上げるのは、そのシリーズにおける「エディフィス」と、本田技研工業が1982年に設立したモータースポーツ専門会社である「ホンダ・レーシング」(以下、HRC)のコラボモデル。「エディフィス」×「HRC」のコラボは2018年から継続的に展開されており、ここで紹介するモデルはその最新作です。

本作のいちばんの特徴は、カラーリングに「HRC」のレーシングカーにも多用されているトリコロールが取り入れられている点。レッド×ブルー×ホワイトの組み合わせは同チームのレーシングスピリットを表明するもので、レッドは「勝利にかける人間の熱い情熱」を、ブルーは「理論に基づく高い技術力」を、ホワイトは「モータースポーツを愛するすべてのお客様」を表しています。

色使いは、「HRC」の最新マシン「シビック・タイプR-GT」(写真右手前)のカスタムカラーと同じもの。なお、同車の車両形式はツーリングカーですが、本作の素通しが設けられたラグなどはフォーミュラカーのサスペンションがデザインモチーフです

色使いは、「HRC」の最新マシン「シビック・タイプR-GT」(写真右手前)のカスタムカラーと同じもの。なお、同車の車両形式はツーリングカーですが、本作の素通しが設けられたラグなどはフォーミュラカーのサスペンションがデザインモチーフです

このビビットなトリコロールを、ベゼルのマーキングや文字板外周のミニッツマーカー、バンドなど各所にあしらい、スタイリッシュでアクティブ、かつエレガントなたたずまいに仕上げています。さらに、文字板にダブルネームロゴを、また、6時側のフラッシュフィットに「HONDA」のロゴも取り入れて、スペシャルなコラボレーションモデルであることを主張しています。

※1:操縦安定性や乗り心地などを高める機能を持つ懸架装置

日常でもスポーツでも旅でも! 「エディフィス」×「HRC」のコラボ作は便利機能がてんこ盛り

搭載機能についても、簡単に触れておきましょう。まず、駆動方式は「タフソーラー」。太陽光はもちろん、蛍光灯の光さえも動力に変換し、1回のフル充電で約7か月間の駆動を可能にする、高い信頼性を誇るカシオ独自のソーラー充電システムです。

レースカーの計器類を思わせるインダイヤルの搭載で、フェイスはまるでインパネのようです!

レースカーの計器類を思わせるインダイヤルの搭載で、フェイスはまるでインパネのようです!

時刻表示は12時間、24時間の両表示の切り替えが可能で、カレンダーは日・曜表示のフルオート。9時位置のアナログ式ミニダイヤルはアラーム&タイマー用で、30分前に発される予告音とともにカウントが始まると、このダイヤルでタイムアップまでの残り時間が確認できます。また、世界38都市の時刻に対応するワールドタイムはビジネスや海外旅行などで重宝し、1/100秒ストップウォッチはスポーツ計時やレース観戦で活躍することでしょう。

Bluetooth通信で愛用のスマホに連動するモバイルリンク機能も併載。これにより、時刻が自動修正され、各種の設定はよりクイック&スムーズなものに。ワールドタイムは対応都市が約300に拡大し、ストップウォッチでは最大200ものラップデータをスマホに転送することで、それらの一括表示が可能に。また、うっかりなくしたスマホの在りかを教えてくれるのも大助かりです。

文字板のみならず、ステンレススチール製の裏ブタにも「エディフィス」と「HRC」のダブルネームロゴを配置。ちなみにベゼル&ケースはカーボンファイバー強化樹脂製です

文字板のみならず、ステンレススチール製の裏ブタにも「エディフィス」と「HRC」のダブルネームロゴを配置。ちなみにベゼル&ケースはカーボンファイバー強化樹脂製です

トリコな「アルカンターラ」バンドにも数々のコラボの証が!

本作では、標準装備されているバンドにも要注目です。まず、生地ではポリエステル約68%とポリウレタン約32%の「アルカンターラ」を採用。これは1970年に日本の科学者、岡本三宜氏によって発明された人工スエードで、その2年後に日本とイタリアの2か国で生産が始まり、現在では日本製は東レから「ウルトラスエード(旧称:エクセーヌ)」と、イタリア製はアルカンターラ社により、「アルカンターラ」と銘打たれて販売されています。

風合いは本革のスエードに酷似しており、すこぶるしなやかで、通気性や発色性に富むほか、水濡れに強く、耐傷性、耐光性、難燃性、防汚性にすぐれているため、ヒビ割れや剥離を起こしにくく、汚れてもケアが容易……と、さまざまな利点を持つため、各国の高級車メーカーがこぞってシートやフロントパネル、ドアパネルなどの内装生地に取り入れているのです。

このプレシャスな合皮を表・内の両面に使って作られた本作のバンドでは、表材をクールなブルーとし、そこにレッド×ホワイトのステッチを施して「HRC」のトリコロールを表現。そのいっぽう、内面では生地も縫い糸も鮮やかなレッドで統一されています。

表・内面ともに「アルカンターラ」で作られたバンドでは、生地とステッチでトリコロールを表現。メタルループには「HRC」のレーシングスピリットが英文で刻まれています

表・内面ともに「アルカンターラ」で作られたバンドでは、生地とステッチでトリコロールを表現。メタルループには「HRC」のレーシングスピリットが英文で刻まれています

剣先の根本には同チームのロゴワッペンも!

剣先の根本には同チームのロゴワッペンも!

また、少々わかりにくいのですが、その表材に何やらドローイング調の装飾が施されています。実はこれ、ホンダ製レーシングカーの設計図面から一部をトレースし、それをレーザーでマーキングしたというもの。バンドの親ではコンロッド(※2)が、剣先ではエンジンバルブ(※3)が描かれ、これらがさりげなく「HRC」ファンの心をくすぐるのです。

さらに、親側に通されたメタル製の遊環を見ると、レッド、ブルー、ホワイトのそれぞれに与えられた「HRC」のレーシングスピリットが英語で刻まれていることがおわかりでしょう。加えて、剣先に「HRC」ロゴのワッペンが縫合され、バンドの内面には「EDIFICE」と「ALCANTARA」のロゴもスタンピング……と、いたる箇所で徹底したこだわりが見てとれるものとなっています。

※2:コネクティングロッドのこと。エンジンを構成する1パーツで、ピストンの往復直線運動を回転運動に変換する役を担う
※3:エンジンの吸気と排気をコントロールするための弁

夜光×LEDの2段構えで、夜でも各種データの読み取りは楽勝

暗所での視認性確保も怠りなく、「ネオブライト」&「スーパーイルミネーター」の、2段構えで対応するのも「ソスペンシオーネ」の頼もしさです。このうち「ネオブライト」は短時間で光を吸収し、長時間発光し続ける、カシオ独自の蓄光性夜光塗料。バッテリーの消耗を気にせず活用できます。

蓄光性夜光「ネオブライト」が明るく発光し、暗所での時刻の読み取りをスムーズなものにします

蓄光性夜光「ネオブライト」が明るく発光し、暗所での時刻の読み取りをスムーズなものにします

いっぽう、同じくカシオ独自の技術であるLEDライト「スーパーイルミネーター」も併載。こちらは文字板、LCD(液晶ディスプレイ)部のそれぞれにライトを備えたダブル仕様となっており、それらを1.5秒間、ないし3秒間(いずれかを選択可)、高輝度で点灯させることで、たとえ漆黒の環境下においても、時間などの各種データを確実に読み取ることが可能となります。

2時位置のボタンの操作で、白色系LEDライト「スーパーイルミネーター」がフェイスを高輝度に照らし出します

2時位置のボタンの操作で、白色系LEDライト「スーパーイルミネーター」がフェイスを高輝度に照らし出します

オールシーズンで使えるレーシングウォッチ

では、試着です。ケース幅は47.8mmとやや大ぶりですが、シャープで引き締まったデザインだからかオーバーサイズには見えず、むしろ手元をスマート&アクティブに演出してくれました。また、レッド×ブルー×ホワイトのさわやかなトリコロールゆえに「夏向きの時計かな?」などと思っていたのですが、ベースカラーのブラックがほどよく中和し、冬スタイルにも違和感なく合うのです。

レッド×ブルー×ホワイトが絶妙な差し色になり、悪目立ちすることなく、スタイルのアクセントになってくれます

レッド×ブルー×ホワイトが絶妙な差し色になり、悪目立ちすることなく、スタイルのアクセントになってくれます

太い針&インデックスの存在によって視認性は上々で、LCD部も見やすく、透明度の高いサファイアガラス風防では光の乱反射を抑える内面反射防止コーティングにより、日の当たる場所にいても快適&クイックに時刻などが確認できるのもうれしいポイントです。

【まとめ】 スタイルの粋なアクセントとしても役立つ、秀逸コラボだ

スポーティーでスマート、かつ洗練された姿と、さまざまなライフシーンをフォローする多機能さが魅力の「ソスペンシオーネ」。とりわけ、本作は絶妙な色使いなど随所で「HRC」とのコラボレーションを表明しているモデルとあって、「HRC」のファンやモータースポーツ好きの興味を喚起するであろうことは言うまでもありません。

そのいっぽう、レッド×ブルー×ホワイトのトリコロールと言えば、とりわけファッション通が好んでスタイルに取り入れる、おしゃれ度の高いカラーリングでもあります。ということで、たとえモータースポーツとは縁がなくとも、コーディネートの小粋、かつ効果的なアクセサリーとして、ご自身のスタイルに取り入れてみるのもいいのでは? などと思うのです。

【SPEC】
カシオ「エディフィス ソスペンシオーネ ホンダ・レーシング コラボレーションモデル ECB-2000HR-1AJR」

使用電源:タフソーラー(ソーラー充電システム)
駆動時間:約7か月(フル充電時からソーラー発電なしの状態で機能使用の場合)、約18か月(パワーセービング状態の場合)
防水性能:10気圧
ケース&ベゼル材質:カーボンファイバー強化樹脂×ステンレススチール
ケースサイズ:47.8(横)×51(縦)×11.3(厚み)mm
ガラス材質:内面反射防止コーティングサファイアガラス
バンド材質:アルカンターラ

写真/篠田麦也(篠田写真事務所)

山田純貴
Writer
山田純貴
1980年代より、編集プロダクションの社員として某通販大手のカタログ編集にたずさわり、後に会員制月刊誌の編集主任を務める。1992年に同業者と共同で編集プロダクションを立ち上げ、主に時計、靴、鞄、革小物などモノ情報関連のさまざまな雑誌、ムック、単行本、機関紙などの企画・編集・取材・執筆を手がけた。1998年に独立し、フリーランスとなって現在に至る。
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金原望弥(編集部)
Editor
金原望弥(編集部)
大学卒業後、出版社にて月刊誌の編集や付録企画などに従事。その後、カカクコムに入社し、ファッションメディア「TASCLAP」を経て、「価格.comマガジン」へ。腕時計を担当しています。
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