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エンドウ沖海戦

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エンドウ沖海戦エンドウ沖海戦

戦闘参加戦力

大日本帝国連合国
第三水雷戦隊(司令官:橋本信太郎少将)ABDA艦隊
 旗艦:軽巡洋艦【川内】 駆逐艦【サーネット】(英)
 第十一駆逐隊 駆逐艦【ヴァンパイア】(豪)
  駆逐艦【吹雪】
  駆逐艦【白雪】 
  駆逐艦【初雪】 
 第二○駆逐隊 
  駆逐艦【天霧】 
  駆逐艦【朝霧】 
  駆逐艦【夕霧】 
  駆逐艦【狭霧】 
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旧型駆逐艦を一蹴 余裕の勝利も取り逃し

「真珠湾攻撃」を皮切りに快進撃を続けていた日本は、一方で陸軍もイギリス領だったマレー半島とシンガポール制圧を目的とした「マレー作戦」を実施。
陸軍は当初の予想を上回る勢いでイギリス軍を圧倒していき、もともとの計画が70日でシンガポールを手中に収めるという無謀なものだったが、開戦4日目にして早くもタイとマレーの国境であったジットラ・ラインを突破。
イギリスは日本の倍以上の戦力を持っていたものの、この突撃を食い止めることができなかった。

順調な進軍に際し、日本は更にイギリスが東洋一の要塞として誇るシンガポールを堕とすために増援を決定。
ベトナムより陸軍第18師団をタイのシンゴラへ輸送する計画を立て、第一護衛部隊がその護衛任務を受けることになる。
1月20日に第一護衛部隊と輸送船団はカムラン湾を出発し、22日にシンゴラに到着。
さらにシンガポールや蘭印(オランダ領東インド)への空襲のための燃料や弾薬などを輸送することになり、攻略が進んでいるマレー半島南部のエンドウへ追加の輸送が決まる。
輸送船は【かんべら丸】【関西丸】、そして護衛部隊は引き続き第一護衛部隊が担うこととなった。

輸送船団は道中でイギリス軍による空襲を受けたが、戦闘機の護衛もあって輸送船2隻は若干の損害を負ったが輸送は継続された(死傷者十数名と被害がないわけではない)。
26日午前10時45分に船団はエンドウに到着、揚陸を開始した。
引き続き直掩機と護衛部隊、駆潜艇などで周囲を警戒していたが、その理由は偵察によって2隻の巡洋艦がこのエンドウへ向けて出発したとの報告があったからである。

その巡洋艦の正体は、実は旧式の駆逐艦である。
【英駆逐艦 サーネット】【豪駆逐艦 ヴァンパイア】は、ともに1920年より前に竣工している非常に古い駆逐艦で、しかもたった2隻となれば、振り返ってみれば無謀でしかない。
さすがに壊滅を狙ったわけではないだろうが、つい2日前に「バリクパパン沖海戦」で輸送船の破壊に成功していることから、魚雷により邪魔はできると考えたのだろう。
その2隻は午後4時30分、シンガポールを出撃。

27日午前4時10分頃、掃海艇4号がこの2隻を発見し、護衛部隊は返り討ちにするために出撃。
先制攻撃を仕掛けたのは【ヴァンパイア】だった。
【ヴァンパイア】【川内】へ向けて魚雷を発射。
続いて【白雪】に対しても魚雷が発射されたが、それぞれ命中せずに終わっている(【白雪】に向けた魚雷を発射した駆逐艦は不明)。

日本の反撃は【白雪】の探照灯照射から始まる。
【白雪】【ヴァンパイア】に向けて探照灯を向け、さらに砲撃を開始。
【ヴァンパイア】は煙幕を張って逃走を図るが、一方で【サーネット】が煙幕に入り切ることができず、【サーネット】に砲撃が集中した。
しかしこの間に【白雪】の探照灯が故障している。

【サーネット】には日本軍の殆どの艦の砲撃が集中し、【サーネット】はあっという間に沈没。
この間【白雪】の探照灯が復活し、今度は【サーネット】に向けて探照灯を照射。
しかしこれが逆に見失った【ヴァンパイア】からの照射だと思ったのか、【初雪、天霧】【白雪】に対して砲撃を開始。
【川内】座乗の橋本司令官から射撃の中止が命令され、ようやく砲撃は止んだ。
【サーネット】はすでに力尽きており、乗員のうち31人が【白雪】からのカッターボートで救助された。

一方【ヴァンパイア】は煙幕によって身を隠した後、日本も機雷の敷設を恐れて追撃を断念したことから生還。
【ヴァンパイア】「セイロン沖海戦」【英空母 ハーミーズ】とともに撃沈されている。

圧倒的な戦力差があったために日本もほぼ損害なくこの海戦には圧勝。
輸送も完遂され、露払い程度の海戦ではあったが、主砲の無駄打ち、【白雪】への誤射、【ヴァンパイア】の取り逃しなど反省点も多い。
特に無駄打ちに関しては数に置いて絶対に勝てないアメリカに対して質で勝負するという本質に逆行する行為で、優勢劣勢にかかわらず精度を落とさず一発必中の戦い方を再認識する必要があった。
にもかかわらず、翌月には「スラバヤ沖海戦」においてまたも無駄打ちの叱責を受けている。

日本の圧勝

両者損害

大日本帝国連合国
沈 没
 【サーネット】
小 破
 【ヴァンパイア】
喪 失・損 傷
  
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