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3月30日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月30日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:世紀の倒錯が進行中 丸ごと腐敗政党が党内処分で幕引きを狙う茶番劇

■焼け太りは常套手段

 実際、内閣支持率が2割を切るまでに国民の信頼を失った総スカン政権なのに、やりたい放題の倒錯はむしろ加速している。

 26日には、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出の解禁を閣議決定。高い殺傷能力を持つ戦闘機の輸出は、憲法9条の下の「平和国家」の変容以外の何物でもない。輸出ルールは慎重姿勢の公明党に配慮して「個別案件ごとに閣議決定」としたが、そもそも国会が関与する仕組みがないのは問題だ。

 高齢者イジメもますます進む。来月から75歳以上の後期高齢者の健康保険料が引き上げられ、年金の実質支給額も減らされるのだ。もう、メチャクチャじゃないか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「裏金事件に国民の関心や野党の追及が集中しているのを逆手に取って、岸田政権は大軍拡、大増税、国民負担増にまっしぐらです。大メディアが『処分はどうなる』など政局報道にかまけている背後で、やりたい放題と焼け太りの政治が着々と進行していく。もっとも、自民党政権はずっとそういうことをやってきた。焼け太りは彼らの常套手段です。腐敗政党を政権の座から追い落とさないと、国民生活は救われない。国民がそれに気づいて引導を渡すことができるのかどうかが、問われているのです」

 もはや、待ったなし。あらゆる選挙での決起が必要だ。


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3月28日(木) 自民党政治の混迷と野党共闘の課題――「受け皿」を作って政権交代を(その2) [論攷]

〔以下の論攷は『学習の友』No.848 、2024年4月号に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 厳しい批判と攻防の構図 

 このようなスキャンダルの連発によって、岸田政権と自民党は世論の厳しい批判を浴びています。時事通信が実施した2月の世論調査で、岸田内閣の支持率は前月比1.7ポイント減の16.9%で発足以来の最低、毎日新聞では支持率14%で不支持率82%でした。不支持率の8割越えは1947年以来初めてです。
 しかし、このような支持率の低下が自民党支配の打倒に直ちに結びつくわけではありません。これまでも自民党はペテンとゴマカシによって支配の危機を乗り越え、生きながらえてきたからです。
 たとえば、金丸巨額脱税事件で国民の怒りを買い、総選挙で自民党が敗北して細川連立政権が樹立されたとき、金権腐敗打破を掲げた政治改革が選挙制度改革にすり替えられ、小選挙区比例代表並立制と政党助成金制度が導入されました。このとき政権から転落した自民党は大政党に有利な選挙制度を導入し、助成金と企業・団体献金との二重取りによって「焼け太り」してしまったのです。
 また、森喜朗首相が数々の失言によって世論の批判を浴び、内閣支持率を一けたにまで低下させたとき、総裁選を前倒しして小泉純一郎総裁を選出し、その後の総選挙で自民党は大勝して息を吹き返しました。小泉首相は「自民党をぶっ壊す」と言いながら自民党を救いました。「小泉劇場」による「目くらまし」が功を奏したわけです。
 現在、危機に陥っている自民党は、この「小泉劇場」の再現を狙っているのかもしれません。菅前首相を黒幕とする「小石河」(小泉・石破・河野)の暗躍もうわさされています。金丸巨額脱税事件での「焼け太り」や「小泉劇場」による「目くらまし」を許すことになるのか、野党や国民にとっての正念場が訪れようとしています。

 共闘で「受け皿」を作れば勝てる

 支配の危機を自民党政治の打破に結び付けるための最大のカギは市民と野党の共闘です。野党は「受け皿」作りを急ぎ、一致して自民党を追い詰める必要があります。「振り子の論理」による派閥間の「疑似政権交代」によるマヤカシに騙されてはなりません。
 「疑似」ではなく「真正」の政権交代を実現するためには、野党が一本化して自民党と対決する必要があります。共闘すれば勝てるけれど、分裂すれば勝てないというのが、この間の地方選挙で示された教訓です。
 前橋市長選挙では、自民・公明に支援され4選を目指した無所属現職候補に対して野党が支援した無所属新人の元県議が初当選しました。1万4000票余もの大差でした。与野党が一本化して対決し、「保守王国」とされる群馬の県庁所在地で野党側が勝利したのです。
 これに対して、私が住んでいる八王子市長選挙では、野党側が分裂したために惜敗に終わりました。萩生田前政調会長などの自民党と公明党が支援する現職市長の後継候補が6万4000票と大きく票を減らしたにもかかわらず、「反萩生田連合」の候補が5万7000票と、7000票差で惜敗しました。
 この候補者は元都民ファーストの都議ながら無所属となって立憲・共産・生活者ネット・社民・新社会の野党だけでなく、元自民党衆院議員や2人の元自民党市議会議長の応援を得ましたが、もう一人の元都民ファーストの都議で完全無所属を掲げた候補が4万5000票を獲得したために当選できませんでした。「反萩生田」の票は2人合わせて10万2000票と自公推薦候補を大きく上回っていたにもかかわらず。
 まことに、惜しい結果でした。「野党が覚悟を決めて大同団結し」(大島理森・元衆院議長)、力を合わせて統一していれば勝てました。国会議員の応援を断ったのも問題です。主敵を絞って総力を結集し、あらゆる手段を駆使して市民と野党が共闘する大切さを痛感させられたものです。


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3月27日(水) 自民党政治の混迷と野党共闘の課題―「受け皿」を作って政権交代を(その1) [論攷]

〔以下の論攷は『学習の友』No.848 、2024年4月号に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます。〕

 混迷を深める自民党政治
 
 「大山鳴動して鼠3匹」というところでしょうか。自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑です。検察の腰砕けにはあきれてしまいました。政治家では池田佳隆衆院議員が逮捕され、大野泰正参院議員が在宅起訴、谷川弥一衆院議員が略式起訴されたにすぎません。
 疑惑の渦中にあった塩谷立元文部科学相などの安倍派トップや松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、萩生田光一前政調会長、西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長の「安倍派5人衆」、二階派会長の二階俊博元幹事長らはおとがめなしとなってしまいました。
 自民党は「政治刷新本部」を設置して「中間とりまとめ」を発表しましたが、政治資金パーティーの禁止は運用面での取り組みにすぎず、禁止する法改正にまでは踏み込んでいません。企業・団体献金の禁止や連座制導入への言及もありません。
 また、自民党は全議員対象のアンケートを実施して調査結果を公表し、安倍派や二階派の議員らに対する聞き取り調査の結果も明らかにしました。アンケートによって不記載は85人、5億7949万円だったことが明らかになりましたが、誰の指示で、いつからどのように裏金作りをはじめたのか、そのお金を何に対してどのように使ったのかという核心部分は明らかにならず、「事実上のゼロ回答」と報じられました。
 聞き取りでも、裏金作りは約20年以上も前から始まっていたとされますが、詳細は明らかになっていません。一連の対応によって露呈したのは、自民党の自浄能力のなさです。自民党任せにせず、国会が真相解明に取り組む必要があります。
 野党は裏金作りが判明している衆院議員や参院議員83人の政治倫理審査会(政倫審)への出席を求めました。岸田首相をはじめ安倍派の幹部などが出席しましたが、自己弁護の言いっぱなしや虚偽答弁が可能な政倫審は、説明責任を果たしたという免罪符を手にして幕引きに利用されたにすぎませんでした。疑惑を深めただけで真相解明には結びつかず、参考人招致や罰則付きの証人喚問が必要になっています。

 次々に出てくる疑惑の数々

 自民党の「政治とカネ」をめぐっては、政治資金パーティーによる裏金作り以外にも、次々と新たな疑惑が生じています。政治資金収支報告書の訂正では、萩生田前政調会長が「不明」ばかりで大きな批判を浴びました。不記載額がトップだった二階元幹事長は、書籍代に3660万円も支出しており、政党から議員個人へのつかみ金となっている政策活動費が5年間で48億円という巨額に上っていることも判明しました。
 岸田首相自身にも、総理就任を祝うパーティーについての疑惑が浮上し、松野前官房長官については退任直前に官房機密費4660万円を自分に支出していたことが暴露されました。茂木敏充幹事長の選挙経費「二重計上」疑惑や甘利明元選挙対策委員長が全国を回って裏金を配っていた疑いなど、まさに「底なし沼」のような腐敗ぶりです。
 加えて、統一協会(世界平和統一家庭連合)との癒着についての新た疑惑も浮上しました。所管大臣である盛山正仁文科相が統一協会と関連する団体の集会に出席し、政策協定にあたる推薦確認書に署名していた写真が朝日新聞に掲載されたからです。これについては自民党の点検でも報告されていませんでした。
 盛山文科相は国会での質疑で「記憶にない」を連発し、岸田首相は「関係を断っている」と弁護していましたが、最近まで協会の友好団体の機関誌が送り付けられていました。立憲民主党は文科相の不信任決議案を衆院に提出しましたが、自民・公明・維新の多数で否決されています。
 この間、林芳正官房長官も推薦確認書を提示して署名を求められていたことや岸田首相も盛山文科相と一緒に写っていた協会幹部と同じ写真に写っているなど、統一協会との新たな接触も明らかになっています。まさに、際限のない癒着ぶりというほかありません。


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3月24日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月24日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:裏金幕引きに大マスコミも加担 調査もせずに処分を検討する自民党

 処分の決定は岸田の国賓訪米前の4月上旬といわれている。大マスコミはそれまでずっと「どうなる処分」で大騒ぎし続けるのだろう。処分をめぐる情報は、当然ながら官邸や党幹部らが番記者らに流しているわけで、観測気球のリークに乗っかり、幕引き狙いの自民党の思うツボである。

■目くらましに騙されてはいけない

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「政局報道に流されるという大メディアの弱点が出ています。誰を処分するのか、二階さんは、岸田さんは、といった政局に関わることで、重要な情報を伝えているかのような勘違いです。国民が望んでいるのは、裏金問題の真相解明ですよ。世論調査では8、9割が『説明責任が果たされていない』と答えている。それなのに処分論が先行するのは、問題のすり替えです。政倫審でハッキリしたのは、裏金問題について何もハッキリしなかった、ということ。メディアは今こそ、より厳しい証人喚問をやれとキャンペーンを張るべきでしょう」

 目くらましの問題すり替えに乗せられる大マスコミも、欺瞞に満ちた自民党と同罪だ。


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3月19日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月19日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:自民党地方支部にも不透明な政策活動費 結局、上から下まで怪しい自民党

 要するに自民党という組織は、上から下まで、裏金まみれの集団ということなのではないか。

 呆れるのは、政治資金をどう使ったのか分からなくするために、安倍派だけでなく、他の派閥もアノ手コノ手を悪用していることだ。

 たとえば茂木派議員は、政治資金を「資金管理団体」から、使途の公開基準がゆるい「後援会」に移動させることで、具体的に何に使ったのか分からなくしている。茂木の場合、2009~22年の14年間に4億4000万円を「後援会」に移動させ、「後援会」の支出のうち94.4%が使途不明となっている。こんなふざけたやり方が許されていいのか。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「最大派閥から地方まで、いかに自民党政治がカネにまみれているか、ということです。裏金をつくり、使途を隠そうとするのは、要するに表にできないカネの使い方をしているということでしょう。パーティーを利用した安倍派の裏金づくりも、氷山の一角なのだと思う」

 世耕を筆頭に、自民党議員には、国民に真摯に説明しようという気持ちなど毛頭ないのだろう。

 「国民に向き合う気持ちを失っているのは、自民党の国会議員だけでなく、地方議員も同じようにみえます。全国幹事長会議で『早くけじめをつけてほしい』『批判の電話が鳴りやまない』と、彼らが声を上げたのも、トバッチリを受けて迷惑だ、という気持ちだったのではないか。自分たちが地方から自民党を再建する、という覚悟は伝わってこなかった。近畿圏の地方議員が和歌山に集まり、ハレンチな懇親会を開いていた一事をみれば、自民党の地方組織の実情は想像がつきます」(五十嵐仁氏=前出)


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3月17日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:悪事を重ねた当然の報い 3.17岸田自民党はご臨終

■森を中心に歴史は繰り返し因果は回る

 ゴマカシだらけの安倍派幹部を起訴しなかった検察も、幕引きに加担する岸田内閣もすべて“共犯”──。列車の乗客全員が犯人だった有名海外ミステリーも真っ青の展開だとすれば、政倫審で世耕が「私は不起訴、嫌疑なしだから真っ白」と恥も外聞もなく強弁できたのも、うなずける。かといって、そんな古典的なオチで納得できる国民はいない。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「裏金事件の全容解明と説明責任、そして厳正な処分が果たされないまま、党大会で幕引きを図るのは許されません。今の自民党内で非主流派や中堅・若手議員の突き上げが期待できない以上、もはや党大会で自浄能力を発揮できるのは『地方の乱』だけです」

 裏金の逆風を受け、地方選挙で自民は苦戦続き。先月の京都市長選では、与野党相乗りの楽勝ムードが一転、共産候補に大接戦に持ち込まれた。保守王国・群馬の前橋市長選では、自民推薦の現職がまさかの敗北。今年は全国で500以上の地方選挙が実施されるだけに、危機感を募らせている。

 内閣支持率が1ケタ台に沈んだ森政権末期には、自民党大会で地方組織が「NO」を突き付け、退陣に追い込んだ例もある。01年3月の党大会を6月に都議選を控えた自民党都議団がボイコット。会場前で「解党的出直し」を求め、全国から集まった党員に鉢巻き姿で配ったビラには「わが党は、このままでは『政党の死』という最悪の筋書きに一直線に突き進んでしまう」と刷られてあった。

 他の県連も呼応し、地方の反発に押されて森は総裁選を前倒し。事実上の退陣に追い込まれたが、今なお裏金の最大キーマンとは因果は回る。自民を取り巻く状況は当時も今も変わらない。

 「地方の異議申し立ても出なければ、自浄能力を失った岸田・自民党は一巻の終わり。腐り切って落ちていくだけです。もう『的出直し』は必要ありません。国民が望んでいるのは腐敗堕落政党の『解党』大会です」(五十嵐仁氏=前出)

 自民党派閥の裏金総額は優に5億円を超える。3.17を機とした「ご臨終」は悪事で私腹を肥やした当然の報いである。

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3月16日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月16日付に掲載されたものです。〕

*記事:自民党が能登被災地に寄付で“裏金ロンダリング”の醜悪対応 キックバックと同額の約5.8億円

 被災地に寄付をするのはいいとして、裏金とは関係なくやればいい話だ。何より国会議員なのだから、寄付より予算措置でしっかり被災地対応をするべきだろう。薄汚いイメージがつきまとう巨額の寄付を受け取っても、被災地の人々は複雑な気持ちになるだけではないか。

■しっかり納税するのが先

 だいたい、裏金を寄付でロンダリングするという発想がどうかしている。5億円を寄付する前に、まずはきちんと納税するのが先だろう。

 「震災支援のために使えば文句はないだろうと居直り、裏金を正当化するために被災地を利用しているように見えます。薄っぺらなパフォーマンスであり、寄付で疑惑が晴れるわけでもない。裏金問題を美談風にスリ替えられても、世論は納得しませんよ。国民が裏金議員に求めているのは、被災地への寄付ではない。事件の全容解明と説明責任、そして厳正な処分です。これらが何ひとつできていない。裏金事件そのものも醜悪ですが、事件への対応の仕方も自民党は腐りきっています」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 寄付で幕引きしようとは、この期に及んで国民をナメているとしか言いようがない。


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3月12日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月12日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:野党が云々以前の話 自民党政権続投という選択肢はもはやない

 岸田自民は上から下まで腐り切っているということ。マトモな議員など皆無に等しいのだ。

 「それもこれも、この10年にわたる『安倍1強』の弊害が原因です」と言うのは、法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)だ。こう続けた。

 「安倍政権以降、『モリカケ桜』に象徴されるように、権力側がやりたい放題を平然と行うようになった。不祥事が発覚しても、国会でウソをつき、公文書は改ざんです。安倍元首相のこうしたやり方を長年、見てきた自民党議員は何をやっても許されるという感覚が身についてしまっているのでしょう。おごり高ぶりと緊張感の欠如が、相次ぐハレンチ行動の元凶になっているのだと思います」

 自民党最大派閥・安倍派による巨額の裏金づくりも「どうせ検察は権力中枢に手出しできない」と、高をくくった末の不法行為だったに違いない。党内は順法精神に欠けるヤカラだらけということ。改めて衝撃的な惨状である。

 国民はもうハレンチ政党にウンザリなのだ。岸田政権の明暗を分ける4月28日の衆院3補選で「スリーアウト! チェンジ」が現実味を帯びてきた。今月7日、小泉元首相と二階、山崎元副総裁ら党重鎮が会食。終了後、山崎氏は報道陣に「自民党3連敗なら岸田政権はアウト」と語ったが、「NO」を突きつけられるのは、岸田だけじゃない。

 「巨額の裏金づくりに脱税疑惑、ハレンチ会合、差別発言と悪行の限りを尽くしてきた自民は、下野程度では済まされません。岸田首相は『解党的に出直す覚悟』と表明していますが、出直ししてもらう必要もない。もはや、解党・解散が当然です。衆院3補選で全敗させ、国民が怒りの鉄槌を下さなければ、自民はまた同じことを繰り返すに違いありません。国民は覚悟を持って臨むべきです」(五十嵐仁氏=前出)

 底なしのハレンチ政党には、サッサとお引き取り願うしかない。でなければ、この国に未来はない。

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3月10日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月10日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:これぞ世紀のブラックジョーク 裏金、脱法集団が改革案を論じる“フリ”の笑止千万

 裏金議員に「課税しろ」という税金一揆が静かに広がる現状で「きょうから政策集団です」と言われて「はい、そうですか」と納得するバカはいない。

 改革する“フリ”の猿芝居でコロリとダマせると思ったら、大間違い。国民の怒りの火に油を注ぐだけだ。

 刷新本部で岸田は「政治は特別なものだという特権意識を是正する」と強調したが、この発言こそ党全体を覆う特権意識を認めたに等しい。国民愚弄の改革案の提示は、「自分たちなら許される」という特権意識が決して消えていない証拠でもある。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「安倍派幹部同士の政治倫理審査会での証言は食い違いが残り、森元首相が裏金づくりのルーツに関与した疑念もくすぶったまま。におわせ続けた裏金議員や派閥幹部の処分も党大会までに間に合わず、メドも立たないグダグダぶりです。なぜ、真相解明に向けた調査や説明も裏金議員の処分も済んでいないうちに、再発防止の改革案だけを急ぐのか。それだけ知られたくないことがあるとしか思えず、党内改革は真相から目をそらすためのポーズに過ぎません。再発防止に論点をスリ替え、裏金事件にサッサとケリをつけたいだけです。ほとぼりが冷めるのを待ち、どうせ国民は忘れるとタカをくくっているのでしょうが、そうは問屋が卸さない。自民の特権意識に対する国民の怒りは最高潮に達しています」

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3月5日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月5日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:国会最終攻防、与党の横暴に無批判 腐敗自民をのさばらせているのは大メディア

 例年、衆院の予算案の審議時間は80時間なのに、70時間に満たない審議時間で採決しようとしたのだから、乱暴もいいところだ。

 しかも、1日に開かれる政倫審に安倍派の幹部4人が出席することが分かっていたのに、予算委の小野寺委員長(自民)は、その前日、野党に相談することなく、1日に予算案を採決することを職権で決めてしまった。なぜ、政倫審が終わるのを待たなかったのか。これでは野党が怒り、小野寺委員長の解任決議案を提出するのも当たり前である。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「審議が尽くされていないのに強行採決とは、いくらなんでも自民党はむちゃくちゃです。しかも、わざわざ土曜日に国会を開いて予算案を採決している。週明けの4日(月)でも問題はなかったはずです。年度内の自然成立を確定したかったのでしょうが、それは岸田総理の勝手な都合でしょう。一見ソフトに見えますが、岸田政権のやっていることは、強権批判された安倍政権と同じです」

 大手メディアが野党の国会対応を批判していることについて、立憲民主党の安住国対委員長は会見でこう語っていた。

 「議会は世界中どこを見たって、激しい戦いを繰り広げています。アメリカなんて9月に通らないといけない予算が、共和党と民主党が激しく対立し、いまだに成立していない。どの国を見ても、本気の戦いというのは深夜に及んだり、バスターなどもやるんですよ」

 まさに、その通りだろう。大新聞テレビの野党批判は、世界の常識から大きくはずれているのではないか。

 「なぜ、大手メディアは自民党の強権的な国会運営を批判しないのか不思議です。土曜日の予算案可決も、審議時間を満たしていないのに強行採決しようとしたのも、すべて岸田首相の政権維持のためでしょう。大手新聞は自分たちの紙面で、岸田首相が周囲に『予算案の通過を週明けに持ち越したら政権はもたない』と漏らしていた、と書いています。予算案の強行採決が国民のためではなく、政権延命のためだということは、大手メディアだって分かっているはずです。なのに、なぜ批判しないのか、おかしいですよ」(五十嵐仁氏=前出)

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