カオスマップのカテゴリ解説とサービス・企業一覧（リンク付き）
カオスマップとは
カオスマップとは、ディスプレイ広告市場の業界地図の通称です。米国LUMApatners作成の「Display LUMAscape」がもとになっており、これの日本版をxAd Japanの近藤洋司氏が作成されました。
カオスマップは、広告主が出稿してから、媒体に掲載されるまでに関わるプレイヤーをマッピング・整理したものです。2015年10月現在、2010～2014年版（14-15）まで公開されており、正式名称は「Display Advertising Technology Landscape」です。業界関係者なら誰もがチェックしている非常に有名な資料です。
この記事は、カオスマップ（2014-15年版）のカテゴリ解説（カテゴリの意味／プレーヤー数の推移）、サービスと企業一覧を記載しています。
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カオスマップ 2014-2015年版 カテゴリ解説
カオスマップ 2014-2015年版
| No. | カテゴリ | 機能 | プレイヤー数の推移 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 14-15 | 前年差 | |||
| 1 | Agencies | メディア売買の為の組織・仕組み。 代理店。メディア売買やクリエイティブ制作を請け負う。 |
12 | 14 | 17 | 17 | 20 | ＋3 |
| 2 | Ad Servers（Demand-Side） | メディア売買の為の組織・仕組み。 広告配信用のアドサーバー。広告在庫管理やインプレッションごとの販売、広告配信管理を行う。 |
3 | 6 | 6 | 7 | 8 | ＋1 |
| 3 | Media Buying Platforms / Agency Desk | メディア売買の為の組織・仕組み。 広告を実際に出稿・運用する組織や仕組み。広告枠の買い付けや予算のコントロール、パフォーマンス（広告効果）の改善などを担当する。 |
6 | 8 | 12 | 14 | 16 | ＋2 |
| 4 | Media Buying Platforms / Agency Desk ＞ Media Rep |
メディア売買の為の組織・仕組み。 一次代理店。媒体社と広告会社の間に立ち、広告枠の販売を行う。 |
5 | 6 | 6 | 6 | 6 | ±0 |
| 5 | Creative Optimization | 専門特化した機能。 ABテストや統計解析を用いて、広告クリエイティブの最適化に特化した組織や仕組み。 |
1 | 8 | 8 | 9 | 9 | ±0 |
| 6 | Retargeting | 専門特化した機能。 Webサイト、ソーシャル、CRMデータなどあらゆる切り口でリターゲティングを行う、リターゲティング専用のプラットフォーム。 |
- | - | 4 | 4 | 10 | ＋6 |
| 7 | Velification / Privacy | 専門特化した機能。 広告表示枠の品質担保（広告主のブランド保護）や、インビュー（広告がユーザーの目にする場所に表示された数）計測を行う。オーバーレイでオプトアウト機能を付与するなど、ユーザーのプライバシー保護も行う。 |
0 | 3 | 4 | 4 | 7 | +3 |
| 8 | DSPs | メディア売買の為の組織・仕組み。 Demand Side Platform。RTBを用いて、効率的に広告配信を行うためのプラットフォーム。 |
3 | 9 | 17 | 22 | 21 | －1 |
| 9 | Media Planning and Attribution | 統合するための組織・仕組み。 アトリビューション分析を行う組織や仕組み。ディスプレイ広告、サーチ、メールなど様々な施策を評価し、最適なマーケティングチャネルとリアロケーションの提案をクライアントに対して行う。 |
- | - | 1 | 2 | 2 | ±0 |
| 10 | Tag Management | 統合するための組織・仕組み。 広告配信、アクセス解析などで使用するタグをサーバーサイドで一元管理する仕組み。 |
- | - | 4 | 6 | 6 | ±0 |
| 11 | Data Feed | 専門特化した機能。 Eコマースが持つ商品データを一元管理し、ユーザーに応じて露出する商品を最適化（レコメンド機能）する仕組み。各広告配信先のフォーマットに合わせて自社データを自動で変換し提供する。 |
- | - | 10 | 4 | 4 | ±0 |
| 12 | Measurement and Analytics | 統合するための組織・仕組み。 広告主サイトに訪問したユーザーの行動や広告効果を計測・分析する仕組み。アクセス解析に以外にリサーチや解析・調査結果を元にしたブランドリフトアップのための広告配信コントロールなどを行う。 |
4 | 8 | 10 | 11 | 10 | －1 |
| 13 | Exchanges | メディア売買の為の組織・仕組み。 オーディエンスデータや広告枠を取引する組織や仕組み。 |
7 | 8 | 6 | 6 | 5 | －1 |
| 14 | DMPs and Data Aggregators | データを活用するための仕組み。 広告主の保有するマーケティングデータや、メディアのオーディエンスデータを入手・統合・管理する仕組み。これらの情報を元に、セグメント化した広告配信対象を広告配信ネットワークに提供するほか、広告配信以外のマーケティング活動にも利用できるデータを生成する。 |
1 | 4 | 7 | 7 | 11 | ＋4 |
| 15 | Data Suppliers | データを活用するための仕組み。 DMPなどに利用するオーディエンスデータ提供元。自社のメディアを用いてユーザーのCookie情報を収集し、これを販売する企業。 |
0 | 2 | 1 | 2 | 5 | ＋3 |
| 16 | Apps Measurement | 統合するための組織・仕組み。 アプリにおいて、ユーザーの動きや広告効果を計測・分析する組織や仕組み。 |
- | - | - | - | 5 | 新カテ |
| 17 | Ad Networks Horizontal | 専門特化した機能。 様々なメディアを扱う総合アドネットワーク。 |
13 | 17 | 17 | 17 | 22 | ＋5 |
| 18 | Ad Networks Horizontal ＞ Video / Rich Media |
メディア売買の為の組織・仕組み。 動画広告やインタラクティブ広告などのリッチメディアに特化したアドネットワーク。 |
- | - | 1 | 1 | 11 | ＋10 |
| 19 | Vertical / Targeted | 専門特化した機能。 特定分野に特化したアドネットワーク。 |
8 | 4 | 6 | 6 | 3 | －3 |
| 20 | Performance | メディア売買の為の組織・仕組み。 アフィリエイトネットワーク。 |
7 | 8 | 8 | 8 | 8 | ±0 |
| 21 | Mobile | メディア売買の為の組織・仕組み。 モバイルメディア売買のための組織や仕組み。 |
6 | 19 | 18 | 18 | 23 | ＋5 |
| 22 | Mobile ＞ Mobile / Reward |
メディア売買の為の組織・仕組み。 モバイルメディア専用リワード広告売買のための組織や仕組み。 |
- | - | - | - | 9 | 新カテ |
| 23 | Media Management Systems and Operations | 統合するための組織・仕組み。 オンライン広告に加えて、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌・交通広告なども管理できるマネジメントシステム。トレーディングデスクや、クリエイティブ制作も兼ねる企業もある。ワンストップでメディアを管理できる。 |
- | - | 0 | 0 | 2 | ＋2 |
| 24 | Sharing Data / Social Tools | 専門特化した機能。 ソーシャルメディアやソーシャルブックマークなどで利用できるパブリッシャー向けのツール。 |
2 | 4 | 4 | 4 | 6 | ＋2 |
| 25 | SSPs | メディア売買の為の組織・仕組み。 Supply Side Platform。広告枠を提供している媒体社がメディアの利益を最大化するためのプラットフォームのこと。複数のアドネットワークを一元管理し、RTBによって広告表示単位で最も収益性の高いアドネットワークに接続する。 |
0 | 7 | 8 | 9 | 18 | ＋9 |
| 26 | Publisher Tools | 専門特化した機能。 パブリッシャーの収益を最大化するために、オンラインメディアやアドネットワークの広告キャンペーン改善や広告在庫の最適化を行う。 |
0 | 2 | 1 | 1 | 1 | ±0 |
| 27 | Ad Servers（Supply-Side） | メディア売買の為の組織・仕組み。 媒体社側のアドサーバー。自社が保有するメディアの広告配信管理を行う。 |
5 | 9 | 9 | 9 | 10 | ＋1 |
- 複数のカテゴリで登場する同一プレイヤーは重複カウントしています。
- 「Media Buying Platforms / Agency Desk」は「Media Rep」を含む
- 「Ad Networks Horizontal」は「Video / Rich Media」を含む
- 「Mobile」は「Mobile / Reward」を含む
- 「Velification（2011）」は「Velification / Privacy」として集計
- 「Ad Exchange」は「Exchanges」として集計
- 「Analytics（2010-2011）」は「Measurement and Analytics」として集計
- 「Vertical（2011）」は「Vertical / Targeted」として集計
- 「Vertical（2010）」と「Targeted（2010）」は「Vertical / Targeted」として合計
- 「Data Exchange / Aggregators（2011）」は「DMPs and Data Aggregators」として集計
- 「Yield Optimazation（2010-2011）」は「SSPs」として集計
カオスマップに登場するプレーヤーとサービス情報
- 「Media Buying Platforms / Agency Desk」は「Media Rep」を含む
- 「Ad Networks Horizontal」は「Video / Rich Media」を含む
- 「Mobile」は「Mobile / Reward」を含む
※表記・リンクの間違いなどあれば、ご指摘いただけると幸いです。直ちに修正いたします。
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この記事の著者
広瀬 信輔（ひろせ・しんすけ）
マーケティング情報サイト『Digital Marketing Lab』の運営者。
1985年、長崎県佐世保市生まれ。西南学院大学 経済学部 国際経済学科 卒業。
2008年、株式会社マクロミルに入社。現在は同企業のオンラインマーケティング部門の責任者として、デジタルマーケティングを推進。
株式会社イノ・コード 取締役 CMOも務める。
2017年、ディーテラー株式会社を創立。メディアプランニング、Web広告運用、SEO対策、Webサイト制作など、デジタルマーケティング領域のコンサルティング及びアウトソーシングサービスを提供。ビジネスメディアでのコラム執筆やイベント出演、大手企業のマーケティングを支援。
2021年、公正取引委員会 デジタルスペシャルアドバイザーを受嘱。デジタル市場における競争政策の的確な運営のために活動。
著書：『アドテクノロジーの教科書』（版元：翔泳社）
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