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「The Elder Scrolls V: Skyrim」 エルダースクロールズ スカイリム

本日のまとめ記事は今年のVGAにおけるGOTYを勝ち取り、名実共にシリーズ最高傑作となった「The Elder Scrolls V: Skyrim」に関する1年を振り返ります……が、ゲームの内容やその素晴らしさについてはもう皆さんご存じの通りかと思いますので、今回はネットミームにまでなってしまった“Fus Ro Dah”を始め、ゲーム本編とは直接関係の無い文化的な側面からその盛り上がりと、病気としか思えない狂態(※ 褒めてます)の数々を振り返りたいと思います。

全てはここから始まった、どばきんがその雄姿を見せた「The Elder Scrolls V: Skyrim」の公式トレーラー

何度見ても素晴らしい公式トレーラー

もう今年何度見たか思い出せないほど繰り返し再生した方も多いであろうThe Elder Scrolls V: Skyrimの公式トレーラー。これまでのTESシリーズ作品とは思えない垢抜けぶりとシネマティックな演出が燃える名トレーラーですが、ナレーションの名調子とリズム感抜群の“ドヴァキン(小声)>ドラゴンボーン!”の下り、そして男声合唱による力強い“どばきん!どばきん!”の格好良さも相まって、見れば見るほどに格好良すぎて笑ってしまう不思議な中毒性を宿した映像に仕上がってしまいました。

このトレーラー公開以降、The Elder Scrolls V: Skyrimを穿った視点で見るファンがじわじわ増えていき、プロモーション用の巨大どばきん像が登場する頃にはすっかり面白キャラクターの地位を確立していた模様です。

「The Elder Scrolls V: Skyrim」
兵馬俑が如き“どばきん”大量製造の様子

症例その1:トレーラーを模倣し始める

あれっ……Skyrimrあれ……?と、その面白ポテンシャルに気付き始めたファンメイド文化界隈の好事家達にまず見られたのが公式トレーラーの模倣でした。中には驚く程の手間と暇を投入した以下の様な作品が登場し、多くのファンを喜ばせました。

“Team Fortress 2”で無理矢理作り上げたSkyrimトレーラー
お馴染み“Minecraft”でSkyrimトレーラーを再現、凄すぎて笑うしかない

症例その2:歌い始める+α

さらに、音楽に通じたファン達が思い思いにテーマ曲を演奏或いは歌い出し、自分なりのSkyrim像を創造し始めます。果てはどの言語で聞くのが最も格好良いかまで議論し始める始末。

オバカなアレンジで人気の“Gods Immortal Gauntlet”氏によるSkyrimテーマ、顔芸がうざいww
“The Dragonborn Comes”からメインテーマのコンボ、素敵なのにサビで笑ってしまうwww
溢れ出るSkyrimへの愛から誕生したファンメイドのロシア語版メインテーマ、格好いい!
フランス語版トレーラー、異国感たっぷりでちょっと面白い
思ったほどいかつく無いドイツ語版
ロシアの熱心なファンによる吹き替えトレーラーまで登場

症例その3:イベントではしゃぎだす

「The Elder Scrolls V: Skyrim」 エルダールクロールズ スカイリム
もう色々おかしい

当サイトでは海外で大作タイトルがローンチを迎える際、明らかに何かがおかしいファン達が集合し凄まじいテンションで発売を迎える様子を幾度となくご紹介してきましたが、Skyrimもその例に洩れておらず、小雪がちらつくロンドンのGameで行われた深夜発売イベントには完全に度を超したテンションのファン達が集い、リビドーの塊をそこらへんにぶちまいています。カオス!

ロンドンGameでの深夜販売映像、楽しそうwww
「The Elder Scrolls V: Skyrim」
おねえちゃんの顔がイキすぎwww
「The Elder Scrolls V: Skyrim」
きっと作ってる時から相当楽しかったであろうダンボール3人組
「The Elder Scrolls V: Skyrim」
イギリスのボンクラどばきん大集合
「The Elder Scrolls V: Skyrim」
おねえちゃん白目www
「The Elder Scrolls V: Skyrim」
すたあああああああっぷ!

典型的な事例:パロディやマッシュアップ作品が登場し始める

さらに、Skyrimが併せ持つ様子のおかしさを伝えようとすべく、様々なパロディ作品も登場し始めます。そのクオリティの高さと、内容のくだらなさに見られる反比例ぶりがSkyrimのぼんくら面を象徴していると言えそうです。

どばきんは以下にしてドラゴンの血統となったか、下ネタ方面から探る
本作における象徴的なグリッチをテーマにしたどばきん愉快映像
「Adventure Time」
お馴染み「Adventure Time」と「Skyrim」のマッシュアップポスターも登場した ※ファンメイド

症例その4:ゲーム内でのエクストリームを模索し始める

ゲーム内でおかしな事を始めるファンが多いのもTESシリーズの特徴だと言えますが、その地盤を支える公式MODツールはまだ登場しておらず、来月のCreation Kitリリース以降Skyrim地方がどんなカオスな状況となるのか、考えただけで空恐ろしい(素晴らしい)地獄絵図が目に浮かびます。

そんなSkyrimですが、既に様々なエクストリームの追求を行うファンが存在しており、リリース初期には以下の様な発症者が登場しました。

キャベツ対ドラゴン(※ 未プレイの方向けの注意:Skyrimはこんなゲームではありません……)
街中のキャベツ(※ 同上)
臨場感を求めるがあまり、Kinectによるフルモーションコントロールの実現も模索されている
臨場感の追求はこういった方向性も、蛇足だがSteamのライブラリ画面がおかしい

ついにはネットミームと化す

じわじわ来るトレーラーとメインテーマの秀逸さからドラゴンシャウト“Fus Ro Dah”は遂にネットミームとなってしまい、ネット上で一人歩きを始めてしまいます。そんな“Fus Ro Dah”マッシュアップには以下の様な愉快な作品が登場しました。

決して声の力を悪用してはならぬ。Fus Ro Dah!!!
キリスト教保守派で最も危険なカルトを率いるベニー・ヒンも声を悪用
何らかのドラマとのマッシュアップ
アダム・サンドラーの“You Don’t Mess With the Zohan”でFus Ro Dah!

“Skyrim”は悪徳の作品だと、アメリカ政府を巻き込み発売禁止を求める大規模ないたずらまで登場

「Christwire」
Christwire:“SkyRom”のようなビデオゲームは中毒、暴力、性の乱れに繋がる事が証明された

11月末にはアメリカ国内でしばしば問題視されるキリスト教保守系右派のあれこれを取り扱うパロディ風刺サイト“Christwire”が大がかりないたずらを開始、The Elder Scrolls V: Skyrimは悪魔のゲームだと発売禁止を求める運動が行われ注目を集めました。

この壮大ないたずらはホワイトハウスが今年9月にサービスを開始したオンライン嘆願サイト“We The People”に偽の告発を掲載し、発売中止の嘆願を集めるというもので、嘆願にはSkyrimに関する以下のような説明が記されていました。

オバマ政権へ

アメリカの若者達における安全の為に非常に悪劣なビデオゲーム「SkyRim」の発売禁止を求める。

ビデオゲームをプレイすることは全年齢層の人々に対して社会的、倫理、健康に関する問題を引き起こす事が判明し、性的な逸脱と同性愛はアメリカ国家に確立されたキリスト教の基礎を破壊する恐れがある。

そんな状況の中、他のどんなものにも勝って十代の若者に心的/霊的ダメージを与える新しいビデオゲームが創造された。

私たちアメリカ国民は今日あなたに依頼する。

  • Blizzard Entertainmentが製作した「SkyRim」というビデオゲームの即時発売禁止
  • 既に発売され市場に出回ったコピーの全回収と破棄、及びインターネット上からその存在の全てを削除せよ
  • 「SkyRim」プレイヤーに対する、法律の範囲内で可能な限りの起訴
  • 十代の行動をより一層監視可能にするため、ビデオゲーム用アバターと“ユーザー名”の全国版データベースを作成せよ

また、Christwireは自サイトにパロディ記事も掲載、同サイトが擁する架空の文化評論家Tyson Bowers IIIによる論評が掲載され、Skyrimはゲーム全編に渡る暴力とリプレイスタイルの残酷なフィニッシュムーブ、そしてモニターの至る所に飛び散る血飛沫に溢れており、ウィッカ信者により記された書物は子供達に同性愛の具体的な手段と“Rimジョブ”を教えると、散々な悪ノリを発揮しました。

しかし、実際のところ最も頭がおかしい(褒めてます)はBethesdaという事実

ここまでThe Elder Scrolls V: Skyrimを取り巻く様子のおかしな事態を色々とご紹介してきましたが、実際のところ最もイカれているのはBethesdaだという事実から目を反らしてはなりません。

Oblivionのリリースを経て登場したThe Elder Scrolls V: Skyrimにより王道ファンタジーRPGの頂点に上り詰めたTESシリーズですが、そもそもの出自は相当にエクストリームな作品であり、ArenaやDaggerfallを始めとした初期タイトルに見られる著しい逸脱と異臭はメインストリームとはほど遠く、“バカゲー”を紙一重で回避し、ユーザーが判断しきれない程の超ボリュームで煙に巻くトンデモタイトルの系譜としての側面を持ち合わせていることは明白です。

The Elder Scrolls V: Skyrimの素晴らしさは最早疑うべくもありませんが、凄すぎて逆に笑ってしまう血統は今もしっかりと息づいており、それは前述したネットミーム化や異様なファンの熱狂振りを生んだだけでなく、手作業で創造された世界やコピペ感の無いダンジョン、専任のデザイナーを用意することで実現されたテイストの異なる存在感を持つ“街”など、ゲーム内の至る所にその著しさを確認することが出来ます。

前置きが長くなりましたが、そんなBethesdaが持つ特殊なイカれ具合を最も今年象徴したのがThe Elder Scrolls V: Skyrimキャンペーンの一環として開催された“赤ちゃん命名コンテスト”ではないでしょうか。

「The Elder Scrolls V: Skyrim」
11月11日に生を受けたどばきん君、フルネームは“Dovahkiin Tom Kellermeyer”

これは今年の2月にBethesdaが告知したキャンペーンで、2011年11月11日に誕生し“Dovahkiin”の名前を授けられた子供に対して、過去・現在・未来全てのZeniMaxとBethesdaタイトルを生涯に渡って提供するというもの。多くの海外サイトが冗談だろうと考える中、Bethesdaはこれを敢行し、ローンチ後本当にDovahkiinが誕生するに至りました。

Bethesdaは現実世界に降臨した若きどばきん君が最上の冒険を迎えることを望んでいるとエールを送り、いつかAlduinがこの世に登場した暁にはどばきん君に連絡を取るだろうと語っていますが、こういった狂いっぷりを真顔で、真剣に、かつ全力で“やる”姿勢こそがBethesdaのクオリティを支えている大きな基盤だと言えるのではないでしょうか。

シリーズ誕生17年を経て、ツッコミ出せばキリのないぼんくら要素の数々を内包したまま、ファンの期待を遥かに超えた高みへと到達したTESが今後どういった歩みを見せるのか、今後登場するであろうDLCの存在も含め来年以降もThe Elder Scrollsシリーズは私たちゲーマーを大いに楽しませてくれるに違いありません。どばきんありがとう!

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おこめの「The Elder Scrolls V: Skyrim」記!

skyrim記リターンズその136
「4コマ:攻撃しようにも」
skyrim記
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