DLCとは「Downloadable Content」の略称であり、デジタル配信プラットフォームを通じで配信・販売されるビデオゲーム用の追加コンテンツの総称である。日本国内ではメディアも含めて一般的に「ダウンロードコンテンツ」と呼ばれ表記されている。
DLCの解説にあたって、その前身であり前提でもあるビデオゲームにおける拡張パックとダウンロード販売についておおまかに解説する。
ゲームの追加拡張データの販売はDLCないしダウンロード販売が登場する以前から長く行われてきた。これは主に「Expansion pack(拡張パック)」と呼ばれていたもので、PCゲームタイトルのヒット作では拡張パックが販売されることは通例でもあった。また、バグ修正や最新環境への最適化を行うアップデートが公式サイト、ゲーム雑誌の付録のCD-ROMを通じて配布されていた。インターネットの普及とともに「FilePlanet」や「GameSpy」などといったアップデートファイルのミラーサーバー専用サービスが登場する。
一方で、現在のようなオンライン環境が無い頃の据え置きゲーム機向けタイトルにおける拡張パックは、導入方法が特殊かつ限定的であったため対応したタイトルはごく僅かであった。カセットと磁気ディスクを使用する64DD専用タイトルの「F-ZERO X EXPANSION KIT」等が該当する。同様の理由でアップデートの配信という概念も無く、ゲームソフト本体の製造時期によってゲームのバージョンが異なってもいた。
ただし、過去のゲーム機にはオンライン環境が無かったというわけではなく、通信によるゲームデータの配信販売サービスは各種ゲーム機で実施されていた。例を挙げると、専用の通信回線を使用する「サテラビュー」「64DD」、電話回線やインターネット回線を使用する「セガサターンネットワークス」「ドリームライブラリ」、携帯電話を使用する「モバイルシステムGB」等といったものが数多くあった。しかし、規格はゲーム機ごとにバラバラで個別に専用回線の契約が必要であり、インターネット回線を利用するものでも当時の普及率がまだ少なく、サービス内容も限定的で新しい販売形態を定着させるまでには至らなかった。
ブロードバンド回線が普及した2000年代前半には、PCタイトル向けのサービスとして「Steam」や「Games for Windows Live(GfWL)」をはじめとするデジタル配信プラットフォームやダウンロード販売専門のオンラインストアが登場する。
そして、2000年代中半頃までにはインターネット回線を使用するゲーム機向けの「Xbox Live」、「PlayStation Store」、「Wiiショッピングチャンネル(現ニンテンドーeショップ)」といった、各プラットフォーム専用の配信販売サービスが開始された。ゲーム機の場合はHDDや大容量メモリーカードなどの記憶領域が備えられた機種が登場したことでダウンロード配信販売が定着したとも言えるだろう。現在では過去の名作タイトルやインディータイトルの販売なども活発である。
ゲームのダウンロード配信が定着してからはゲームソフトの販売だけではなく、拡張パックも配信されるようになり、そして、ゲーム機向けタイトルでもゲームソフトの内容を拡張する追加コンテンツの配信販売も多く登場し、現在でいうDLCという概念が定着したのである。
一概にDLCといってもその内容、形式はゲームタイトルによって様々である。
ストーリーモードの拡張や追加をはじめ、プレイヤーキャラクター、アイテム、スキン(衣装)、ステージ、マップ…などのゲーム内アイテム類を拡張するものから、サウンドトラック、映像特典、オーディオコメンタリー、コンセプトアートといった特典的な内容の物も配信されている。これらは製品としてだけではなく、予約購入の特典、無償の追加オプション、追加コンテンツを含む大型アップデートの一部として配信されることもある。
DLCの展開や全てのアップデートが完了した(開発終了宣言された)タイトルや、後年に販売される廉価版ではDLCが統合され、ひとつのパッケージとして販売されることが通例になってもいる。
こうしたDLCタイトルが広く楽しまれている一方で、"馬の鎧"のようなコミュニティ間で物議を醸してミーム化してしまったDLCタイトルも過去には登場したこともあった。DLCタイトルの内容や配信形態はゲームの開発元や販売元によって大きく異なることもあり、評価はプレイヤーやコミュニティによって様々でもある。
また、据え置きゲーム機においてDLCが登場した直後(2010年以前の頃)は評価…というよりも、DLCないし拡張パックとダウンロード販売自体への認識に混乱があった様子も伺える。例えば、"馬の鎧"のようなゲーム内アイテムを数点追加する内容のDLCタイトルは今日では一般的でもある。また、本記事の過去の版では、DLCそのものがゲーム機専用のサービスであると誤解したような記述(その上で考察評価したような文章)もあったりした。
これはDLCの販売形態の一種で、将来配信される(もしくは現時点で配信されている)DLCタイトルの一括予約や購入を行うサービス、製品の通称である。
消費者側には割引が適用されたお買い得価格で複数のDLCタイトルをまとめて購入できる利点、開発販売側には開発費を事前に回収できる、言うなれば消費者から開発中のコンテンツに投資がされるという利点があり、ダウンロード販売やDLCが広く定着した近年ならではの新しい販売形態のひとつである。この呼び方が使用されはじめたのは2011年頃からで同時期に様々なタイトルで導入されていった。
上記のように、既存のゲームに拡張性や新たな物語を追加していくことができるのがDLCの強みだが、時にストーリーが未完成の状態で発売されて、不足分を補完するストーリーが有料配信されるケース、またはDLCで追加できる衣装・スキンの種類が多すぎるケースなど、フルプライスであるにも関わらず、ゲーム単体では満足にプレイすることが出来ないなどの問題が発生することがある。 → バンナム商法
DLCとは多少異なるが発売日以降に追加要素があるゲームにおいては、"ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル"のような、ソーシャルゲームのように連続プレイに制限のあったり、"BABYLON'S FALL"のようなゲーム自体がオンライン専用でサービス終了と同時にプレイ不可能となるケースもある。
DLCは基本的にプラットフォームごとの配信サービスで提供される製品であるものの、一部ではパッケージ品も用意されている。店頭や通販サイトではシリアルキーやコードが印字されたカードを販売する形式が用いられている。
掲示板
1974 ななしのよっしん
2024/09/28(土) 06:51:00 ID: LHRkdoGfNE
ゲーム画面にDLCやアミーボとか表示されるのがノイズ
よくもまぁこんなゲームという非現実で特別な雰囲気をぶち壊す図々しい事ができるもんだ
1975 削除しました
削除しました ID: joGXec+d+x
削除しました
1976 ななしのよっしん
2024/12/14(土) 06:15:45 ID: HKL8IPNzrc
完全に偏見だけれど、CivとかHoIみたいなDLCが大量にあるゲームだと、次回作の本体オンリーでのコンテンツ量に対する期待値が今作本体+主要DLCレベルになってて、作品を追うごとに基となる本体の規模が肥大化してゆくように感じる
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最終更新:2024/12/26(木) 22:00
最終更新:2024/12/26(木) 22:00
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