64DDとは、1999(平成11)年2月1日に任天堂から発売されていたオンライン端末である。これ単体では起動することはできず、当時の任天堂の主力ゲームマシン「NINTENDO64」との接続を必要とするいわば周辺機器の一つ。
1996年、NINTENDO64が発表されるのと同時に周辺機器として本体の下に取り付けて使用する磁気ディスクドライブ「64DD」の発売が公開される。NINTENDO64だけではなしえない「インターネット接続」「ムービー演出」「CD品質サウンド」「高度な3D演算による3次元ゲーム」を可能にし、また専用ディスクのデータを書き換えることによりゲームの内容(ディスクシステムはソフト自体の書き換えだが、64DDはキャラやコースデータの書き換え)を変化させる事が出来るという触れ込みだった。
当初のソフトラインナップではゼルダシリーズやMOTHERシリーズの新作も予定されており、またドラゴンクエストやファイナルファンタジー、女神転生などのタイトルも64DDの大容量ディスクでの発売もあるのではないか、という任天堂ハード持ちのRPGファンからも期待されていた。
しかし、64DDは発売の目処が立たず(NINTENDO64本体の販売数の不調からくる普及率の低さも遠因とされている)何度も発売延期を重ねる。結局、当初1996年発売予定だった64DDは1999年の6月にやっと発売されたものの既にその頃、コードネームDolphinという任天堂の次期ハード(後のゲームキューブ)の基本仕様を発表している段階だったため、64DD発売への関心は非常に薄くなってしまうことになる。
兎にも角にも1999年になんとか発売される事になった64DDだったが、グラフィックやゲームソフト面での優位性では既に時代遅れ感があったため、売りの一つであった「インターネット接続」を全面に押し出す戦略を打ち出す。そこで任天堂とリクルートは共同出資した株式会社ランドネットディディを通じて「ランドネット」というネットワークサービスを開始。当時、まだまだ普及してなかった「ゲーム機を通じたインターネットサービス」に活路を見出すことになる。
しかし、その肝心の64DDの入手方法が「ランドネット入会必須」「そのランドネットからしか購入やレンタルが出来ず、店頭販売は無し」「クレジットカード以外の支払い方法の場合、入手は2000年の春頃」など入手するまでのハードルが異常なまでに高くなってしまい、発売後も「ゲームタイトルの少なさ」「アクセスポイントが全国10ヶ所」「付属モデムが28.8kbpsと貧弱(当時はすでに56kbpsモデムが主流)」といった弱点が露呈してしまい加入者数は一向に増加せず、2001年2月28日にサービスの全面終了を発表。わずか1年余りでランドネットの役割は終わってしまうことになると同時に64DD自体の存在意義もほぼ無くなり、テレビゲームの表舞台からあっさりと姿を消す事になった。
64DDは当初の構想とはまったく異なった方向に進んでしまったいわば「失敗作」という評価に現在は落ち着いているが、一方では数少ないソフトの中から「巨人のドシン1」「マリオアーティストシリーズ」などの個性的で良質なゲームや64DD独自の機械設定のアイデアから生まれた、のちのビッグタイトル(「どうぶつの森」や「メイドインワリオ」)もあり、また現在WiiやWii Uで展開されているバーチャルコンソールも当初は64DDで実現させようという動きもこの時代から任天堂内で画策されていたりなど、64DDはゲームキューブの世代を経てその血を今も遺しているという意見も根強い。
以上。
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掲示板
61 ななしのよっしん
2023/10/04(水) 08:15:06 ID: eDiNsTjgLh
関連商品の本体めっちゃ高額で草生えた。てかいまさら買ったところで何できんのよこれ
62 ななしのよっしん
2023/11/24(金) 10:18:07 ID: FuzqNYqMOi
間違いが多い。
発売は1999年12月、同月店頭販売も実施。口座決済でも"入手"は12月。郵送配布だったので明確な発売日というのはない。
この記事は64DDというゲーム機と、64DDを使ったランドネットというネット接続、ネットサービスの区別がついてない。
「入手は2000年の春頃」という記述は、ネットサービスの開始時期が三ヶ月遅れるという発表の話と混同した間違い。
しかも、実際にはそのネットサービスそのものが99年12/1から00年2月末に延期したので、結局支払い方法による違いは発生しなかった。結果オーライ。
そのネットサービスの終了”発表”は2000年11月22日。2001年2月28日は実際に終了した日。
というわけでこの記事は64DD本体の概要と、それに付随したランドネットサービスを明確に区別するべきである。
初版のゲハ臭い記事の方が64DDとランドネットを区別し、細かい言及をしていない分、逆に間違いも無かったのはまぁ皮肉。
63 ななしのよっしん
2024/04/14(日) 10:30:12 ID: 1JZOGPutiT
早いうちに発売できていたとしてもカセットの容量も同時に増えていっただろうし、マリパみたいなソフトだと「ミニゲーム追加するんだったらいっそ新作として開発した方がよくね?」という話になってそうなのがなんとも
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最終更新:2024/12/27(金) 12:00
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