タイノエ(鯛の餌)とは、タイの口の中に棲んでいる寄生生物である。釣ったタイの口の中を覗きこむと目が合っちゃう生物として有名。
概要
節足動物門甲殻亜門軟甲綱ワラジムシ目(等脚目)ウオノエ科に属しているダンゴムシやフナムシに近い生物である。ウオノエ科に属するのが同じように魚の口の中に棲んでいる生物であり、他にはウオノエやシマアジノエ等がいる。
タイノエは性転換を行なう生物で、最初はオス・メスは決まってなくて先に口に入ったほうがメスになる。ということは2匹目はオスでいいとして、3匹目以降に入ったヤツはどうなるのだろうか。タイノエが見つかる時は雌雄のペアであることがほとんどなので、3匹目以降は自発的に出ていったり、先客ペアに追い出されたりしているのかもしれない。とかおもっていたが、掲示板に寄せられた情報によると3匹以上がいっしょに張り付いていることもあるようだ。
大きさは成体でメスが4~5cm、オスが2cmくらいとかなり大きい。タイの口の中では14本の足で張りついて生きる。
張りつくポジションは決まっていて、上顎の広い部分を大きな体になるメスが、その脇や下顎のほうにオスが張りつく。頭は常に口側を向いている。卵胎生で、メスは腹部に大きな育嚢を抱えていて子はその中で卵から幼体になってから生み落とされる。
名前のタイノエは漢字で書くと「鯛の餌」で、釣ったタイの口の中で見つかるためにそのような名を付けられたようだが、実際に餌になっているのは寄生され血を吸われているタイ側である。
日本ではあまり研究はされていないが、古くからお馴染みの生物である。
江戸時代後期に出版された「養浩館魚鳥図」「水族四帖」「水族写真」といった本ではタイの骨格図の他に『鯛の九つ道具』というタイの各骨を道具に見立てた紹介があるが、タイノエはその道具の1つの『鯛之福玉』であり、大変縁起のよい物という扱いである。
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