藤田菜七子とは、JRA(日本中央競馬会)に所属していた元騎手である。
概要
1997年8月9日生まれ、茨城県北相馬郡守谷町(現:守谷市)出身。
競馬とは関係のない家庭で生まれ、藤田が小学校6年生の時にテレビ中継で競馬を見て騎手を志す。
2013年に競馬学校第32期生として入学。同期生は、荻野極、菊沢一樹、木幡巧也、坂井瑠星、森裕太朗。
卒業後の2016年に騎手免許を取得。JRAでは2000年に騎手免許を取得した西原玲奈以来16年ぶりとなる女性騎手がデビューした。
美浦の根本康広厩舎に所属。兄弟弟子は丸山元気と野中悠太郎の2名で、根本厩舎は現代に於いては珍しい3人の騎手が所属している状態である。
2016年にデビュー。2013年に引退した牧原由貴子以降、JRA所属の女性騎手は不在であったが、藤田のデビューで3年ぶりにJRA所属の女性騎手が復活した。
JRAではなく地方競馬である川崎競馬場でデビューとなり、他の同期騎手より早い実践騎乗となった。初騎乗は川崎競馬第1競走で浦和所属のコンバットダイヤ、2番人気に支持されたものの8着に終わった。
JRAでは3月5日中山競馬第2競走にて所属厩舎のネイチャーポイントで初騎乗。3番人気に推され、勝ち馬に3/4馬身差となる2着となり、女性騎手の初騎乗では最高の成績を収めた。
3月20日のスプリングステークスでモウカッテルに騎乗し、重賞初騎乗。デビューから14日目で重賞競走初騎乗と重賞初騎乗記録を大幅に上回った。
3月24日、浦和競馬第3競走でアスキーコードに騎乗し、36戦目で初勝利。次のレースでも勝利し、JRA所属女性騎手初の1日2勝を挙げた。
4月10日、福島競馬第9競走でサニーデイズに騎乗し中央競馬初勝利。牧原が04年6月20日に勝利して以来、約12年ぶりの女性騎手による中央競馬での勝利であった。
8月19日にイギリスサンダウンパーク競馬場で実施された「レディースワールドチャンピオンシップ」第13戦に出場。JRA所属の女性騎手としては99年の細江純子以来の参戦であったが、レース前に落馬し放馬、競走除外となってしまった。救済措置としてアラブ首長国連邦アブダビ競馬場で行われた「レディースワールドチャンピオンシップ」第15戦にも招待されたが15頭中7着であった。
この年の中央競馬での成績は6勝であったが、中央競馬を盛り上げたとして、師匠の根本康広氏と共にJRA特別表彰の対象となり、有馬記念フェスティバルの席上において実施された記念品贈呈式に出席した。
2017年1月21日、マカオで開催される「マカオ国際男女混合ジョッキーズチャレンジ」に、JRA代表として武豊とともに招待され参加。対象4レースに騎乗し6チーム中5位となった。また、同日に行われたマカオスプリントトロフィー(マカオG3、芝1,200m)で海外重賞初騎乗を果たしたが9頭中9着に終わった。
10月21日、新潟競馬第11競走の飛翼特別でベルモントラハイナに騎乗して勝利し、JRA年間12勝目。97年に牧原由貴子が記録した11勝を抜き、JRA女性騎手の年間最多勝利記録を更新した。同時に、JRA女性騎手として初のメイン競走勝利も成し遂げた。
この年は14勝を挙げ、2017年中央競馬騎手年間ホープ賞を受賞した。
2018年1月8日、中山競馬第7競走でビックリシタナモーに騎乗して2018年シーズン初勝利。
6月17日、東京競馬第7競走でベルクカッツェに騎乗して勝利。この勝利によりGIレース騎乗条件を満たした。
8月19日、新潟競馬第3競走、第7競走でそれぞれ勝利。自身初となるJRAでの1日複数勝利を挙げると、25日、新潟競馬第12競走でセイウンリリシイに騎乗し勝利を収め通算勝利数を35とし、JRA女性騎手最多勝記録を更新した。
この年は年間27勝を挙げた。
2019年1月27日、中京競馬第4レースでコパノピエールに騎乗して2019年シーズンJRA初勝利。
2月17日、東京競馬第11競争フェブラリーステークスでコパノキッキングに騎乗、JRA所属女性騎手では初めてGIに騎乗となった。距離不安を叫ばれる中、掲示板に残る5着と健闘した。
3月24日、中京競馬第11レース高松宮記念でスノードラゴンに騎乗するも17着に終わった。スノードラゴンはこれがラストランとなった。
6月30日、スウェーデンのブローパーク競馬場で開催される「ウィメンジョッキーズワールドカップ」に招待され、他地区の10名の女性騎手たちと、計5レースを戦い、自身の海外競馬初勝利を含む2勝を挙げ見事に優勝を果たした。
8月10日、イギリスのアスコット競馬場で開催されたシャーガーカップに女性選抜の一員として出場するも個人10位タイに終わった。
9月14日には中山競馬で28勝目を挙げ、自身の持つ女性騎手年間最多勝記録を更新した。
10月2日地方競馬の大井競馬場でコパノキッキングで東京盃(JpnII)を勝利し、重賞初勝利となった。女性では西原玲奈以来2人目の重賞勝利達成(ただし西原が勝ったのは荒尾競馬の霧島賞)、ダートグレード競走では史上初の快挙であった。
そのままコパノキッキングで交流GIであるJBCスプリントに挑んだが惜しくも2着。1着は東京盃で2着だったブルドッグボスだった。
12月8日、JRAの中山メインレースカペラステークス(GIII)にてコパノキッキングで勝利。これにより初のJRA所属女性騎手でJRA重賞勝利も果たした(女性初のJRA重賞勝利は中山大障害を勝ったロシェル・ロケット)。
2020年1月11日、中山競馬で今年初勝利。通算101勝目を挙げたことで見習い騎手卒業となった。
その後サウジアラビアでの招待騎手として遠征が予定されるも2020年2月15日の小倉競馬にて落馬による左鎖骨を骨折。遠征は白紙となった。
2020年3月20日中山競馬で1Rで復帰するも初勝利は4月11日の福島競馬まで待つことになる。
2020年4月25日、福島競馬1Rを勝利。これにより女性騎手で初のJRA通算100勝を達成した。
2021年4月17日、新潟第7Rで2着も同じ女性騎手の古川奈穂、永島まなみらによるJRA史上初の女性騎手によるワンツースリーを達成。
2024年7月10日、JRA職員の男性との結婚を発表。登録名は引き続き藤田姓を使用している。
2024年10月9日、文春砲により去年4月ごろまで調整ルームでのスマートフォン使用が発覚。同日騎乗停止処分を受けた。実は昨年若手騎手複数によるスマホ使用発覚の時本人から使用の申し出があり、JRAからは厳重注意の処分が下されていたが公表はされなかった。しかしその後文春オンラインの報道で改めて聞き取りをしたところ、虚偽の報告が認められたため、過去の使用にさかのぼっての処分が下された形となったとしている。
翌日10月10日、本人から騎手免許取り消し申請が成され、受理され騎手引退となった。通算成績はJRA166勝(重賞1勝)、地方24勝。
その他
- 小・中学校では空手と剣道を習い、どちらも有段者である。
- 尊敬する騎手にニュージーランドの女性騎手、リサ・オールプレスを挙げている。
- 競馬のバラエティ番組で福永祐一から「お世辞抜きで美浦の若手で一番上手い」と評価される。
- 2016年3月、ホリプロとマネジメント契約を締結、4月1日付で同社所属となる(7月には福永祐一・川田将雅も合流)。
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