本とは、情報を伝達するために文字や絵などを、紙などに印刷または書き記して、一方を綴じてまとめたもののことである。
概要
情報を紙などにまとめたものは、本のほか、書物、書籍、図書、冊子などとも呼ばれるが、意味合いが微妙に異なる。本といった場合には、新聞や雑誌などの定期刊行物は含まず、パンフレットやカレンダーなどの小冊子も含めない。
また本といった場合には、文学作品を指すことが多い。辞書、楽譜、写真集、漫画などは、あまり本には含めない。
本の構造
本を構成する一枚一枚のシートをページという。一番外側のシートは表紙と呼ばれ、保護のため厚手で頑健な素材が使われることが多い。表紙の外側を包むシートをカバーという。
歴史
人類は、文明の発達とともに文字などを用いて情報を伝達するようになった。文をまとまって記したものが本の始まりである。紙が発明される以前は、粘土やなめし革、竹簡、絹布などが用いられた。古代の本としては、メソポタミア文明の粘土板文書やエジプト文明のパピルスによる本が有名である。
印刷が発明される以前、本は筆写されて作られていたため、非常に高価なものであり、本を所有するのは限られた層であった。
その後、中国で7世紀頃に木版印刷が発明され、さらに11世紀に活版印刷が発明される。同じく中国で発明された紙を印刷媒体とし、本を大量に素早く生産することが可能になった。これにより本は広く流通するようになり、西洋においては宗教革命に影響を与えた。
2000年代には、情報通信技術の発展により電子媒体の「本」が流通するようになった。
本のその他の意味
- 細長いものを数えるときの助数詞
- 柔道や剣道などの技の決まった数を数える助数詞。また格闘技などで勝負の決まった数を数える助数詞
- 連載の数を数えるときの助数詞
- 映画の作品数を数えるときの助数詞
- 今の、この、という意味の接頭辞。例:本記事では本について説明する
漢字として
- 意味
- 草木の根、茎、書物、本物、本来、始まり、根源、根拠とする、自分の、模範、主な、もともと、もとより、という意味がある。また(糞と通じて)くそ、という意味がある。
- 〔説文解字・巻六〕に「木下を本と曰ふ」とある。一方、末は「木上を末と曰ふ」とあって対応関係にある。
- 字形
- 指事。木の下部に太丸を加えて根を表す。〔説文〕に「木に從ひ、一其の下に在り」とある。
- 音訓
- 音読みはホン(漢音、呉音)、訓読みは、もと。名のりに、なり・はじめ、がある。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校1年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 声符
- 本を声符とする漢字には、笨、体(ボン、體の新字体とは別の字)などがある。
- 語彙
- 本意・本懐・本願・本気・本拠・本業・本源・本誌・本質・本性・本色・本職・本心・本籍・本然・本草・本尊・本体・本地・本当・本文・本分・本編・本末・本命・本望・本来・本流・本領
異体字
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関連項目
子記事
兄弟記事
- なし
- 6
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