建機 陥落危機 メーカー&商社“背水の陣”#4Photo by Shuhei Inomata

住友商事は2024年、ベルギー企業と提携し、アフリカの十数カ国で建機ビジネスを展開し始めた。他商社の建機部隊が食い込んでいない「最後のフロンティア」で、建機の代理店として「もうかる建機ビジネス」を構築しようとしている。特集『建機 陥落危機 メーカー&商社“背水の陣”』#4では、総合商社の中でも、長い歴史を持つ住商の建機部隊が、アフリカの大地で勝者となれるのかどうかを見極める。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)

全社利益の3割を稼ぐ主力ビジネス
住商の建機がアフリカに投資する理由

 住友商事の建機ビジネスは1969年に始まった。直近では2023年度決算の輸送機・建機部門で1480億円の利益を上げ、全社利益の3割強を占めた。同部門の中でも、建機は重要な稼ぎ頭といえる。別の五大商社で建機ビジネスに関わる社員も「商社の建機ビジネスにおいて住商の存在感は大きい」と認めている。

 住商の建機ビジネスは現在、40カ国29社にまたがる。連結従業員数は約1万人。北米市場の堅調さが利益をけん引してきたが、最近になって注力し始めたのがアフリカでの代理店ビジネスだ。展開する40カ国のうち、実に半数近くの17カ国がアフリカなのだ。

 住商幹部も「うちの直近の建機ビジネスを語る上でアフリカは不可欠になった」と強調する。

 住商が、ここにきてアフリカにおける建機の代理店ビジネスに傾注し始めた理由とは何か。