現在、世界が直面している最大の問題のひとつが気候変動であることに、疑いの余地はない。日本を含む世界各国で異常な猛暑が続き、洪水や山火事といった自然災害は激甚化・頻発化している。2021年度国土交通白書によると、2019年の日本における水害被害額は約2 兆1,800 億円となっている。これは津波被害を除けば、水害被害額として統計開始以来最大の数字だ。(※1) また、専門家の間では、気候変動は「脅威増幅要因」= “Threat Multiplier” だと言われている。すでに存在する他の脅威をより増幅させる、という意味だ。たとえば自然災害では、女性は男性と比較してより大きな被害を受けることが分かっ…