エアドロップの落とし穴
イーサリアム上の主要NFTコレクションであるPudgy Penguinsがソラナ(SOL)上で発行した独自のミームコイン「PENGU」は、ローンチ直後に時価総額で約35億ドルを超え、わずか数時間で約10億以上の取引高を記録した。このようなエアドロップやトークンジェネレーションイベントは多くの利用者に「フリーマネー」をもたらす一方、必ずしも全員が得をするわけではないようだ。
実際、あるトレーダーはローンチ直前に約1万ドル分のwrapped solanaをPENGUへ交換しようとしたところ、実質的に5ドル未満のトークンしか入手できなかったというに見舞われた。正式開始前に流動性の薄いプールでの取引を行い、不正確な価格設定(2200兆円の時価総額)の犠牲になったとみられる。
このような状況は、トークンが正式ローンチ前にコントラクトアドレスを割り出し、いち早く流動性プールを構築した者がいたことが一因となっている。「スナイパー」と呼ばれる自動化ボットや、公式開始前に資金を注ぎ込むトレーダーが混在する中、低い流動性は極端な価格変動を招き、わずかな注文でも価格を天井まで押し上げる可能性がある。
PENGUトークン自体は11月末にはすでに存在しており、正式ローンチ前に一部ウォレットに行き渡ったことで「偽の初動市場」が生まれた可能性もある。公式案内も「本物が始まるまで待つように」と警告していたが、一部トレーダーはその警告を無視して被害を被る結果となった。
エアドロップ開始
数週間にわたる期待の末、Pudgy Penguins NFTのミームコイン「PENGU」は17日よる、ソラナ上で正式リリースされ、エアドロップが開始した。7百万を超えるアドレスが対象となり、過去例を見ない大規模な「無料配布」が行われたことで注目を集めている。
エアドロップはPudgy Penguins関連NFT保有者だけでなく、ソラナやイーサリアム上の古参(OG)ユーザー、特定のNFTコレクション保持者、Jupiterステーキング参加者、そしてSolana Sagaスマホオーナーなど多岐にわたるユーザー層を対象としている。
一方、Pudgy Penguinsコレクションのフロア価格はエアドロップ開始を機に急落した。先週はエアドロップ対象となるための需要が急増し、価格が一時的にビットコイン1BTC相当を上回る水準まで高騰していた。しかし現時点では前日比およそ47%下落し、17.2ETH(約1,040万円)で取引されている。
関連:仮想通貨を種類別に解説|アルトコイン、ミームコインまでわかりやすく
関連:なぜミームコインはここまで人気化しているのか? バイナンスが分析