暗号資産スイ(SUI)とは
ブロックチェーンでは、ユーザー増加に伴う手数料の上昇やネットワーク処理の待機時間など、スケーラビリティの問題が顕在化しています。この課題に対し、改善案や新たなブロックチェーンの展開が進められています。
従来のブロックチェーン、特にイーサリアムでは、サイドチェーンやレイヤー2ネットワークを利用したオフチェーン処理が主流となり、問題の一部は解消されてきました。しかし、新世代のブロックチェーンは、初期段階から高い処理性能を備え、エンタープライズレベルの取引処理や大規模なアプリケーション開発が可能とされています。
その中でも、スイ(Sui)ブロックチェーンは、元Meta(旧Facebook)のメンバーによって開発され、高速かつ大量のトランザクション処理が可能なレイヤー1ブロックチェーンとして、注目されています。
2024年12月には、ソラナ基盤の主要ウォレットであるPhantom(ファントム)がSUIブロックチェーンに対応する計画を発表。材料視されました。
関連:ソラナ主要ウォレットのPhantom、SUIを取り扱い開始
本記事では、スイ(Sui)の基本情報、元Metaが関与する背景、並列処理を始めとする特徴的な技術、DeFiやTVL(総資産価値)の状況、そして暗号資産(仮想通貨)SUIの購入方法について詳しく解説します。
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スイ(SUI)の基本情報
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仮想通貨SUIの購入方法
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スイ(Sui)ブロックチェーンの概要
スイ(Sui)は、元Metaのメンバーが設立したMysten Labsが開発する、高処理能力のレイヤー1ブロックチェーンです。
Web3の利点だけでなく、Web2のような使いやすさを提供することを使命とし、高速な処理能力と低い手数料、高い安全性、需要が増加してもコストや手数料が抑えられる設計として強調されています。
スイ(Sui)ブロックチェーンのコンセンサス(合意形成)アルゴリズムには、DPoS(Delegated Proof of Stake)を採用しています。DPoSはイーサリアムなどに代表されるPoSをベースにしながら、一般的にPoSよりも高速な取引が可能なメカニズムです。
PoSでは、トークン保有量の多いほどトランザクションの承認者になる確率が上がりますが、比較的承認に時間を要します。これは、ネットワーク全体での合意形成やブロック生成に時間がかかるためです。
一方、DPoSでは、トークン保有者は直接的にブロックの承認者を選ぶ代わりに、自分の投票権を代理人(Delegate・デリゲート)に委任します。この委任制度により、ブロックの承認者が効率的に選ばれ、迅速なトランザクション承認が可能になります。具体的には、各ブロック生成者が事前に決められ、その小さなグループの中での承認が行われるため、処理速度が向上します。
また、スイ(Sui)はトランザクションを並列処理するため、DPoSを採用している他のレイヤー1ブロックチェーンと比較しても、通常、より多くの取引が承認され、高速な取引承認速度が実現されています。
仮想通貨SUIの基本情報※24年10月時点
- SUIの発行上限数:10,000,000,000 SUI(100億SUI)
- Suiのメインネット起動日:2023年5月3日
- コンセンサスアルゴリズム:DPoS(Delegated Proof of Stake)。
- Discordチャネル登録者数:63.2万
- 公式Twitterフォロワー数:73.3万:過去3か月間+4万
- Suiの公式サイト:https://sui.io/
- Mysten Labsサイト:https://mystenlabs.com/
- ホワイトペーパー:https://github.com/MystenLabs
- ドキュメント:https://docs.sui.io/
Suiの開発元は元Facebook・Metaのメンバー
Sui開発元のMysten Labsは、米国のMeta社(旧Facebook)が行っていたステーブルコインプロジェクトの中心メンバーをもとに構成されています。同プロジェクトは、初期はLibra、後期はDiemと呼ばれていたものです。
Libra・Diemの構築にあたり、Facebook社は独自のプログラミング言語「Move」を開発しました。Moveは「Rust」というSolanaで採用されているプログラミング言語をベースに開発されています。
Meta社のステーブルコインプロジェクト(旧Libra)は終了しましたが、その技術を基にしたDiem系のレイヤー1ブロックチェーンが開発されています。Suiもその一つで、他にはAptos(APT)やLineraが存在します。
関連:Aptos、Sui、Linera—注目のDiem(旧Libra)系L1チェーンを比較
Moveとは
Moveは資産をリソースとして扱い、その管理や操作が厳格に定義されています。資産は一度に一つの所有者しか持つことができないため、二重支払いなどの問題を防止します。また、コードをモジュールとして構築できるため、再利用性と保守性が向上します。
AptosはMetaで開発されたMoveをそのまま使用していますが、SuiではMoveの改良版であるSui Moveを使用しています。
Sui Moveは資産やデータをオブジェクトとして扱い、一意のIDを割り当てます。このIDに基づいて各オブジェクトは独立して操作できるため、複数のトランザクションを同時に処理しても互いに干渉することなく効率的に処理できます。この並列処理能力により、Sui Moveはスケーラビリティの向上とトランザクションの高速化を実現しています。
さらに、Sui Moveでは、資産の所有と転送がネイティブにサポートされています。トランザクションに含まれるオブジェクトIDを自動的に解決し、所有権のチェックや型の検証を行うため、開発者はより安全で簡潔なコードを書くことができます。
これらの特徴により、Sui Moveは他のブロックチェーンプラットフォームと比較しても、優れた柔軟性と効率性を提供します。
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Suiの特徴:並列処理とDAG(有向非巡回グラフ)
SuiはWeb2のような使いやすさとWeb3の利点を持ちあわせることを掲げているため、高い処理能力や低い決済手数料を実現しています。公式HPによると、2024年6月時点では、1秒間あたりの取引処理能力の指標となるTPS(Transacrions Per Second)の理論値は297,000です。
Suiが高い処理能力を持つ理由の一つに、メモリープール(Mempool)にDAG(有向非巡回グラフ)構造を採用している点があります。
従来のブロックチェーンは1:1の直線的な構造ですが、DAG構造では1:Nの関係で複数のブロックが接続されます。これにより、複数のトランザクションを並列で記録でき、処理能力が向上します。
Suiのトランザクション実行とコンセンサス形成メカニズムは、「Narwhal」と「Bullshark」の2つのプロセスに分かれています。Narwhalはメモリープールのトランザクションを実行して情報を拡散し、Bullsharkはその情報をバリデータが検証・承認します。両方ともDAG構造を採用することで、Suiは高速なトランザクション処理とファイナリティ形成を実現しています。
Suiの将来性:企業提携と今後のビジョン
Suiは、国内外の有名企業と多くのパートナーシップを結んでいます。代表的な例として、gumiによる投資、グリー株式会社によるSuiでのゲーム開発およびバリデーション参画、ORACLE Red Bull RACINGとのスポンサー契約、そしてAlibaba Cloudとの企業向けWeb3プロダクトの連携などがあります。
グリーとのパートナーシップに代表されるように、Suiはゲーム分野での展開を強化しており、開発者向けのプロダクトを提供しています。Suiブロックチェーンは、スケーラビリティとトランザクション処理の迅速さ、低コストかつ予測可能な取引コスト、そして使いやすさを兼ね備えており、Web3を活用したゲーム開発に必要な要件を満たすとしています。
なお、OKJでは、グリーがレイヤー1ブロックチェーン「Sui」上でブロックチェーンゲーム「クリプトキャッチ!釣り★スタ」をリリースしたことを記念して、OKJで取り扱う暗号資産『スイ(SUI)』が当たるコラボレーションキャンペーンを開催し、好評を博しました。
また、ORACLE Red Bull RACINGとのパートナーシップでは、ブランドとデジタル資産の統合を通じて、顧客にダイナミックな体験を提供することを目指しています。これにより、NFTやデジタルサービス分野での価値創出も期待されています。
さらに、Alibaba Cloudなどのグローバル企業との連携により、Suiの利用ケースが今後増加することが期待されています。
日本企業との関係構築としては、ブロックチェーン「Sui(スイ)」を開発するMysten Labsは2022年10月、電通グループのべンチャーキャピタルファンドである「電通ベンチャーズ2号ファンド」を通じて出資を受けています。電通グループがプレスリリースで報じました。
電通ベンチャーズと同時に、米大手ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz(a16z)のweb3特化ファンドや米最大手暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するコインベースといった世界的なWeb3企業の投資部門など複数の投資家が出資しており、今回シリーズBラウンドでの調達額は3億ドル(約430億円)。企業評価額は20億ドル(約2,870億円)を超えました。
その後、電通グループと共同で分散型ID(DID)を活用したクリエイターエコノミーの形成を目指しています。
関連:電通、Suiブロックチェーン上で新プロジェクト開始 クリエイターエコノミー形成へ
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SuiのTVLとDeFiについて
Suiは、2023年5月3日のメインネットローンチ以来、DeFi TVL(Total Value Locked)や平均DEX取引量が増加傾向にあります。
TVLとは、ブロックチェーン上で稼働するDeFiにどの程度の金額がロックされているかを表す指標です。SuiのTVLは2024年10月時点で9.81億ドル(約1,400億円)、過去3か月で46%拡大しています。
代表的なSui上のDeFiには、DEXではCETUS(セタス)やDeepBook(ディープブック)、FlowX.finance、レンディングプロトコルではNAVI Protocol(NAVIプロトコル)やScallopなどがあります。
Sui上のDeFiプロダクト数は40個未満と少ないものの、これだけの資金が集まっている点から、さらなる拡大の余地が伺えます。Suiの高性能な設計と開発環境の高いユーザビリティが認知されることで、今後さらに多くのアプリケーションが増加し、Suiがより注目される可能性があります。
仮想通貨SUIの購入方法・買い方の解説
日本国内の暗号資産取引所では、OKJがSUIを取り扱っています。SUIを購入したい場合は、OKJで口座開設を行いましょう。
OKJではスイ(SUI)の現物取引(販売所・取引所)と積立投資、ステーキングサービス等を提供しています。
OKJは日本国内の暗号資産取引所で、日本語・日本円でSUIや他の暗号資産を取引することができます。口座開設には、携帯電話番号の認証と身分証明書が必要になるため、準備してから口座開設を行うとスムーズです。
OKJの概要
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