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「この漫画の最終回がとんでもない」吉田豪のTOP3

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やたらめったら印象に残っている漫画の最終回。誰しもの記憶にそんな最終回があるはずです。 著名人の方々にランキング形式で紹介してもらいました。今回は吉田豪さんです。
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深く潜ってそのまま溺死したような作品

本宮ひろ志にとって最大の失敗作であり、だからこそ忘れられないのが『大ぼら一代』(73年)である。

ちょっとスケベで生意気な小学生が、実はとんでもない金持ちの息子でもあって、子供の喧嘩に猟銃や戦車を持ち込んだりするうちに、IQ300の天才とタッグを組み、“20年後に日本をうごかす人間をまだ少年のうちに集めた、大ぼら同盟”結成のために動きだすのが主なストーリー。しかし、主人公も含めてどんな汚いことをしてでも出世しようとするキャラクターばかりだから、何が正義で何が悪なのかよくわからなくなるし、こういう作品だと仲間意識のほうが重要なはずなのに、どこか根強い人間不信みたいなものばかり伝わってくるわけなのだ。

実はこの頃、本宮先生はメジャーデビュー作『男一匹ガキ大将』の連載を無理矢理続けさせられたことから『週刊少年ジャンプ』の専属契約を一方的に解除し、『週刊少年マガジン』に移籍しようとして、かなりのトラブルに発展していた。精神的にも追い込まれ、ここから20年自律神経失調症に苦しめられるんだが、その精神状態が作品にも反映されていたわけである。

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「ところで『大ぼら一代』もだんだんストーリーが複雑になって、いろいろけったいな人間が登場してきましたわな」(横山やすし)

巻末でやっさんもそう言っているぐらい、後半の展開は複雑というよりも、かなり行き当たりばったり。

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