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僕は発展途上技術者

「統一教会」や「原理」といえば、思い出す大学生のときの思い出

この話は妻には笑い話として、こども達にはこういうのには気をつけないといけないよという警告として何度か話したことはあるのだが、当時は「そんなのに騙されるの馬鹿だなあ」と言われそうなのが嫌だったみたいな感覚があって親にも友達にも相談することがなかった。

1991年3月、入学手続きのための書類を手に僕は井の頭線駒場東大前の駅を降りた。一通りの手続きを終えると、サークルや各種運動部の勧誘を受ける中、今でははっきり覚えていないのだけれど、確か二人組の男性の学生に声をかけられた。曰く「僕らのサークルは人生の目的を探求するサークルで一度話を聞いてみないか、うんぬん」といった内容で、いま思うとどうしてこんな話にひっかかってしまったのか本当にわからないのだけれど、なぜか好奇心からかその人達について行ってしまった。駒場東大前の駅前の商店街のなかの小さな雑居ビルの、たしか階段をあがっていった2階かなんかのやや広めの部屋に連れて行かれ、そこで20人くらいだか僕と同じ新入生の学生が集められていた。スーツを来た、学生なんだかそれよりやや年上の人が登場して、小一時間くらいなんだかありがたいようなそうでないような講釈を聞かされた。その講釈が終わったあと、サークルの新歓合宿があるからぜひ参加しないかと誘われるのだ。教養課程では、第2外国語でどの言語を取るかによって、40人くらいのクラスごとに分けられており、そのクラスの人たちの親睦を深めるためということで別に新歓合宿があることが決まっていて、その合宿の日程とかぶるから参加するのは無理だと僕は言うと、クラスの新歓合宿なんか参加してもあまり意味がない、ぜひそのサークルの合宿の方に参加すべきだとやや強く勧められたように思う。

原理研という統一教会系のサークルがあって、その勧誘をおこなう女子学生、いわゆる原理ギャルには気をつけるように、といった注意惹起を学内で聞くようになるのは、入学したあと4月になってから。同じクラスの学友からだったり、部活動の同期や先輩から聞くようになるのだが、3月のこの時点ではそうした情報はまだあまり耳にしていない段階だったのだ。クラスの新歓合宿に参加すれば、2年生の学生も何人か同行してくれていることもあって、そうした情報が入ることが予想されるので、それを阻止するためにサークルの方の合宿に参加させたかったのかな、と今では推察される。幸福の科学やらオウム真理教やら、当時はいろいろあって、各種団体がいろいろな形のサークルを隠れ蓑にしていたというから、そのサークルがいったいどこの組織に属するものだったかは今となってはわからない。ひょっとして本当に「人生の目的」を探求するためのサークルだったのかもしれない、いや、なさそうだけど。。 ともかく、僕は良くわからず合宿の前金だとかいう5000円を置いて帰り、しばらく一人自分で考えたあと、やっぱり怪しいけど、5000円取り戻しに行くのはリスクありそうだし、なんだか恥ずかしくて誰にも相談できず、そのサークルとはその後いっさい関わることはなかった。

限りなく怪しいが、断定はできない話ではあるのだけれど、「統一教会」というワードを聞くようになった最近、このときの思い出が鮮明に思い起こされる。

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