「MVNO論議の不思議」と題する3月8日付のブログで、私は日本に根強くある「通信事業者の本分はとにかく設備を作ること。他の事業者の設備を借りるなどは『抜け道』であり、もっての他」という論議の「不思議さ」にも触れました。その中でも申し上げましたが、欧州の通信事業者の間では「通信設備の貸し借り」は普通のことであり、特に将来のLTE(日本では3.9世代と呼ばれ、日本以外で第4世代と呼ばれている技術)については、「初めから事業者間で設備を相互乗り入れしよう」という合意が最近なされています。 これらのことは、勿論、「何とかして少しでも投資を少なくし、コストを下げたい」と考えている通信事業者同士が、商業原則に基づいて合意したことですが、 各国の政府やGSMAなどの業界団体は、こぞって賛意を表しています。その理由は簡単明瞭で、「各事業者のコストが少しでも下がることは、ユーザー価格を 下げる原資が得られる