■脆性遷移(ぜいせい・せんい)温度の上昇が問題 運転開始から36年がたった九州電力玄海原発1号機の原子炉圧力容器の劣化問題。劣化を判断する指標となる脆性遷移温度が予測値を大幅に超えたことを、研究者らは一様に問題視し、原因を究明するために九電の情報開示の必要性を指摘する。4人の研究者の見解を紹介し、脆性遷移温度について説明する。 関連記事「玄海原発1号機 想定以上に劣化進行か」(佐賀新聞) http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1968174.article.html 【脆性(ぜいせい)遷移温度とは?】 鋼鉄製の原子炉圧力容器は核燃料が分裂する際に放出される中性子を浴びて次第に劣化する。鋼鉄はそもそも高温では柔らかくて粘り強いが、低温だと硬く割れやすくなる。脆性遷移温度はその境目の温度で、劣化するほど上昇し、この温度を下回るともろくなる。 原発事故で圧力容器