ライプニッツ則と合成関数の微分の関係について、少し書いておきます。 一般の体 を考えます。この体が微分体であるとは、関数 があり、以下の2つの条件を満たすことを言います: (i) (加法的) すべての に対して が成り立つ。 (ii) (ライプニッツ則) すべての に対して が成り立つ。 さて、ライプニッツ則から商の微分などの公式を導くことができます。一方、微分体には「合成関数」の概念がないので、合成関数の微分は定義できません。しかし、多項式は定義できるので、多項式に代入するという見方をすることはできます。例えば、は多項式 に を代入したものとみなすことができます。そうすると、多項式の合成関数の微分公式は証明することができます。つまり、微分体に対して、 (iii) すべての と自然数 に対して、 が成り立ちます。一般の多項式の微分は(i)と(iii)で計算ができます。 逆に多項式の合成関数