アルコール好き、というか、アルコール中毒になった人は、最終的には純粋なアルコール(スピリタスなど)を求めるようになるという。ようするに酒の風味すらよけいなものに感じられるようになってしまうのだ。 とみさわ昭仁(当エキレビ!の執筆者のひとりでもある)の新刊『無限の本棚 手放す時代の蒐集論』(アスペクト)によれば、同様の傾向は、コレクターにもいえるらしい。そこで著者が引き合いに出すのは、かつて自分が考えたという「白いトレーディングカード」なるものだ(もちろんそんなものは現実には存在しない)。 このカードには表も裏も何も書かれておらず、ただ「通し番号」だけが記載されている。番号は1~1000番まであり、それがシャッフルされて日本全国に散らばっている。著者は、そんな「白いトレーディングカード」があれば、きっと自分は集めるだろうと書く。 これは、『無限の本棚』の核となるコレクション論のくだりで登場す