大阪市住之江区の阿部颯(はやて)ちゃん(当時3カ月)が変死した事件で、颯ちゃんの骨折を治療した市立住吉市民病院(住之江区)の複数の医師が虐待を疑いながら、児童相談所や警察に通報しなかったことが分かった。颯ちゃんは退院した直後、自宅で致命傷を負った。小児整形外科医が初めて取材に応じ「患者との信頼関係や親子関係を考え、通報をためらった」と語った。 医師らの証言によると、颯ちゃんの不自然なけがが発覚したのは、昨年11月4日の1カ月検診。母親が小児科医に腕の変調を訴え、16日に左腕骨折と分かった。診察した小児整形外科医は「父親の颯ちゃんの扱いが荒っぽく、育児中のけがと思った」と振り返る。 だが11月30日、母親が再び「颯の足が腫れている」と駆け込んできた。両すねの骨が折れていた。今度は虐待を疑った。小児整形外科医は小児科医、小児科部長と3人で話し合ったが、結論は「通報の前に、まず入院させて親から引