カンヌ受賞の是枝裕和監督が「戦時中の満洲が舞台の映画を撮りたい」と! 歴史修正主義を批判する是枝監督の“戦争映画”は実現するか? その点を指摘したのが、大岡昇平の名作『野火』を実写映画化した塚本晋也監督だ。『野火』は、塚本晋也自身が監督のみならず主演や脚本や撮影もこなし、資金集めまで行った自主製作・自主配給作品ながら、「キネマ旬報」(キネマ旬報社)が年間ベストテンの日本映画部門で2位に選出するなど高い評価を受けた。 この『野火』の作中では、教会で出くわした現地の人を日本兵が殺してしまったり、飢えに耐えかねての人肉食が描かれたりと、第二次大戦末期のフィリピン・レイテ島で当時の日本兵が犯した罪に関する描写もあるのだが、それゆえに映画の製作は難航した。15年8月17日にゲスト出演した『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)で、塚本監督はこのように語っていた。 「いつもの僕の自主映画の、