文=パット・ウォルターズ 写真=マルコ・グロブ バーリントン・アービングは2007年6月27日、世界一周単独飛行の最年少記録を打ち立てた。23歳のときだ。高校時代にアメリカンフットボールのスター選手だった彼は、航空学を学び始めて1年ほどで、単発機による4万4000キロの世界一周飛行を決断し、スポンサーを探した。無謀とも思える挑戦は、若い世代にメッセージを伝えるためだったという。能力の限界に挑んで、可能性を広げてみよう――。現在、彼はフロリダ州に設立した学校で、大空への夢を抱く子どもたちを応援している。 ――なぜ飛ぶんですか? 私が飛ばずにいられないのは、天と地の間に身を置くのが刺激的だからです。自分の生命が宙ぶらりんの状態になる。だからこそ、正確な操縦が求められます。あれほど興奮するのに、あれほど平静になれる感覚は、ほかでは味わえませんよ。 ――そのような複雑な感情を抱いた体験を具体的に教