先日、大人向けのブラックジャック(カジノの代表的なカードゲーム)の講習会に出て、なかなか面白い経験をした。当然ながらお金は賭けていないのだが、ブラックジャックのゲームをやっていると、当事者と見物人の多くが、カードの出方に関して何らかの因果関係を想定するようになるのだ。 たとえば、ディーラーが幸運な札を連続して引いて勝つと、「彼女はやっぱりうまい」「彼女には勝てない」と言う人が複数現れる。しかし、カードはあらかじめシャッフルされて透明な箱に納まっていて、これを順番に配るだけだから、ディーラーの連勝はあくまでも「まぐれ」によるものだ。しかし、現実に勝ち負けがあってチップをやりとりしていると、出てくる結果に対して何らかの説明を付けたくなるものであるらしく、往々にして、個人がうまいとか下手だとかいう話になる。 株式投資の場合、順番にカードを受け取るのではなく、山の中からカードを選んで引けるような状