バイオ燃料の生産、中国やインドなど新興国の食生活の変化など、穀物需要の増大が見込まれる。だが、穀物の単位面積当たり収量の伸びは鈍化し、農業適地も減りつつある。地球規模の食料問題。将来的に、食料需給が世界的に逼迫する可能性は否定できない。 日本の食料自給率は主要先進国の中で最低の水準にある。1960年に79%だった日本の食料自給率は39%に低下した(カロリーベース)。世界の穀物輸出量は総生産量の約15%に過ぎない。この数字は、穀物生産国が輸出に回すのは自国で余った分ということを表している。 自給率向上は避けては通れない課題 自国が食料不足に陥った時に穀物を輸出に回す国はない。世界規模で食料需給が逼迫した時に、日本が今まで通り、経済力を背景に食料を輸入し続けられるかどうか。しかも、そういった状況でも日本が外国から食料を輸入し続けることは、飢えた国々から食料を奪うことにもつながる。 食料問題は既