国際自然保護連合(IUCN)が、絶滅の恐れがある野生生物を評価したレッドリストで、ニホンウナギを絶滅危惧種に分類した。3ランクある絶滅危惧種の中で2番目に高い「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」である。 河川や湖沼などウナギの生息地となる環境が失われたことやダムや水力発電所、河口堰などの建設によって川と海を行き来するウナギの回遊が妨げられたことなどがウナギ減少の理由とされるが、なかでもウナギを絶滅近くにまで追い込んだ大きな理由としてIUCNが挙げているのが、乱獲つまりウナギの捕りすぎと食べ過ぎだ。 世界のウナギの70~80%を消費しているといわれる日本が、ウナギの保全にも最も大きな責任を持っていることを自覚し、ウナギ資源保全の取り組みを強化するきっかけにしなければいけない。 日本の親ウナギの漁獲量は1981年の1920トンから2011年の229トンに減り、稚魚のシラスウナギの漁
熟成肉がブームになっている。関係者が心配しているのは、あらぬ方向へいきかけていることである。「熟成肉」というのは定義がハッキリしていない。そこが盲点でもあるのだが、例えば肉を3日冷蔵庫に放置していても熟成と言ってしまえば熟成なのだ。 「熟成」と「発酵」はよく似た捉え方をされるのだが、「発酵」は外からの微生物の酵素で分解することです。かたや「熟成」は、一定の温度を保つ冷蔵庫で肉を『寝かせる』ことであり、肉が持っている酵素によってたんぱく質が分解され、アミノ酸へと変化する。生物学的でいうところの「自己消化」が熟成なのだ。 いまブームになっている熟成肉は、本来ならドライエージングであるはずなのだが、ここ最近のメディアが発信する情報を見ると、なんでもかんでも熟成肉として捉えられている。一部の方々がニューヨークをはじめとしたドライエージングの先進国から学んだ知識と技術は、まぎれもなくドライエージング
マネードクターのFPパートナー、「生保業界のビッグモーター」呼ばわりに法的措置を検討するも結局本当に金融庁が立ち入り検査に動く
本欄の9月30日の論説にたいして、Dさんから本紙編集部あてにコメントをいただいた。まずはじめに、コメントをいただいたことに感謝したい。それとともに、Dさんの日頃の反TPP活動に深く敬意を表したい。 コメントの主な内容は、「ベトナム米は、関税が撤廃された場合、現地価格1764円+輸送費=2200円で日本で販売されることはあり得ない」というものである。 本稿では、この論点について、筆者の考えを述べたい。Dさんに指摘されたように、前稿は舌足らずだったかもしれない。 「2200円で販売されることはあり得ない」というが、では何円で販売されるのか。Dさんの回答は、9676円近くの価格だ、という。 では、何故9676円か。それは、国産米の平均コスト1万6127円の4割減だという。この4割削減という政府の目標については、Dさんも疑問を呈しているので、この点は論点にしない。 問題は、なぜ2200円の米が96
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