東京百景 (ヨシモトブックス)を読んだ。 お笑いコンビ、ピースの又吉直樹が東京に出て来てからのことを東京の風景をキーワードに綴る。彼が無類の本好きということを本書で知った。 銀座の老舗バー『ルパン』 太宰が長椅子に座り足をあげて誰かと会話をしているような有名な写真がある。その撮影現場が銀座にある老舗のバー『ルパン』であると知ってから、ずっと行ってみたいと思っていた。(中略)壁に『ルパン』で撮影されたものと思われる大きな写真が三枚あった。 「太宰治、坂口安吾、織田作之助ですね」と僕が言うと、年配のマスターが「お客さん、大阪の人でしょう」と言った。 織田作之助という作家を初めて知った。青空文庫に作品があるので、又吉が大好きだと言う『競馬』と『青春の逆説』をさっそくダウンロードした。 風呂のないアパートで、いつ目が出るかわからない日々を送りながらお笑い芸人として自立を目指す著者の真摯な姿が好感を